• 「ほいよ57秒 へへ…パット まーた俺の勝ちだな」
    ビリーは子供のような笑みを浮かべて言った。彼が興じていたゲームは、パットが銀行に雇わせた手練れの用心棒達を、一分以内に全員殺せるかどうか、というひどく悪趣味なものだった。
    「これで32戦28敗かよ…はぁ 今回の奴らならもうチョイ粘ってくれると思ったんだけどなぁ…」
    ビリーの隣で苦笑いを浮かべているのは保安官のパット・ギャレット。ビリーのかつてのアウトロー仲間であり、彼が唯一心を許せる存在だった。
    「“遊び”には手を抜かねぇのよ ほら 今月の借金返済とゲーム代差し引いた今回の“お駄賃”だ」
    ビリーは銀行から奪った金の1/4をパットに差し出した。
    「少ねぇとかぬかすなよ? これでもテメェへの感謝賃も乗っけてんだぜ? 役人共の“信頼お篤い”パットさんのおかげでよ いつまでもこんな乱痴気騒ぎができるんだ」
    パットは金を受け取ると、ビリーの銃がホルスターに収まるのを見届けてから言った。
    「あぁ楽しかったなぁ… けどよビリー そろそろお開きといこうや」
    銃を握ったパットの手が、素早くにビリーの眉間へと動いた。そして、荒野に6発の銃声が鳴り響き、男が一人、力なく地に倒れこんだ。
    「パット なんで裏切った…」
    地に倒れ、天を仰ぐパットを見下ろしながら、ビリーは左手の銃を彼に向けたまま尋ねた。
    「…さすがだなぁ あれだけ俺に有利な状況でも、間に合わねぇのかよ… だがよ… 俺は死ねねぇんだ…」
    そう言ったパットがめくったシャツの下には、胸に空いた6つの穴、そして、怪しげな「紋章」が紅い輝きを放っていた。
    「まずったぜ これは『契約』でよ 不死身の体が手に入る代わりに 決まった日までに『約束』を果たさねぇと 体がグズグズに崩れるんだと…俺の約束は『大事な奴を殺す』さ…」
    渇いた笑顔に涙を浮かべるパットを、苦い表情で見つめながら、ビリーは言った。
    「…教えろよパット テメェと『契約』した奴…そいつぁ “誰だ?”」
    「名前は知らねぇ… 確か…『教会』って言ってたなぁ…」
    ビリーは友に向けていた銃を腰に収めて言った。
    「チッ “チャーチ”とか一番縁遠いじゃねぇか ヘイ パット テメェはオレに借金あんだ 利息つけて返すまでぜってぇ逃がしゃしねぇぞ そいつらの居場所を教えな――知ってんだろ オレはゲームが得意なんだ」


    ――チッ、糞つまんねぇ夢見たぜ。

    目を覚ましたビリーはそう言うと、あくびをして毛布を投げ捨て、胸に刻まれた紋章を掻いた。
    身長
    1.6[meter]
    体重
    55[kg]
    出身地
    不明
    現在地
    レムギア
    現在の立場
    〈教会〉の使徒
    残りの『契約期間』
    95日 -- (名無しさん) 2016-02-07 23:14:33