高坂甚内(SR)
基本情報
名前 高坂甚内
種族 魔種
ジョブ アタッカー
召喚コスト 70
<タイプ> 酷薄者
タイプ シノビ
HP 600
ATK 90
DEF 110
覚醒
超覚醒
アーツ
CV 立花 慎之介

アビリティ
召喚 スピードアップ
移動速度が上がる。
覚醒 スピードアップ
移動速度が上がる。
超覚醒 真揮『虚喰い』
攻撃力が上がる。
さらに【アームズ】「二天一流・捻貫の型」が使用できるようになる。
ARMS 二天一流・捻貫の型
自身が前方に高速移動し、進路上にいる敵ユニット全てにATK200相当のダメージを与える。
このアームズは、自身がダッシュアタックを敵ユニットに当てた後、一定時間のみ使用できる。
効果時間 なし
wait時間 10秒

ステータス
状態 HP ATK/DEF
召喚 600 90/110
覚醒 650 110/140
超覚醒 700 240/210〔アビリティ発動時〕

DATA・フレーバーテキスト
+Ver3.4(VerRe:3.0)
Ver3.4(VerRe:3.0)
身長 1.77[meter]
体重 64[kg]
現在の所属 陸軍情報部
年齢 100歳以上
忍流派 甲州流
剣流派 二天一流
イラストレーター 風間 雷太
フレーバーテキスト
その二刀は叛逆の象徴だった。

二刀は元々一つの刃であり、その名を村雨丸といった。
さる無名の名匠の手により生みだされ、殺気を持って刀を振れば、水気を持って血気を切るといわしめた。

村雨丸は、名刀として将軍家に伝わるも、その刃の持つ魔性故か、
数奇な運命により反幕の徒の手に渡り、ひと時幕府軍を打ち倒し、
両者和解の末、将軍家へと奉還された。

その後村雨丸は、天下に仇なす妖刃として、
二つの刃に打ち分けられ、密かに将軍家縁の者に受け継がれていくこととなる。

しかし、戦国の世を経て新たな天下がおとずれた時、
かの刃の一振りが再び表舞台へと現れ、新たな将軍の縁者の血を次々と吸った。

時の権力者たちは、この二刀を、まさに血に飢えた叛逆の妖刀と恐れた。


「…なるほどね 知れば知るほど俺向きの剣だよ。
    俺はね、この二刀を扱うためだけに、大昔に天下無双…
    クク、鼻で笑ってしまうがね、まぁ、そんな剣も修めた。
    『教会』の奴らの力をかすめ取り、この老いぬ体も手に入れた。
    別に誰かを支配したいというわけではないんだよ。
    ただね、俺は“支配している奴”と言うのが堪らなく嫌いなんだ。
    俺もこの妖刀と同じ、生まれついての反逆者なんだろうね」

かつて、歴史の裏で幕府を葬った男は、そうほくそ笑んで報告書を投げ捨てた。

「一刀は行方知れず、もう一刀…
    村雨のありかは、村雨丸が奉じられた鎌倉殿の執権…
    北条ゆかりの忍衆が知る、そんなところか。
    この特務機関というのは、なかなかに役に立つね。
    それにしても、なつかしき風魔…
    お前達を滅ぼすのはこれで二度目かな…まったく、可愛い兎だよ」

男が片手をあげると、背後にずらりと並んだ軍兵たちが、一斉にかかとを鳴らし姿勢を正した。

「さて、次はこの世界そのものを支配しているヤツでも斬るとしようか…
    楽しい 叛逆の始まりだ」

~『赤月剣風帖』 巻の五 序章~
+Ver3.5(VerRe:3.1)
Ver3.5(VerRe:3.5)
身長 1.77[meter]
体重 64[kg]
現在の所属 『教会』を離れ無所属
特技 人心掌握
かつての名 香坂弾正
現在の目的
イラストレーター 伊藤 未生
フレーバーテキスト

special episode

◆『妖刀問答』◆

雨に濡れる森の中、道なき道を颯爽と駆ける男――高坂甚内は、天草四朗時貞の命を受け、消えた妖刀の傀儡使い『村雨』の行方を追っていた。
強い雨で視界がけぶり、少し先の視界すら定まらない。しかし、甚内には全てが見えているのか、枝一本、葉の一枚も体に触れさせることなく、気配のない燕のようにひらりひらりと森を駆け抜けていく。雨が強く当たるその顔には、皮肉めいた笑みを浮かべているが、それは逆に、今の状況を楽しんでいるようにも見える。
――天草の坊やか、不思議な男だね。徳川なんぞに殺された取るに足らぬ愚か者かと思ったが、この俺が、奴の命に素直に従う形で、あの妖刀を追うことになるとは… まぁ、そもそも、俺の目的も、“それ”ではあるのだが。
この数百年の間、闇から常に人を動かし、駒のように扱ってきた男が、駒として動く。高坂は今ある状況に苦笑しつつ、100年以上も探し続け、とうとうまみえる妖刀の片割れに思考を巡らせた。時の狭間に消え、刀というよりは、黄泉の死神のごとき異様な巨躯を持つ傀儡であるとも聞くが、果たして実際はどのような姿であるものか――と、その時、不意に、村雨の“臭い”が消えた。
「やれやれ、またか…」
魔界城から村雨が逃亡した日より五日、甚内は、魔界城に残っていた村雨の“死臭”のみを頼りに、未だ目にしたことのない妖刀を追っていた。しかし、その間、どういうわけかこうして度々、その死臭が途切れることがあった。連日降り続く雨の所為だろうか――
ふと、甚内は木立の一角を見下ろし、その動きを止めた。
「ほう、これはこれは。…臭いは無し、あの脇差しも『村雨』ではない、か」
視線の先、そこには、左目を眼帯で覆い、銀色の戦装束を身に着けた、美しい少女が倒れていた。

* * * *

そぼ降る雨の音が微かに響く洞窟、焚き火の炎に照らされた、ふたつの影が揺れている。
「ん…」
銀髪の少女が目を覚ます。
「少し、冷えるかな?」
「…いや」
装束を脱ぎ、前髪を垂らしたまま長い後ろ髪を縛り上げた甚内が、薪を足しながら、焚き火を挟んだ反対側に横になる少女に語りかける。
「名は?」
「………」
「訳ありか、なら、名乗らなくてもいい」
熱を持った薪がぱちんと跳ね、一瞬燃え立った火の粉が大きく影を揺らす。
「この山で何を…?」
「………」
「…フム、若いお嬢さんだ。色々と詮索しては失礼か。言いたくなければ、言わなくても――」
「――死のうと、思ってた。でも忘れてた…あたしはとっくに死んでたんだ…」
少女は身を起こし、膝を抱えて焚き火を眺める。
「穏やかじゃないね――また、なぜ?」
暗い洞窟を照らす焚き火の明かりがそうさせるのか、多くの人心を操ってきた忍びの声音の技か、少女はとつとつと語りだす。
「――あたしには妹がいた。幼いころに父さんが消えて、母さんは死に、姉妹そろって人買いにさらわれたところを逃げ出した。そして、逃げた先の雪山で、養父に拾われたんだ」
「…ほう」
「養父は鍛冶師で、武芸者だった。あたしは、周りのぜんぶが他人の中で、体の弱い妹を守らなきゃって、武芸の道を進んだ」
「………」
少女は話し続け、甚内は黙ってそれを聴き続ける。洞窟に、薪の燃える音と、少女の声だけがしっとりと広がっていく。
「…養父の稽古は厳しくて、それこそ、血の滲むような思いだったよ。でも、養父には感謝してた。こんな、救ったところで何の価値もないあたしたちを拾ってくれたんだから。世継ぎのいなかった養父は、あたしが武芸の腕を上げる度に喜んでくれた。初めは妹の為でしかなかったけど、いつのまにか、あたしもそれが嬉しくなって、いつか養父の武芸を継ごうって、懸命に打ち込んでた。でも、あの日――」
少女は、目を細め言いよどむ。見つめる炎の中に、その時のことをまざまざと映し見ているかのように。
「――約束の“継承”の日、突然養父は私に武芸を継がせないと言った。はじめは、あたしが何か養父の機嫌をそこねるようなことをしたのかと思った。もしくは、やっぱり、あたしみたいなよそ者に、大事な武芸を渡すことはできないのかもって… でも、その時の、養父があたしを見る目は凄く冷たくて… そして、あの人は言ったんだ――よりにもよって、あたしじゃなく、それを“妹に継がせる”って…あたしが、血を吐き、泥をなめている間、ただ花を愛で、本を読んでいた妹に……! 
あたしは激高して養父を――斬った。そして、錯乱して、その場を見られた妹まで手にかけて逃げた。そうして、あたしはここにいる。ここまで逃げ続けてきたんだ…ずっと… でも、もう疲れたよ…」
ひと通り話を聞くと、甚内は顔を上げ、洞窟の入り口から覗く雨を見やった。
「――止まないね」
「………」
「では、雨宿りの暇つぶしだ。話してくれた礼に、今の話の見解でも話そうか――」
沈黙の中に、しとしととした雨の音に紛れ、すぅと息を飲む音が重なる。
「――君は、優秀過ぎたのだろうね」
甚内の意外な言葉に、顔をあげる少女。
「君の話から察するに、君の養父は君に嫉妬していたんだ。
君の養父はおそらくひとかどの御仁だったのだろうね。君の話通りだとすれば、君が身に着けているその鎧は、その鍛冶師の養父が作ったものなのだろう。ここらへんでは見ない鋳造法だし、細かな意匠といい、なんとも量産には向いていない造りだ。それに、普通なら戦なんかにはまず出すことのない、10代後半の女性の体に、わざわざぴたりと合うようあつらえてある。そのようなもの、趣味で作るには、人に頼むにせよ、自身で作るにせよ、少々興が過ぎるというものさ。つまりだ、それは君だけの為につくられた特注品であり、それを作る財力のある持ち主であると考えられるね。」
突然、何の話を始めたのかとばかりに、少女は眉をひそめるが、甚内は構わず続ける。
「そして、その養父の年齢、おそらくは30代から40代だね。話にあった人買いたちは、町ではなく山中に居を構え、子供が逃げ出せたというのだから、それは専門的な人売り組織ではなく、少人数の食い詰めた山賊か何かだろう。そのような者たちが油断して連れて行こうと思う子供の年齢は、いつ死ぬかわからぬ稚児や幼子などではなく、ある程度手放しでも扱え、言うことを聞かせられる5歳から10歳くらいの間だね。そのくらいの子供二人を担いでの雪中行軍を、山賊が居を張りそうな山道中腹から、子供を凍死させることのない短時間で麓の民家まで運ぶには、いくら武芸で鍛えていたとしても相当な筋力と体力が必要だ。そう考えると君たち姉妹を拾った時の年齢は、心身共に充実した20代中盤から30代中盤、ということになる。だから、今の君の見た目から計算すると、君がその“継承の日”を迎えたときの養父の年齢は、3、40代が妥当と推察されるわけだ」
甚内は立ち上がると、長く垂れた前髪を指で弄びながら、洞窟の中をゆっくりと歩き出す、少女は、無言でそれを追う。
「でも、これはね、普通に考えるとおかしな事なんだよ。死の間際の貧乏武芸者であったというならともかく、財も有り、30代半ばあたりという、年齢的にも最高潮の時期にある武門が、たかだか10代の少女に、門外不出の秘儀を伝授することがあるだろうか? まず、それは無いだろう。
つまり、ここから考えられるのは、君の養父はその“武芸”を知っていたにも関わらず、“そもそも継承していなかった”、もしくは、“継承出来なかった”いずれかと言うことになる――なら、なぜそんな自分が継げもしない『武芸』を後生大事に保っていたのか…。
それは、“継げなくとも継承できる”武芸――つまり、“武具そのものに起因する”武芸ということになる。しかも、継ぐ者がいなかったとしても脈々と守り続けられ、“それ”を守護する者に、どこぞの権力者などから金銭的援助も惜しまれない“秘宝”の可能性が高い。では、そんな武具が本当にあるのか、というところだが――」
甚内は歩みを止め、洞窟の奥の方を見つめた。
「――これはある。神事、または時の権力者神ゆかりの武具、または――妖刀などと呼ばれる類のものだね」
少女は、ごくりと唾を飲んだ。
「この手の武具は、触れたり、手に持つだけでも超常の武芸を発揮できることがある。ただ、それに必要なのは、過酷な修行でも、努力でも、執念でもない。必要なのは“適性”――血脈、霊脈といったものだ。
鍛冶師であった君の養父は、きっとその武具に魅せられていたのだろうね。いや、ともすると、魅せられていたからこそ、それを整備、修繕できる鍛冶師を継いだのかもしれない。だから養父は、その武具を振るいたくて、その武具に認められようと、それこそ血の滲むような努力をしてきたに違いない――“冬の山籠もり”などの荒行をね。しかし、どれ程修行しようと、願おうと、武具は認めてくれなかったんだ――」
甚内が、すっと細い目にかかる前髪の隙間から、少女を見る。
「――そこに、君たちが現れた。連れ帰ったのはたまたまだろうが、養父は共に暮らすうちに気付いたのだろうね。君たちの血に隠された“適性”に」
少女が、その視線から目をそらす。
「はじめは…まともな継承者の出現を、彼も喜んだのだろう。だから、自分の夢を託し、君に稽古もつけてやった。さまざまな矜持もあっただろうし、共に過ごすうちに生まれた親愛の情というのもきっとありはしただろう――しかし、いざ本当にそれを継承する段になったとき、養父は“嫉妬”した――心の闇が、勝ったのさ」
地面を見つめ、僅かに歯噛みをする少女。
「自身が鍛冶師として、武芸者として到達し得なかった域に、高々数年しか修行していない、年端のいかない娘が、ほぼ“適性”の力のみで辿りついたんだ。確かに、同情してしまうね… だから、君に『継がせない』と言ってみせた。これはね、君が悪いのではない。ましてや妹もね――つまらない…男の意地だよ」
再び、洞窟内に静寂が落ち、雨と焚き火の音だけが響く。
「…慰めてくれてるのか? すごいね、あんた。まるで見てきたみたいだ――ほとんど、その通りだよ」
「どこまでいっても推察だよ。仕事柄、得意なんだよ、こういうのが」
「…でも、あたしが養父を斬ったのは変わらない…」
「どうかな?」
甚内は、壁にもたれかかり、再び前髪を弄り始める。
「ここからが大事なところだがね。君は、本当のことを話してはいるが、その実の大事なことを言ってはいないと思う」
「何を…」
洞窟内の空気に、そこはかとない緊張が流れはじめる。
「その眼帯の下――その継承の日、君はその目を、“自分で”突いたのだろう?」
「……!」
少女の顔が強張り、
「目指していた武芸を“継がせない”と言われ、激高したと言っていたが…したにはしたんだろうな、でも――逆だろうね。君はその日、その言葉で、養父の心の闇を見た。その時、君が感じた感情は、怒りではなく、悲しみと、焦りだ――そこで君は異常な行動にでた。武道の要でもある、自らの目をえぐる、というね」
その白い手が、顔の眼帯に伸びる。
「きっと君は、“それならば武芸を捨てる”と、そう示したかったのだろうね。本来ならば、口で言えば済むようなことではあるのだろうが、その時の養父はそれほどに闇が濃く、まともな状態ではなかったのだろう…それこそ、何かに憑かれていたかのように。
君は武芸を極めたかったのではない。ただ、養父の笑顔が見たかった、ただそれだけだったのだろうよ。だがそれ故に、誇ってくれると思った自分の姿を見る、その男の目が、嫉妬と憎しみに染まるのに耐えられなかったんだ」
少女は、震える手を抑え込むように、ぎゅうっと膝をかかえ、頭を埋める。
「…ああ、その通りだよ、その通りだった。あの時、あたしは、あの人にあんな目で見られるのがたまらなく嫌だった――」
「普通の人間には、なんとも理解しがたく…馬鹿馬鹿しい話だね…」
「なら…あたしは、どうすればよかった…?」
「ふん…」
甚内は洞窟の入り口の方へと歩き、少女に背を向け、雨を見やりながら言った。
「――それこそ、逃げ出せば、良かったんだろうね」
「え…」
「自分を認めぬものなどは、世にいくらでもいるものさ。それが優れたものであればあるほど、周りの圧、嫉妬は高まる。そんなものに合わせて自分を変え、自分の一生を捧げるのは本当に馬鹿げている。無かったことにし、逃げた方がまだましさ。」
雨を見つめる甚内の表情は見えない。しかしその言葉には、僅かな熱を帯びているようにも聞こえる。まるで、自身のことを語っているような――。
「逃げ出せないのなら、打ち倒せばいい。二度と口を出せないよう、相手が心の底から、自分という存在を剥ぎ取れなくなるくらいに認めさせてやればいい。それがダメなら……喉笛を掻き斬り、わからせてやるしかない――今、君がそうしようとしているように」
焚き火の前に座る少女の右手は、いつの間にか後ろ手に伸び、その手にはむき出しの脇差しが握られていた。
少女は、低く落ち着いた声で言った。
「…まともな追手じゃないとは思ってたけど、あんた…何者なんだ」
「何者、か… 何者なのだろうね? 君は、自分が何者かわかるかい? 君は愚かだよ。逃げ出すことも、戦うこともせず、養父に武芸を捨てる意志を示し、それでもまだ足りないと思った時、ついには自分にその“適性がない事”まで示そうとしたんだ。だが、それが最大の過ちだった――まったく、愛というのは、いつの時代も厄介な代物だよ」
もはや、少女は立ち上がり、刃を隠そうともしていない。
「確かに、君もまともじゃない。君は、継承の“適性”がないことを示すために――“その武具”を自分の体に直接“差し込んだ”のさ。適性がなければ死んで愛の涙を勝ち取れる、とね――だが悲しいかな、君にはやはり“適性”があってしまった」
「……うな…」
「養父の目に狂いはなかったんだね。君は『それ』と同化し、取り憑かれ、『それ』が養父と妹を斬った――」
「…言うな…!」
甚内が、振り向く。
「――そうだろう? 『村雨』」
小降りになっていた雨が再び勢いを増し、洞窟内に大きく雨音を反響させる。
「――故に、『村雨』を抜けば君は死ぬ。だから、もう、“とっくに死んでいる”、というわけだ」
「……そうだよ……『村雨』は、あたしの中に眠ってる。『村雨』があたしを生かしてる。だから死ねない。死にきれない。この呪いは、やはりあの子によって断たれなきゃならない。それまで、あたしは死ねないんだ……村雨ぇぇええ!!」
叫ぶ少女から紫銀の気炎が立ち昇り――形を成す前に、ふぅっと消えた。
「ならば、精々それまで生き延びるんだね」
気を失い、どさりと倒れ込む少女。その背後には、洞窟の闇より浮かび上がる、手刀を構えた甚内の姿。では、先程少女が話していた甚内は――それは、忍の技か、降りしきる雨を眺めたまま、ゆらりと揺れ、幻と消えた。
甚内は、脱いでいた装束を纏うと、しゃがみ込み、倒れている少女を眺めた。
「なるほどね。“体の中”なら、噂の傀儡が出ていない間は“死臭”も消える。だが、傀儡がなければ、ただの乙女というわけだ。なかなかに面白い時間だったが――ふぅ、しかし、なんとも気にくわないね」
そう呟くや否や、甚内はいつの間にか手にしていた鎖分銅をシャラリとひと回しすると、眼に見えぬ程の速さで虚空へと放った。
その一撃は、宙に出現した紋様と共に現れた男――全身を外套で覆った破戒僧の掌中に、がちりと受け止められていた。
『よくぞ、我が気配を悟ったな』
「…やるものだね、意外と」
『我は『教会』の使徒。天草四朗時貞を暗黒のデウスへと導きし者。高坂甚内よ。その娘子は、我らが探し求める『13の鍵』がひとつ。その者を寄こせ』
高坂は細い目をさらに細くし、口元にさもおかしそうな笑みを浮かべ答えた。
「…いや、失礼。あまりにも、な演技にね。まったく“なっちゃ”いないよ? それに、その衣装もどうかと」
しばし交錯する二人の視線。すると僧は、ため息をつき、乱暴に外套を脱ぎ捨てた。
「ケッ、鼻のいい野郎だぜ」
脱ぎ捨てた外套の下から、頭巾をかぶり、体中に紋様が刻まれた男の姿が現れる。
「…つうかよ、テメェは“そっち派”じゃねぇのかよ? 同じ『日本』とかいう世界から来たんだろ? パライソだかデウスだか魔界とかってよ、せぇっかくあの天草の好みってのに合わせて、付き合ってやってたってのに… はぁ~、オレたちゃ使徒は、いろ~んな時代のいろ~んな文化ってのに合わせてお前らを盛り上げてやんきゃなんねぇんだぜぇ? ほ~んと、苦労してんだよ! そ~れをあの野郎…」
「天草が、どうかしたのか?」
「野郎は消えたぜ。俺らの術式だけ持ち去ってな」
「フフ、そうか。 それで、俺を監視していたわけだね」
「そのと~~り」
頭巾の男は、おどけたようにそう言って、甚内の顔を首をかしげて下からねめつけた。
「――知ってんだぜぇ、テメェも個人的にその妖刀ちゃんを探してたんだろう? ネコババしねぇかよぉ、見張って当然だろが」
しかし甚内は、まったく動じることなく、フン、とひとつ鼻で笑い、足元の娘を見やった。
「こんなもので良ければ持っていけ。お前ら好みの良い“闇”がつまっているよ。だが、複雑で、本人も、取り憑いてる“妖刀”すらも、その本質を理解してはいないだろうがね」
「……いいのかよ。そいつん中の刀、欲しいんだろう?」
「ああ、構わないよ。実際、見てみれば何とも下らない代物だった。“叛逆の象徴”というから、期待していたのだがね、何てことはない。タダの怨念と妄執の塊のような代物だったよ。数百年かけて追ってきたが、なんともな無駄骨だった――楽しかったがね」
そう言って、甚内は頭巾の男に背を向ける。
「どこ、行くんだよ」
「――無駄骨ではあったが、その道程で、次の遊びを思いついたんだ」
「おいおい、冗談だろ? 天草もそうだけどよぉ、逃がすわきゃねぇだろが。どこに行こうが、追ってくぜ?」
頭巾の男が凄むが、甚内はまるで気にするそぶりもなく、その歩みも止まることはない。
「追って来るなら逃げきるさ。それでもダメなら、喉笛を掻き切るまで。オレはね、誰かに従うというのはどうも苦手なんだよ――それに、天草の坊やとは少々約束があるんだ。妖刀などなくても、“道”くらい開いてみせるさ」
洞窟を出た甚内は灰色の空を見上げた。雨はまた少し弱まってきたが、やはりやむ気配はない。そのまま遠目に、洞窟の中でこちらを睨む頭巾の男、ついで、男に担ぎ上げられた銀髪の少女を見る。
「――本当に、くだらないな」
そうつぶやいた表情は、前髪で隠れ、うかがい知れず――そして、高坂甚内は、煙る雨霧の中に、溶け込むように消えた。

考察
新たな70コスト主力級アタッカー。
魔種のこの枠は花形のようなもので数も多く、今回もCサタンと一緒に2枚の追加である。
当然競合役も多いが、高坂にとってみると超覚アビのみ違うSRバハムートが分かりやすい競合。

召喚~覚醒スペックは平凡。
魔種の70は序盤の荒らしから召喚でとりあえず威力偵察…というパターンも割とあるので、
ATK90は実はそこそこ弱みとなる(100ならばトラサポのせてマジシャン根本にそこそこ脅威)。

完成すると高速240/210。
ステータス的にはあえて使うほどではないが、ここまで来るとアームズが解放されるのでそれを強みにできる。
所持しているアームズはドン・キホーテのようなタイプだが、
「ダッシュアタック2連ではなく、あくまでダメージを与える効果(ATK200相当・DEF依存・クリティカル判定あり)」
「貫通して進路上の敵すべてにダメージ」
といった特徴がある。肝心のダメージに関しては保証値があるが、高DEFに対しては普通に殴るより減らない。
体感だとDEF200あたりから通りが悪くなってくるので主力級にはあまり効果的ではない。
ただ相手を追い討ちしてミリ狩りするような事は得意。

以上から、アームズによる小物潰しが得意なので妨害や防衛においては強い。
荒らしてからさっさと作ってタワーを陥れるような動きに向いているカードだろう。

キャラクター説明
戦国時代から江戸時代にかけて存在していたとされる大盗賊。一節には武田氏の武将であったとも、宮本武蔵の弟子であったとも言われてている。
利害の一致から盗賊の頭目でありながら徳川氏と協力し、江戸城下街の治安維持を買って出た。
北条の滅亡から盗賊に身を落とした風魔小太郎一味のアジトを密告したのも彼。彼が捕縛されるきっかけを作った。
だが、彼自身も増長し盗賊としての勢力をどんどんと大きくしていったために、彼を危険視した徳川氏から追われる事となる。
最終的にはかつて滅ぼした風魔一味と同じく、捕縛の後に処刑されている。
捕縛された際には瘧(マラリア)を患っており、死に際には「俺に念じれば瘧を治してやる」と言い残している。そのエピソードからか、浅草では甚内神社には瘧に利益のある神として彼が現在も奉られている。

LoVでは宮本武蔵の弟子であった説を採用。甲州流の忍でありながら二天一流を伝承する剣豪。
史実と同じく風魔一族を滅ぼした張本人。その為、風魔小太郎からは一族の仇として狙われている。
天草四朗時貞によって魔界衆の一人として蘇り、彼のバックに存在する『教会』の技術を利用して不老の身体を得ている。
現在は自身の私兵隊と共に妖刀村雨を求め暗躍中。天草はこの事について黙認している様だ。

関連カード


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