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~進撃の白き翼~(R) :基本情報| |BGCOLOR(#FFD9B3):名前|~&ruby(しんげきのしろきつばさ){進撃の白き翼}~| |BGCOLOR(#FFD9B3):真名|ウルスラグナ| |BGCOLOR(#FFD9B3):種族|降魔| |BGCOLOR(#FFD9B3):ジョブ|ディフェンダー| |BGCOLOR(#FFD9B3):初期カルマ|1| |BGCOLOR(#FFD9B3):カルマ取得速度|NORMAL| |BGCOLOR(#FFD9B3):<タイプ>|聖戦機| |BGCOLOR(#FFD9B3):タイプ|機甲| |BGCOLOR(#FFD9B3):HP|600| |BGCOLOR(#FFD9B3):ATK|180| |BGCOLOR(#FFD9B3):DEF|230| |BGCOLOR(#FFD9B3):ハイアーツ|有| &br() |>|BGCOLOR(#FFD9B3):カルマアビリティ| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ1個|ヘビーボディA| |~|攻撃力が上がる。&br()また、全ての移動速度変化の効果を受けなくなる。| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ2個|ヘビースマッシュA| |~|自身の攻撃力が上がる。&br()さらにスマッシュアタックを当てた敵ユニットの移動速度を一定時間一定にする。| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ3個|白翼衝撃波| |~|自身が攻撃した敵ユニットのバトルスタイルを一定時間ファイタースタイルに固定し、攻撃ウェイトを一定時間止める。| |>|BGCOLOR(#FFD9B3):| |BGCOLOR(#FFD9B3):ハイアーツ|白き勝利の翼| |~|範囲内にいるターゲット中の敵ユニット1体と、その周囲の敵ユニット全てにダメージを与える。&br()さらに、一定時間移動をできなくする。| |BGCOLOR(#FFD9B3):効果時間|?秒| :ステータス| -魔神状態中 |BGCOLOR(#FFD9B3):カルマ所持数|BGCOLOR(#FFD9B3):融合体数|BGCOLOR(#FFD9B3):HP|BGCOLOR(#FFD9B3):ATK/DEF| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ1個|0体|600|???/???| |~|7体|900|???/???| -魔神状態解除後 |BGCOLOR(#FFD9B3):カルマ所持数|BGCOLOR(#FFD9B3):HP|BGCOLOR(#FFD9B3):ATK/DEF| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ1個|600|190/230| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ2個|600|210/230| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ3個|600|210/230| :DATA・フレーバーテキスト| #region(close,Ver3.5) |>|BGCOLOR(#FFD9B3):Ver3.5| |BGCOLOR(#FFD9B3):全長|数百メートル以上| |BGCOLOR(#FFD9B3):重量|計測不能| |BGCOLOR(#FFD9B3):出身地|異界の火星| |BGCOLOR(#FFD9B3):司るもの|勝利| |BGCOLOR(#FFD9B3):バトルモード|10タイプ| |BGCOLOR(#FFD9B3):真名|ウルスラグナ| |BGCOLOR(#FFD9B3):イラストレーター|danciao| |BGCOLOR(#FFD9B3):フレーバーテキスト| |少女と仲間たちは、目を疑った。&br()&br()背から赤い雫を散らしながらドウッと倒れ込む女戦士、その後ろで冷たい微笑を湛え剣を握る――暗黒の騎士。&br()&br()「フォル…!」&br()「貴様ぁ…何をやっておるかあああああ!!」&br()&br()北方軍神が魔獣の体を足場にして、一足飛びに暗黒騎士に迫る。暗黒騎士はその槍を、涼やかな微笑みを湛えたまま、わずか半歩下がるだけでかわして見せる。&br()&br()「でええええい!!」&br()&br()軍神は空かされた槍を振り向きざまに横に薙いで追撃を放つが、暗黒騎士はそれをこともなげに流麗な剣さばきでいなすと、瞬時に飛び退り、片手をひらひらとさせて笑った。&br()&br()「おぉ~ 怖いなぁ」&br()「フォル! どういうつもりだ!!」&br()&br()征服王の問いに、眉根を寄せて首をかしげる暗黒騎士。&br()&br()「…フォル? あぁ~そうか…うん、なるほどなるほど… とにかく、助かったよ。危ないところだったけどね、概ね作戦通りだ」&br()「作戦…?」&br()「そう、作戦さ――しかし、これまたずいぶんと群れたもんだねぇ」&br()&br()額に手をかざし、周囲にいる少女の仲間たちを見回す暗黒騎士。その体に、不意に暗い影が堕ちる。&br()&br()「チ・ガ・ウ」&br()&br()暗黒騎士が振り返るや否や、いつの間にか背後に立っていた巨人が、思い切り巨大な両の手甲を合わせた鉄槌を落とす。しかし騎士は、またもやそれをひらりとかわす。&br()&br()「あぶないな~、アマゾネスってのはどうしてこう乱暴な奴らばかり集めたがるのかね」&br()&br()その時地の王が、何かを探らんとしているのだろうか、暗黒騎士の方に両の掌を向けながら言った。&br()&br()「…皆の者、カークスの言う通りだ。そやつ、フォルではないぞ…!」&br()「何? 違うのか!?」&br()「外見はフォルだが、“中身”が違う…いつのまにやら、魔力の相が全く違うものに入れ替わっておるわ」&br()「ぬぅぅ…! 貴様は何者だあああ!!」&br()「さぁ~ 誰だろうねぇ~」&br()&br()いきり立つ北方軍神を挑発するように剣をくるくると回しながら、暗黒騎士はさも可笑しそうに笑った。&br()&br()&br()「……あなた…イドですね…」&br()&br()&br()暗黒騎士の肩がピクリと揺れる。&br()&br()見ると、臥せっていた女戦士が、剣を頼りに、息荒く片膝をつきつつ起き上がり、暗黒騎士をねめつけていた。&br()&br()「…魔獣も、全部あなたが仕掛けたのですね――あなたはミミララが追っていたはず…あの子はどうしたのです?」&br()「あらら~ バレちゃったか~」&br()&br()わざとらしく芝居がかった様子で頭を掻きながら“イド”は答えた。&br()&br()「彼女さ~ ほら、優しいだろ? やはり僕には手を下せなかったんだよ。いや~やっぱりぬるいよねぇ…だからさ、わかるだろう?」&br()「…嘘をおっしゃい、あの子なら全身の骨を折って、あなたが気を失い身動きできなくなるぐらいまではやりますよ」&br()&br()女騎士のすかさずの返答に、暗黒騎士は空を仰ぎハハッと笑って舌を出した。&br()&br()「あ、またバレちゃう? そ~なんだ、正直だいぶやばかったよ。だからさ、逃げてきたんだ――とっておきの“通路”を使ってね」&br()「……やはり…」&br()&br()暗黒騎士は立てた親指を自身に向け、ぐいっと胸を張った。&br()&br()「僕たちはもともとひとつ――“こいつ”がさ、自分の存在に疑問もったり、何かしら後ろ暗~い気持ちになってくれりゃあ良かったんだ。ほんの小さなことでいい…それさえあれば、僕は『鏡』を通ってこいつの“裏”に戻ってこれる。こうして、少しの間なら乗っ取ることだって出来るんだよ。いや~、上手くいってよかった…ていうかオルトロスさ、君何でもっと早く呼ばないんだ。予定通りミミララは引き離せたとはいえ、本当にぎりぎりだったんだぜ? “こいつ”がヘコんで、舞台が整ったら、君が紋章で僕を呼ぶ、そういう話だっただろう?」&br()&br()≪…うるさい……その子供は…オレが喰うんだ…お前には…やらない…≫&br()&br()「…イド、何を…企んでいるのです…?」&br()&br()苦しげに顔を歪める女戦士。&br()&br()「ハッ! ばぁさんには言ってもわからないよ。さ~て、“こいつ”が目覚める前に、うるさいみんなにはおとなしくなってもらうかな」&br()&br()暗黒騎士が胸に手を当てると、その奥側から紫色の光が漏れ出す。そして、その光に呼応するように、倒れているオルトロスの紋章が強い光を放つ。同時に、光を目にした少女を除く全員の体にズン、と重圧がかかる。&br()&br()「うぉっ!」&br()「ジュゥ…シュルルルル…」&br()「グガアアアア…!」&br()「なんと…カンヘルまでも動けぬか…これは…我が地の力以上…」」&br()&br()その時、暗黒騎士のそばに、よろよろと近づく小さな影が――。&br()&br()「ママリリ、近づいてはならぬ!」征服王が叫ぶ。&br()&br()亜人の少女は、悲しそうな、困ったような、複雑な表情をうかべ、暗黒騎士に語り掛けた。&br()&br()「ママリリ…よくわからない… お前、フォルじゃないのか?」&br()「ん~? あ~はいはい、そうだね、僕はフォルくんだよ~」&br()「うぅ……」&br()「悲しまないで…僕だって悲しいんだ…」&br()&br()暗黒騎士が、少女の頭に手を乗せ、耳元にそっと囁く。&br()&br()「…だってさ、ここでお友だちみ~んな死んじゃうんだから」&br()&br()少女は、キッと暗黒騎士を睨みつけると、ブーメランを大きく振るった。&br()&br()「ほっ、危な~い!」&br()「うそつけ! お前フォルじゃない! お前とは友だちなれない、フォル返せ!!」&br()&br()少女はそのままジャガーのような俊敏さで跳ねまわり、さらに攻撃を仕掛ける。しかし、暗黒騎士はケラケラと笑いながらすべての攻撃をかわし、頬をはたいて少女を叩き落とす。&br()&br()「きゃんっ!」&br()「「「ママリリ!!」」」&br()&br()仲間たちが色めき立つ。&br()&br()女戦士が動けぬ体を震わせ、気炎を上げる。&br()&br()「“あなたが”、その子を手にかけるのですか?」&br()「“僕だから”だろう? そもそもさ――なんでこいつなんだ?」&br()&br()暗黒騎士――イドは、大仰に両手を広げ、まるで舞台の主役にでもなったかのように語り出す。&br()&br()「僕はさ、“本物”になりたいんだ。“使徒”なんてさ“契約”に失敗すりゃ終わり、いつか体が崩れちゃうんだぜ? 僕を使徒にしてくれたあの人は、『鍵』をご所望なんだ。けどさ…『鍵』は“こいつ”なんだってさ……なんで“こいつ”なんだ? 僕だっていいだろう? 僕が『鍵』だっていいはずじゃないか! だから僕は、“こいつ”の記憶を根こそぎ奪って“外に”出た――使徒なんて偽物じゃなくて、僕が本物の『鍵』になるんだ!」&br()「あなたは…何を言って…」&br()「…だからさ、ばぁさんにはわからないっていったよね?」&br()&br()さも楽しそうに演説をぶつ暗黒騎士は、ふと足元に重みを感じた。見ると、亜人の少女が這いずり、その足元にしがみついている。&br()&br()「フォル…返せ…」&br()「きかんぼうなガキだね。こりゃあ体罰とかが必要なんじゃあないかな? …オルトロス、僕の『紋章』は僕の魂と共にここに持ってきた――わかるね?」&br()&br()≪…嫌だ…まだだ…あいつを喰うんだ…≫&br()&br()「わがまま言うなよ~ どの道、君もそのままじゃ動けないだろう? 時間がないんだ…“こいつ”が目覚める前に、“こいつの手”でその子を殺す――その絶望は“こいつ”を『鍵』に変え、“こいつ”の心を殺す――その時こそ、僕が…この、僕が――!」&br()&br()ケタケタと笑う暗黒騎士に、征服王と北方軍神が動けぬ体にあらん限りの力をこめつつ警戒をする。&br()&br()「ぐぅぅ…今度は何をする…つもりだ?」&br()「ぬぅ…きっと…ろくなことではないのであろうな」&br()&br()暗黒騎士はおもむろに自分の服の胸倉をつかむと、思い切り引きちぎった。なんと、あらわになった胸元には、オルトロスと同じ文様が浮かび上がっており、それはいっそう眩い紫光を放つ。&br()&br()「みんな僕を影だと笑う、けれど、その影が“本物”になるんだ… イッツ・ショー・タイム! ほら、見てくれよ――これが僕の…影なのさあああ!!」&br()&br()イドの紋章の光がはじけるように広がり、暗黒騎士の体がその光に溶け込んでいく。やがて光は巨大なオルトロスをも包み込む。&br()&br()≪…あが…あがががが…がああああああ…!!≫&br()&br()苦鳴を漏らすオルトロス。その体表が紫色に光りながら肥大し、魔獣の巨体が、さらに倍以上に膨れあがっていく。&br()&br()「…これはなかなか…手強そうですね…」&br()&br()つぶやく女戦士。魔獣の膨張は落ち着き、巨大な二つの頭はゆっくりと周囲を睥睨すると、青黒い歯茎を向き出して高らかに笑った。&br()&br()≪あはははははは!≫&br()&br()――イドの声。魔獣はイドに乗っ取られたのだろうか。巨大な魔獣の双顎がぶぅっと膨らみ、轟轟と紫煙を湛える。&br()&br()≪ほ~ら逃げろ! 死んじゃうぞ~!!≫&br()&br()「ガアアアアアア!!!」&br()&br()突如、竜神が爪を掲げ、巨大魔獣に向かって駆けだす。&br()&br()「むぅ、カンヘル殿!? 縛が解けたのか! 動けるぞ! 走れ!」&br()「いや、もう間に合わぬ! 皆こちらに集まるのだ!」&br()&br()北方軍神と地の王が叫ぶ。&br()&br()そして、竜神の爪が巨獣に届かんとした瞬間、その双口から辺り一帯を覆うほどの炎が吐き出される。&br()&br()「ぬうううううう! 地の王ぅぅぅ…アマイモンが命ずううう!!!!」 &br()&br()地の王がありったけの魔力で巨大な岩盤を持ち上げ盾にするも、岩盤はみるみるうちに溶け落ちていく。崩れる岩盤――蒸発により立ち昇る大噴流――そして静寂――。&br()&br()&br()&br()「ぬぅ…?」&br()&br()気づくと、地の王は崖の上にいた。&br()&br()「よぉ、アマイモン。大立ち回りだったな」&br()「おぉ、アモンか! では…」&br()「あぁ、悪魔のあんただけはオレ様の転送魔法陣で運べたがよ…」&br()「では、皆は…」&br()&br()崖より見下ろす眼下は、一面火の海だった。&br()&br()しかし、そこに一か所だけ、輝く霧に包まれた一帯が見える。&br()&br()「ポロスってのが、不思議な酒もって飛び降りてったが、なんとか間に合ったみてぇだな」&br()&br()三つ首の悪魔の口が、それぞれにやりと口角をあげる。&br()&br()&br()炎の海の一点、輝く霧の中では、気を失った女戦士を抱えた人馬が『神の酒』を掲げ、その神香で巨獣の炎をせき止めていた。&br()&br()「礼を言うぞ、ケンタウロスの青年よ」&br()&br()背中に大きくやけどを負った征服王が、荒い息で亜人の少女を抱えている。&br()&br()「ご無事で何よりです。しかし…」&br()&br()周囲を見回すと、息はあるものの、二人以外の仲間たちは皆一様に傷つき、倒れていた。&br()&br()「これは…万事休すですね…」&br()「うぅ…」&br()「おぉ! 娘! どこか痛むところはないか!?」&br()&br()気付いた少女が周りの惨状を見て、目に涙をためる。&br()&br()「あれきさんだ… どうしよう… みんなも… ばーちゃんも… フォルも……」&br()「泣くな娘、顔をあげよ!」&br()&br()征服王は少女を降ろすと、しっかりと立たせ、その両肩を掴んだ。&br()&br()「ママリリよ、お前は我ら“友だち”の希望となるのであろう? 希望とは闇夜の灯台、光をみうしなえば、我らは何もない海を彷徨うことになる」&br()「あれきさんだ…」&br()「それにな、戦いとはあきらめが心によぎった者から負けていくものだ。勝利を捨てるな。勝利をあきらめるな。勝利に希望を持ち、勝利を信じる自分を信じるのだ!!」&br()&br()そう言うと、征服王は剣を手に立ち上がり、ゆっくりと地響きを立てて向かって来る巨獣を見据えた。&br()&br()「どれ娘よ、この征服王が勝利の仕方というもの見せてやろう」&br()&br()そして、背中越しに少女にニヤリと笑いかける。&br()&br()すぐそばまで迫ってきた巨獣の二つの頭が、ガチガチと牙を鳴らしながら一同を見下ろす。&br()&br()≪あぁ… まだ生きてた…しぶといなぁ… まだ何かするのかい?≫&br()&br()「フン… なめるなよ? 俺は征服王と呼ばれた常勝の覇王――そして俺は今、誰よりも、何よりも勝利を渇望している――ならば今しかあるまい」&br()&br()そう言うと征服王は、剣を高々と天空へ掲げ叫んだ。&br()&br()『今こそ、盟約を果たしてもらうぞ――来たれ! 勝利を約束する異次元よりの使者よ!!』&br()&br()釣られて巨獣も、大量の噴煙で真っ黒に染まった空を見上げる。しかし――&br()&br()≪…なんだよ …何もおきないじゃないか…≫&br()&br()&br()その時、空が――ガラス細工のように割れた。&br()&br()&br()『『『――認証完了』』』&br()&br()&br()&br()「…おいおいおい なんだありゃぁ…」&br()&br()崖の上で、空を見上げる三つ首の悪魔があんぐりと三つの口を開ける。&br()&br()「…我も初めて見る…間違いない、あれは――」&br()&br()二柱の悪魔の視線の先、裂けた天から現れたのは――巨体。&br()&br()雄々しく広げた白い翼――同じく白い神光を発する四本の巨脚――ただただ、果てしなく巨大な聖白の巨体。&br()&br()「――『降魔』である」&br()&br()&br()&br()「すごい…! あれ、あれきさんだの友だち??」&br()「ふははは! そうだ! かつて彼の地で死にかけた時に出会ったのだ」&br()「確かにすごいですね……次元の壁を破壊して進撃する巨大神魔……ん?」&br()&br()人馬は目を細めた。降臨する神魔の背に、小さな人影を見たのだ。&br()&br()腕を組み、目深にかぶった毛皮のマントを風に翻し、高らかに豪快な笑い声をあげる、その姿を。&br()&br()人馬は、肩を震わせ思わず数歩前に進み出た。&br()&br()「あぁ… そんな、あの人は……征服王よ、あなたの“勝利”は本物のようですね」&br()「あぁ、そうであろうとも……どうかしたのか?」&br()「…えぇ…」&br()&br()人馬は、その目に涙を浮かべて言った。&br()&br()「――英雄の帰還です」&br()&br()&br()~『新・アマゾネスの冒険』 第13章 その4~&br()| #endregion :考察| Ver3.5SSで復活した降魔の一人。 ディフェンダー降魔たちの中ではDEFが高めで、また攻撃的なアビリティも持ってるのでグッドスタッフ的な取り回しがしやすい。 何かと便利な効果を持つ使い魔たちの強いアビリティやアーツをかき集めたような性能をしている。 &br() カルマ1ではヘビーボディAが発動。 敵ディフェンダーにスロウアタックを貰ってもものともせず攻め続け、また逃走時にもディフェンシブスタイルでDEFを上げた状態で逃げられるため生存力にもかなり貢献するアビリティ。 素の移動速度を上げることこそできないものの、ディフェンダーでこのアビリティが強いことは神族のCハリハラが証明している。 &br() カルマ2でヘビースマッシュAが発動。ATKの数字としてはこの時点で完成する。 降魔のスロウ力はびっくり降魔対策で下げられてしまったが、聖帝のレンジアップとは別ベクトルで自力で補完できるアビリティ。 このユニットのアビリティで60コストのスロウ拘束力はある。 &br() カルマ3ではディレイ効果とファイタースタイル固定化効果が発動。 カルマNormal降魔なので必ずしも戦闘時にここまでカルマが貯まるとは限らないのは難点だが、上にも書いたようにATKの数字はカルマ2で仕上がるので許容範囲か。 ファイタースタイル固定化効果は集団戦で刺さる敵はさほどいないが、相手が重要なストーンを大型ディフェンダーで防衛しているときにマジシャンに頼らず強引に剥がせるアビリティである。 廃滅の機神ほどではないが、味方マジシャンが全滅していてもギリギリの逆転を狙いにいけるのは大きい。 不死のSTマグノリアと魔種C茨木童子の合わせたようなアビリティ。 &br() ハイアーツは短時間の移動禁止とダメージ付与。 神族のSTアグリアスや人獣のSRヨルムンガンドが持つ効果であるが、逃走する敵の完全な足止めになり集団戦でも相手の行動を1~2手機能停止させるわけで非常に強力。 おおよそ3秒ストップさせるが一応射程が長いので発動した後にスロウで捕まえる為に近づこうとすると結局ストップ効果時間が切れて逃げられてしまっては本末転倒。 その為自分の集団で使うより味方を含めた総力戦で力を発揮するが、一度きりである点には注意。 &br() 魅力的なアビリティ、高めのステータスと嬉しいづくしの降魔であるが、ディフェンダー降魔らはウィークと疑似クイックドライブの聖帝、タフさと疑似キュアオールのぬわ龍こと守護龍、ATKバフと無敵ハイアーツの月姫などとそれぞれが明確に役割を持っている。 またこれらのディフェンダー降魔らは○△構成になる魔種や海種、あるいは大型マジシャンワントップデッキへの適正が高いのもあり、あくまでグッドスタッフの進撃の翼は入れるデッキが中々悩ましい。 ○△種族の単色デッキよりも混色デッキの方が扱いやすいかもしれない。 なお余談だがこのユニットだけでは機甲軍の称号は取れない。 :キャラクター説明| Re:2より復帰。ゾロアスター教にて崇拝される英雄神で、輝く四枚の翼を持つ男神。 崇拝した者に加護と絶対的な勝利を与え、悪しき者や嘘をつく者には天罰を与える正義の神。 沢山の[[化身>Ver3/クリシュナ]]を持つ[[インド神話のとある主神>Ver3/ヴィシュヌ]]と同じように、彼も「十の化身」と呼ばれる様々な能力を持った変身体を持ち、状況に合わせて変身するという。 LoVにおいては確かに四枚の翼を持っているが、その姿はなんと四本足の巨大メカ。 勝利を求める者の元へ%%緊急発進%%降臨し、敵対者を機械仕掛けの巨体と10種類の豊富なバトルモードによって文字通り殲滅するとの事。 実は過去に死の淵にあった[[アレキサンダー>Ver3/アレキサンダー]]をその圧倒的な力で助けており([[過去作フレーバー参照>http://www30.atwiki.jp/lord_of_vermilion/pages/956.html#%EF%BD%9E%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E7%99%BD%E3%81%8D%E7%BF%BC%EF%BD%9E]])、その際に契約。彼の呼びかけに応えていつでも%%それはもうド派手に出撃%%降臨してくれるという。 降魔転醒時等に何やら形容し難い音を発しているが、実はSEではなく物凄く加工されたボイスだったりする。よーく聞くと「緊急出撃」や「任務終了」など喋っていることがわかる。 ---- #region(close,編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします) - ハイアーツはATK240相当で属性はなし、スパクリは未検証 -- 名無しさん (2017-02-27 15:47:54) #comment(size=85,vsize=3,nsize=30,num=20) #endregion -&color(red){余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。} -wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 -個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 #region(close,コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい) - 考察のぬわ龍って表記はどうなの? &br()普通に守護龍って書けば良いのに。 &br()文面で察せるとはいえ初心者とかは誰?ってなるでしょ -- 名無しさん (2016-10-11 07:32:59) - タワー制圧中の根元がハイアーツで吹っ飛んだので固定ダメージではないっぽい? -- 名無しさん (2016-10-11 14:49:01) - こいつで機甲の称号とれるんかな。。。 -- 名無しさん (2016-10-19 11:54:12) - 喋ってるのかwww &br()全然気づかんわこれは… -- 名無しさん (2016-11-03 17:39:23) - ヘビィボディを生かせない構成だと罪人の劣化 -- 名無しさん (2016-11-07 03:39:36) - 罪人の劣化ってそもそも仕事が違うんですが &br()使ってから口出そうね。 -- 名無しさん (2016-12-14 13:25:05) - ↑ハイアーツは似てるけど、求められるものは違うよね。 &br()でも、そんなことよりお前の口の悪さが気に入らない &br()もう少し良く考えて書き込みましょうね -- 名無しさん (2016-12-14 17:51:03) - これファイタースタイル固定させられるってことはフリッカーさせない &br()又はガーディアンで防ぎやすいってことですよね。スロウアタックが &br()移動速度固定なのと合わせて高コスアタッカーへのアンチ力高いって認識で大丈夫? &br()特に小太郎とかのスピードアップ持ち高コスに対して。 -- 名無しさん (2016-12-15 00:21:24) - 固定ダメージ前書いてあったのに消されてるけど、固定ダメージじゃないなら検証した上で数値書いてから消しなよ &br() -- 名無しさん (2017-01-19 14:40:48) #comment(size=85,vsize=3,nsize=30,num=20) #endregion
~進撃の白き翼~(R) :基本情報| |BGCOLOR(#FFD9B3):名前|~&ruby(しんげきのしろきつばさ){進撃の白き翼}~| |BGCOLOR(#FFD9B3):真名|ウルスラグナ| |BGCOLOR(#FFD9B3):種族|降魔| |BGCOLOR(#FFD9B3):ジョブ|ディフェンダー| |BGCOLOR(#FFD9B3):初期カルマ|1| |BGCOLOR(#FFD9B3):カルマ取得速度|NORMAL| |BGCOLOR(#FFD9B3):<タイプ>|聖戦機| |BGCOLOR(#FFD9B3):タイプ|機甲| |BGCOLOR(#FFD9B3):HP|600| |BGCOLOR(#FFD9B3):ATK|180| |BGCOLOR(#FFD9B3):DEF|230| |BGCOLOR(#FFD9B3):ハイアーツ|有| &br() |>|BGCOLOR(#FFD9B3):カルマアビリティ| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ1個|ヘビーボディA| |~|攻撃力が上がる。&br()また、全ての移動速度変化の効果を受けなくなる。| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ2個|ヘビースマッシュA| |~|自身の攻撃力が上がる。&br()さらにスマッシュアタックを当てた敵ユニットの移動速度を一定時間一定にする。| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ3個|白翼衝撃波| |~|自身が攻撃した敵ユニットのバトルスタイルを一定時間ファイタースタイルに固定し、攻撃ウェイトを一定時間止める。| |>|BGCOLOR(#FFD9B3):| |BGCOLOR(#FFD9B3):ハイアーツ|白き勝利の翼| |~|範囲内にいるターゲット中の敵ユニット1体と、その周囲の敵ユニット全てにダメージを与える。&br()さらに、一定時間移動をできなくする。| |BGCOLOR(#FFD9B3):効果時間|?秒| :ステータス| -魔神状態中 |BGCOLOR(#FFD9B3):カルマ所持数|BGCOLOR(#FFD9B3):融合体数|BGCOLOR(#FFD9B3):HP|BGCOLOR(#FFD9B3):ATK/DEF| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ1個|0体|600|???/???| |~|7体|900|???/???| -魔神状態解除後 |BGCOLOR(#FFD9B3):カルマ所持数|BGCOLOR(#FFD9B3):HP|BGCOLOR(#FFD9B3):ATK/DEF| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ1個|600|190/230| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ2個|600|210/230| |BGCOLOR(#FA97AB):CENTER:カルマ3個|600|210/230| :DATA・フレーバーテキスト| #region(close,Ver3.5) |>|BGCOLOR(#FFD9B3):Ver3.5| |BGCOLOR(#FFD9B3):全長|数百メートル以上| |BGCOLOR(#FFD9B3):重量|計測不能| |BGCOLOR(#FFD9B3):出身地|異界の火星| |BGCOLOR(#FFD9B3):司るもの|勝利| |BGCOLOR(#FFD9B3):バトルモード|10タイプ| |BGCOLOR(#FFD9B3):真名|ウルスラグナ| |BGCOLOR(#FFD9B3):イラストレーター|danciao| |BGCOLOR(#FFD9B3):フレーバーテキスト| |少女と仲間たちは、目を疑った。&br()&br()背から赤い雫を散らしながらドウッと倒れ込む女戦士、その後ろで冷たい微笑を湛え剣を握る――暗黒の騎士。&br()&br()「フォル…!」&br()「貴様ぁ…何をやっておるかあああああ!!」&br()&br()北方軍神が魔獣の体を足場にして、一足飛びに暗黒騎士に迫る。暗黒騎士はその槍を、涼やかな微笑みを湛えたまま、わずか半歩下がるだけでかわして見せる。&br()&br()「でええええい!!」&br()&br()軍神は空かされた槍を振り向きざまに横に薙いで追撃を放つが、暗黒騎士はそれをこともなげに流麗な剣さばきでいなすと、瞬時に飛び退り、片手をひらひらとさせて笑った。&br()&br()「おぉ~ 怖いなぁ」&br()「フォル! どういうつもりだ!!」&br()&br()征服王の問いに、眉根を寄せて首をかしげる暗黒騎士。&br()&br()「…フォル? あぁ~そうか…うん、なるほどなるほど… とにかく、助かったよ。危ないところだったけどね、概ね作戦通りだ」&br()「作戦…?」&br()「そう、作戦さ――しかし、これまたずいぶんと群れたもんだねぇ」&br()&br()額に手をかざし、周囲にいる少女の仲間たちを見回す暗黒騎士。その体に、不意に暗い影が堕ちる。&br()&br()「チ・ガ・ウ」&br()&br()暗黒騎士が振り返るや否や、いつの間にか背後に立っていた巨人が、思い切り巨大な両の手甲を合わせた鉄槌を落とす。しかし騎士は、またもやそれをひらりとかわす。&br()&br()「あぶないな~、アマゾネスってのはどうしてこう乱暴な奴らばかり集めたがるのかね」&br()&br()その時地の王が、何かを探らんとしているのだろうか、暗黒騎士の方に両の掌を向けながら言った。&br()&br()「…皆の者、カークスの言う通りだ。そやつ、フォルではないぞ…!」&br()「何? 違うのか!?」&br()「外見はフォルだが、“中身”が違う…いつのまにやら、魔力の相が全く違うものに入れ替わっておるわ」&br()「ぬぅぅ…! 貴様は何者だあああ!!」&br()「さぁ~ 誰だろうねぇ~」&br()&br()いきり立つ北方軍神を挑発するように剣をくるくると回しながら、暗黒騎士はさも可笑しそうに笑った。&br()&br()&br()「……あなた…イドですね…」&br()&br()&br()暗黒騎士の肩がピクリと揺れる。&br()&br()見ると、臥せっていた女戦士が、剣を頼りに、息荒く片膝をつきつつ起き上がり、暗黒騎士をねめつけていた。&br()&br()「…魔獣も、全部あなたが仕掛けたのですね――あなたはミミララが追っていたはず…あの子はどうしたのです?」&br()「あらら~ バレちゃったか~」&br()&br()わざとらしく芝居がかった様子で頭を掻きながら“イド”は答えた。&br()&br()「彼女さ~ ほら、優しいだろ? やはり僕には手を下せなかったんだよ。いや~やっぱりぬるいよねぇ…だからさ、わかるだろう?」&br()「…嘘をおっしゃい、あの子なら全身の骨を折って、あなたが気を失い身動きできなくなるぐらいまではやりますよ」&br()&br()女騎士のすかさずの返答に、暗黒騎士は空を仰ぎハハッと笑って舌を出した。&br()&br()「あ、またバレちゃう? そ~なんだ、正直だいぶやばかったよ。だからさ、逃げてきたんだ――とっておきの“通路”を使ってね」&br()「……やはり…」&br()&br()暗黒騎士は立てた親指を自身に向け、ぐいっと胸を張った。&br()&br()「僕たちはもともとひとつ――“こいつ”がさ、自分の存在に疑問もったり、何かしら後ろ暗~い気持ちになってくれりゃあ良かったんだ。ほんの小さなことでいい…それさえあれば、僕は『鏡』を通ってこいつの“裏”に戻ってこれる。こうして、少しの間なら乗っ取ることだって出来るんだよ。いや~、上手くいってよかった…ていうかオルトロスさ、君何でもっと早く呼ばないんだ。予定通りミミララは引き離せたとはいえ、本当にぎりぎりだったんだぜ? “こいつ”がヘコんで、舞台が整ったら、君が紋章で僕を呼ぶ、そういう話だっただろう?」&br()&br()≪…うるさい……その子供は…オレが喰うんだ…お前には…やらない…≫&br()&br()「…イド、何を…企んでいるのです…?」&br()&br()苦しげに顔を歪める女戦士。&br()&br()「ハッ! ばぁさんには言ってもわからないよ。さ~て、“こいつ”が目覚める前に、うるさいみんなにはおとなしくなってもらうかな」&br()&br()暗黒騎士が胸に手を当てると、その奥側から紫色の光が漏れ出す。そして、その光に呼応するように、倒れているオルトロスの紋章が強い光を放つ。同時に、光を目にした少女を除く全員の体にズン、と重圧がかかる。&br()&br()「うぉっ!」&br()「ジュゥ…シュルルルル…」&br()「グガアアアア…!」&br()「なんと…カンヘルまでも動けぬか…これは…我が地の力以上…」」&br()&br()その時、暗黒騎士のそばに、よろよろと近づく小さな影が――。&br()&br()「ママリリ、近づいてはならぬ!」征服王が叫ぶ。&br()&br()亜人の少女は、悲しそうな、困ったような、複雑な表情をうかべ、暗黒騎士に語り掛けた。&br()&br()「ママリリ…よくわからない… お前、フォルじゃないのか?」&br()「ん~? あ~はいはい、そうだね、僕はフォルくんだよ~」&br()「うぅ……」&br()「悲しまないで…僕だって悲しいんだ…」&br()&br()暗黒騎士が、少女の頭に手を乗せ、耳元にそっと囁く。&br()&br()「…だってさ、ここでお友だちみ~んな死んじゃうんだから」&br()&br()少女は、キッと暗黒騎士を睨みつけると、ブーメランを大きく振るった。&br()&br()「ほっ、危な~い!」&br()「うそつけ! お前フォルじゃない! お前とは友だちなれない、フォル返せ!!」&br()&br()少女はそのままジャガーのような俊敏さで跳ねまわり、さらに攻撃を仕掛ける。しかし、暗黒騎士はケラケラと笑いながらすべての攻撃をかわし、頬をはたいて少女を叩き落とす。&br()&br()「きゃんっ!」&br()「「「ママリリ!!」」」&br()&br()仲間たちが色めき立つ。&br()&br()女戦士が動けぬ体を震わせ、気炎を上げる。&br()&br()「“あなたが”、その子を手にかけるのですか?」&br()「“僕だから”だろう? そもそもさ――なんでこいつなんだ?」&br()&br()暗黒騎士――イドは、大仰に両手を広げ、まるで舞台の主役にでもなったかのように語り出す。&br()&br()「僕はさ、“本物”になりたいんだ。“使徒”なんてさ“契約”に失敗すりゃ終わり、いつか体が崩れちゃうんだぜ? 僕を使徒にしてくれたあの人は、『鍵』をご所望なんだ。けどさ…『鍵』は“こいつ”なんだってさ……なんで“こいつ”なんだ? 僕だっていいだろう? 僕が『鍵』だっていいはずじゃないか! だから僕は、“こいつ”の記憶を根こそぎ奪って“外に”出た――使徒なんて偽物じゃなくて、僕が本物の『鍵』になるんだ!」&br()「あなたは…何を言って…」&br()「…だからさ、ばぁさんにはわからないっていったよね?」&br()&br()さも楽しそうに演説をぶつ暗黒騎士は、ふと足元に重みを感じた。見ると、亜人の少女が這いずり、その足元にしがみついている。&br()&br()「フォル…返せ…」&br()「きかんぼうなガキだね。こりゃあ体罰とかが必要なんじゃあないかな? …オルトロス、僕の『紋章』は僕の魂と共にここに持ってきた――わかるね?」&br()&br()≪…嫌だ…まだだ…あいつを喰うんだ…≫&br()&br()「わがまま言うなよ~ どの道、君もそのままじゃ動けないだろう? 時間がないんだ…“こいつ”が目覚める前に、“こいつの手”でその子を殺す――その絶望は“こいつ”を『鍵』に変え、“こいつ”の心を殺す――その時こそ、僕が…この、僕が――!」&br()&br()ケタケタと笑う暗黒騎士に、征服王と北方軍神が動けぬ体にあらん限りの力をこめつつ警戒をする。&br()&br()「ぐぅぅ…今度は何をする…つもりだ?」&br()「ぬぅ…きっと…ろくなことではないのであろうな」&br()&br()暗黒騎士はおもむろに自分の服の胸倉をつかむと、思い切り引きちぎった。なんと、あらわになった胸元には、オルトロスと同じ文様が浮かび上がっており、それはいっそう眩い紫光を放つ。&br()&br()「みんな僕を影だと笑う、けれど、その影が“本物”になるんだ… イッツ・ショー・タイム! ほら、見てくれよ――これが僕の…影なのさあああ!!」&br()&br()イドの紋章の光がはじけるように広がり、暗黒騎士の体がその光に溶け込んでいく。やがて光は巨大なオルトロスをも包み込む。&br()&br()≪…あが…あがががが…がああああああ…!!≫&br()&br()苦鳴を漏らすオルトロス。その体表が紫色に光りながら肥大し、魔獣の巨体が、さらに倍以上に膨れあがっていく。&br()&br()「…これはなかなか…手強そうですね…」&br()&br()つぶやく女戦士。魔獣の膨張は落ち着き、巨大な二つの頭はゆっくりと周囲を睥睨すると、青黒い歯茎を向き出して高らかに笑った。&br()&br()≪あはははははは!≫&br()&br()――イドの声。魔獣はイドに乗っ取られたのだろうか。巨大な魔獣の双顎がぶぅっと膨らみ、轟轟と紫煙を湛える。&br()&br()≪ほ~ら逃げろ! 死んじゃうぞ~!!≫&br()&br()「ガアアアアアア!!!」&br()&br()突如、竜神が爪を掲げ、巨大魔獣に向かって駆けだす。&br()&br()「むぅ、カンヘル殿!? 縛が解けたのか! 動けるぞ! 走れ!」&br()「いや、もう間に合わぬ! 皆こちらに集まるのだ!」&br()&br()北方軍神と地の王が叫ぶ。&br()&br()そして、竜神の爪が巨獣に届かんとした瞬間、その双口から辺り一帯を覆うほどの炎が吐き出される。&br()&br()「ぬうううううう! 地の王ぅぅぅ…アマイモンが命ずううう!!!!」 &br()&br()地の王がありったけの魔力で巨大な岩盤を持ち上げ盾にするも、岩盤はみるみるうちに溶け落ちていく。崩れる岩盤――蒸発により立ち昇る大噴流――そして静寂――。&br()&br()&br()&br()「ぬぅ…?」&br()&br()気づくと、地の王は崖の上にいた。&br()&br()「よぉ、アマイモン。大立ち回りだったな」&br()「おぉ、アモンか! では…」&br()「あぁ、悪魔のあんただけはオレ様の転送魔法陣で運べたがよ…」&br()「では、皆は…」&br()&br()崖より見下ろす眼下は、一面火の海だった。&br()&br()しかし、そこに一か所だけ、輝く霧に包まれた一帯が見える。&br()&br()「ポロスってのが、不思議な酒もって飛び降りてったが、なんとか間に合ったみてぇだな」&br()&br()三つ首の悪魔の口が、それぞれにやりと口角をあげる。&br()&br()&br()炎の海の一点、輝く霧の中では、気を失った女戦士を抱えた人馬が『神の酒』を掲げ、その神香で巨獣の炎をせき止めていた。&br()&br()「礼を言うぞ、ケンタウロスの青年よ」&br()&br()背中に大きくやけどを負った征服王が、荒い息で亜人の少女を抱えている。&br()&br()「ご無事で何よりです。しかし…」&br()&br()周囲を見回すと、息はあるものの、二人以外の仲間たちは皆一様に傷つき、倒れていた。&br()&br()「これは…万事休すですね…」&br()「うぅ…」&br()「おぉ! 娘! どこか痛むところはないか!?」&br()&br()気付いた少女が周りの惨状を見て、目に涙をためる。&br()&br()「あれきさんだ… どうしよう… みんなも… ばーちゃんも… フォルも……」&br()「泣くな娘、顔をあげよ!」&br()&br()征服王は少女を降ろすと、しっかりと立たせ、その両肩を掴んだ。&br()&br()「ママリリよ、お前は我ら“友だち”の希望となるのであろう? 希望とは闇夜の灯台、光をみうしなえば、我らは何もない海を彷徨うことになる」&br()「あれきさんだ…」&br()「それにな、戦いとはあきらめが心によぎった者から負けていくものだ。勝利を捨てるな。勝利をあきらめるな。勝利に希望を持ち、勝利を信じる自分を信じるのだ!!」&br()&br()そう言うと、征服王は剣を手に立ち上がり、ゆっくりと地響きを立てて向かって来る巨獣を見据えた。&br()&br()「どれ娘よ、この征服王が勝利の仕方というもの見せてやろう」&br()&br()そして、背中越しに少女にニヤリと笑いかける。&br()&br()すぐそばまで迫ってきた巨獣の二つの頭が、ガチガチと牙を鳴らしながら一同を見下ろす。&br()&br()≪あぁ… まだ生きてた…しぶといなぁ… まだ何かするのかい?≫&br()&br()「フン… なめるなよ? 俺は征服王と呼ばれた常勝の覇王――そして俺は今、誰よりも、何よりも勝利を渇望している――ならば今しかあるまい」&br()&br()そう言うと征服王は、剣を高々と天空へ掲げ叫んだ。&br()&br()『今こそ、盟約を果たしてもらうぞ――来たれ! 勝利を約束する異次元よりの使者よ!!』&br()&br()釣られて巨獣も、大量の噴煙で真っ黒に染まった空を見上げる。しかし――&br()&br()≪…なんだよ …何もおきないじゃないか…≫&br()&br()&br()その時、空が――ガラス細工のように割れた。&br()&br()&br()『『『――認証完了』』』&br()&br()&br()&br()「…おいおいおい なんだありゃぁ…」&br()&br()崖の上で、空を見上げる三つ首の悪魔があんぐりと三つの口を開ける。&br()&br()「…我も初めて見る…間違いない、あれは――」&br()&br()二柱の悪魔の視線の先、裂けた天から現れたのは――巨体。&br()&br()雄々しく広げた白い翼――同じく白い神光を発する四本の巨脚――ただただ、果てしなく巨大な聖白の巨体。&br()&br()「――『降魔』である」&br()&br()&br()&br()「すごい…! あれ、あれきさんだの友だち??」&br()「ふははは! そうだ! かつて彼の地で死にかけた時に出会ったのだ」&br()「確かにすごいですね……次元の壁を破壊して進撃する巨大神魔……ん?」&br()&br()人馬は目を細めた。降臨する神魔の背に、小さな人影を見たのだ。&br()&br()腕を組み、目深にかぶった毛皮のマントを風に翻し、高らかに豪快な笑い声をあげる、その姿を。&br()&br()人馬は、肩を震わせ思わず数歩前に進み出た。&br()&br()「あぁ… そんな、あの人は……征服王よ、あなたの“勝利”は本物のようですね」&br()「あぁ、そうであろうとも……どうかしたのか?」&br()「…えぇ…」&br()&br()人馬は、その目に涙を浮かべて言った。&br()&br()「――英雄の帰還です」&br()&br()&br()~『新・アマゾネスの冒険』 第13章 その4~&br()| #endregion :考察| Ver3.5SSで復活した降魔の一人。 ディフェンダー降魔たちの中ではDEFが高めで、また攻撃的なアビリティも持ってるのでグッドスタッフ的な取り回しがしやすい。 何かと便利な効果を持つ使い魔たちの強いアビリティやアーツをかき集めたような性能をしている。 &br() カルマ1ではヘビーボディAが発動。 敵ディフェンダーにスロウアタックを貰ってもものともせず攻め続け、また逃走時にもディフェンシブスタイルでDEFを上げた状態で逃げられるため生存力にもかなり貢献するアビリティ。 素の移動速度を上げることこそできないものの、ディフェンダーでこのアビリティが強いことは神族のCハリハラが証明している。 &br() カルマ2でヘビースマッシュAが発動。ATKの数字としてはこの時点で完成する。 降魔のスロウ力はびっくり降魔対策で下げられてしまったが、聖帝のレンジアップとは別ベクトルで自力で補完できるアビリティ。 このユニットのアビリティで60コストのスロウ拘束力はある。 &br() カルマ3ではディレイ効果とファイタースタイル固定化効果が発動。 カルマNormal降魔なので必ずしも戦闘時にここまでカルマが貯まるとは限らないのは難点だが、上にも書いたようにATKの数字はカルマ2で仕上がるので許容範囲か。 ファイタースタイル固定化効果は集団戦で刺さる敵はさほどいないが、相手が重要なストーンを大型ディフェンダーで防衛しているときにマジシャンに頼らず強引に剥がせるアビリティである。 廃滅の機神ほどではないが、味方マジシャンが全滅していてもギリギリの逆転を狙いにいけるのは大きい。 不死のSTマグノリアと魔種C茨木童子の合わせたようなアビリティ。 &br() ハイアーツは短時間の移動禁止とダメージ付与。 神族のSTアグリアスや人獣のSRヨルムンガンドが持つ効果であるが、逃走する敵の完全な足止めになり集団戦でも相手の行動を1~2手機能停止させるわけで非常に強力。 おおよそ3秒ストップさせるが一応射程が長いので発動した後にスロウで捕まえる為に近づこうとすると結局ストップ効果時間が切れて逃げられてしまっては本末転倒。 その為自分の集団で使うより味方を含めた総力戦で力を発揮するが、一度きりである点には注意。 &br() 魅力的なアビリティ、高めのステータスと嬉しいづくしの降魔であるが、ディフェンダー降魔らはウィークと疑似クイックドライブの聖帝、タフさと疑似キュアオールのぬわ龍こと守護龍、ATKバフと無敵ハイアーツの月姫などとそれぞれが明確に役割を持っている。 またこれらのディフェンダー降魔らは○△構成になる魔種や海種、あるいは大型マジシャンワントップデッキへの適正が高いのもあり、あくまでグッドスタッフの進撃の翼は入れるデッキが中々悩ましい。 ○△種族の単色デッキよりも混色デッキの方が扱いやすいかもしれない。 &br() なお余談だがこのユニットだけでは機甲軍の称号は取れない。 :キャラクター説明| Re:2より復帰。ゾロアスター教にて崇拝される英雄神で、輝く四枚の翼を持つ男神。 崇拝した者に加護と絶対的な勝利を与え、悪しき者や嘘をつく者には天罰を与える正義の神。 沢山の[[化身>Ver3/クリシュナ]]を持つ[[インド神話のとある主神>Ver3/ヴィシュヌ]]と同じように、彼も「十の化身」と呼ばれる様々な能力を持った変身体を持ち、状況に合わせて変身するという。 LoVにおいては確かに四枚の翼を持っているが、その姿はなんと四本足の巨大メカ。 勝利を求める者の元へ%%緊急発進%%降臨し、敵対者を機械仕掛けの巨体と10種類の豊富なバトルモードによって文字通り殲滅するとの事。 実は過去に死の淵にあった[[アレキサンダー>Ver3/アレキサンダー]]をその圧倒的な力で助けており([[過去作フレーバー参照>http://www30.atwiki.jp/lord_of_vermilion/pages/956.html#%EF%BD%9E%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E7%99%BD%E3%81%8D%E7%BF%BC%EF%BD%9E]])、その際に契約。彼の呼びかけに応えていつでも%%それはもうド派手に出撃%%降臨してくれるという。 降魔転醒時等に何やら形容し難い音を発しているが、実はSEではなく物凄く加工されたボイスだったりする。よーく聞くと「緊急出撃」や「任務終了」など喋っていることがわかる。 &br() ~進撃の白き翼~のフレーバーテキストは[[【希望】ママリリ>Ver3/【希望】ママリリ]]の次の話であり、さらに[[ヘラクレス>Ver3/ヘラクレス]]のものへと続く。 ---- #region(close,編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします) - ハイアーツはATK240相当で属性はなし、スパクリは未検証 -- 名無しさん (2017-02-27 15:47:54) #comment(size=85,vsize=3,nsize=30,num=20) #endregion -&color(red){余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。} -wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。 -個人的な日記として使用するのも控えて下さい。 #region(close,コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい) - 考察のぬわ龍って表記はどうなの? &br()普通に守護龍って書けば良いのに。 &br()文面で察せるとはいえ初心者とかは誰?ってなるでしょ -- 名無しさん (2016-10-11 07:32:59) - タワー制圧中の根元がハイアーツで吹っ飛んだので固定ダメージではないっぽい? -- 名無しさん (2016-10-11 14:49:01) - こいつで機甲の称号とれるんかな。。。 -- 名無しさん (2016-10-19 11:54:12) - 喋ってるのかwww &br()全然気づかんわこれは… -- 名無しさん (2016-11-03 17:39:23) - ヘビィボディを生かせない構成だと罪人の劣化 -- 名無しさん (2016-11-07 03:39:36) - 罪人の劣化ってそもそも仕事が違うんですが &br()使ってから口出そうね。 -- 名無しさん (2016-12-14 13:25:05) - ↑ハイアーツは似てるけど、求められるものは違うよね。 &br()でも、そんなことよりお前の口の悪さが気に入らない &br()もう少し良く考えて書き込みましょうね -- 名無しさん (2016-12-14 17:51:03) - これファイタースタイル固定させられるってことはフリッカーさせない &br()又はガーディアンで防ぎやすいってことですよね。スロウアタックが &br()移動速度固定なのと合わせて高コスアタッカーへのアンチ力高いって認識で大丈夫? &br()特に小太郎とかのスピードアップ持ち高コスに対して。 -- 名無しさん (2016-12-15 00:21:24) - 固定ダメージ前書いてあったのに消されてるけど、固定ダメージじゃないなら検証した上で数値書いてから消しなよ &br() -- 名無しさん (2017-01-19 14:40:48) #comment(size=85,vsize=3,nsize=30,num=20) #endregion

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