• アーツのwait時間は60秒です -- (名無しさん) 2016-06-25 16:12:31
  • 3.5フレーバー。

    キリリ、キリリ――ダペルトゥットは、恋人形の柔らかく、すべやかな肌を愛おしそうにさすり撫でながら、関節の滑り具合を入念に確かめました。

    「オランピア――私の最高のべドラム――」

    首から鎖骨へ滑り、二の腕から指先まで、ダベルトゥットが囁きながら自分に触れていく様を、ベドラムは他人事のように無関心に見つめていました。

    「ああ… 冷たく残酷で、背徳に満ちた目をしているね… お前の美しさは増していくばかり… 良い時の過ごし方をしている証拠だよ。無数の人間を破滅に導き、彼らの悲劇をすべて見届けてきたいい目だ…」
    「美しい… マスターはそればかり言うのね…」

    不意にベドラムがそう呟き、ダベルトゥットは目を細めました。ベドラムは冷たくつかめない表情を浮かべながら、なおも続けます。

    「…ずっと昔に、マスターと同じようなことを言う人がいたわ。…それは、そんなにいいことなのかしら…」
    「……おかしなことを言うんだね… 昔とはいつのことだい? それは誰のことだい? おかしいね…本当におかしいよ… 私のべドラム――可愛いシヴィル・オランピア・ヴェイン…」

    ダベルトゥットはそう言って首をかしげましたが、言葉とは裏腹に、その表情は愉悦に満ちていました。まるで、大切に大切に『育てて』きたこの恋人形が、完成に近づいていることを感じ、喜んでいるかのように。

    「そうなの? マスター。 私、近頃たまに変になるわ… 胸の辺りがなんだか、嫌な感じなの。壊れているのかもしれないわ…」
    「壊れてなんかいるものか… それでいいんだよ、可愛いベドラム… 何もかも順調で、完璧に進んでいるよ。あぁ、今から楽しみでたまらない… あの男は、この子を前にして、何を思うだろう? 何も終わっていない、自分の愚かさを思い知って、その魂はどれだけ傷つき壊れるだろう… その魂は、どれだけ甘美なものになるのだろう…」
    「マスター、私は……」
    「んん? さあ、もう良いだろう。終わったよ。新しいご主人様を迎えに行っておいで。今度のご主人様は、特別なんだ。うんと絶望させて、格別の破滅をもたらせておやり」

    調律を終えたダベルトゥットは、ベドラムの頬に手を添えて、そう命じました。

    ベドラムはながい睫毛を伏せ、一瞬だけ眉をひそめましたが、

    「…わかったわ、マスター」

    と、そう答えました。


    …to be continued
    身長
    1.4[meter]
    体重
    29[kg]
    マスター
    ダペルトゥット
    仕事
    “債務”の回収
    嫌いなもの
    美への妄執
    目覚めつつあるもの
    “記憶”
    kera -- (名無しさん) 2016-06-30 18:49:23