• ver3.4フレーバーテキスト
    生まれた時より心無く、造られた心を与えられた少女は、自ら裂いた腹より出でた、八つの珠に囲まれていた。
    「伏姫神よ 伏姫神よ あなたの御身は特別なもの あなたの御身は里見のもの 我ら八珠は御身の命 あなたを生かす 御身の命」
    少女に語りかける珠たちをぼんやりと見つめ、少女は尋ねた。
    「…して 伏に何をお望みで?」
    少女の問いに反応するように、八珠は緑碧から真紅に染まった。
    「伏姫神よ 伏姫神よ あなたはあなたの映し身たる 八匹の犬士を探すのです」
    「…探して どうするのですか?」
    「導きなされ 導きなされ 紅き瞳と 黒き焔の 八武者の元へ」
    「…何故に?」
    しかし、そう尋ねる少女の瞳に光は無く、その言葉にも意志がないようで――八珠はくるくると少女の周りを回り、答えた。
    「里見の夷狄を屠るため 里見の夷狄を屠るため それが里見の剣となる」
    「…伏は――そのために造られたのですね?」
    「いかにも いかにも 全ては里見の御為に」
    さもありなんと、愉快そうに上下に揺れながら回る八珠。その赤い光に照らされて仄赤く染まる少女の顔が、ほんの少し強張った。
    「…八珠よ もう一つだけ聞かせてくださいまし」
    一度目を閉じ、再び開いた少女の目には、薄らとした光が浮かんでいた。
    「もし その望みを叶えたら――」
    少女は、にっこり笑って言った。
    「――伏は死ぬることができますか?」
    八珠は、少女の問いに逡巡するように、ほんの少しだけ動きをとめた後、再び愉快そうにくるくると回って告げた。
    「伏姫神よ 伏姫神よ それがあなたの望みとあらば 全てを果たしたその後に」

    ああ、悲しきは少女よ、悲しき姫よ、そなたを求むる獣と武者は、そなたを探し、そなたを求め、潰れそうな心で遠い空を彷徨っているというのに、そなたはまだ遠くに旅立とうというのか。

    「全てを果たせば 必ずや 必ずや」

    [それが…あなたの…望みと…あらば]

    ~『紅焔八犬伝』 弐の②~ -- (名無しさん) 2016-05-07 14:29:14
  • 身長 義あらばお答えしましょう
    体重 礼あらばお聞きなさいますな
    欲するもの 真の自身の心
    望むもの 叶わぬ望みの終わり
    父 里見義実
    好物 三色団子
    イラストレーター 夜汽車 -- (名無しさん) 2016-05-07 14:31:04
  • フレーバーテキスト下段の [[[ … の部分がタグ化されてしまいましたが
    教会組と同じくセリフの鍵括弧です -- (名無しさん) 2016-05-07 14:33:43