R 風魔小太郎

最終更新日時 2019年02月28日 (木) 14時31分01秒

基本情報

名前 風魔小太郎
種族 人獣
ジョブ アタッカー
召喚コスト 70
タイプ シノビ
HP 600
ATK 120
DEF 100
PSY 70
武装
血晶武装
アーツ
CV 今村 卓博
対象称号① 無天無双の刃
剣を極めし者たちの物語に関係する使い魔を使って50回勝利する。
対象称号② 怯律せし節制
道明寺虎鉄で風魔小太郎を使って50回勝利する。
対象称号③ [クリスマスSCのみ]クリムゾンクリスマス!
クリスマスシーズンコレクションの使い魔を使って50回勝利する。


アビリティ

状態 ボーナス アビリティ
召喚 なし スピードアップ
移動速度が上がる。
武装 なし スピードアップ
移動速度が上がる。
血晶武装 ATK+40 キルクイック
自身が敵ユニットを撃破したときの、攻撃後の硬直時間が短くなる。

アーツ

説明 風魔・鶫晩刃(つぐみくれは)
範囲内にいるターゲット中の敵ユニット1体の移動速度を一定時間下げ、一定時間「毒」状態にする。
消費マナ 10
効果時間 20秒
wait時間 20秒

ボーナス込パラメーター

状態 HP ATK DEF PSY 備考
召喚 600 120 100 70
武装 650 160 140 90
血晶武装 700 230 170 120

修正情報

+ 修正履歴
修正履歴
Ver4.209(2019.02.28)にて、上方修正
アーツ『風魔・鶫晩刃』 効果時間:10秒→20秒
ウェイト時間:30秒→20秒
Ver4.202(2018.08.30)にて、上方修正
スピードアップ(召喚) 移動速度:+5%→+10%
Ver4.100(2017.12.14)にて、上方修正
武装ボーナス 血晶武装時 攻撃力:+30→ +40
Ver4.011(2017.09.21)にて、上方修正
武装ボーナス 血晶武装時 攻撃力:+20→ +30

DATA・フレーバーテキスト

+ Ver4.0/EVR
Ver4.0/EVR
Ver4.0
No 人獣:009/009EV
身長 1.76[meter]
体重 59[kg]
新たな武器 風魔手裏剣『白烏(しろがらす)』
現在地 風魔の隠れ里
仇敵 高坂甚内
憑代 今だ見つからず
イラストレーター 永井悠也(CyDesignation)
フレーバーテキスト(通常カード裏面)
――お前を守るために 俺は来た
フレーバーテキスト(EVRカード裏面)
もうあの頃の俺ではない――そういうことだ
フレーバーテキスト(LoV4.net)
風が舞い、無数の羽音が響く。
しかし不思議なことに、飛び立つ鳥の姿はなく、そこにあるのは夕日に照らされ黄金に染まる山間の草原と、葉を巻き上げて霧散するつむじ風、そしてその中心に立つ一人の影のみ。
影――風魔小太郎は、ゆっくりと目を開き目の前の草原を見やった。

そこには強烈な嵐が野火を伴い通り過ぎた跡ような、黒々とした太い道が伸びていた。その黒の正体は、焼け焦げたように変色し煙を上げて倒れる高草――しかしどういった理によるものか、そこに炎の明かりは一つとして灯ってなどいない。

「この技ならば……あとは――」
小太郎は汗をぬぐい、はだけたまま腰に垂らした上着を羽織ると、後ろに結った髪をほどき小さく息をつく。そして、目を細め周囲を見渡した。
草原を囲うように並び立つ廃屋が、夕日に照らされて濃い陰を作っている。そのほとんどは苔むし、吹きさらされるがまま長い経年を感じさせつつも、しかと“あの日”の焼け崩れた姿を留めていた。
またここに戻って来ようとは……“ここ”はあれからどれほどの年月が経ったのであろうか――小太郎にとって、この地は後悔そのものだった。
かつて彼は呪われた掟から弟を守るために『風魔』であることを捨て、生まれ育ったこの地を去った。そして再びこの地に戻った時、雨降る中に煙を上げて焼け落ちる里を目にし、手放したそれらが二度と手に入らないものであることを知る。
その時から、彼の戦いは始まった。
『風魔』であることを受け入れ、一族の――弟の仇を追った。
その後小太郎は二度仇敵とまみえ、そのいずれも敗れることとなる。その結果、必死の呪いを受け、それでも命ある限りと追跡行を続ける中で「守るべき者」に出会い、人であることを捨てた。

そして「守るべき者」と駆けた戦場で、仇敵と三度目の邂逅を果たし、刃を重ね、そしてまた――敗れた。
人を捨て、強くなったと思っていた。しかし同じく人でなくなっていた仇敵は、小太郎にとどめを刺さすことなく、むきになる子供をあやすような笑みを向けて去っていった。
もっと強くならなければ――そしてその為に、その覚悟をもう一度確かなものとする為に、三度この地へと戻ってきた。
小太郎は、一列に並んで置かれた粗末な墓石のひとつの前に跪くと、ボロボロに刃こぼれした風魔手裏剣を置いて手を合わせた。そしてそこから少し離れたところにある、崩れた家屋の中に入ると、おもむろに瓦礫をどけはじめた。

その作業を無心に続け、月が中天を大きく傾いたころ、瓦礫の底の床下に三尺四方程の鉄扉が覗いた。
小太郎はふぅと息を吐き、重い扉を持ちあげる。

扉の中に収められていたのは『風魔』の紋が焼き当てられた桐の箱――その中には、彎曲した美しい白刃を備えた一対の風魔手裏剣――。

「晩刃、俺と共に――」

それは長く振るってきた『黒鷺』と対を為す風の刃――小太郎は弟が振るうはずであったそれを手に取ると、つつぅと一度も使われたことのない真新しい刃に指を走らせた。
ふと、その指先から蒼い光がこぼれだす。
「……そろそろ“時間”か。次で必ず決着をつける。まずは“奴”がこの世界にあると言っていた俺の“門”を……帝都――東京へ」
指先から徐々に青い燐光を発して小太郎の体が崩れていく。
そして急なつむじ風が舞い上がると共に、ふらふらと漂う木の葉を残し、その姿は完全にかき消えていた。

~『蓮刃剣風帖』より~
+ Ver4.0ブースターパック シーズンコレクション
Ver4.0ブースターパック シーズンコレクション
Ver4.0ブースターパック シーズンコレクション
No SC:002
身長 ツリーの如く
体重 雪の如く
最高速度 ソリの如く
信条 受けた依頼は必ず果たす
潜入場所 児童養護施設『しろかぜの家』
つけられたあだ名 ニンジャサンタ
イラストレーター PALOW.
フレーバーテキスト(カード裏面)
フレーバーテキスト(LoV4.net)

――作戦を開始する。

排煙口なし。侵入経路を変更、カメラ、守衛無し。予備工作通り2階の窓が解錠されていることを確認――侵入する。

廊下に出た。標的の部屋まであと10m。部屋までの斜辺物無し――ん?

すまない、問題が発生した。一旦通信を切る。





――待たせたな。廊下で標的の一人に遭遇した。ああ、問題ない。姿は見られていないはず――見られてもいい……か、すまん、そうだったな。つい気配を消してしまう癖が出てしまったようだ。「目立たず、それでいてしっかりと見つかるように」か……ああ、問題ない。依頼とあらばこなしてみせよう。

目標の部屋に到達。これより設置作業を行う。

標的1、セット。標的2、セット。標的3……ひとり、覚醒しかけている――了解した。このまま待機する。「ん……あれぇ? だれかいるぅ」

標的に発見された。これより第二行動に移――何? 返事を……了解した、やってみよう。

「おじちゃん……だれぇ?」

名乗ろう――サンタだ。

「……サンタ……サンタ!? さっちゃん! よーくん! おきておきて! サンタさん来たよ!」

「ふぇ? サンタ…さん?」

「えぇ……わ! ホントだサンタさんだ!!」

「愛先生~~! 来て来て!! サンタさん来たよ~~!!」

「ん~~? わ! ホントだ! サンタさん来てくれたんだ~!」

「よかった! 今年は“お仕事”だからこないのかと思ってた!」

「でもいつもの二人組のサンタさんじゃないね~。おひげないし~~」

「じゃあみんなでお迎えのお菓子を出さなきゃね! 先生はサンタさんとお話してるから、みんな持って来て~!」

「「「は~〜い!」」」

(ごめんなさいね、突然こんなことお願いしちゃって……いつも頼んでた二人が来られなくなっちゃって。お菓子くらいしかお礼できないんだけど……)

かまわない。休ませてもらった礼だ。

(子供、お好きなんですね)

……それより、上水流愛といったな――あんたも、この子たちも本当に俺のことが見えるのだな。

(そうみたい……です。事情は聞かないで下さい……すみません)


――いいや、いい笑顔が見られた。俺はそれだけでいい。

「愛先生~、おかし持ってきたよ~!」

「ありがとう! それじゃ、みんなでお祝いしようか! せ~の!」

「「「めりーくりすまーーーーす!!」」」

~『蓮刃剣風帖』――流離う忍びの聖き夜――より~
+ ECR
ECR
ECR
No ECR:018
身長 1.76[meter]
体重 59[kg]
現在の記憶 曖昧
現在の意識 混沌として
憑代の業 殺人衝動
得意料理 魚料理、鍋料理
イラストレーター Tomatika
フレーバーテキスト(カード裏面)
-
フレーバーテキスト(LoV4.net)
駆ける足音と荒い息が、人気の無い夜のコンテナターミナルを跳ねる。

積みあがったコンテナが作る複雑な通路を、背後に気を回しつつ何度も曲がりながら駆け抜けるのは、柔らかに波がかった髪をたなびかせる、眼鏡をかけた線の細い印象の青年――。

青年は袋小路に入ると、行き止まりの壁を背に暗い通路の奥、コンテナ、遠くのクレーン、周囲の全てに素早く目を向け――高く飛び上がった。

その直後、足の下を微かに空気が裂ける音が抜け、背にしたコンテナの壁面が裂ける。

そのまま壁を蹴ってコンテナの上に着地した青年は、ゆっくりと息を吐いて呼吸を鎮め、周囲の闇に向かって問いかけた。

「あなたは、誰だ」

答える声はない――が、代わりに青年の背後数メートル、闇の黒より濃い影が浮かび上がった。

「姿を見せて欲しいな」

そう口にする青年に気づいている様子はない。それもそのはず、現れた影は鋼の戦装束で身を包んでいながらも、その歩みに足音どころか、鋼の音、少しの衣擦れの音すら生じさせてはいないのだ。

影と青年の距離が手を伸ばせばあと半歩というところまで縮まったとき、

――キィィンッ!

激しく金属が衝突する音が響いた。

見ると、いつの間にか体を反転させた青年が、身を低くして黒装束の男の懐に飛び込んでいた。その手に、鋭い輝きを放つ短刀を握って――。

「やはり見えていたな。達者な演技だ」

そう言った黒装束の男は、片手に持ったクナイで刃の軌道を僅かに逸らし受けていた。

「くっ……!」

青年が飛び退って短刀を逆手に構える。男はクナイをしまい、腰に下げた巨大な手裏剣の刃羽を広げる。

「今の打ち込み、変形の『裏雲雀(うらひばり)』だな――噂を辿りもしやと思ったが、本当に“風魔”の生き残りがいたようだ」そう言って闇よりのぞいた男の顔を見て、青年が驚いた表情を見せる。

「……その顔……」

男の顔立ちは、青年にとてもよく似ていた。

「誰か、と聞いたな。それは俺も聞きたいところだ――『風間夜刀』、何故その名をかたる?」

夜刀と呼ばれた青年は男の問いに少し眉根を寄せた後――ひどく、凶悪な笑みが浮かべた。

「“かたる”? これは僕の名前だよ。変わったことを聞くね。その様子、一族の者には違いないようだけど……ね!!」

言うや否や、夜刀は両腕を振り上げ飛刀を放つ。男は巨大な手裏剣を盾に難なくそれをはたき落とすが、落ちた刃はただ一つ。対して青年が振った腕は二つ、ならもう一方は――男は後ろ手を伸ばすと、目を向けることなく背後から迫る凶刃をはしと掴んでみせた。

「しかも、僕の『重啄(かさねついばみ)』を防ぐ腕前とかさ。かなり派手に“やった”のになぁ……まだいたんだね――僕のことを知らない、僕とやり合える“風魔”がさ」

嬉しそうに舌なめずりをする青年の言葉に、男が目を細める。

「……なるほどな、ずいぶん血の臭いが濃いと思ったが――お前、“はぐれ”か」

「そうだよ。怖い顔してるねぇ。でもさ、あなたほどの腕前ならわかるんじゃない? シノビっていったって、所詮はこの平和な時代さ。果たすべき“お務め”はなんてことのない暗殺に、くだらない“盗み聞き”ばかり……つまらないよね――僕は、こんなに強いのに!!」

叫ぶと共に夜刀の姿が消える。

合わせて男がもう一方の手に二つめの手裏剣を構えて目をつむる。

静寂――しかし、男の耳には微かに夜闇を滑る羽音が届いていた。

男が目を開いたとき――眼前には獲物に爪を立てる猛禽類が如く飛来し、今まさに二刀を振り下ろさんと笑みを浮かべる青年――男はしっかと青年に目を向けたまま、両手の手裏剣を回転させる。轟とした風のうねりと共に、男を中心に赤黒い嵐が巻き起こり、風にもまれた青年が地面に叩きつけられる。

「ぐぅっ……!」

急ぎ立ち上がろうとするも、瞬きの間に男に組み伏せられていた青年の四肢はピクリとも動かせなかった。

「……はは、今の、すごいね」

「そんなに飢えた『楓喰楼(ふくろう)』では俺は狩れん――知っているか? 風魔には、稀にお前のように血に取り憑かれた者が現れる……“呪われた風魔の血”といわれる所以だ」

「よしてよ、僕は望んでこうなった。血の所為なんかじゃない。それに、僕はそれが何より嫌なんだ――里を滅ぼされた挙句に『小太郎』の御印を奪われた、軟弱なこの“十二代目の血筋”ってのがさ」

終始冷静だった男の瞳が揺れた。

「そういう……ことか。ならば、名乗ろう。俺の名は十三代目――」

青年の頬がひくくと震える。

「――風魔小太郎」

そしてひゅっと息を飲む音と共に、その目が徐々に見開かれる。

「……はは、その若さでなんの冗談……いや、でもさっきのは『黒千鳥』……本当…なの?」

「………」

「なら……本当ならこの強さも頷ける……抜け忍となった後で一族を殺し、家督の証を奪って姿を消した忌まわしき十三代目……伝説の屑野郎だ! 僕はあなたに憧れていたんだ! “魔の如く”……本当に強い“風魔”……!僕もあなたみたいになりたくて、兄も、師も、みんな殺してやったんだ……!!」

組み伏せられながらも興奮気味に話す夜刀を、小太郎は憐れむように見つめた。

「真実はどうあれ、確かに俺も一族に滅びをもたらす“はぐれ”なのだろう。そしてその縁、穢れた血――思った通り、お前は俺の『門』のようだ。お前の血は俺が封じる」

「門?なんだよそれ……そんなことより教えてよ。もう戦も『北条』もない。ならさ、あんたはなんでそこまで強くなったの? なんで殺し続けるの?今さら風魔の再興ってわけでもないだろう?僕はさ、気持ちがいいから……自由に、もっと殺したい!ねぇ、あなたもそうなんだよね?」

「討つべき者はいる。だがそれも全て、俺が命をその為に使うと決めた――」

小太郎の体から蒼い燐光が漏れる。

「――主の元へと繋がる道だ」

小太郎の言葉に、青年の顔がおもいきり歪む。

「……はぁ? あの“夜刀”が、そんなつまらない答え――」

蒼い光の塊となった小太郎の体が、次第に青年へと重なっていく。

「何だこれ……僕を“乗っ取る”のか……今いいところなんだからさ…やっと“新しいの”を見つけて……ふざけるなよ……内から食い破ってやる!」

「受けて立とう……その血の責は俺にある」

「ぐ……ああ、がああああ!!!」

光がすっかり体に飲み込まれると青年の呻きは鎮まり、ようやく静かな夜が訪れる。

暫く後に目を覚ました青年はゆっくりと立ち上がり、

「……琥珀、ここまで来たぞ……俺はお前の『器』を――」

頭を押さえ、ふらりとよろめいた。

「――ん……僕は…何を……」

瞳の奥で二つの光が交錯し、不安げに揺れていた。

「……そうだ、見つけたんだった。行かなきゃ……」

青年はそう呟くと、ふらふらと誘われるように遠くに霞む街の明かりへと消え去った。


~『蓮刃剣風帖』より~
+ Ver4.2
Ver4.2
Ver4.2
No 人獣:2-009
身長 1.76[meter]
体重 59[kg]
現在の記憶 未だ曖昧
覚醒の兆し 有り
剣の腕前 抜きん出て高し
憑代 風間夜刀
イラストレーター あかぎ
フレーバーテキスト(カード裏面)
俺を知ったものは 闇に吹かれ 消えるのみ……
フレーバーテキスト(LoV4.net)
≪ From“風魔小太郎(ECR)”≫

朝稽古の終わり、学生の二人を食卓へと送り出し、僕は道場の掃除を行う。

本来ならば掃除も含めて稽古なのだが、学生の朝は忙しい。そこら辺は臨機応変にやるのがこの『道明寺剣術道場』の主、羅閂師範のやり方だ。

床の雑巾がけ、道具の手入れ、神棚の掃除を終えた後、壁にかけられた名札を丁寧に拭く。

僕は数十ある名札のうちの一つ――『風間夜刀』と書かれた札を手にとり、じっと眺めた。

これが、僕の名前らしい。

自分のことなのに「らしい」というのは、我ながら変な話だとは思う。

しかし、本当に“そういう”状況なのだから仕方ない。僕の記憶は“捻じれて”しまっているのだ。

僕は、記憶が所々かけている。それだけならばただの「記憶喪失」で済むのだが、困ったことに、加えて“同時期の記憶”がいくつもあるのだ。まるで複数の人間の記憶が絡まり、捻じれ合ってしまっているように――。

故に、僕は自分の記憶を“自分のもの”と認識していても、それはどこか他人事のようで、『風間夜刀』という名が自分の名前だということはわかっていても、それにどうにも実感がわかないというわけだ。

さらにやっかいなことに、記憶の欠如のほうは、過去にさかのぼる程顕著になっていく。

数か月前にこの道場の門を叩き、入門したのは覚えているが、その動機というか、そうなるに至った経緯がさっぱり思い出せない。そしてそれより以前、通った道、見た風景、食べた物、印象深かったものはスポットのように思い出せるのだが、それらを思い出すたび、複数の絵面が混ざり合って混濁してしまう。住んでいた場所、自分が何をしていた人間なのか、親兄弟など、自身を特定するために必要な記憶に至っては、思い出そうとするとドロドロに溶け合って、“真っ黒”になってしまう具合だ。聞いても意味は解りかねるだろうが、言葉通り、そう感じていた。

医者が言うには、“何かしらの過度なストレスによる記憶障害”ということなのだが、どうにも納得しかねるし、いたたまれない。

しかし師範はそんな状態になってしまった僕を、「そのうち思い出すだろ!」と豪快に笑い飛ばし、「一人も二人も一緒だからな」と、同じ住み込みの門下生と共に、この道場に居候させてくれていた。

こんな僕を温かく受け入れてくれるこの道場の人たちには、本当に感謝してもしきれない。

けれど、僕はたまに――


「風間さん!」


まだ実感が薄いからか、少し遅れて振り返った。

僕を呼んだ、ニコニコと人懐っこい笑みを浮かべるこの青年は、道場の師範代であり、師範の息子さんでもある虎鉄君という。件の学生の一人、といっても、今は予備校通いの浪人生だ。

「ご飯終わったよ! ごめんね、掃除任せちゃって……今手伝うから!」

「ありがとう。でもこっちもあと少しで終わる所だし、ゆっくりしてなよ」

「でも風間さんご飯まだじゃん。千尋さんもシャワー浴びたらすぐ来るし、ご飯食べてきなよ。はぁ……やっぱり、朝稽古30分短くしてもらおうかなぁ……」

そう言って彼は僕から布巾を奪い、名札を拭き始める。

「ここまで道場にお世話になっていて、そういうわけにはいかないよ。いつまでも甘えていられないし……僕も、早く思い出さなきゃね」

「それとこれとは話が別! それにさ、記憶戻ったら風間さん出てっちゃうんでしょ? ほら、男やもめのクセに父さん料理壊滅的じゃない? 千尋さんに任せてたら缶詰だらけになっちゃうし……。俺は料理は嫌いじゃないけどさ、美味しすぎて、もう風間さんのご飯無しじゃ生きていけないよ……もうさ、記憶戻ってもこのままでいいんじゃない?」

名札を吹きながら、そうニコやかに話す虎鉄君を見ていると、やはり師範と親子なんだな、と思う。記憶の問題はあるけれど、それを除けば、確かに今の状況はとても穏やかで、幸せなのかもしれない。僕にもかつて、こんな時間があったのだろうか。こんな風に笑ってくれる弟が――――弟……? 

頭の中にぽう、と泡が浮かんだ。

――いや、僕には弟なんて………わからない……けど、今浮かぶこの顔は……兄……?

もう一つ、泡が浮かぶ。それらはくっつき、一つの泡となって斑に混ざり合い――

――幸せで……不幸で…………僕は……自由になって……

ドロドロと黒く、粘ついた何かに変わり――

――もっと……壊したい……!

僕の手が、彼の首筋へと伸びていく――。



≪――夜刀、呪いを受け入れるな――≫



「どうしたの……? 風間さん?」 

気付くと、虎鉄君が僕の顔を心配そうに覗き込んでいた。
「あ、ごめん……」

「大丈夫……? 疲れてるなら、朝稽古のこと、ホントに父さんに頼んでみるからさ」

「ありがとう。でも大丈夫だよ、ただの立ち眩み。はは、やっぱり朝ご飯はちゃんと食べなきゃだね。お言葉に甘えて行ってくるよ」

僕は道場に一礼をし、そそくさとその場を後にした。

いったい僕は何者なのか……きっと、一刻も早くそれを思い出さなければならない。

その答えは、恐らく幸せなものではないのだろう。

しかし僕の中の何かが、それを必ず思い出せと告げていた。

僕の中にいる――ひとつは暗く、もう一つは強い、何かが。


~『蓮刃剣風帖』より~

セリフ一覧

+ 通常版/Ver4.0、Ver4.2、ECR
通常版/Ver4.0、Ver4.2、ECR
召喚 ――お前を守るために 俺は来た
武装 風が吹き 魔を纏い 命を散らす
血晶武装 名乗ろう 十三代目風魔――小太郎
通常攻撃
アーツ 風魔――鶫晩刃(つぐみくれは)
タワー制圧
ストーン破壊
死滅
サポート(Ver4.0) 風の声を聞け
サポート(Ver4.2)
サポート(ECR)
+ Ver4.0 シーズンコレクション
Ver4.0 シーズンコレクション
召喚 クリスマスか 依頼を果たそう
武装 依頼とあらば、こなして見せよう
血晶武装 雪のごとく、サンタのごとく
通常攻撃 プレゼントだ、受け取れ
アーツ 風魔 紅サンタ
タワー制圧 煙突なし 侵入経路を変更する
ストーン破壊 名乗ろう――サンタだ
死滅
サポート 風魔――メリークリスマス
+ EVR
EVR
召喚 日本か…随分と変わったが、懐かしい風だ
武装 成る程な…そういう運命か
血晶武装 風の如く…魔の如く…!
通常攻撃 飛べ、白鳥
アーツ 呪われた風魔の血 そう言った筈だ
タワー制圧 あの頃は風間の夜刀と名乗っていたが、今は小太郎だ
ストーン破壊 もうあの頃の俺ではない…そういうことだ
死滅 その顔だ…ふふふ はっはっは!
サポート

考察

相変わらずのスピード特化の忍者。今回も3アビリティ所持。
召喚時点でATK120とまずまずの性能でスピードアップも持っており、武装でもさらに足が速くなる。
血晶武装すると撃破すれば硬直が短くなる(だいたい50%~75%ぐらい減少)。
キル○○となっているがキルアップではなく、1体倒せば効果が発生し、倒し続ける限り効果も続いていく。
また、硬直時間が減ると言うと攻撃後の移動できない時間が減るのかと聞こえるが、
それだけでなく攻撃間隔も同様に短縮する。
そのため石やタワー周りの10コスを凄まじい速度で狩ることができる。
→攻撃間隔の短縮はバージョンアップでサイレント修正されました
ただ、70コストの大型アタッカーで小粒狩りというのはこだわれば悪手になることもあるので、
忍者的決断力で臨機応変に状況判断したい。

アーツは短時間ながら敵の足を奪い秒間5ダメージの毒を振りまく事が出来る、まさに忍術。
なおアーツの発動モーション中は自身が無敵になるため、2回ほど攻撃をやり過ごして延命できる。忍術。
クールタイムも短く10マナなので、追いに逃げに、小太郎の要として積極的に活用していきたい。
そういう意味では、マナもしっかり要求する仕事のプロフェッショナル。


キャラクター説明

戦国時代北条家に従い、滅亡とともに盗賊に落ちぶれ、最後には徳川家に捕まり処刑された伝説の忍者…の末裔で、13代目の小太郎である。
普段名乗っている「風間夜刀」は本名で、実の弟が12代目小太郎を引き継いだ際にはそう名乗っていた。
その弟の死によって彼が13代目小太郎となったのだ。
LoV3では、その弟の仇である高坂甚内との戦いがフレーバーテキストで語られていたが、小太郎が仇敵に勝利することはなかった。LoV4ではいかなる結果が彼を待ち受けているのであろうか?

また、3では琥珀のパートナー使い魔であり、真面目で誠実な彼に忠実に従いながらも、いざという時は発破をかけたりなかなかの名コンビっぷりであった。
そんな彼は4では道明寺虎鉄のパートナー使い魔である。
ECRになった理由は休ませて貰った礼として来られなくなったサンタの代わりとして養護施設へサンタとして依頼を遂行しにいった。
恩は恩で返すのは忍者らしいが、子供達は忍者である事を知らないのにニンジャサンタと名付けられた。

以下ストーリーモードのネタバレ
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第一話から登場。
記憶を失い「風間夜刀」という青年として2030年の東京で生活をしていた。
虎鉄の父親に世話になっていたが、突如虎鉄パパがトロールとなり
木刀で立ち向かっていた。
ちなみにその時のトロール相手に苦戦気味だが戦えてたり、ゲーム上のステータスは25/25/25の□(アビリティ無し)だったりと
普通の人間にしてはかなり強い。第1話、特にハードではお世話になるだろう。
その時の混乱で皆と離れ離れになるが、ブルースカルの不良に絡まれている虎鉄を発見。
なんとか逃れる方法を考えている間に、不良達は突如ゴブリンアーチャーに姿を変える。
同時に虎鉄が過去の記憶を取り戻し覚醒、そして彼も風魔小太郎としての記憶を取り戻すのであった。
その後もストーリーにおいてはロード扱いの味方として開戦から助太刀してくれる。
勿論ステータスはそのままと非常に頼りになるだろう。

依代である「風間夜刀」は風魔一族の末裔にしてシリアルキラーの青年。
血の呪いの殺人衝動に呑まれ、狂いかけていた所を東京へ降り立った風魔小太郎と出会う。
そして、戦いの果てに一体化。以後、二人の「夜刀」は一人の「風魔小太郎」として主の目覚めを待ち続ける事となる。



+ 編集用コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします
  • キルクイックはキルアップ系と表記が異なるように思うのですが…キルアップ系なのでしょうか?違うのであれば変更します -- 名無しさん (2017-08-31 13:31:10)
  • 【通常風魔小太郎ボイス】
    召喚「お前を守るために俺は来た」
    武装「風……魔を纏い命を断つ」
    血晶武装「名乗ろうか……十三代目風魔小太郎」
    攻撃「ふっ」
    アーツ「風魔、鶫晩刃」
    タワー制圧「俺を知った者は闇に吹かれ消えるのみ」
    石割「任務は果たした」
    死滅「だが、風魔の契約は絶対だ、待っていろ」
    3.0レイドボイス「風魔、山嵐」
    3.1レイドボイス「風魔、風鷺」
    3.5レイドボイス「風のごとく、魔のごとく」
    VRレイドボイス「任務を開始する」
    SPレイドボイス「風魔、楓喰楼」
    4.0レイドボイス「風の声を聞け」
    ECRレイドボイス「僕は……そうか……」
    -- 名無しさん (2018-01-21 00:57:54)
  • 【EVR風魔小太郎】
    召喚「日本か……随分と変わったが、懐かしい風だ」
    覚醒「成る程な……そう言う運命か」
    超覚醒「風のごとく……魔のごとく!」
    攻撃「飛べ、白烏」
    アーツ「呪われた風魔の血、そう言った筈だ」
    タワー制圧「あの頃は風間(ふうまの)夜刀と名乗っていたが、今は小太郎だ」
    石割「もうあの頃の俺ではない……そういうことだ 」
    死滅「その顔……ふふふ、はっはっは!」
    レイドボイス「白烏!」
    -- 名無しさん (2018-01-21 00:58:49)
  • 【SC風魔小太郎】
    召喚「クリスマスか、依頼を果たそう」
    武装「依頼とあらば、こなして見せよう」
    血晶武装「雪のごとく、サンタのごとく」
    攻撃「プレゼントだ、受けとれ」
    アーツ「風魔、紅サンタ」
    石割「名乗ろう、サンタだ」
    タワー制圧「煙突なし、侵入経路を変更する」
    レイドボイス「風魔、メリークリスマス」 -- 名無しさん (2018-01-21 00:59:31)
  • 【SC風魔小太郎FT】
    ――作戦を開始する。


    排煙口なし。侵入経路を変更、カメラ、守衛無し。予備工作通り2階の窓が解錠されていることを確認――侵入する。


    廊下に出た。標的の部屋まであと10m。部屋までの斜辺物無し――ん?


    すまない、問題が発生した。一旦通信を切る。







    ――待たせたな。廊下で標的の一人に遭遇した。ああ、問題ない。姿は見られていないはず――見られてもいい……か、すまん、そうだったな。つい気配を消してしまう癖が出てしまったようだ。「目立たず、それでいてしっかりと見つかるように」か……ああ、問題ない。依頼とあらばこなしてみせよう。


    目標の部屋に到達。これより設置作業を行う。


    標的1、セット。標的2、セット。標的3……ひとり、覚醒しかけている――了解した。このまま待機する。


    -- 名無しさん (2018-01-21 01:07:11)
  • 【SC続き】
    「ん……あれぇ? だれかいるぅ」


    標的に発見された。これより第二行動に移――何? 返事を……了解した、やってみよう。


    「おじちゃん……だれぇ?」


    名乗ろう――サンタだ。


    「……サンタ……サンタ!? さっちゃん! よーくん! おきておきて! サンタさん来たよ!」


    「ふぇ? サンタ…さん?」


    「えぇ……わ! ホントだサンタさんだ!!」


    「愛先生~~! 来て来て!! サンタさん来たよ~~!!」


    「ん~~? わ! ホントだ! サンタさん来てくれたんだ~!」


    「よかった! 今年は“お仕事”だからこないのかと思ってた!」


    「でもいつもの二人組のサンタさんじゃないね~。おひげないし~~」


    「じゃあみんなでお迎えのお菓子を出さなきゃね! 先生はサンタさんとお話してるから、みんな持って来て~!」


    「「「は~~い!」」」
    -- 名無しさん (2018-01-21 01:07:40)
  • 【SC続き】
    (ごめんなさいね、突然こんなことお願いしちゃって……いつも頼んでた二人が来られなくなっちゃって。お菓子くらいしかお礼できないんだけど……)


    かまわない。休ませてもらった礼だ。


    (子供、お好きなんですね)


    ……それより、上水流愛といったな――あんたも、この子たちも本当に俺のことが見えるのだな。


    (そうみたい……です。事情は聞かないで下さい……すみません)


    ――いいや、いい笑顔が見られた。俺はそれだけでいい。


    「愛先生~、おかし持ってきたよ~!」


    「ありがとう! それじゃ、みんなでお祝いしようか! せ~の!」


    「「「めりーくりすまーーーーす!!」」」


    ~『蓮刃剣風帖』――流離う忍びの聖き夜――より~ -- 名無しさん (2018-01-21 01:08:18)
  • 【SC】
    身長 ツリーの如く
    体重 雪の如く
    最高速度 ソリの如く
    信条 受けた依頼は必ず果たす
    潜入場所 児童養護施設『しろかぜの家』
    つけられたあだ名 ニンジャサンタ
    イラストレータ― PALOW.
    カード裏面テキスト クリスマスか……依頼を果たそう…… -- 名無しさん (2018-01-21 01:10:47)
  • 【ECRFT】
    駆ける足音と荒い息が、人気の無い夜のコンテナターミナルを跳ねる。


    積みあがったコンテナが作る複雑な通路を、背後に気を回しつつ何度も曲がりながら駆け抜けるのは、柔らかに波がかった髪をたなびかせる、眼鏡をかけた線の細い印象の青年――。


    青年は袋小路に入ると、行き止まりの壁を背に暗い通路の奥、コンテナ、遠くのクレーン、周囲の全てに素早く目を向け――高く飛び上がった。


    その直後、足の下を微かに空気が裂ける音が抜け、背にしたコンテナの壁面が裂ける。


    そのまま壁を蹴ってコンテナの上に着地した青年は、ゆっくりと息を吐いて呼吸を鎮め、周囲の闇に向かって問いかけた。


    「あなたは、誰だ」


    答える声はない――が、代わりに青年の背後数メートル、闇の黒より濃い影が浮かび上がった。


    「姿を見せて欲しいな」


    そう口にする青年に気づいている様子はない。それもそのはず、現れた影は鋼の戦装束で身を包んでいながらも、その歩みに足音どころか、鋼の音、少しの衣擦れの音すら生じさせてはいないのだ。
    -- 名無しさん (2018-01-21 01:24:02)
  •  影と青年の距離が手を伸ばせばあと半歩というところまで縮まったとき、


    ――キィィンッ!!


    激しく金属が衝突する音が響いた。


    見ると、いつの間にか体を反転させた青年が、身を低くして黒装束の男の懐に飛び込んでいた。その手に、鋭い輝きを放つ短刀を握って――。


    「やはり見えていたな。達者な演技だ」


    そう言った黒装束の男は、片手に持ったクナイで刃の軌道を僅かに逸らし受けていた。


    「くっ……!」


    青年が飛び退って短刀を逆手に構える。男はクナイをしまい、腰に下げた巨大な手裏剣の刃羽を広げる。


    「今の打ち込み、変形の『裏雲雀(うらひばり)』だな――噂を辿りもしやと思ったが、本当に“風魔”の生き残りがいたようだ」


    そう言って闇よりのぞいた男の顔を見て、青年が驚いた表情を見せる。


    「……その顔……」


    男の顔立ちは、青年にとてもよく似ていた。 -- 名無しさん (2018-01-21 01:24:31)

  • 「誰か、と聞いたな。それは俺も聞きたいところだ――『風間夜刀』、何故その名をかたる?」


    夜刀と呼ばれた青年は男の問いに少し眉根を寄せた後――ひどく、凶悪な笑みが浮かべた。


    「“かたる”? これは僕の名前だよ。変わったことを聞くね。その様子、一族の者には違いないようだけど……ね!!」


    言うや否や、夜刀は両腕を振り上げ飛刀を放つ。男は巨大な手裏剣を盾に難なくそれをはたき落とすが、落ちた刃はただ一つ。対して青年が振った腕は二つ、ならもう一方は――男は後ろ手を伸ばすと、目を向けることなく背後から迫る凶刃をはしと掴んでみせた。


    「しかも、僕の『重啄(かさねついばみ)』を防ぐ腕前とかさ。かなり派手に“やった”のになぁ……まだいたんだね――僕のことを知らない、僕とやり合える“風魔”がさ」


    嬉しそうに舌なめずりをする青年の言葉に、男が目を細める。


    「……なるほどな、ずいぶん血の臭いが濃いと思ったが――お前、“はぐれ”か」
    -- 名無しさん (2018-01-21 01:24:58)
  • 「そうだよ。怖い顔してるねぇ。でもさ、あなたほどの腕前ならわかるんじゃない? シノビっていったって、所詮はこの平和な時代さ。果たすべき“お務め”はなんてことのない暗殺に、くだらない“盗み聞き”ばかり……つまらないよね――僕は、こんなに強いのに!!」


    叫ぶと共に夜刀の姿が消える。


    合わせて男がもう一方の手に二つめの手裏剣を構えて目をつむる。


    静寂――しかし、男の耳には微かに夜闇を滑る羽音が届いていた。


    男が目を開いたとき――眼前には獲物に爪を立てる猛禽類が如く飛来し、今まさに二刀を振り下ろさんと笑みを浮かべる青年――男はしっかと青年に目を向けたまま、両手の手裏剣を回転させる。


    轟とした風のうねりと共に、男を中心に赤黒い嵐が巻き起こり、風にもまれた青年が地面に叩きつけられる。


    「ぐぅっ……!」


    急ぎ立ち上がろうとするも、瞬きの間に男に組み伏せられていた青年の四肢はピクリとも動かせなかった。


    「……はは、今の、すごいね」 -- 名無しさん (2018-01-21 01:25:30)

  • 「そんなに飢えた『楓喰楼(ふくろう)』では俺は狩れん――知っているか? 風魔には、稀にお前のように血に取り憑かれた者が現れる……“呪われた風魔の血”といわれる所以だ」


    「よしてよ、僕は望んでこうなった。血の所為なんかじゃない。それに、僕はそれが何より嫌なんだ――里を滅ぼされた挙句に『小太郎』の御印を奪われた、軟弱なこの“十二代目の血筋”ってのがさ」


    終始冷静だった男の瞳が揺れた。


    「そういう……ことか。ならば、名乗ろう。俺の名は十三代目――」


    青年の頬がひくくと震える。


    「――風魔小太郎」


    そしてひゅっと息を飲む音と共に、その目が徐々に見開かれる。


    「……はは、その若さでなんの冗談……いや、でもさっきのは『黒千鳥』……本当…なの?」


    「………」 -- 名無しさん (2018-01-21 01:25:56)
  • 「なら……本当ならこの強さも頷ける……抜け忍となった後で一族を殺し、家督の証を奪って姿を消した忌まわしき十三代目……伝説の屑野郎だ! 僕はあなたに憧れていたんだ! “魔の如く”……本当に強い“風魔”……! 僕もあなたみたいになりたくて、兄も、師も、みんな殺してやったんだ……!!」


    組み伏せられながらも興奮気味に話す夜刀を、小太郎は憐れむように見つめた。


    「真実はどうあれ、確かに俺も一族に滅びをもたらす“はぐれ”なのだろう。そしてその縁、穢れた血――思った通り、お前は俺の『門』のようだ。お前の血は俺が封じる」


    「門? なんだよそれ……そんなことより教えてよ。もう戦も『北条』もない。ならさ、あんたはなんでそこまで強くなったの? なんで殺し続けるの? 今さら風魔の再興ってわけでもないだろう? 僕はさ、気持ちがいいから……自由に、もっと殺したい! ねぇ、あなたもそうなんだよね?」


    「討つべき者はいる。だがそれも全て、俺が命をその為に使うと決めた――」


    小太郎の体から蒼い燐光が漏れる。


    「――主の元へと繋がる道だ」


    小太郎の言葉に、青年の顔がおもいきり歪む。 -- 名無しさん (2018-01-21 01:26:20)
  • 「……はぁ? あの“夜刀”が、そんなつまらない答え――」


    蒼い光の塊となった小太郎の体が、次第に青年へと重なっていく。


    「何だこれ……僕を“乗っ取る”のか……今いいところなんだからさ…やっと“新しいの”を見つけて……ふざけるなよ……内から食い破ってやる!」


    「受けて立とう……その血の責は俺にある」


    「ぐ……ああ、がああああ!!!」


    光がすっかり体に飲み込まれると青年の呻きは鎮まり、ようやく静かな夜が訪れる。


    暫く後に目を覚ました青年はゆっくりと立ち上がり、


    「……琥珀、ここまで来たぞ……俺はお前の『器』を――」


    頭を押さえ、ふらりとよろめいた。


    「――ん……僕は…何を……」


    瞳の奥で二つの光が交錯し、不安げに揺れていた。


    「……そうだ、見つけたんだった。行かなきゃ……」


    青年はそう呟くと、ふらふらと誘われるように遠くに霞む街の明かりへと消え去った。


    ~『蓮刃剣風帖』より~
    -- 名無しさん (2018-01-21 01:26:47)
  • 身長 1.76[meter]
    体重 59[kg]
    現在の記憶 曖昧
    現在の意識 混沌として
    憑代の業 殺人衝動
    得意料理 魚料理、鍋料理
    イラストレーター Tomatika
    カードナンバー ECR 018


    長文コピペ失礼しましたm(__)m -- 名無しさん (2018-01-21 01:28:04)
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  • アプデでAが上がったおかげでとうこつと主人公のアビリティを合わせれば大体の根本をスパクリワンパンできるようになった
    一撃離脱すると忍者っぽい -- 名無しさん (2017-09-23 19:39:59)
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  • 毒持ちだから清姫との相性も一応いい。とうこつと合わせるのなら一興 -- 名無しさん (2018-02-01 14:45:38)
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最終更新:2019年02月28日 14:31