アルデバラン(UR)
基本情報
名前 アルデバラン
種族 海種
ジョブ アタッカー
召喚コスト 90
<タイプ> 黒戦機
タイプ 機甲
HP 700
ATK 110
DEF 110
覚醒
超覚醒
アーツ
CV

アビリティ
召喚 テンタクルアーム
ファイタースタイル時に、射程距離が延びる。
さらに、自身が攻撃した敵ユニットと、その周囲にいる敵ユニット1体にダメージを与える。
覚醒 プレアデスフリーズ
攻撃力と防御力が上がる。
さらに、自身が戦場に出ている間、超覚醒している自ユニットの攻撃力と防御力を、対象の召喚コストに応じて一定にする。
超覚醒 クリムゾンフリーズ
攻撃力と防御力が上がる。
さらに、自身が超覚醒している敵ユニットを攻撃したとき、対象の攻撃力と防御力を、その召喚コストに応じて一定時間一定にする。

ステータス
状態 HP ATK/DEF
召喚 700 110/110
覚醒 750 180/180
超覚醒 800 250/250

DATA・フレーバーテキスト
+Ver3.5
Ver3.5
全長 30[merter]
重量 320[t]
最高速度 亜光速(宇宙空間航行時)
生息域 暗黒星雲
興味 機甲の根源
収められた魂の名 ぺルグランテ・マーテル・スティーリア
イラストレーター 増田 幹生
フレーバーテキスト

    episode:アルデバラン
『無貌の底で、彼女は哂う』

◆    ◆    ◆    ◆

「――終わるよ」
    彼は私の肩にそっと手を置いて、そう言った。
    そしていつものように、されるまま力なく抱き寄せられる。広いわりに机一つしかない殺風景な彼の執務室でこうしていると、世界には二人以外誰もいなくなってしまったのではないかという錯覚を覚える。
    ぎゅうと力強く抱かれながら横目に見た彼の目は、やはりいつものようにしっかりと開かれていて、バルコニーに続く窓へと向けられていた。しかし今日は、そこではないどこか遠い所を見ているような、そんな目だと思った。
「すぐにというわけではないが、そう遠くない内に全て消えて無くなるだろう」
「……あなたでも、どうにもならないの?」
「残念ながらね。もうこれは変えようのないことなんだ――」
    彼は長いまつ毛が美しく揃ったまぶたを、さも悲し気に伏せ、
「――この世界は、終わるんだ」
    と、小さく耳元で告げた。
「“あの方”がこの次元を去った今、どれだけ僕らの技術を、才能を、文明の全てを尽くしても、もはや“奴ら”に抗う術は無い。そして、どの次元に逃げたとしても“奴ら”は必ず僕らに追いつくだろう。僕らが“あの方”の“子”である限りね……今になって思うよ。僕らは、命に悠久の平穏を求めすぎたのかもしれない。本当はこうなる前に種を増やし、宇宙の隅々まで広がっているべきだったのかも、とね」
「そんな……」
    私が彼の肩に頭を沈めると、やはりいつものように優しく撫でてくれた。
「けれど安心して。僕は、僕らの魂を守る方法を見つけたんだ」
「魂を……守る?」
「うん」
    彼は私を放すと机へと向かい、そこに厳かに置かれた容器から、赤い結晶片を取り出した。
「『アルカヌム』――“あの方”の力の在り方を模して結晶化したものだ。生命の根源に近しいこの非破壊物質に僕らの魂を移すのさ。そうすれば、たとえ肉体が滅びたとしても、“奴ら”の虚無に食われることなく永遠で居続けることができる」
    深い赤なのに、存在が淡く感じられる程に透明な、不思議な結晶だった。
    この中に、“命”を移す――。
「でも、それでは魂の檻だわ。動くことも見ることも……決して生まれ変わるのことの無い、それこそ“絶対の死”なのではなくて?    それは魂の在り方として正しいのかしら……?」
    彼は、珍しく異を唱えた私に驚いて口をつぐんだが、すぐに気を取り直し、聞き分けの無い子を優しく諭すように穏やかな笑みを浮かべてみせた。
「なるほど、なんとも君らしい考え方だね。確かにそうしている間は、人とは呼べないだろうな。しかし“檻”などではないさ。むしろ“ゆりかご”と思って欲しい。脆い肉体を捨てて、『アルカヌム』を核に新たな体を作るんだ。そうすれば疑似生命として、外部からのエネルギー補給無しに1000年を超え活動することができる。メンテナンスを怠らなければ、永遠に近い時間を生きることも可能だろう。そうして再び肉体を得る日を待つ。僕はその体を、魂を守る無機の鎧甲――『機甲』と名付けた」
「……『機甲』……なんだか、怖いわ」
    私の反応に困ったように眉根を寄せた彼は、恭しく結晶を容器に戻し、再び私の方へと近づく。そしてひどく怯えた風であったろう私の頬を両の手で覆った。その手は、とても冷たかった。
「そう、その恐怖……“陰”の感情、それがいけない。それが“奴ら”――『混沌種』を呼び寄せるんだ。怖がらないで。だから僕は奴らに気付かれないよう魂に処置を施すことにした。『心』もね、無機に変換してしまうんだよ。残るのは僕らの魂に宿る純粋な“あの方”の霊子のみ――そうすれば、『混沌』どもは決してその存在に気付くことは無い。いや、むしろ逆に『機甲』は『混沌』に対する決定的な兵器となりうる可能性だってある」
    彼はじっと私の目を見つめて語る。しかし私の耳にはそのほとんどが、心に届く言葉として聞こえていなかった。ただ怖くて――何が、怖かったのだろう?    彼の計画?    見つめる彼の瞳に私が映っていなかったこと?    それとも私が、彼を――。
「世界省長官として、この計画を僕は何としても実現しなければならない。僕らの魂を消滅させてはならないんだ。誰が何と言おうとね。僕らは崇高なる『創世主』の子――『アルカニア人』なのだから」
    頬に置かれた指に力が入る。
「……痛いわ……」
    けれど、彼は指から力を抜くことなく、
「だから――」
    小さく耳元で囁いた。
「――愛する君に、その最初の『機甲』になってほしい」
「私……に?」
「ああ。僕は君程愛に敬虔な人を知らない。君は、深く穏やかなその愛を、遍く人々にもたらすことができる。誰よりも正しく『創世主』の信徒であり、まさに『大聖母』として相応しい」
    そのままピタリと額を私の額に合わせる。
「でもね、それだけでは君がその地位に就くことはなかった。愛深き君は、悩める者に手を差し伸べることはできても、捨てることが出来ない。“選ぶ”ことが出来ないんだ。だから、僕が傍でずっと選んであげていた。心配しないで。今度も僕が選んであげるよ。君の魂は誰よりも先に永遠への道を歩むんだ。君が“そう”すれば、無垢な民たちは皆疑いなく後に続くだろう。僕と君は『最初の子』、ティーロとウーリとなって民を導くのさ。それに、そうでもしないと――ほら、君は僕がいないと生きていけないだろう?」
    最後の言葉に、何を耳にしても揺れることのなかった私の心はひどく動揺した。
「……あなたは、行ってしまうの?」
「うん――僕はこの世界を去る。ただ一人、人のままでね」
    涙が、零れた。
「泣かないで、マーテル。そうしなければならないんだ。僕は全てのアルカニア人が『機甲』となるのを見届けなければならない。そして『管理者』として全ての生体データを『箱舟』に保存し、先の無いこの次元世界を去る――“あの方”のもとへと旅立つんだ。そしてもう一度、我々と共にあらんことを願う。これは、僕にしか為しえない、僕が為すべき使命なんだ。」
「……嫌……」
「聞いてくれ、マーテル……マーテル・スティリアータ。僕が一番愛しているのは君だよ。だから愛する君にこそ、この偉大な計画に賛同して欲しい。永遠を生きるには人の心は弱い。伝説の『紅き真王』であればこの苦難を越えることが出来るのかもしれないが、僕らは未だ人の域を超えることが出来ない……君に、生き続けていて欲しいんだ」
    私を説き伏せようとする彼の熱に当てられたのか、私は小さく手を握り、つい、心に仕舞っていようと決めたはずの小さな“しこり”を吐き出してしまった。
「……ステールラには、話したの?」
    瞬間、彼が詰まったような顔をした。ザワリとした何かが胸に広がる。
――黒い。
「ああ、妹は賛同してくれたよ――ただ、やはり君が“先”だ」
――酷く黒い。
「四祭官たちがその次……あの子の番は随分先になるだろう。あの子には、君とはまた違った“素質”があるからね。君のデータから一度量産までこぎつけた後に作成する、特殊形状型に組みこむことになると思う」
――酷く黒い、感情だ。
「今の計画だと、75……いや、77型あたりになるのではないかな」
――私は“あの子”に。
「ひとつ聞かせて……私の“この想い”も消えてしまうの?」
「大丈夫。君の、僕への愛は魂に刻まれている。ただ考えなくなるだけさ」
――そして、この人は“あの方”に、“それ”を――。
「受け入れてくれるね?」
――私はこの人を愛して――愛させられて――。
「わかったわ」
――ああ、とても黒い……何より、決して忘れてはならない“これ”を失うことが怖いのだわ――私は、怖いのだわ――――。

    *    *    *    *

    燃え盛る都市から立ち昇る大量の黒煙が辺り一面を覆っていく。
    その中で火煙を避けるように、轟沈したベテルギウスから射出された小型の機甲編隊が飛び回り、ひときわ太い煙柱の周囲に沿って、その中心を警戒するように旋回している。
    突然、煙柱の壁がボヒュンと内側に吸い込まれるように口を開いた。そこから飛び出した巨大な腕は、触手のようにくねり伸びながら、高速で飛び回る小型機甲を事も無げに追い回しては叩き落し、次々と炎の花を咲かせていく。
    巨腕の指に引っ掛かかったものの、なんとか墜落せずに体勢を立て直した最後の一機が、機体のあちこちから悲鳴のようなスパークを漏らしながらも一矢報いんとばかりに熱線砲のバレルを展開した――が、せせら笑うように背後から現れた二本目の腕があえなくそれをむんずと掴み取る。
『コノ子デ最後デスネ。随分ト時間ヲカケテシマイマシタ』
    黒煙の中から抑揚の無い合成音声が響き渡り、腕の主が巨大な姿を露わにする。
    脚のない下半身と異常に肥大して見える上半身。威圧的に蠢く複数の触手――機甲01型・アルデバランは、胸部のコントロールメタルをキュルキュルと小刻みに動かして、周到に周囲の残存勢力を確認した。
『敵影ハアリマセンガ……処理ヲ最適化シナクテハナリマセンネ。今日ハ特ニ≪思考ノイズ≫ガヒドイ――タダ、愉快ナ時ハ過ゴセマシタ。忌々シイ程二。感謝シマス。コノ星ノ機甲タチヨ。ソレデハ――』
    触手の指先がカチャカチャと展開し、その中から複数の細いマニピュレーターが伸びて小型機甲に突き刺さる。プロテクトを突破され、神経系に強制アクセスを受けた小型機甲が痙攣したように機体を震わせた。アルデバランはそのままじっと解析を続けていたが、暫くしてがっかりしたようにコントロールメタルのランプをゆっくり消灯した。
『アァ、何モ無イ――嘆カワシイデス』
    アルデバランは探していた。人の記憶では到底覚えていられぬ程の時をそうし続けてきた。
    そして今もまた、果てなく繰り返してきたままに、新たな機甲が潜む星を見つけ、殲滅し、調査を終えた。アルデバランは、もう一度手に掴んだ小型機甲にコントロールメタルのカメラを向ける。
『コノ子ニモ――≪心ノデータ≫ハ無イ』
    探しているものは“心”や“感情”のデータ――。
    機甲には意思がある。しかし能動的にも、自発的にも、個々独自にそれらを発露するメカニズムは存在しない。そしてその基軸は必ず「『混沌』を殲滅する」という“全体意思”に元付いていた。
    しかし、アルデバランは違った。
    自身の存在を認識してすぐ、“彼女”は「心を構築したい」という特異な自己欲求があることを自覚してしまった。
『――心ノデータヲ持ツ者ハ、ドンドン少ナクナッテイルヨウダ。トテモ悲シイナ。悲シイコトガ嬉シイデス。ワタシハ感情ヲ、心ヲ、集積、解析、構築シナケレバナラナイ。モット楽シミタイ。悲シミタイ。怒リタイ。ソシテ恐ラク、消エ去リタイ――』
    何故自身にそのような思考メカニズムが存在しているのか、解析の答えは出ていない。ただ、それはアルデバランの人工知能の奥底に、ねばねばとした強力な衝動のように沈殿していた。そして彼女には、それがとても重要で大切な“何か”であるように感じられてならなかった。
    そのうち、いつしか“全体意思”から外れた彼女を同種であるはずの機甲たちが攻撃するようになった。
    彼女もまた、特に感慨も無く、生存プログラムに従って同胞を破壊した。
    ある時、自分を襲う同胞の行動原理を調べようと、破壊した相手の体を開いたことがあった。そして剥き出しになった“紅い核”に触れたとき、そこに極々微量な、機甲の根源ともいえる霊子データを見つけた。
    それは、“心の残滓”だった。
    以来アルデバランは、機甲を求めて宇宙を彷徨い「心のデータ」を集め続けていた。
『マタ探サナケレバナリマセンネ。早ク、完全ニシナクテハ――心ヲ構築シナクテハ――』
    何千年、何万年と彷徨い続けた。傷つくたびに自己修復を繰り返し、元の姿とはかけ離れた異形となり果てた今でも探し続け、そしてこれからも――。
    ふとコントロールメタルがキュルンと一回転し、空間の一点に向いた。そして一切駆動音を出さなくなった小型機甲を放り投げると、その方向に指を向け、先から対小型生物レーザーを照射した。

「うわぁぶっ!!」

    空間が歪み、弾けた。
    ゼリーのように空中の“膜”が溶け落ち、宙に浮かぶ小さな影――ぴくぴくと筋肉を痙攣させながら、上半身を背面に思い切り反り返らせた男が姿を現した。
「……っぶねぇな!!」
    男はガバリと身を起こすと、
「どういう挨拶の仕方だよ!?    育ち激悪だぞテメェ!!」    
    と、焼け焦げたフードの端を指でつまみ擦りながら悪態をつく。
    アルデバランは男の抗議に構うことなく、コントロールメタルを向けたまま、キュリリと数十のセンサーを起動させて男の全身を見回した。
『――コンニチハ、≪混沌種≫』
「はい、こんにちは~!    ……ってよ、鼻無さそうなのに随分鼻が利きやが――だっ!?    うわっ!!    おい!    のぉっ……待てって!!」
    男がおどけたように手をヒラつかせて話し始めようとしたところに、アルデバランが矢継ぎ早にレーザーが撃ち込む。しかし男は情けない叫び声を上げながらも、人の身では決して躱すこと能わぬその全てを器用に避けきっていた。
『要件ハ何デスカ?』
「は!?    馬鹿なのか!?    それ聞くなら、ビーム出す前に聞け――んぎゃ!!」
    言い様に照射されたレーザーを真上に飛び上がって避ける。
「………」
    男は酷く恨めしそうな目でアルデバランを睨みつけながら股を抑え――。
「おいおいおい、きゅーーーってなったぞ!?    きゅーーってよ!?    男心とか良く考えて狙てくれっかなああ!?」
『――無意味ナ要求デスネ。≪混沌種≫デアルアナタニ≪生殖≫ノ意味ガアルカハ甚ダ疑問デス。ソレニ、ワタシノ精神性ハ女性ト設定サレテイマスカラ』
「何だその返し……混沌ちゃんだろうがお仲間の機甲だろうが、見境なく襲い掛かる“ぶっ壊れ”って聞いてたがよ、マジイカれてんな……。オラ、んじゃコレ見ろコレ!」
    男はぶつぶつと不満げに呟きながら空中に魔法陣を描き、奇妙な機械に覆われた『魔導書』を取り出した。
    アルデバランのキュルキュルと良く動くコントロールメタルは再びセンサーを起動してそれを解析し――ピタリと動きを止めた。
『ソレハ――≪機甲≫、デスネ。≪混沌種≫デアルアナタガ何故ソレヲ?』
「あ、気になる?    気になっちゃう!?    そうだろ??    あーーー良かったぁ~~。これ出してダメならポーの奴のおさげぶっちぎってヴィンクスのトサカにしてやるとこだったぜぇ。さっすがオレのグリモアちゃんだ」
    男はさも嬉しそうに体をくねらせると、
「――教えてやってもいいがよ、“それなら”ってやつだ」
    アルデバランをビッと指差し、頬が歪むほどに不敵な笑みを浮かべた。
「オレはさぁ、オメェを迎えに来たんだよ。“はぐれ者”のアルデバランちゃん」
『迎エニ、トハ?』
「その通りの意味だぜ。オメェら機甲は“臭わねぇ”からよぉ、探すの苦労したんだぜぇ?」
    言いながら、まるでそこに地面があるように宙を歩き始める。
「オレ今さ、『鍵集め』ってのしてんだけどよ、や~~っと育ち上がった『13席くん』が裏切っちまったんだわ。はなっからプロ意識に欠けてる奴だなぁとは思ってたんだがよ、ここにきてなぁ……マジショックだったぜぇ。友情ってなぁいつの時代も儚ねぇもんだよ、なぁ?」
『アナタノ話ハ多方面ニ趣旨ガ逸レガチデスネ。端的ニ要件ヲ話シテクダサイ』
「あ~悪ぃ悪ぃ。ふざけた攻撃してくる割りにはお真面目さんなのね――でさ、そこで思いついちゃったのよ。オメェなら、その『13席』になれんじゃねぇかってな。13番目の要件は厳しいんだぜぇ?    平和の為に生まれて“愛”ってやつをしこたま持ってる、それでいて“始まり”の存在――『アルファ』ってやつよ」
「ツマリ取リ引キデスネ?    ワタシニ協力シロト。シカシ、≪混沌≫ニ私ノ求メル≪データ≫ヲ用意デキルトハ思エマセンガ」
「ふふん、そいつはどう――だあああっしゅ!!!」
    男は滑稽な姿で空中に倒れ込み、放たれたレーザーを避けた。
「なんだよ!?    今いい感じで会話してただろ!!??    撃つなら撃つって言えよ!!」
『ワカリマシタ。次回カラ勧告後ニ攻撃シマショウ――撃チマス』
「だああああ!    あぶっ!    やめろって……!!」
『利益ニナラナイ以上、≪混沌種≫ハ滅シマス』
「わーーかった!    撃つな!    撃つなって!!    “ふね”!    ふうううねええええ!!!」
    横に降り注ぐ豪雨の如く乱射されていたレーザーが止んだ。
「――今ノ、言葉ヲモウ一度」
「ぜぇ……はぁ……だから、“船”だよ。そこへ連れて行ってやる!」
『………』
「ふぃ~、どうよ、ビビッときたろ?    こちとらオメェの望みってのを探るために、はるばる“行って”“見て”きたんだぜぇ?    時を超えて~ってなぁ。この『機甲グリモア』ちゃんも“そいつ”の技術で出来てるのさ――わかるだろ?    “会えば”よ、“取り戻せる”んじゃねぇか?」
    沈黙するアルデバランのコントロールメタルが、様々なパターンを演算をするようにせわしなく動き続ける。
「――お?    興味出てきちゃった?    イケちゃう?    オメぇが『鍵』になってくれりゃ安心だぜぇ。そのごっつい感じ、弱っちぃ人間みてぇにグラグラ揺れるタイプじゃねぇもんな?    オメェら機甲には苦労させられたがよ、その分『鍵』にゃバッチリはまると思うぜぇ?    なんだったら“あの兄弟”みてぇによ、『アルファ』どころか、『オメガ』までセットでついて来ちゃったりしてな?」
『≪アルファ≫ニシテ≪オメガ≫――『創世憲章』ニアル『13の鍵』デスネ。アナタノ意図ハ理解シマシタ。確カニ、ワタシノ≪データベース≫デアレバ≪アルファ≫トナリ、≪オメガ≫トナリウル個体ノ情報ヲ提供スルコトモ――』
――黒イ。
『――可能デショウ。アルイハソレヲ≪ゴーマ≫ヘト転ジサセルコトモ』
――コレハ、何ダ――ヒドク黒イ――。
「……いいねぇ、そりゃ願ったりかなったりだ」
『タダシ――』
    アルデバランは左の巨碗を大きく横にひろげ、同時に右の巨腕の先を真紅に染めて男の前に突き出した。
『コレカラ告ゲラレルデアロウアナタノ言葉ガ、ワタシノ≪データベース≫ニ及ボス影響次第デスガ』
    男は赤々と熱を発する右腕に顔がつく程に身を乗り出すと、「“口説き文句”かよ……いいぜぇ」と笑みを浮かべ、
「オレぁよ、見つけたんだ。でっけぇのを見せてやるぜ。そいつはなぁ――」
    そしてフードを目深にかぶり、勢いよく両手を広げた。

「――『箱舟』だぁ!!」

『……ハコ…ブネ……ハコブネ……』

――アノ人――ステー……ルラ……。

『―――≪箱舟≫』

    繰り返される電子の声がありえぬ熱を帯びていき、逆に右碗の赤い光が収まっていく。
『――ココ、384年間ハ≪心ノデータ≫ヲ持ツ機甲ニモ会エズ、ワタシハトテモツマラナカッタノデス。シカシソノ言葉ガ、ワタシノデータベースに及ボス影響ハ……』
    そして、左の巨碗を伸ばし、男をそっと掬うように手に乗せた。男は、返すようにいつの間にか手に持っていた“黒く光る球体”を差し出す。
「はは、いい“ツラ”してるぜぇ?」

『ナルホド……面白イナ』

    アルデバラン――始まりの機甲は、その無貌に笑みを浮かべた。

考察
始まりの"意志持つ機甲"、タイプ01-アルデバラン型。ツバーンⅢの標的としてフレーバーテキストに出ていた彼女が90コストという超重量を引っ提げて参戦。また海か
基礎スペックは110/110と可もなく不可もなく普通。デネブ・ポルックスのタイプ2サポートはもちろん受けられる。

召喚アビリティ「テンタクルアーム」はおおよそ1キャラ分ほど射程が伸びるレンジアップと、ツインアタックの複合アビリティ。あくまでファイタースタイル限定なので中距離から2体を弾いたりはできない。
リザレク運用にせよ荒らしおかわり運用にせよ2体攻撃は非常に強力なため、コスト由来の高HPに任せて召喚から強引に攻め込みたいところ。
ATKバフ無しの状態からDEF5根本マジシャンをスパクリ+クリ確殺、主人公スパクリ2確を取れるが、ATK130以下の状態だとスパクリ+通常(共にスマッシュ)でも根本を倒しきれないのは覚えておくと荒らし効率を上げられるだろう。
なお、超覚醒アビリティの効果は自身が攻撃したユニットのみに発生する為召喚アビリティの効果でダメージを与えた付近のユニットには発動しない事を覚えておこう。

覚醒アビリティの「プレアデスフリーズ」は超覚醒している自ユニットのATKとDEFを完全に固定してしまうという変わり種のアビリティ。この時点で180/180とそこそこの数字になり、スパクリ+通常で根本の確殺を取れるようになる。
アビリティの効果としては、アルデバラン自身を除く、超覚醒状態の自ユニット(主人公含む)に対して各ジョブのディフェンシブスタイルやアビリティやアーツによるATK・DEFの増減を一切合切無視してATKとDEFを一定値に固定する効果を与える。
高威力のシューター攻撃や宙天の月姫のハイアーツのデメリット無視、敵からのデバフ系アビリティ・アーツ類の無効化などのメリットは一見強そうに見えるものの自身には効果が無く、コスト比でかなり微妙なスペックに固定されてしまう他、各種サポートや各々のアビリティによるATKやDEFのバフも効かなくなってしまうために扱いが恐ろしく難しい。
使うのであればヘイストなど能力強化・弱化以外の副次効果を持つアビリティを持つユニットを探すのがいいだろう。
また、神族の卑弥呼はアビリティ効果によってアルデバランの覚醒アビリティを受け付けないが60と90と非常に重たくなってしまうのが難点。
稀に固定化されると強化する使い魔も存在する。

超覚醒アビリティ「クリムゾンフリーズ」では覚醒とは逆に、自身が攻撃を与えたユニットのコストに応じたATKとDEFに一定時間固定する。覚醒アビリティ同様、超覚醒している対象でなければ効果を発揮しないがフリックでも発動する。ステータスは250/250とギリギリ及第点だが、アルデバラン自身は各種サポートを受けられるので数値不足に悩む事は無いだろう。
こちらは覚醒時のメリットとデメリットの扱いがまるごと逆転する形になる。
どれだけ強力なサポートを重ねがけした使い魔であろうと微妙なスペックに固定して殴り飛ばせる半面、海種お家芸のウィーク重ねは全く効果が無くなってしまう。当然ながら攻撃していない相手には適用されないため、相対的な戦力差を埋めきるのは難しい。
もちろん1体合体や7体合体の降魔も問答無用で固定する。黄昏の咆哮、欲界の天魔など最初から最大スペックのMELTには大きくステータスを下げるが【移動速度だけは下がらない】ので注意。
さらに攻撃後一定時間経過すると効果終了→通常スペック→アビリティによる強化の順で元に戻るが何故かパワーライズやキュアオールなどUSで上がった数値は元に戻らない
超覚醒の効果を受けない例外がいくつか存在し、混沌幼生態の超覚醒アビリティ、【悠久】アナンタのアームズ、【焦熱】太山府君の効果によって強化された使い魔など。
特に【焦熱】太山府君の効果によって強化された【信義】フォルは危険この上ないので要注意。自身にウィーク耐性がない為3発攻撃を受けるとデッドゾーンに突入する。
しかし、何故かアーチャーのアーツでコピーしたATKは元に戻る。固定の順位関係などは不明。
地味に強化され攻撃時の弱体化固定が全て-10になった。降魔と主力である70コストが200/200になるのは非常に大きい。


降魔を使うのであれば全体能力強化や自身の強化・ウィーク系は併せ辛く、ワントップ強化型だと組み込みやすい。
嚮導の魔術師が最もしっくりと来るが、アルデバラン自身に耐久力を持たせたい場合は紅爛の女王、AとSを強化に加えシナジーのあるハイアーツを持つ宙天の月姫、かなり厳しいが火力を強化しツインアタックを生かしハイアーツによる回復を見込める断苅の女神など。

乱戦から一歩引いた位置から繰り出す高威力ツインアタックは強力なものの、パワーライズは他の主力が恩恵を受けられずキュアオールはDEF増加を活かしきれないのが難点。召喚状態で暴れるだけ暴れてのリザレクション&降臨、あるいは移動速度と攻撃間隔は固定されないので嫌らしい引き撃ちと後衛のシューターで翻弄するクイックドライブが候補か。
降臨を使用する場合、不死と絡めた【七印】ガルファスがコストと素スペック踏まえて相性が良い。(素スペックが低い為覚醒アビリティで固定されると強化されるが移動速度はそのまま。ただし2回目の降臨でアルデバランを抜くスピードになる)
【粛醒】ムーもツインアタックと移動速度増加を持っているため相性は良いが70コスト降臨であり30カウントと非常に重く、さらに空いた枠に何を入れるかによって序盤の負担が大きく変わってくる。


覚醒・超覚醒アビリティ時におけるステータス固定状態
コスト ATK/DEF
自ユニット 敵ユニット
ロード 70/70 60/60
10 50/50 40/40
20 100/100 70/70
30 130/130 120/120
40 160/160 150/150
50 190/190 180/180
60 200/200 190/190
70 210/210 200/200
80 220/220 210/210
90 230/230 220/220
降魔 210/210 200/200

キャラクター説明
ツバーンが現在その存在を追う巨大機甲。名の由来はおうし座α星。
武骨な風貌と星の名を冠するその名前から、イージス達の様な鍛冶神らによる神造機甲ではなく、過去作に登場した「機甲種」の生き残りと思われる。
「始まりの意志持つ機甲」と言われる通り、その巨大で無機質なデザインに反して明るい女性の声でしっかりと喋る。
しかし、他の偶発的に意思を持ったであろう機甲種が自身が心の掛けた欠陥品と考え心を得ようとする、自身に宿った意思のと言える存在の捜索を開始する等の本来の役目を逸脱する行動を始めたのに対し、アルデバランは本来の役目を全く見失っていない。
それどころか、意志を持った事により殺戮を楽しむようになり自身の力を引き上げながら敵が自身を倒せるように応援するという敵対者を絶望させつつ叩き潰すような行動を取るようになるなど、丁寧な口調に反して質の悪い性格となっている。
男性の声で喋り、戦いの中で真っ直ぐな意思を掴んでいくツバーンとある意味では対照的である。


+編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします
  • 今日試してみたら敵のスペック固定が-10されてた
    主→60
    10→40
    20→70
    30→120
    40→150
    50→180
    60→190
    70→200
    80→210
    90→220
    を確認 -- とあるLoVプレイヤー (2017-01-26 21:50:07)
名前:
コメント:
  • 余りにも当Wikiやゲームから逸脱した無関係な雑談や、誹謗中傷めいた暴言、ページに関係ないコメントはおやめ下さい。
  • wikiは不特定多数の人が利用する場です。プレイヤーの個人名や所属ギルドなどを書き込む行為は慎んで頂きますようお願いします。
  • 個人的な日記として使用するのも控えて下さい。
+コメント *雑談や使用方法などの相談にご利用下さい
  • 予想以上に□に強い
    ガーディアンになろうが相手のA/Dを固定化出来るから△で撃破しやすくなる -- 名無しさん (2016-12-28 17:14:23)
  • 考察にあるバン・ドレイル以外にも
    九尾の狐とかレイチェルとか、
    シューターで真価を発揮する使い魔と組み合わせてみたい -- 名無しさん (2016-12-29 03:57:55)
  • てか新カードでアルデバランだけが緻密に書かれすぎだろ -- 名無しさん (2016-12-30 16:26:56)
  • 90コスは230/230、降魔は210/210、50コスは190/190、30コスは130/130、主は70/70になることを確認
    推測ではあるが 80は220/220、70は降魔と同じく210/210、60は200/200、40は160/160、20は80/80 になるのかねぇ -- 名無しさん (2016-12-31 00:06:48)
  • あとSPDと射程を触っていない□ならば相手に触られることなく一方的に殴ることができるぐらいの距離はある
    マーリンのATK210のシューターもとんでもない威力を誇る。素ATK420でようやく出せる数字は伊達じゃない -- 名無しさん (2016-12-31 00:13:59)
  • アビリティの変動表を作りました。情報があれば記載お願いします。 -- 名無しさん (2016-12-31 00:28:52)
  • いろいろ書き直しました ツインアタックのサブ攻撃対象のスペック固定までは確認が取れなかったので一時削除。ステータス固定表の抜けともども検証次第追記お願いします -- 名無しさん (2017-01-01 20:56:36)
  • こいつの固定とコンちゃんのコピーとどっちが優先されるのだろうか地味に気になる
    自分で試そうにもCPUはコンちゃんなんぞ使わないし全国では見ないし演習は人がいないしギルドには所属してねーし… -- 名無しさん (2017-01-06 15:18:19)
  • オキクルミやキュベレーだとデメリット少ないゾ
    特にキュベレーはDEFは上がるわ速度低下は通常通り乗るわで最高 -- 名無しさん (2017-01-09 14:11:54)
  • 降魔はマーリンが中々相性いい
    普段は戦力にならない変態爺さんもA210ステ固定でシューター砲台になってくれるし -- 名無しさん (2017-01-09 15:31:09)
  • こいつじゃマーリン守れないだろう
    牽制にもならんし -- 名無しさん (2017-01-12 19:45:49)
  • 横に卑弥呼置いたらどうなんだろ。 -- 名無しさん (2017-01-16 01:34:26)
  • たぶん卑弥呼の数字は変わらない
    …6090か、ジョブバランスは良いんだが重いな… -- 名無しさん (2017-01-16 02:27:32)
  • 今思うと覚醒アビに自身を除くって記載されてないから普通にこいつ自身は効果を受けるって勘違いが多い気がする -- 名無しさん (2017-01-16 16:46:52)
  • 守れないかどうかは知らんが、210のシューターって早々作れない化物スペックだと思うんだが -- 名無しさん (2017-01-17 23:08:49)
  • ディフェンシブスタイルのみで考えればディフェンダー使い魔以外はメリットしかないね。
    序でに言えば探すと純粋なメリットにしかならないやつや、多少デメリットはあるけれどそれ以上のデメリットを解消出来る奴も結構いる。


    海種だと以下の6体が純粋なメリットアビリティに化ける。


    エキドナ、カイ=キスク、オキクルミ、トリシューラ、アクアルーク、シヴァ


    ただ、ウィーク組はアルデバランの超覚醒アビリティがデメリットを持つようになるから要注意だが。 -- 名無しさん (2017-01-29 00:55:12)
  • これすげー面白い。□殴り飛ばせて面白い
    タイマンなら強いけど集団戦のゲームだから戦術的な価値がないと思った
    出るのが遅かったね -- 名無しさん (2017-01-29 19:59:11)
  • 価値が無いと言っといて戦術的な価値が出た瞬間があった
    単体でガーディアンしてる石はこいつが居れば短時間で殴り殺せるので、そういう意味でも遊撃に適した性能といえるかもしれないね -- 名無しさん (2017-01-30 01:00:02)
  • こいつが部隊に紛れてるだけで撃破と被害ががらっと変わる。最近はアビ強化が多いからうまく攻撃ごとにタゲ変えればそれだけでもかなり活躍はできる。とりあえず撃破厨にはオススメできないが -- 名無しさん (2017-01-30 14:09:24)
  • A999なアイツとかまだまだ現役のサクリ片手系マジシャンとかにぶっ刺さるよな
    -- 名無しさん (2017-01-30 18:29:14)
  • スペック上昇や、アビリティの都合上良さそうな使い魔並べてみる。使えるかどうかは別だけど
    40コスト:ミリアレイジ、リリ、エキドナ、グートルーネ、ミハイル
    50コスト:九尾の狐、カイキスク、オキクルミ、アクアルーク、キュベレー、バンドレイル、レイチェル、降臨ガルファス
    60コスト:卑弥呼、蘆屋道満、降臨綾小路円佳、シヴァ、ハザマ、ゲオルガラム白
    リザ無しで使うなら50コストが限界だとは思う。降臨なら話は別だけど -- 名無しさん (2017-01-31 06:50:26)
  • 【】アナンタのアームズ当ててからアルデバランで殴ってもDEFは150のままだった
    50コスト以上なら、そこらのウィークよりもかなりスペックを下げられる -- 名無しさん (2017-02-02 08:40:53)
  • ATKは下がるけどシューターで常に160出せると考えるとそこまでデメリットでもない
    DEFは10上昇するし、アームズの有効範囲は結構広めだから不意打ちには最適かもしれん -- 名無しさん (2017-02-02 08:46:52)
  • 【】太山の効果で強化されたセポネが攻撃を受けても70/70になりませんでした。 -- 名無しさん (2017-02-03 20:48:18)
  • 超覚醒アビリティは魔神化も対象になるのでしょうか
    ご存知の方がいらっしゃいましたらご教授ください
    もし対象となるのであればメルトとは相性が悪いですよね -- 名無しさん (2017-02-06 11:31:54)
  • 当然の如く魔神のステータスも微妙な値に固定される。
    そして、見間違えの可能性もあるけれどエミヤのアーツは何故か無効化されるっぽい。 -- 名無しさん (2017-02-07 00:19:59)
  • 眠り姫のハイアーツ中は、ステータス200/200にならないみたい? -- 名無しさん (2017-03-02 12:51:08)
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