ロマン技

「ヴァーハッハッハッハ!ヂェストオオォォォ!!」

厳しい発動条件や高いリスク&コストに見合わないリターン、そしてそれを上回る見栄えやインパクトを兼ね備えた技を指す。
所謂「魅せ技」の一種であり、かつ死に技と紙一重の技でもある。
原作ありのゲームの場合、原作における名場面や有名なネタなどを忠実に再現したロマン技が多い。

露骨に狙いすぎて手痛い反撃をもらっては格好がつかない。
用法および用量を守って適度に使いたい所である。
嗚呼、格ゲーに浪漫はあるのだろうか。

AIインフレの激しい昨今のMUGENでは、超反応を始め人操作では不可能な行動で、
これらの技を的確に決める優秀なAIも多数存在する(その最たる例が六道)。
そのためものによっては割と頻繁に目にすることができたりする。
また、コマンドが難解なものに関しては、MUGENだと内部のコマンド設定をいじれば1ボタンで出せるようにもできるが、それは無粋というもの。
そう簡単に出せないこともまたロマンたる所以なのだから。

ロマン技によく見られる特徴
  • 見栄えがいい・演出が秀逸
  • インパクトがでかい
  • 決まったときの威力がでかい
  • ゲージの消費もでかい
  • 技前後の隙もでかい
  • 発動条件が厳しすぎる
  • 命中・成功しづらい、確定条件が限られすぎている
  • コマンド入力が難しい、入力猶予が短すぎる
  • 外したら死亡フラグ
  • 実はガード(特殊ガード)可能だったりと見かけ倒し
  • 条件に対して威力が低い、効果が少ない
  • そもそも性能、使い勝手の良い技がいくらでもある
  • でも何故か狙いたくなる


ロマン技の数々

原作でのロマン技

デミトリ・マキシモフの「ミッドナイトブリス

相手を無力な女の姿に変身させ吸血する、恐らくヴァンパイア最強のネタ技。と言うか、このページの中でこの技だけ明らかにロマンの方向性が違う。
性能自体はお世辞にも高いとは言えず、出しただけではまず当たらない
(同作のコマンド投げはほとんどが発生1Fなのに対して、発生11Fと非常に遅い。後述の「ミッドナイトプレジャー」は1F)。
同じ移動投げである「ミッドナイトプレジャー」がある以上、存在意義を疑問視されることもある。
ミッドナイトプレジャーが2ゲージ技でミッドナイトブリスは1ゲージ技、またコマンドもミッドナイトブリスの方が自由が利くため、
無敵のある前ダッシュに組み込んでの奇襲や、相手が移動起き上がりした時ダッシュで追いかけての重ね、
画面端での起き攻め時に重ねた小足をキャンセルして出す等、ごく少数の限定的な状況においてはプレジャーよりも有用。
もちろん、そこに持ち込めるのを前提として。
相手を変身させ無力化するアナカリスの「王家の裁き」とは違いあくまで変身は投げの演出の一環でしかないため、
相手の変身後の姿を見るためだけに狙う以外ではミッドナイトプレジャーに出番を奪われることが多々ある悲劇の技である。
ヴァンパイアは比較的CPUの思考ルーチンが高いので、CPU相手ですら適当に撃ったらまず当たらない。
さらに隠しキャラの朧ビシャモンの乱入条件の一つに設定されているという嫌がらせっぷりである。

ヴァンパイアセイヴァー』内で成功した際に変身する相手の姿から、デミトリのロリコン説が浮上したり、
外部作品における一部のキャラを変身させた姿がアレなど、そのツッコミ所は非常に多い
(ただし設定上は「技を食らった方の自己イメージ」なので女体化以外はデミトリが選んだものではない。分かりやすいのがマーズピープル)。

その演出故にネタ技としては人気があり、MUGENでも色々なキャラがブリスに対応していたり、
ブリスと同様の演出効果がある技を持ったキャラがいたりと面白いことになっている。

リリスの「グルーミー・パペットショウ」

相手を強制的にステージに立たせて踊らせるという技。
リズムゲーとのようにランダムで表示される対応するボタンをタイミング良く押すことでダメージを増加させる。
確かにパーフェクトならかなりのダメージになるが、音ゲーでもあまりない6ボタンシステムなため、完璧に終わらせるのは至難の業。
リリスは他にも優秀なゲージ技がたくさんあるため完全な趣味の技である。
技の発動条件もかなり特殊で、
「コマンドが成立するとシルクハットを投げ、シルクハットが相手に当たるとリリスがバニーガールに変身、
 相手がステージの上に立ちリズムに合わせてボタン入力開始」というもの。
このリズムは複数のパターンがあり、大抵のものは単調なリズムを繰り返すのだが、
中には不規則なリズムを高速で叩かせるという音ゲー経験者もびっくりの高難易度のものが混ざっているため、安定して高得点を出すのは容易ではない。
他のゲージ技と比べると非常に使いづらいものの、内部評価95点以上で出る最大ダメージがそこそこ強力であることと、
「滅多に出されない」ということを逆手に取って奇襲として使えること(相手のダッシュを読んで投げれば当てることができる)から、
ESミスティックアローからの追撃として使われることも稀にだがある。
拘束時間がかなり長いため、これでタイムアップを図ることも可能なのだが、ダメージ判定は音ゲーを終えて評価が出る段階なので負けている場合には使えない。

ラルフ・ジョーンズの「ギャラクティカファントム」

ラルフを象徴する技で、ロマン技の代表例としてよく名前が挙がる技。
ガード不能な上に威力が異常に高く、MAX版がカウンターヒットするとボスでも即死する程だが発生が尋常でないほど遅い。
相手の気絶中に重ねるとしても、ラルフには気絶値の高い技が少ないため狙えない。
が、『'97』ではJ大P→しゃがみ大P→ガトリングアタックで通常キャラなら気絶するため一応狙えないことも無い。
馬乗りバルカンパンチヒット後の起き上がりなどに重ねるなどしても、大抵は無敵技や投げ技で簡単に潰される。
無敵技や投げ技を持っていないキャラに……と思うかもしれないが、共通システムの前転や避けでも回避される。

しかし、ネスツ編ではストライカーから繋げることで即死連続技を大量生産できたり、
『XI』ではスーパーキャンセル等で出すと発生が早くなり、連続技に組み込める等、『'99』以降は様々な方法で活用できるようになっている。
『KOF』シリーズにはこの類の「発生が非常に遅いが、超高威力な技」が結構多い
乾いた大地の社の「ハルマゲドン」、シェン・ウーの「爆真」等)。

『2002』では「馬乗りギャラクティカファントム」という技がMAX2として搭載され、
さらに『2002UM』では打ち上がった敵の落下に合わせてギャラクティカファントムを叩き込む「ギャラクティカヴァンガード」という技に派生できる。
タイミングが激ムズだが、猶予1Fのジャストタイミングで成功させると、威力はMUGEN換算で1975相当という漢のロマン溢れる技である。

MUGENではmouser氏製ラルフ用のAI(sk氏製)が起き上がりによく重ねてくるが、対応できない相手AIがマトモに食らってしまうという場面が結構見られる。

炎のさだめのクリスの「さなぎをやぶりちょうはまう」

オロチに変身して、混(まろかれ)を繰り出す技。
画面全体攻撃で威力は高いが、技の発生が非常に遅いため出掛かりを潰されやすい。
一応ケズリには使えるが、コマンドがシビアで出しにくく、使い道が無い。
まあ、普通のキャラの技にボスキャラの物と同等の性能を求めるのも酷だが。

ギース・ハワードの「レイジングデッドエンド」

『餓狼伝説~WILD AMBITION~』で実装されたギースのオーバードライブパワー(いわば潜在能力)。
一定時間両手にオーラを纏わせ、効果持続中に上段・中段当て身投げを成立させると、
相手を高々と舞い上げさせて頂点で巨大な疾風拳を叩き込むようになるという技。
しかし対人戦では当て身を狙っていることが相手にも分かってしまうため、完全な魅せ技と化す。

こんなネタに近い技、出るのは1回こっきりだろう…と思いきや、なんと『2002UM』でナイトメアギースのMAX2として再登場してしまった。
こちらは当て身を決めない限りラウンド終了まで持続する上、全ての当て身が上中下段1フレ当て身に強化されるため当て身強化技としてそれなりに使える。
当て身成立後に出すのは超巨大烈風拳(虚空烈風斬)になった。

MUGENでは、ハイクオリティなカプエスキャラに定評のあるP.o.t.s氏のギースに実装されている。非常にマニアックなチョイスである。
こちらは3ゲージ消費する普通の当身超必殺技になっており、原作よりは遥かに決めやすくなっている。
しかし実際にこの技を使うとなると「成功するかどうかすらギャンブルな技に全ゲージを使う」という重すぎるリスクを背負うことになるのは相変わらず。
その上このギースは当身にスパキャンが掛かるため、この技を使わずとも「当身キャンセル→レイジングストームorサンダーブレイク」
とした方がローリスクでゲージ消費も少ないが、AI(特にmisobon_ism氏AI)はそれがどうしたとばかりにこの技を的確に決めてくる。

また、死に技の集大成であるサイクロイドΩにも搭載されている。
こちらは発動条件の当て身がギースのものではなく、発生が遅く持続も短い「キリングブリンガー」のため、原作以上に決めるのは困難。

炎邪の「六道烈火

スライディングキック(「六道烈火・地獄道」)からの三段技。
〆の「天道」は入力猶予1F、外せばカス当たりと非常にシビア
(さらに悪いことに入力タイミングは相手によって微妙に異なる)。
当たれば大ダメージ(状況によっては即死も狙える)だが、失敗すると「ぐるじお」と呻いて大きな隙を晒す(もちろん反確)という大博打。
炎邪自身の性能が低いこともあって狙う人は多いのだが……。

ダンの「挑発伝説」

ダンの代名詞とも言える技。何をする技かと言えば、名前通りひたすら挑発する。
そしてこの技、スーパーコンボである。つまり発動のためにゲージを消費する。
挑発なので攻撃判定も何もあるわけがなく、ただ隙を晒すだけなので相手は好きな攻撃を叩き込み放題。
とどめの挑発中に食らうと何故かカウンターヒット扱いになるため、全ての挑発を見届けてから叩き込むのがお約束。

正に挑発の極み、挑発の伝説。ネタキャラの極致である。そもそもメリットが一分も無いゲージ技という時点でロマン技の頂点と言える
(自分と相手の精神に何らかの作用はあるかもしれないが)。
作品によっては、全て出し切ると(双方の)ゲージが満タンになるという効果があるが、何にせよ相手の協力が必須なので実用性があるとは言い難い。
ところが『ストⅣ』シリーズではウルコンでキャンセルできるため、
コンボから挑発伝説、ウルコンと繋げて大ダメージが狙えるまさかの実用技に。
だが、ゲージ全てをキャンセルのために注ぐというのもある意味挑発的かもしれない。

ちなみに『ストリートファイターZERO3』では、効果時間中どのボタンを押しても挑発が出るようになる(3ゲージ消費)という、
もはや正気とは思えないスーパーコンボ「挑発神話」も存在する。

P.o.t.s氏製作のCvSダンには上記の挑発伝説、挑発神話共に搭載されており、その演出もとても派手で凝ったものになっている。
ちなみに成功すると(どこからか)ギャラリーの歓声と拍手が聞こえるが、途中で失敗(敵の攻撃を食らう)とブーイングされるという演出までなされている。

DIOの「時よ止まれッ!」及び空条承太郎の「スタープラチナ・ザ・ワールド」

発生が非常に遅く、また効果中は攻撃力にマイナス補正がかかるために期待できるダメージもゲージ消費量に見合わない。
確定状況もあるにはあるが、確定を狙うよりも無敵による切り返し・コンボなど用途の多いタンデムアタックにゲージを割いた方が無難である。
他作品にも類型の技はいくつかあるが、そのほとんどがこの技と同様の欠点を抱えている。「咲夜の世界(萃夢想)」は例外的に出が早いが。
ただしMUGENでは、一部のアレンジキャラが使う場合においてはこの限りではない。
まあそういうキャラは、大抵時止めとかいうレベルじゃなくブッチぎった能力を持っているので仕方ない。
現在主流のDIOのAIはこの技を積極的に狙う上、DIO自体の出番も多いので数あるロマン技の中でも、最もよく見かける技かもしれない。

ちなみにその時止めを使うMUGENキャラの一人であるD4霊夢の使う時止めは本家同様隙が大きいが、
なんと発動中は上記の挑発神話のように全ボタン挑発になり、ダメージを与える行動は一切できない。
だが、1試合に1回しか発動できない代わりにノーゲージで使用可能で、挑発は使う度にゲージが溜まるため、意外と実用的なアレンジになっている。
投げた直後などにどうぞ。

誇り高き血統ジョセフの「エイジャの赤石」

隠しキャラである若ジョセフの2つあるスパコンの一つで、セリフと共に赤石を取り出しガード不能のビームを水平に放つ2ゲージ技。
原作第二部のラストを再現した技であり、発生が遅いがダメージもその分大きい。ロマン技の見本のような技。
範囲が狭くしゃがむだけで避けれる上(イギーに至ってはしゃがむ必要すら無い)どんな状況からでも回避できるという致命的すぎる欠点があり、
CPUは他の飛び道具は普通に立ちガードするのにエイジャの赤石だけはきっちりしゃがんで避けると地味に賢いため、
死に技に片足突っ込んでいるように見えるが、イギー以外のキャラにはガードクラッシュを挟むことで繋げられ、
自分自身を含むジョセフには3強から繋がるため、実戦でも狙う機会はある。

ちなみにCPUのDIOも当然しゃがんでこの技を回避しようとするのだが、座高が高いためクリーンヒットしてしまう
そのためCPU戦でDIOにこれを使うと面白いように決まる。対策が逆に機能してしまった結果とは言えなんだか哀れである。
ただし、若ジョセフのストーリーモードだとラスボスがアレッシーなので、DIOとは戦えないという罠がある。
戦いたければ難易度高いチャレンジモードを最後まで勝ち抜くか、品薄の家庭用を入手するしかない

鷲塚慶一郎の「最終・狼牙

発動後、構えを取り画面を両断する一突きを放つ。ヒットすると画面全体に「誠」の一文字を描く、正に渾身の一撃。
ニコMUGENでも鷲塚を代表する必殺技として人気が高い。

ところが、原作ではギャラティカファントムを始めとするロマン技の例に漏れず、溜めが非常に長くコンボに組み込むことが不可能。
たとえ弾き成功時に最速で出しても間に合わないこともある上に、溜めている間は完全に無防備なため飛び道具に絶望的に弱く、
鷲塚の体が赤く光るまで溜めるとガード不能になるものの、慣れている人には簡単に弾かれてしまうため使い勝手があまりよろしくない。
そもそも技を出す条件が「体力1/4以下で剣気ゲージMAX」と非常に厳しいので、対人戦では狙っても成功させることはまず不可能だろう
(ちなみに外部出演である『NEOGEO BATTLE COLISEUM』ではスパキャンで連続技になる)。

そのためMUGENの鷲塚は、通常版でも「真・狼牙」から繋いで最終狼牙で〆るコンボが使用できるようアレンジされている。
……実は最終狼牙を使わず「真・狼牙 → 追い討ち」を普通に決めた時とダメージ差がほとんど無いのは秘密だ。

ちなみにアレンジキャラであるB.Styleが使用する一撃必殺技は、「真最終狼牙「誠」」。
「デーンデーンデーン」という『暴れん坊将軍』のイントロと共に最終・狼牙を決めるという痺れる演出となっている。
こちらはMUGENの通常版の最終・狼牙とは全く仕様が異なるので注意してほしい。

ケンシロウの「北斗残悔拳」

しばし気合をためて放物線を描くように飛び上がり、相手の秘孔を突く。
その後「この指をぬいて三秒後におまえは死ぬ」という台詞と共に、画面右下に3秒(「3'00"」)のカウントダウンが表示される。
……のだが実際にこれがゼロになるまではおよそ20秒かかる。
「お前の命は、あと3秒! ……ん? わかった 1分だ…」
しかもガード可能な上、発生がべらぼうに遅く、たとえ気絶中の相手に打っても確定しない。
ゼロになりさえすれば相手は効果音と共に一瞬でKOされるが、これだけの時間を逃げ回るのは(このゲームでは)中々困難である
基本コンボが時間かかるキャラなら狙う価値はある)。
オーラゲージを大量に消費してこんな大博打を仕掛けるくらいなら、最初からコンボを入れて倒しにいった方が現実的というもの。
ちなみにサウザーには効かず、専用の演出が用意されている。
他にも、シンが残悔拳を食らってからムテキングをすると、無敵状態である限りカウントが0になっても死なない。さすがKING。

参考動画(4:30~)
上記の動画で残悔拳を成功させているのはいずれも全国有数のケン使いアナゴ真氏。
聖地TRFにおいても他のケン使い達は確定状況のほとんど無いこの技を出す素振りすら見せないのだが、
なんと氏は狙って出しているらしく結構頻繁に見れたりする。
もちろんアナゴ真氏とはいえ毎回成功などできる訳が無く、発生を潰されたり時間内に殺される場合もある。
たとえ一級の実力者といえど簡単には成功しない技だからこそ「ロマン技」と呼ばれるのだろう。
……一部では主にクソル氏のファンタスティックな使い方ベストバウンド動画や南斗ムーンサルト拳動画のせいで、
「2ゲージ脱出技」「2ゲージ+ブースト消費移動技」とか言われることも。

ちなみにCameron氏製作のケンシロウの残悔拳はリアル3秒となっており、原作漫画での再現仕様となっている。

ジャギの「今は悪魔が微笑む時代なんだ!」

シン専用の超必コマ投げ。
オーラゲージ・ブーストゲージを減少させる効果があるが、シン側はレバガチャで減少量を軽減することが可能で、しかも技後は実質上ジャギ側が不利。
演出面の原作再現度は完璧で、原作好き、特にジャギ好きにはたまらない技だが、全体の半分ものゲージを消費しておきながら
この程度の効果でダメージ0というのは中々に救えない。一応、を1つ奪える・発生が異常に早いという利点もあるが、だからなんだという感じである。
ジャギは他にも全ゲージ使用するくせに成功率が5分にも満たない俺の名を言ってみろ!」という技を持っており、
こちらも原作ファン感涙もののロマン技である。

ジャギ自身が最弱という名の一種のロマンキャラ?聞こえんなァ~

博麗霊夢の「夢想天生」

東方緋想天』で追加されたスペルカード。北斗神拳の究極奥義ではない。
まず発動ではなく準備状態に入る時点でカードコスト5を消費する。
準備に入ると7個の珠が15秒間だけ霊夢の周囲に出現し、霊夢本体の打撃技が1度当たる度に珠が1個ずつ点灯していく。
ただし多段ヒット技でHIT数を稼いでも珠は1個しか点灯しない。7個全て点灯するとほぼ画面全体を覆う攻撃が発動し大ダメージ。

かなり強そうに思えるが、機動性が高いこのゲームで限られた時間に逃げる相手に7回も打撃を加えるのは難しく、
肝心の全体攻撃も最大ダメージは高いが距離やそれまでのコンボによって与ダメージがまちまち(2割~6割)、
射撃属性なので場合によってはグレイズされ得るなど欠点が目立つ。
即ち「先付けで必要なコスト・発動の困難さ・発動しても結果が出るとは限らない」という三重苦を背負った素晴らしきロマン技である。
『東方非想天則』ではテーレッテー(即死及びBGM的な意味で)が付属して更にロマン度が増した。
また、威力が大幅に上昇したことで直撃で10割、つまり一撃必殺技レベルに強化されたため、実用性が向上。
非常に限定状況ながら打撃7Hitコンボも開発されているため、最後の切り札としてデッキに1枚仕込むロマン溢れる腋巫女も見られるようになった。
ネタだがシスカ、天候を加えれば最大ダメージはおよそ32割となる。

なおこの技、BGMが変わってから発動する構造になっているため、制限時間にギリギリ間に合わなかった場合テーレッテーだけ流れて終わる。
非常に悲しい、でも熱い。

鈴仙・優曇華院・イナバの「生薬「国士無双の薬」」4枚使用

今も昔も『東方緋想天』の最弱候補筆頭とされる不憫な彼女にもVer1.03でロマン技が追加された。
この技、通常はお師匠謹製の身体強化薬を飲んで攻撃力と防御力を上昇させるというもの(通称「ドーピングヤゴコロスープ」)だが、
Ver1.03からは試合終了まで効果永続・重ねがけ可能となり、更に4回飲むとうどんげが大爆発するというとんでもなくマッドな技になってしまった。
この爆発を相手に喰らわせると6割強、ガードしても1割という大ダメージを与える。…が、当のうどんげは上昇効果がリセットされるだけで何ともない。何故だ。

欠点は、
  • 発生が遅く、射撃属性なのでグレイズ可能
  • 一切無敵が無い
  • 3回服用で3割近く能力が上昇するので、その状態を維持した方が立ち回り的には優秀
  • コスト3スペル…つまり大爆発まで12ゲージも使用する(天候「曇天」(スペルカードのコストが-1される)を最大限に使えても2×4=8ゲージ必要)
  • デッキシステムのため、カードの引き次第では発動そのものが難しい
    (手札に4枚全部が揃ってしまったら、曇天を利用しないと国士を使うのに別の国士を消費してしまう)
  • 同じカードはデッキに4枚までなので、天候「雪」(攻撃をヒットorガードさせると相手のスペルカードゲージが減少、1枚分ゲージが減るとカード破壊)や、
    鈴仙のスペカなどで1枚でも破壊されると絶対に発動できない。
とやっぱりロマン技の域を出ない。
ちなみに4枚使用を狙わない場合、普通に強化技として使える良スペカであったりする。
ロマンを求めた結果がこれだよ!

遠野志貴の「直死の魔眼」「十七分割」及び七夜志貴の「閃鞘・迷獄沙門」

発動するとゲームスピードが遅くなり、志貴(七夜)が跳び上がって相手にゆっくりと近付き、
接触判定に当たるとすれ違いざまに相手を斬るアークドライブ/アナザーアークドライブ(超必殺技)。
志貴のものが「直死の魔眼」(AD)と「十七分割」(AAD)、七夜のものが「閃鞘・迷獄沙門」(どちらも)。
志貴の代名詞である直死の魔眼を用いる攻撃で、発動中は無敵&前半部分がガード不能(シールドも不能)のためにMUGENではAI殺しの中でも有名な攻撃の一つ。
しかし、ゲームスピードが遅くなる特性のために対人戦ではいとも簡単に回避される。初心者でもAD見てからバクステ余裕でしたと胸を張って言えるほど。
実用するなら完全無敵を生かして相手の攻撃に割り込むなど、とにかく「隙を突く」ことが求められるが失敗すると隙だらけなのもあり、
実用性は決して高いとは言えない。
また七夜のAD版「閃鞘・迷獄沙門」は、直死の魔眼が無いせいなのか完全にガード可能になっている。ひどい話だ
(ガードできるような状況で使った場合、ガード不能だったとしても大抵は見てから避けられる状況なので、実は大差無かったりもするが)。

今となっては過去の栄光だが、無印時代は「下B(1段目)→立ちC」から繋がりダメージも即死レベルという、
正に切り札的存在だったことをこの技の名誉(?)のために追記しておく。

その後2021年発売の『MBTL』では志貴の代名詞ともいえる十七分割は『再証・十七分割』になりLAに変更されている。
従来通りブラットヒート中にシールド成立か、ゲージが4ある時に始動モーションを当てればいいだけになったので、
以前よりかは実用的にはなってはいる。
因みにADは新たに『境界を視る』に変更(始動モーションは旧LAと一緒)され、こちらは普通に実用範囲になった。

暴走アルクェイドの「プルート・ディ・シュヴェスタァ」

通称「月落とし」「隕石」と呼ばれる、技発動から数秒後にガード不能の画面全体ダメージを与えるアークドライブ/アナザーアークドライブ。
ガード不能、全画面判定でありながらもダメージは3~4割と高く、発動時は背景が変化して見た目もかっこいいのだが、
MELTY BLOOD』のキャラはシールドでガード不能技を防ぐことができ、またバックステップに一瞬の無敵時間があるため、
攻撃判定が出現するタイミングさえ分かっていれば容易に回避できてしまう(ネロ・カオスならば前ダッシュするだけでもっと簡単に躱せる)。
回避されるのを防ぐには判定が出るまでの数秒間相手に回避させないよう攻め続けるしかないのだが、
ワルクが攻撃をもらうと技が解除されてしまう。ここをいかに乗り切るかが最大のネック。
さらに発動後は成功、非成功に拘らずゲージが0になってしまうので、これらのリスクの高さから対人戦で使うには分の悪い博打とみなされている。

ただし、『MELTY BLOOD』以外のキャラがひしめくMUGENにおいては相対的に回避されにくくなっているので、かなり有用な技となっている。
特に対AIにおいては、時間差で攻撃判定が出る上ガード不能というAI殺しな仕様が強く、
ガードを固めるタイプのAIならば、技発動後に飛び道具などをばらまき続ければ時間を稼ぐのも容易である。


MUGENでのロマン技

ユェン・ソイレンの「閃剣絶刀・蓮牙征月断」

ロマンとはなにも既存の格闘ゲームの特権ではない。
MUGENには数多のオリジナルキャラが存在し、当然そこには同じだけのロマンもまた存在する。
この技は正にその一例と言えるだろう。

3ゲージ消費で巨大な剣を振り回す超必殺技で、「モータースレイヤー・プラズイットディバイダー」と読む。読むったら読む。
視聴者の中にはこの技で彼女を知った、覚えたという方もいるはずだ。
ガード可能ではあるが発動から初段発生まで完全無敵で、さらに画面約半分を覆い尽くす巨大な攻撃判定
そして何より超必殺技に相応しいド派手で美しい演出と、正に最強最終の必殺兵器に相応しい性能!
……なのだが、出が遅い。お馴染みのデモとカットインのお陰で見てから対処余裕。
それを抜きにしても暗転前18F+暗転後17Fとお世辞にも早いとは言えない。
しかも技終了後におよそ1秒半の決めポーズがあり、避けられたりガードされるとポーズを取っている間に攻撃され放題。
一応浮かせ技の「ECHOブレード」から確定するが、補正で威力がとんでもなく下がってしまう。
具体的に言うと、単発で当てた場合は5割強のダメージを叩き出すのに対し、
ECHOブレードから連携させると3割も減らない。3ゲージ技にあるまじき威力である。
ちなみに繋ぎの部分は目押しのため、この連携自体の難易度もそれなりに高い。失敗すると漏れなく死ぬ
以上のことから、この技を使おうと思ったら文字通り決死の覚悟で切り返しやぶっぱに使用するか、
難しい目押しを成功させて割に合わなさすぎるダメージを与えるかのどちらかしかない。
動画によく出てくるAIは後者の場合でしかこの技を使わないので、ユェンが安いと言われる最大の要因になっている。

UBUの「barocco blast」

こちらもオリジナルキャラのロマン技。
手を上に掲げて巨大なエネルギーの玉を作り、炸裂させる3ゲージ技。通称「元気玉」。
発動直後から溜め動作中はUBU自身も攻撃判定を持ち完全無敵、気弾の爆発は画面全体攻撃で避けられることは無く、
直撃時は9割強(がまともに食らうと即死も有り得る)、削りだけで2割半ととんでもない威力を誇る。
だが、発動と同時に自分の体力がもりもり減っていく(大体4割強)。
自分の体力が1になるとそこからは減らないが、その状態で相手を倒せなかった場合は自分の頭を撃ち抜いて自殺する。
さらに溜め動作がとんでもなく長いので、クリーンヒットすることはまず有り得ない。自分が受けたダメージ>相手が受けたダメージなんてこともある。
前述の通り溜め動作中は完全無敵なのだが、逆に言えば溜めが終わってUBUが光った瞬間に攻撃判定と無敵が切れるので、
タイミングよく弱攻撃を合わせるだけで簡単に潰せてしまう。
一応UBU本体の攻撃判定はガード不能なので、相手を画面端に押しやってそれに密着しながら撃てば安定して大ダメージが与えられるが、
無茶を言うなという話である。ちなみに、タッグ戦で使用すると味方にも当たる

アルティメット待ちガイルの「有情破GUNソニック」

ある種ロマンの塊みたいな改変ガイルのロマン技。名前通りスマイルビームのパロディである。
ガイルの頭部に砲身がパイルダーオン→ビーム発射→ソニックブームテーレッテー
なんとこの技、ノーゲージで出せる一撃必殺技でおまけにコマンドも「←←+中P」と驚くほど簡単。
ただし、最初からから最後までまで全く無敵が無い。
加えて発生までにどれくらいかかるかというと、ビーム発生まで360フレーム。高威力ソニックまでさらに200フレーム。約9秒である。
おまけにガード可能。シングル戦ではまず決まらない。
ここまで決まりづらい上に、更にこの技は最初のビームが当たっても安心できない。
どういうことかと言うと、ビームの後で撃つ高威力のソニックの攻撃判定が普通のソニックと同じ
つまり最初のビームがカス当たりすると後で撃つソニックが当たらないのである
また、一撃必殺と言っても普通のキャラなら一撃で倒せるぐらいの大ダメージであり、LIFEやDEFが高いキャラだと即死しない。

このガイルはもう一つ、「オヤカタサマー」という一撃必殺技を持っているが、
試合開始後120秒経たないと使用できない・一試合につき一回だけ使用可能・完全対空技(地上の相手には当たらない)と、
こちらも中々条件の厳しい技である。

東風谷早苗の「大奇跡「八坂の神風」」

gomashio氏が製作した早苗の5コススペルカードで、ほぼ全画面に渡る九字切りで打ち上げてから神の風を使用する。
技の性能としては捕捉するための九字切りの発生も早めでダメージも申し分ない。

問題は『東方緋想天』基準でゲージストックが5本までなのにも拘らず、
1コススペカの「準備「神風を喚ぶ星の儀式」」を使用後、効果時間以内に5コススペカの「奇跡「神の風」」を使用する必要があるということ。
つまり実質6コススペカなのである。
よってAI戦だと上手く発動できるかはバクチ、対人戦ならまず間違いなくガン逃げされてしまう。
……が、特殊カラー「常識に囚われないモード」は常時準備中+ゲージ高速回復なので、神風のバーゲンセールも可能。

なお、同じく東方系オリジナルキャラの森近霖之助にも、
「1ゲージで準備し、効果時間中にゲージを溜め直して5ゲージ消費で発動」という手順を踏む大技「神剣「草薙の剣」」がある。
こちらは「キャンセルで出せない」「準備技の仕様で自分自身に邪魔される可能性がある」
「使用後は成否に拘らずLIFE1かつゲージ・霊力も尽きた状態で長時間硬直」と、よりロマン度が高い。

バージルの「円陣幻影剣展開(挑発ver)」

2秒ほどの挑発動作と共に、「幻影剣」を放射状に展開させるという技。1ゲージ消費。
幻影剣自体の性能は非常に優秀なのだが、コンボの繋ぎや決定力補佐といったコンマ単位での扱いが主で、一々足を止めて撃ってはいられない代物。
何より技の発生に無敵が一切付かないため、致命的な隙となってしまう。一応展開中は簡易バリアとして機能もするが、あくまで一時凌ぎのレベルに過ぎない。
というか、やられ・ガード以外なら即発動可能な、ゲージ消費量以外は上位互換のノーモーション展開ver(2ゲージ消費)があるため、ぶっちゃけ死に技
しかし発動モーションは非常にかっこいい。エフェクトもかっこいい。「Don't get so cocky.」の台詞もかっこいい。正にロマン技。
ちなみに特殊カラーであるM20モードでは発動中に無敵時間が付与されるので、目にする機会は多いかも。

アサギの主役チャチャチャ

フィーバー中かつlife2割以下限定の3ゲージ技で、分身の突撃→射撃→鉄球→本体のバズーカと順に繰り出し、
鉄球が当たっていたら戦艦良綱から波動砲発射、タッグの味方も含めて全員即死させる。
挿入歌・専用勝利ポーズ・サムネホイホイにもなる特殊演出に加え、条件の厳しさや失敗時の莫大な隙などのリスクに至るまで、ロマンに溢れた技。
MUGENのAIはしゃがみガード優先が多いため中段の射撃で崩して鉄球ヒット→良綱召喚となりやすく、動画では強そうに見えるものの、
立ちガード主体のAIや人操作に対しては立ちガード安定&反確となる(鉄球後のバズーカはガー不だが、吹っ飛んだ相手が起き上がってもまだ硬直している)。
また、無敵時間は一切無く、ガン攻めAIや弾幕キャラ相手に出しても大抵潰されてしまう。

その他、モリガンをパロった「アサギネスイリュージョン」という技もあり、元ネタ同様分身と共に左右から袋叩きにする。
…が、元ネタの無敵時間・ロック・コンボ・回転率の良さといった長所はことごとく失われており、
何とか当ててもタッグでは乱舞中に敵の相方に潰されたり、味方の攻撃で敵が吹っ飛んで外れたりするため、性能上はほぼ死に技。
しかし、裏返った声で駄々をこねるアサギが妙にいい味出しており、つい狙いたくなる技でもある。

ジュラル星人の頭の中にダイナマイト

ゲージを3つ消費して発動する超必殺技
この技の最大の特徴は、入力してから発動するまでに30秒近くかかることである。
その内容は、発動すると左上に技の進行状況が表示されると同時に傍にもう一体のジュラル星人が現れ、解説タイムが始まる
(この会話中はジュラル星人が笑うまでは行動ができなくなり、当たり判定も無くなる)。
その後進行が進み、左上の表示が「スカイロッド移動中」になり、しばらくすると画面いっぱいに研が「ボルガ博士、お許しください!」
と言ってスカイロッドからボルガ博士を落とすシーンが表示され、上からボルガ博士が降ってきて大爆発を起こす。
この爆発はガード不可・回避不能・ゲージを7割ほど削る超高威力だが、何と自分も喰らう(まあこれは原作通りだが…)。
つまり、ボルガ博士が爆発するまでに相手の体力が7割以下でかつ自分よりも少なくしなければならないため、相手にも自分にも大きなプレッシャーがかかる。
一応爆発する直前に1ゲージ技の「戦慄!悪魔の病院」を発動すれば、コンベアから流れてきた工場廃液を蹴るまでは無敵なため、
相手よりも受けるダメージを少なくすることができる。


その他

この他にも、作品によっては超必殺技(あるいはその上位版)そのものがロマン技と化している場合もある。
これらも前述の技と同様にコストとリスクが付き物である。
格ゲーとしての性能よりも、演出とネタに走っていると言わざるを得ない…。
しかし“ほとんど”と書いてあるように、中には実戦で活用できるキャラもいる。


最終更新:2022年05月07日 15:22