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女子「先生、転校生ですか?」

五十嵐「ああそうだ。今日よりこのクラスに転向してきた「霧島 レン」さんだ」

男子「レンだって~やっぱり外人なのかな?」

女子「でも霧島って事はハーフか?」

クラス全体がざわつき出すが五十嵐の一言で治まる

五十嵐「さっ霧島さんも中に入って」

レン「…はい」

<< BGM  レンのテーマ >>

ドアの向こうから静かな声が聞こえるとゆっくり彼女は中に入ってきた

(やっぱりあの子だ!泣亜川に居た…転校生だったのか、どうりで見たこと無いと思った)

男子「凄え!メッチャ可愛いじゃん」

女子「…やば、マジ綺麗なんだけど…」

またもやクラスがざわめき出す

五十嵐「コラ!静かにしないか、全員職員室に行きたいのか」

男子「スイマセン!」

五十嵐は一息つくと説明の続きを始めた

五十嵐「霧島さんはこっちの街に来てから間もない、分からない事も多いだろうからしっかり教えてあげてくれよ」

峯岸「はい!任せてください」

すかさずトッシーが机から立ち上がり大きく右手を上げる

(相変わらず恐れを知らないな、アイツ…)

五十嵐「分かったから席に着け」

五十嵐は呆れた様子で教卓の上に名簿を置いた

五十嵐「そうだな、席は…桜井」

幸一「え!?は、はい!」

急に呼ばれたため少し間の抜けた返事をしてしまった

五十嵐「今返事をした男子の隣の席に座ってくれ」

(ちょっとまってよ!どうしよう)

確かに隣の席は空席であったが内心はそれどころではなかった

彼女は頷くとオレの方へ歩き出した

峯岸「霧島さん良かったら後で学校案内しようか?」

トッシーが間髪入れずに話しかける

しかし彼女はクビを僅かに横に振り再び席へ歩く

男子「イエー!トッシー振られてやんの」

峯岸「うっせ!アホ!」

霧島さんはゆっくり隣のイスに座り席に着くと五十嵐がオレに向かって話しかけてきた


<< BGM タイトル未定 >>

五十嵐「あ~桜井、霧島さんには教科書がまだ届いていないから届くまで見せてあげてくれないか」

幸一「…はい」

五十嵐「それじゃ授業を始めるぞ」

そう言うと教科書を出す

幸一「君、さっき泣亜川に居たでしょ?」

教科書を見せながらこそっと霧島さんに話しかける

しかし彼女は黙って教科書を見つめたままで答える気は無いみたいだ

(コイツ…一体何なんだよ)

オレは内心ムッとしながらも教科書のページをめくる

次のページの下の方にオレが描いた飛行機の絵がある

(うわっ!やば)

慌てたが今更急いで消すわけにもいかない、自分の顔を真っ赤になっていくのが分かったがも何事も無かったかのように見るしかなかった

霧島さんを見ると明らかに教科書の内容ではなくその飛行機の絵を見ている

(み、見るなよー!)

心では必死に叫ぶも霧島さんの視線は一向に変わる気配は無かった

頭が凍りつく、次のページにもその次にも飛行機の絵を描いていたからだ

内心このページで終わってくれと思ったが授業が終わる頃には全部の絵を見られていた

<< BGM 未定 >>

ホームルームが終わると何人かのクラスメイトに連れられ霧島さんは姿を消した

(結局終わっても一言も話さなかったな…一体何を考えてるんだろう)

オレはカバンを持つと校舎を出てグランドの奥にある裏山に向かう

学校の裏山には使われていない格納庫と僅かながら滑走路がある

そこに自分の飛行機を置いていた、勿論学校には許可を取っている

放課後は一帯をフライトするのがオレの楽しみだ

格納庫の扉をゆっくりと開けると中に1台の飛行機がある

幸一「ミラー、今日も頼むよ」

M-16ミラー…今より20年ほど前のタイプで未だドップラー・レーダーも装備していない

動いている目標に電波を当てると、その反射波の周波数が音波と同じく変化する現象をドップラー効果という

これを利用して反射波の周波数が変化していれば動いている目標、変化しなければ背景(地上)という識別を行うことが出来る

こんなに便利で今は付いているのが当たり前の時代にミラーは旧式構造なので電子部品の増設が出来ないためドップラーレーダーを装備する事が出来ない

エンジンも旧式で加速までに時間が掛かり操作性も鈍いが強度は硬く空圧に強い、ある意味存在自体がプレミア物なのである

これは父が乗っていた機体でオレも幼少の時からよく同乗させてもらっていた

空を愛していていた父…しかし開発者として過度な仕事に倒れ

再び空を飛ぶ事は無く幸一が中学に上がる頃この世を去った、言わばこのミラーは父の形見だ

機体を撫でながら奥の机に座った

机の周りには色々な機械が山積みになっている


幸一「結構散らかってるな~後で片付けるかな」

「ふぅ、行くか!」

<< BGM 飛行機の曲 >>

ブロロロロロロォォォォ!!!(エンジン音)

ここの滑走路は短い、一番神経を使う瞬間だ

ブォォォォ!!(浮き上がる)

(良い感じだ!)

幸一「最高の景色だよな・・・」

画面1回フェードアウト

ウェイト1秒位

フェードイン

幸一「ミラーも大分温まってきたな、よし!」

オレが操縦桿を大きく倒すとミラーは大きくうねり出す

ここでマニューバの説明を入れるか

幸一「クソー!上手く曲がらないな~、どうしても左翼が下がり気味になっちゃう」

ブロォォォ!!

幸一「もう1回だ!」

ブゥゥゥゥゥゥ!!

幸一「駄目だー!又左が下がってる」

完全なマニューバを決められるパイロットはプロでも少ない。やればやるほど奥の深さが分かる

幸一「一旦休憩するかな・・・」

ブロロロロ!

<< BGM 未定 >>

幸一「喉かわいたな、確かオレンジジュースがあったはず・・・」

奥の冷蔵庫からペットボトルのオレンジジュースを取る

幸一「んぐ…んぐ・・・うめぇ~!幸せ過ぎるぞ~」

(・・・安い幸せだな~って自分でツッコミたくなるな)

(ん?今誰か来なかったか…)

ガサッ!

幸一「…誰?」

正直検討がつかない、ココに人はほとんど来ないから

あれ…霧島さん?!

<< BGM レンのテーマ >>

幸一「霧島さん、どうしてココに」

レン「やっぱり君も飛行機、好きなんだね…」

(ビックリしたなぁ、でも初めて自分に対してきちんと口を利いてくれた)

幸一「うん…君もって言う事は霧島さんも好きなの」

彼女は返事をせずにジッとミラーを見つめてる

その顔はとても真剣で澄んだ眼をしていて、その顔に一瞬見とれてしまう

(やっぱり可愛い…)

レン「飛べるの?」  (レンのテンションを上げる)

幸一「もちろん飛べるよ、今はあまり見ない旧型だけど全然元気だし」

オレがそう答えると霧島さんは階段を上がりコクピットに向かう

幸一「え!?ちょっとまって!飛ぶ気?!」

レン「駄目なの?」

あくまで霧島さんは涼しい顔で坦々と答えた

幸一「ダメだって!コイツは普通じゃないんだから、オートフライトなんて付いてないし、それに…」

霧島さんはまったく聞く耳を持たずに上り続ける。まずい、止めないと!

幸一「霧島さん!ここの滑走路は他と比べて短いし風にも癖があるんだ!だからちゃんと下見しないと」

上を見上げた瞬間霧島さんのスカートの中が丸見えになる


幸一「…」

(み、見えちゃった…すげぇ)

自分の心臓がまるで別物の様にバクバクと音を立てているのがよく分かった

(バレてないよな…)

背中に寒気が走る

霧島さんはコクピットに入ると周りの機材に目を通し本格的にフライトの準備を始めた

レン「古い機体のわりには随分綺麗…大切に使っているんだ…」

幸一「え?」

この言葉にまた驚く、座って少し見ただけで分かるほどミラーは優しくない

今の機体はオート機能やサーチシステム、レーダーもこのミラーとは全く形が違う

飛行機乗りと言っても全ての機体を自由に動かす事は難しい。特に旧型の機体は操作性が段違いに難しく

乗り手によっては動かし方も分からない者もいるくらいなのだ

最近乗り始めた者や若いパイロットでは乗りこなせない、オレだって幼少の頃から同乗していなければ

まともに乗ることすらままならなかったはずだ

しかし今乗っているのは自分と同じ年の同級生で、なおかつ女性なのだから

常識ではまずありえない事態だ、放っておけば大事件にもなりかねない

色々考えているうちに彼女はエンジンを難なく起動させ右翼左翼の微調整を行いプロペラを回転させる

<< BGM 緊迫 >>

(う、ウソだろ?!何でエンジンのかけ方を知っているんだ!?こんなのって…)

レン「良い音…馴染みも早い」

レン「…この感覚」

ブオォォォォと凄い音を立ててミラーの準備が完了し、ゆっくり動き始める

レン「扉を開けて」

幸一「ダメだよ!フライトスーツだって着てないのに」

レン「じゃあこのまま職員室に行って先生に話しても良いんだよ

転向初日にスカートの中覗かれましたってね。どうする?桜井君、ふふっ」

(うっ、しっかりバレてるじゃん!クソー!)

幸一「どうなっても知らないからな!」

走ってもう片方の扉を急いで開ける

幸一「大丈夫なんだよね?何かあったらもうここに置いておく事はできなくなるから」

レン「心配無いよ、少し流すだけだから…」

少し笑って見せるとミラーの回転数を一気に上げて加速させた

幸一「クソー!グッドラァック!!」

グッドラックのかけ声はどんな時でも飛び立つものには幸運をという言わば飛人同士の挨拶だ

目の前を飛び立つミラーに精一杯の声で叫んだ

幸一「本当に浮上できるのかな…今日は風の調子も不安定なのに」

心配をよそにミラーは急浮上をし、あっという間に大空へ舞い上がる

幸一「そんな!?す、凄い…完全に風を読んでる!?」

空を飛ぶ者にとって風を読むという事はとても大事だ、風力に逆らって行動したならば動きは制限され

エネルギーの消費も大きい。

どれだけ風を自分の味方につけるか、流れに乗れるかがパイロットの腕の見せ所なのだ

しかし、そう簡単に身に付くもではない。豊富な経験と風を読むセンスが求められる

本当に霧島さんはココで飛ぶのが初めてなのか?

飛び慣れた自分ですら毎回風の動きや天候の変化など細かくチェックした

上でフライトしている、しかし今飛んでいる彼女は恐らく初めて飛ぶ場所で何の用意もせず、

風を読み飛んだ…旧式の操作すら一般では分からないような機体で

幸一「一体どうなってるんだ?!」

考えれば考えるほど混乱してきた。次の瞬間、更なる衝撃が目の前で繰り広げられる

幸一「でもあの乗り方…誰かに似てる」

(駄目だ!頭が正常に働かないせいで片隅にあるのに大事な部分が出てこない)

彼女を乗せたミラーは綺麗な旋回をするとやがて急上昇を始める

幸一「え…」

思わず声が出る、今居る高度は大体4600ft辺りだ。そこから更に急上昇したらすぐ6000ftを超えてしまう

高度6000ft以上は軍の許可が下りなければ上がってはいけない、そんな誰もが知っている法律を

彼女は知らないんじゃないのか?慌てて倉庫の横にあるモニターを見つめる

幸一「今の高度は…4800ft!?マズイ!本当に超えちゃうよ」

焦る幸一をよそに高度が上がる。

幸一「5544…5690…5810っもう駄目だ!」

次の瞬間ミラーはピタリと空に止まった、見ていたオレにはあまりにも印象的でしばらく忘れられない光景となる

プロペラが止まり機体が傾く、高度は…5890ft

幸一「あの動き…まさかエンジンを切ったのか!?何してるんだよ!」

フライト中にエンジンを切る…それがどれだけ危険な行為か、分かりやすく言うならスキーのジャンパーが飛んだ

瞬間に両足のスキー板を外したのと同じである。もちろんそのまま着地できるはずも無い

重力に従いミラーは物凄い加速で今度は地上を目指す

幸一「駄目だ、ぶつかる…」

背筋が凍りつく、見ていられなくなり両目をつぶった

もう終わりだ!!霧島さんが死んじゃう!!

一瞬で世界が終わるような絶望感がオレの頭をよぎる

<< BGM なし >>



…アレ?!

何秒ほど経っただろうか、予想していた大きな爆発音は聞こえない

恐怖と疑問にかられながらも恐る恐る目を開けて空を見る

幸一「?!」

そこには先程と何も変わらない空、何も変わらない風、そしてゆっくり旋回しながらこっちに向かうミラーの姿があった

(何で!何で墜落しなかったんだ!?)

言葉が見つからない…今そこにある現実がまるでスクリーンを見ているように感じた

唖然とする幸一よそにミラーは見事なまでの動きを見せ滑走路に戻ってきた

(オレが目をつぶっていたのはおよそ2、3秒…その間に一体何があったんだ)

この時軽いパニックになっていた。

シュゥゥゥゥ!!

プロペラの回転が遅くなりミラーは定位置できっちり停止する

コックピットから降りてくる姿をただ呆然と見つめていた

その時俺の目には彼女が笑っているように見えた

レン「ありがと…」

ミラーのキーを投げ渡されたが焦点の定まっていないオレは取る事ができず顔にぶつけてしまう

オレ「痛ぇ!」

しかしその痛みでオレは我にかえる事ができた

レン「あ…ごめん、大丈夫?」

幸一「大丈夫だよ、凄いね霧島さん」

(まてよ!霧島!?そうだ、あの綺麗で完璧なマニューバは霧島幸一の動きと同じなんだ!)

霧島幸一は現役時に並み居る強豪を全て倒しリーグを1度も負けずに完全制覇。その記録は今だ破られていない

完全王者となった翌年突如引退を宣言し航空ショーやイベントなどに顔を出す程度になる

なお、リーグが設立されて10年で王者となった日本人は後にも先にもこの霧島幸一だけだ

幸一「ねぇ、もしかして霧島さんのお父さんて…」

レン「!!」

彼女の眼が少し鋭くなるがしばらくしてゆっくりまぶたを閉じた

オレはその間何を話して良いか分からなくなっていた

レン「やっぱり…皆と同じなんだね」

振り向くと校舎の方へ戻って行く

しかしオレにはそんな彼女を止める言葉が見つからない

彼女の姿が無くなるまでじっと見つめていた

片付けを済ませ帰路の最中にオレはずっと霧島さんの事を考えていた

何もかもが衝撃的だったあの放課後、そして最後の言葉…

幸一「君も同じ…か、どういう意味なんだろ」

ふと空を見上げると散香が夕闇の空に輝いていた

移動  (自宅)

ガチャ!

由紀「おかえり~今日も随分遅くまで飛んでたのね」

由紀「ご飯できてるわよ」

幸一「いらない、今日は疲れてるんだ」

由紀「あら、そんなに疲れるまで飛んでたの?まったく誰に似たんだか…」

幸一「もう寝る」

由紀「母さんちょっと出かけるけど何か用事ある?」

幸一「いや、いいよ」

由紀「ちゃんとお風呂に入って汗を流しなさいよ」

幸一「ああ」

移動(自室)

自室に着くとベットに横になる

「霧島・・・レン・・・か」

やっぱり霧島幸一の娘なのかな

でもそれが本当なら何も隠す必要は無いわけじゃん

むしろ言えば皆の人気者になれるのに

凄い飛行技術だったな…マニューバも完璧に決めてたし

綺麗で可愛いかったな。。。金髪

パンツ見えたけど明日言いふらされないよな。。。勘弁だ

…もう1回見たいな…

まぁいいや

「明日…ちゃんと話そ…」

寝る
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