• 流謫の蓮華△<純真者>崑崙仙
    初期カルマ1(NORMAL)
    200/200

    カルマ1:Wアップ(攻撃力と防御力が上がる。)
    カルマ2:Wアップ(攻撃力と防御力が上がる。)
    カルマ3:風火二輪(移動速度が上がる。さらに、攻撃感覚が短くなる。)

    ハイアーツ:範囲内にいるターゲット中の敵ユニット一体と、
    その周囲の敵ユニットすべての防御力と移動速度を、一定時間下げる。 -- (名無しさん) 2015-12-07 15:31:02
  • ↑ハイアーツ:火尖鎗(範囲内にいるターゲット中の敵ユニット一体と、その周囲の敵ユニットすべての防御力と移動速度を、一定時間下げる。) -- (名無しさん) 2015-12-07 15:33:36
  • ハイアーツはDEF-30 -- (名無しさん) 2015-12-24 00:03:04
  • Ver3.5のフレーバーです。
    天高く浮かぶ、雲とは違う黒い塊――よく見ると無数の点の集まりが、ひとつの点を追っていた。

    塊は、ぐにゃりと形を歪めたかと思うと、ひとつの点目掛けて突進し、どうしたことか、次々にばらばらと散っていく。

    散りゆく点の正体は、魑魅魍魎の悪鬼たち。そして、その中心で舞うひとつの点は、返り血を浴びなお無邪気に笑う、蓮華の化身の姿であった。

    「あははっ! かははは! なんだ貴様ら、つまらんぞ! そんな見てくれのくせしてからに、塵芥のように弱くてもろい! つまらんつまらんつまらんな! そういや太乙に聞いたことがあるぞ? 貴様らのようなものを、見かけ――見かけ…はて、何であったかな…まあいい、つまらんものに変わりはない! もっと強いものはおらんのか! これでは潰れる暇も膨らむぞ!」

    化身はぐるんと腕をひとつ回すと、ふたたび悪鬼たちの群れに突進しようとして――止まった。

    その目の向いたはるか下、遠い地上の一点に、小さな池のほとりで、ぼうっと釣竿を垂らす、線の細い男が見えたからだった。

    化身は犬歯を見せて笑うと、流星のように降下し、轟音とともに着地すると、男の横に仁王立った。

    「なあ、お前! お前は強いか!? 先刻からな、『不細工』で『むさ苦しくて』で『群れているもの』と戦っているのだが、弱くて脆くて、ちっとも楽しくなれんのだ! あいつらと正反対のお前はどうだ!? 戦えば、俺様は楽しくなることができるのか!?」

    男は流し目ひとつ化身に送ると、柔和な笑みを浮かべて答えた。

    「おや、何やら口説かれてるようだねぇ。しかしまぁ、生憎だが、あたしはあんたの期待には応えられないよ。見ての通り、釣りをしているだけの冴えない男でね、強いどころか戦うこともできやしない、非力なもんなのさ」
    「かははっ、嘘だな! 貴様、宝貝を持っているだろう! 修行を積んだ仙人の証拠だ!」
    「あれま、意外と目ざといね…」
    「なあ、いいであろう? 強いものと戦ってみたいのだ! 俺様には戦いしかないのに、どいつも、何も、俺様の相手にならん! すぐに壊れて、無くなってしまうのだ! だから俺様はずっとひとり、こうして相手を探している!」
    「おやまぁ、ひとりで… あんたのような賑やかな子には、さぞさびしいことだろうねぇ」
    「さびしい… さびしい?? わからんな! だがつまらん! 楽しくない! だが、お前と戦えば楽しそうな気がするぞ!」
    「こまったねぇ。釣りの最中だから、お喋りくらいなら構わないの――」

    男が言い終わらぬうちに、突然すさまじい轟音とともに池が爆発した。

    空に上がった大量の水が、雨のようにざあざあと降り注ぐ――びしょ濡れになった男がぱちぱちと目を瞬く横で、化身は相も変わらず無邪気な顔で、乾坤圏を構えた姿勢のまま言った。

    「これならどうだ!? お前はずぶ濡れ、池もなくなり、楽しみの釣りもできなくなった! それは全部俺様のせいだ! さあ、これでお前は俺様と戦うか!?」

    男は少し呆けた後、小さく笑って、雫を垂らす髪に手櫛を通してかき上げ――宝貝『打神鞭』を手に取った。

    「…あれま、あたしも遊びをとりあげられちまった。こりゃしかたない、それじゃあ、ほんの少しだけ――あんたに、遊んでもらおうかね」


    * * * *
    -- (名無しさん) 2016-06-28 19:36:36

  • 「…あれま、あたしも遊びをとりあげられちまった。こりゃしかたない、それじゃあ、ほんの少しだけ――あんたに、遊んでもらおうかね」


    * * * *


    彼と出会ったあの日と同じく、蓮華の化身は空を駆けていた。

    そうしてふと目についた遥か下――遠い地上の一点に、彼の姿を見つけると、化身はらんらんと目を輝かせ、流星のごとく降下した。

    「やぁやぁ、兄ぃだ! 逢ぁぁいたかったよ、兄ぃ!! 急げや急げと二輪を回し、三面八臂をかなぐり捨てて、兄ぃに逢いにやってきた!」

    呼ばれた彼――太公望は、化身の姿を見ると、いつものように微笑んだ。

    「あれあれ、ナタの坊やじゃないか。待ち合わせ場所までまだ遠いかと思ったが、嬉しいねぇ、お前のほうからやってきてくれるとは」
    「待ちきれなかった! 兄ぃはいつも俺様を楽しませてくれる! 今度もまた、新たな戦いに混ぜてくれるのだろう? 俺様は降魔で時間も無い! だから待つより迎えに行って、さっさと始めたかったのだ!」
    「うん? 何だかその口ぶりじゃあ、あたしがいつも争いを起こしてるようにも聞こえるが… でもまぁ、会えて良かったよ、ナタ。老子から話は聞いたろう? お前の力を貸してくれるかい?」
    「敵と戦えばいいのだろう? 勿論だ! で、今度の敵はどいつだ! またあの女狐か?」
    「…うん、確かにこれから向かうのは妲己さんのところだが、どうするかは会って見なきゃあわからないよ。そのどうするか自体もまだわからないのだけどねぇ」

    そう言って頬をかき笑うと、太公望は腕を組み、何とも読めぬ顔で黙りこむ。

    「…何とまた、聡い兄ぃにもわからんことがこの世にあるとはな。どれどれ俺様も考えてみよう!」

    化身は並んで腕を組み、ううむと唸って考えた。そうして二人で黙り込んだが、すぐに化身がしびれを切らして叫びだす。 -- (名無しさん) 2016-06-28 19:37:05
  • 「あああ、わからん!! わからんことはわからんな! 俺様にはまったくさっぱりだ! 俺様は考えてから行くのはやめる! 女狐にあったら、その時思ったことをする! あとはすべて、お釈迦様の思し召しよ! 兄ぃ、すまないが、そんなわけで俺様は考えるのをやめた! でも兄ぃならきっと、良い知恵が浮かぶに違いない!」

    そう言ってニカリと笑う化身を、太公望は目を見開いてぽかんと見つめ――そして、ばしん、とその背を思い切り叩いた。

    「??? 何だ兄ぃ、怒ったのか…?」
    「…いや、くく…ははは、そうか、ナタ…さすがはあたしの弟分だよ」

    化身は混乱しきった顔で太公望を見やる。

    太公望が身を震わせて、くくくと笑っている。静かに笑みを浮かべる姿はよく見たものの、彼のそのような様を見たのは初めてであった。

    呆ける化身をよそに、太公望は笑いにこぼれた涙を拭いて、大きく息を吐いて言った。

    「はぁ~、あたしはどうも、ぐるぐる考え込んじまう癖があるようだ。ナタの言う通りだよ、考えてるだけじゃあ何も進まない。さっさと進んでしまおうか」
    「そうか! 全然意味がわからんが、兄ぃが納得したならそれでよい!」
    「そうと決まれば、竜吉さんと老子を迎えに行こうかね。まだまだ長い道程になりそうだ」
    「うむ! 竜吉のお姫は知らないが、老子なら任せよ! 何せ、俺様が首根っこを掴んで兄ぃを探し、西へ東へ飛んで来たのだ!」

    そう言う化身の右左、さらには後ろを見やった後、太公望は首を傾げた。

    「そうなのかい? そのわりには、老子のお姿は見えないが」

    化身は老子を掴んでいた手を見つめ、握って開きを繰り返し――そして、かははと笑って言った。

    「なるほど! どこかに落としてきたな!」 -- (名無しさん) 2016-06-28 19:37:38

  • 全長:6[尺]
    体重:19[貫]
    速度:送電飛虹
    兄弟子:太公望
    好き:戦うこと
    真名:哪吒太子

    イラストレーター:村上 ヒサシ -- (名無しさん) 2016-06-28 19:38:54

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最終更新:2016年06月28日 19:38