~流謫の蓮華~(C)
基本情報
名前 流謫の蓮華(るたくのれんげ)
真名 哪吒太子(なたたいし)
種族 降魔
ジョブ マジシャン
初期カルマ 1
カルマ取得速度 NOMAL
<タイプ> 純真者
タイプ 崑崙山
HP 600
ATK 200
DEF 200
ハイアーツ
CV 中村 悠一

カルマアビリティ
カルマ1個 Wアップ
攻撃力と防御力が上がる。
カルマ2個 Wアップ
攻撃力と防御力が上がる。
カルマ3個 風火二輪
移動速度が上がる。さらに、攻撃間隔が短くなる。
ハイアーツ 火尖鎗
範囲内にいるターゲット中の敵ユニット1体と、その周囲の敵ユニット全ての防御力と移動速度を、一定時間下げる。
効果時間 ?秒
最近修正されたバージョン Ver3.512 [2017.03.30]

ステータス
  • 魔神状態中
カルマ所持数 融合体数 HP ATK/DEF
カルマ1個 0体 650 220/220
7体 900 280/280
  • 魔神状態解除後
カルマ所持数 HP ATK/DEF
カルマ1個 600 220/220〔アビリティ発動時〕
カルマ2個 600 240/240〔アビリティ発動時〕
カルマ3個 600 240/240〔アビリティ発動時〕

DATA・フレーバーテキスト
+ Ver3.4(VerRe:3.0)
Ver3.4(VerRe:3.0)
全長 6[尺]
体重 19[貫]
速度 送電飛虹
名付け親 太乙真人
性格 豪快奔放
真名 哪吒太子
イラストレーター lack
フレーバーテキスト
火尖槍は的を外さず、乾坤圏は山をも崩す。
目先に在るものすべてを壊し、蓮華の化身は空を駆ける。
疾風のごとく通り過ぎらば、降り注いだ血赤で地を華やげる。

「あははっかははは! 行くぞ参るぞ、止まりはしない! 三面八腎の大暴れ、骨の髄まで思い知れっ!」

竜の子殺しの美貌の道士は、からから笑って速さを増した。

「さて、老子よ! それで、なんであったかな?」
「じゃから…新たに…封神…始…つ~か…放せ…いや…ちょっと止ま…意識が…」
「だいたい、なんだ! 伝えたいことがあるならば、なぜ俺様のもとに来ないのだ! 怠惰にも念を飛ばして話しかけるとは、全く爺さんらしいことよな!」
「だってお前…会っても人…話…聞かんじゃろうがぃ…」
「あははっかはは! 老子の話はゆっくりだからな! じっと聞いてはいられぬよ! だからこうして道すがら、聞いてやろうとやって来た!」
「この糞…餓鬼めが…じゃから…今一度…封…計画を…」
「おっと、そういえば老子よ、俺様は今忙しいのだ! 急ぎ太公望の兄ぃのもとへと行かねばならん! かつて封神した者の気配を感じるのだ! ほれ、覚えておるか、あの狐!」
「何じゃ…お前…気づいて……」
「新たな戦いが始まるな! あぁ、待ちきれぬ、これで退屈が紛れるぞ! これもお釈迦様の思し召しよ!!」
+ Ver3.5(VerRe:3.1)
Ver3.5(VerRe:3.1)
全長 6[尺]
体重 19[貫]
速度 送電飛虹
兄弟子 太公望
好き 戦うこと
真名 哪吒太子
イラストレーター 村上 ヒサシ
フレーバーテキスト

天高く浮かぶ、雲とは違う黒い塊――よく見ると無数の点の集まりが、ひとつの点を追っていた。
塊は、ぐにゃりと形を歪めたかと思うと、ひとつの点目掛けて突進し、どうしたことか、次々にばらばらと散っていく。
散りゆく点の正体は、魑魅魍魎の悪鬼たち。そして、その中心で舞うひとつの点は、返り血を浴びなお無邪気に笑う、蓮華の化身の姿であった。
「あははっ! かははは! なんだ貴様ら、つまらんぞ! そんな見てくれのくせしてからに、塵芥のように弱くてもろい! つまらんつまらんつまらんな! そういや太乙に聞いたことがあるぞ? 貴様らのようなものを、見かけ――見かけ…はて、何であったかな…まあいい、つまらんものに変わりはない! もっと強いものはおらんのか! これでは潰れる暇も膨らむぞ!」
化身はぐるんと腕をひとつ回すと、ふたたび悪鬼たちの群れに突進しようとして――止まった。
その目の向いたはるか下、遠い地上の一点に、小さな池のほとりで、ぼうっと釣竿を垂らす、線の細い男が見えたからだった。
化身は犬歯を見せて笑うと、流星のように降下し、轟音とともに着地すると、男の横に仁王立った。
「なあ、お前! お前は強いか!? 先刻からな、『不細工』で『むさ苦しくて』で『群れているもの』と戦っているのだが、弱くて脆くて、ちっとも楽しくなれんのだ! あいつらと正反対のお前はどうだ!? 戦えば、俺様は楽しくなることができるのか!?」
男は流し目ひとつ化身に送ると、柔和な笑みを浮かべて答えた。
「おや、何やら口説かれてるようだねぇ。しかしまぁ、生憎だが、あたしはあんたの期待には応えられないよ。見ての通り、釣りをしているだけの冴えない男でね、強いどころか戦うこともできやしない、非力なもんなのさ」
「かははっ、嘘だな! 貴様、宝貝を持っているだろう! 修行を積んだ仙人の証拠だ!」
「あれま、意外と目ざといね…」
「なあ、いいであろう? 強いものと戦ってみたいのだ! 俺様には戦いしかないのに、どいつも、何も、俺様の相手にならん! すぐに壊れて、無くなってしまうのだ! だから俺様はずっとひとり、こうして相手を探している!」
「おやまぁ、ひとりで… あんたのような賑やかな子には、さぞさびしいことだろうねぇ」
「さびしい… さびしい?? わからんな! だがつまらん! 楽しくない! だが、お前と戦えば楽しそうな気がするぞ!」
「こまったねぇ。釣りの最中だから、お喋りくらいなら構わないの――」
男が言い終わらぬうちに、突然すさまじい轟音とともに池が爆発した。
空に上がった大量の水が、雨のようにざあざあと降り注ぐ――びしょ濡れになった男がぱちぱちと目を瞬く横で、化身は相も変わらず無邪気な顔で、乾坤圏を構えた姿勢のまま言った。
「これならどうだ!? お前はずぶ濡れ、池もなくなり、楽しみの釣りもできなくなった! それは全部俺様のせいだ! さあ、これでお前は俺様と戦うか!?」
男は少し呆けた後、小さく笑って、雫を垂らす髪に手櫛を通してかき上げ――宝貝『打神鞭』を手に取った。
「…あれま、あたしも遊びをとりあげられちまった。こりゃしかたない、それじゃあ、ほんの少しだけ――あんたに、遊んでもらおうかね」

* * * *

彼と出会ったあの日と同じく、蓮華の化身は空を駆けていた。
そうしてふと目についた遥か下――遠い地上の一点に、彼の姿を見つけると、化身はらんらんと目を輝かせ、流星のごとく降下した。
「やぁやぁ、兄ぃだ! 逢ぁぁいたかったよ、兄ぃ!! 急げや急げと二輪を回し、三面八臂をかなぐり捨てて、兄ぃに逢いにやってきた!」
呼ばれた彼――太公望は、化身の姿を見ると、いつものように微笑んだ。
「あれあれ、ナタの坊やじゃないか。待ち合わせ場所までまだ遠いかと思ったが、嬉しいねぇ、お前のほうからやってきてくれるとは」
「待ちきれなかった! 兄ぃはいつも俺様を楽しませてくれる! 今度もまた、新たな戦いに混ぜてくれるのだろう? 俺様は降魔で時間も無い! だから待つより迎えに行って、さっさと始めたかったのだ!」
「うん? 何だかその口ぶりじゃあ、あたしがいつも争いを起こしてるようにも聞こえるが… でもまぁ、会えて良かったよ、ナタ。老子から話は聞いたろう? お前の力を貸してくれるかい?」
「敵と戦えばいいのだろう? 勿論だ! で、今度の敵はどいつだ! またあの女狐か?」
「…うん、確かにこれから向かうのは妲己さんのところだが、どうするかは会って見なきゃあわからないよ。そのどうするか自体もまだわからないのだけどねぇ」
そう言って頬をかき笑うと、太公望は腕を組み、何とも読めぬ顔で黙りこむ。
「…何とまた、聡い兄ぃにもわからんことがこの世にあるとはな。どれどれ俺様も考えてみよう!」
化身は並んで腕を組み、ううむと唸って考えた。そうして二人で黙り込んだが、すぐに化身がしびれを切らして叫びだす。
「あああ、わからん!! わからんことはわからんな! 俺様にはまったくさっぱりだ! 俺様は考えてから行くのはやめる! 女狐にあったら、その時思ったことをする! あとはすべて、お釈迦様の思し召しよ! 兄ぃ、すまないが、そんなわけで俺様は考えるのをやめた! でも兄ぃならきっと、良い知恵が浮かぶに違いない!」
そう言ってニカリと笑う化身を、太公望は目を見開いてぽかんと見つめ――そして、ばしん、とその背を思い切り叩いた。
「??? 何だ兄ぃ、怒ったのか…?」
「…いや、くく…ははは、そうか、ナタ…さすがはあたしの弟分だよ」
化身は混乱しきった顔で太公望を見やる。
太公望が身を震わせて、くくくと笑っている。静かに笑みを浮かべる姿はよく見たものの、彼のそのような様を見たのは初めてであった。
呆ける化身をよそに、太公望は笑いにこぼれた涙を拭いて、大きく息を吐いて言った。
「はぁ~、あたしはどうも、ぐるぐる考え込んじまう癖があるようだ。ナタの言う通りだよ、考えてるだけじゃあ何も進まない。さっさと進んでしまおうか」
「そうか! 全然意味がわからんが、兄ぃが納得したならそれでよい!」
「そうと決まれば、竜吉さんと老子を迎えに行こうかね。まだまだ長い道程になりそうだ」
「うむ! 竜吉のお姫は知らないが、老子なら任せよ! 何せ、俺様が首根っこを掴んで兄ぃを探し、西へ東へ飛んで来たのだ!」
そう言う化身の右左、さらには後ろを見やった後、太公望は首を傾げた。
「そうなのかい? そのわりには、老子のお姿は見えないが」
化身は老子を掴んでいた手を見つめ、握って開きを繰り返し――そして、かははと笑って言った。
「なるほど! どこかに落としてきたな!」


考察
中速、自己強化型のマジシャン降魔。
カルマ1から実質220/220、完成すると240/240の高速/ヘイスト。火力と生存力が高い存在になれる。
降魔にしてはシューターの火力もまぁまぁ。

ハイアーツは広範囲へのデバフ。防御力を30下げ、移動速度も下げる。
ディフェンダーと組むことでスマッシュが決まりやすくなって有効。
ハイアーツがかかった部隊にはスプレッドで追い殺せるぐらいの速度差にはなる。

Re:3の時点では他のマジシャン降魔がワントップ特化と部隊硬化なので、単純に強めのマジシャンが欲しいならおススメ。

Ver3.5の追加で、攻撃射程とスプレッドショットに特化したR傾星の妖狐というライバルが登場。
カルマ1で発動するWアップの上昇量が下方修正を受けたこともあり、採用率は落ち着いている。
Ver3.512では、「Wアップ」の攻撃力上昇値と防御力上昇値が、カルマ1と2合わせて+30だったものが+40へと上方修正された。

キャラクター説明
真名は哪吒太子(なたたいし)
インド神話に登場する下級神ナラクーバラを前身とした神である。
かなり乱暴物の神で生後三日にして竜王を殺して背筋を抜くという暴挙を働く。
その後は父親に殺されかけた挙句に自害、なんとか復活して父とも和解して一応は改心したという。
流謫の蓮華の場合、自害する前に降魔となったらしく、完璧な暴走状態となっているようだ。

因みに足の2つの車輪が風火二輪で右手から投げ出している金の輪っかが乾坤圏(けんこんけん)、ごっついアーム(?)が降妖杵であると思われる。
この降妖杵、制圧・破壊時の動きが少し気持ち悪い。

フレーバーにある"三面八臂(さんめんはっぴ)”とは、3つの顔に、8本の腕と、
要するに阿修羅みたいな状態を指すが、LOVの哪吒はそんなことは無い。

LoV2にも登場していた降魔。当時は強力な能力を持っており、属性が雷だったことから海種使いからしたら天敵ともされた存在。
画集銀では蓮でできた身体を得て復活したという話があり、それを聞いたテティスが理想の不死身とは程遠いと拍子抜けしている様子が描かれている。
こちらはアケローン大陸における哪吒太子の話とも考えられる。

哪吒をナタクと読む人も多いが、これは漫画作品「封神演義」での読み仮名で
本来は「吒」の字に「タク」という発音は無い。
中村氏がCV担当をした経緯は、LoV2当時に行われた「使い魔の声をやってほしい声優さん」という
ユーザー投票企画の結果によって選ばれた一人であるため。

関連カード


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  • 流謫の蓮華△<純真者>崑崙仙
    初期カルマ1(NORMAL)
    200/200

    カルマ1:Wアップ(攻撃力と防御力が上がる。)
    カルマ2:Wアップ(攻撃力と防御力が上がる。)
    カルマ3:風火二輪(移動速度が上がる。さらに、攻撃感覚が短くなる。)

    ハイアーツ:範囲内にいるターゲット中の敵ユニット一体と、
    その周囲の敵ユニットすべての防御力と移動速度を、一定時間下げる。 -- (名無しさん) 2015-12-07 15:31:02
  • ↑ハイアーツ:火尖鎗(範囲内にいるターゲット中の敵ユニット一体と、その周囲の敵ユニットすべての防御力と移動速度を、一定時間下げる。) -- (名無しさん) 2015-12-07 15:33:36
  • ハイアーツはDEF-30 -- (名無しさん) 2015-12-24 00:03:04
  • Ver3.5のフレーバーです。
    天高く浮かぶ、雲とは違う黒い塊――よく見ると無数の点の集まりが、ひとつの点を追っていた。

    塊は、ぐにゃりと形を歪めたかと思うと、ひとつの点目掛けて突進し、どうしたことか、次々にばらばらと散っていく。

    散りゆく点の正体は、魑魅魍魎の悪鬼たち。そして、その中心で舞うひとつの点は、返り血を浴びなお無邪気に笑う、蓮華の化身の姿であった。

    「あははっ! かははは! なんだ貴様ら、つまらんぞ! そんな見てくれのくせしてからに、塵芥のように弱くてもろい! つまらんつまらんつまらんな! そういや太乙に聞いたことがあるぞ? 貴様らのようなものを、見かけ――見かけ…はて、何であったかな…まあいい、つまらんものに変わりはない! もっと強いものはおらんのか! これでは潰れる暇も膨らむぞ!」

    化身はぐるんと腕をひとつ回すと、ふたたび悪鬼たちの群れに突進しようとして――止まった。

    その目の向いたはるか下、遠い地上の一点に、小さな池のほとりで、ぼうっと釣竿を垂らす、線の細い男が見えたからだった。

    化身は犬歯を見せて笑うと、流星のように降下し、轟音とともに着地すると、男の横に仁王立った。

    「なあ、お前! お前は強いか!? 先刻からな、『不細工』で『むさ苦しくて』で『群れているもの』と戦っているのだが、弱くて脆くて、ちっとも楽しくなれんのだ! あいつらと正反対のお前はどうだ!? 戦えば、俺様は楽しくなることができるのか!?」

    男は流し目ひとつ化身に送ると、柔和な笑みを浮かべて答えた。

    「おや、何やら口説かれてるようだねぇ。しかしまぁ、生憎だが、あたしはあんたの期待には応えられないよ。見ての通り、釣りをしているだけの冴えない男でね、強いどころか戦うこともできやしない、非力なもんなのさ」
    「かははっ、嘘だな! 貴様、宝貝を持っているだろう! 修行を積んだ仙人の証拠だ!」
    「あれま、意外と目ざといね…」
    「なあ、いいであろう? 強いものと戦ってみたいのだ! 俺様には戦いしかないのに、どいつも、何も、俺様の相手にならん! すぐに壊れて、無くなってしまうのだ! だから俺様はずっとひとり、こうして相手を探している!」
    「おやまぁ、ひとりで… あんたのような賑やかな子には、さぞさびしいことだろうねぇ」
    「さびしい… さびしい?? わからんな! だがつまらん! 楽しくない! だが、お前と戦えば楽しそうな気がするぞ!」
    「こまったねぇ。釣りの最中だから、お喋りくらいなら構わないの――」

    男が言い終わらぬうちに、突然すさまじい轟音とともに池が爆発した。

    空に上がった大量の水が、雨のようにざあざあと降り注ぐ――びしょ濡れになった男がぱちぱちと目を瞬く横で、化身は相も変わらず無邪気な顔で、乾坤圏を構えた姿勢のまま言った。

    「これならどうだ!? お前はずぶ濡れ、池もなくなり、楽しみの釣りもできなくなった! それは全部俺様のせいだ! さあ、これでお前は俺様と戦うか!?」

    男は少し呆けた後、小さく笑って、雫を垂らす髪に手櫛を通してかき上げ――宝貝『打神鞭』を手に取った。
    &

  • 「…あれま、あたしも遊びをとりあげられちまった。こりゃしかたない、それじゃあ、ほんの少しだけ――あんたに、遊んでもらおうかね」


    * * * *


    彼と出会ったあの日と同じく、蓮華の化身は空を駆けていた。

    そうしてふと目についた遥か下――遠い地上の一点に、彼の姿を見つけると、化身はらんらんと目を輝かせ、流星のごとく降下した。

    「やぁやぁ、兄ぃだ! 逢ぁぁいたかったよ、兄ぃ!! 急げや急げと二輪を回し、三面八臂をかなぐり捨てて、兄ぃに逢いにやってきた!」

    呼ばれた彼――太公望は、化身の姿を見ると、いつものように微笑んだ。

    「あれあれ、ナタの坊やじゃないか。待ち合わせ場所までまだ遠いかと思ったが、嬉しいねぇ、お前のほうからやってきてくれるとは」
    「待ちきれなかった! 兄ぃはいつも俺様を楽しませてくれる! 今度もまた、新たな戦いに混ぜてくれるのだろう? 俺様は降魔で時間も無い! だから待つより迎えに行って、さっさと始めたかったのだ!」
    「うん? 何だかその口ぶりじゃあ、あたしがいつも争いを起こしてるようにも聞こえるが… でもまぁ、会えて良かったよ、ナタ。老子から話は聞いたろう? お前の力を貸してくれるかい?」
    「敵と戦えばいいのだろう? 勿論だ! で、今度の敵はどいつだ! またあの女狐か?」
    「…うん、確かにこれから向かうのは妲己さんのところだが、どうするかは会って見なきゃあわからないよ。そのどうするか自体もまだわからないのだけどねぇ」

    そう言って頬をかき笑うと、太公望は腕を組み、何とも読めぬ顔で黙りこむ。

    「…何とまた、聡い兄ぃにもわからんことがこの世にあるとはな。どれどれ俺様も考えてみよう!」

    化身は並んで腕を組み、ううむと唸って考えた。そうして二人で黙り込んだが、すぐに化身がしびれを切らして叫びだす。 -- (名無しさん) 2016-06-28 19:37:05
  • 「あああ、わからん!! わからんことはわからんな! 俺様にはまったくさっぱりだ! 俺様は考えてから行くのはやめる! 女狐にあったら、その時思ったことをする! あとはすべて、お釈迦様の思し召しよ! 兄ぃ、すまないが、そんなわけで俺様は考えるのをやめた! でも兄ぃならきっと、良い知恵が浮かぶに違いない!」

    そう言ってニカリと笑う化身を、太公望は目を見開いてぽかんと見つめ――そして、ばしん、とその背を思い切り叩いた。

    「??? 何だ兄ぃ、怒ったのか…?」
    「…いや、くく…ははは、そうか、ナタ…さすがはあたしの弟分だよ」

    化身は混乱しきった顔で太公望を見やる。

    太公望が身を震わせて、くくくと笑っている。静かに笑みを浮かべる姿はよく見たものの、彼のそのような様を見たのは初めてであった。

    呆ける化身をよそに、太公望は笑いにこぼれた涙を拭いて、大きく息を吐いて言った。

    「はぁ~、あたしはどうも、ぐるぐる考え込んじまう癖があるようだ。ナタの言う通りだよ、考えてるだけじゃあ何も進まない。さっさと進んでしまおうか」
    「そうか! 全然意味がわからんが、兄ぃが納得したならそれでよい!」
    「そうと決まれば、竜吉さんと老子を迎えに行こうかね。まだまだ長い道程になりそうだ」
    「うむ! 竜吉のお姫は知らないが、老子なら任せよ! 何せ、俺様が首根っこを掴んで兄ぃを探し、西へ東へ飛んで来たのだ!」

    そう言う化身の右左、さらには後ろを見やった後、太公望は首を傾げた。

    「そうなのかい? そのわりには、老子のお姿は見えないが」

    化身は老子を掴んでいた手を見つめ、握って開きを繰り返し――そして、かははと笑って言った。

    「なるほど! どこかに落としてきたな!」 -- (名無しさん) 2016-06-28 19:37:38

  • 全長:6[尺]
    体重:19[貫]
    速度:送電飛虹
    兄弟子:太公望
    好き:戦うこと
    真名:哪吒太子

    イラストレーター:村上 ヒサシ -- (名無しさん) 2016-06-28 19:38:54
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最終更新:2018年01月10日 01:18
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