トリカゴ

相手を画面端に追い込み、中距離から飛び道具を撃ちまくり行動を制限し、
飛び道具を避ける行動に対応して画面端から逃がさない戦法。波動昇龍という戦法の究極形とも言える状態。
「相手を篭の中の鳥状態にする」戦法であり、名前の由来はそのまま「鳥篭」(烏龍鳥籠)である。
ストリートファイターII』初期では猛威を奮った戦法の一つ。
サッカー漫画『キャプテン翼』で使用された戦術ではない。
待ちガイルからのソニックブーム連発などもこれに近いが、連射力の低さから厳密にはトリカゴとは違う。
(そもそも待ちガイルだとガイルの方が画面端に居る事も多い)

普通は飛び道具をガードすればノックバックが生じて間合いが離れ、飛び道具の到達時間が遅れるのだが、
画面端においてはノックバックが生じても画面端なので移動しようもなく、飛び道具が一定間隔で到達することになる。
この時、飛び道具発射側がある適切な間合い(ガード側のガード硬直解除~飛び道具到達時間が最小になる間合い)を保った場合
一度飛び道具をガードすると極端に行動が制限されるのである。
この状態になると、一部の飛び道具に対応する技や動作を持っていない場合
ジャンプで飛び道具を避けるしかないが、前ジャンプをすると対空技で叩き落される、
垂直ジャンプだと状況は好転しない……といった事になるケースがあり、
相手をこの状態に保つことでトリカゴ戦法が成立する。
(もちろん、飛び道具に対応する技や動作にさらに対応することができればその場合もトリカゴが成立する)
なお、まったくの余談だが「適切な間合いを保つと飛び道具から飛び道具が連続ガードになる」場合もある。

格ゲーは飛び道具だけで完殺などそうそう出来ないようになっているのだが、
この状態に持ち込むとそう簡単には脱出できず、ハメ殺しに近い印象を与える。
文にすると簡単そうに思えるがキャラごとの飛び道具の性能や相手の能力によって
難易度が左右されるので、成立させるのは意外に難しい。
実際初代ストIIでも「リュウケンの最強時代(トリカゴ最強時代)」から
「アンチトリカゴ勢(高速ジャンプのブランカ、地上高速移動の春麗、スライディングとリーチでいなすダルシム)の台頭」、
「最終的にはダルシムとガイルが最強」と変遷しており、トリカゴの時代はそれほど長くはなかった。
(この場合のガイルは待ちガイル(トリカゴもどき)と言うよりも、遅いソニックブームを盾にして相手を押し込む攻めガイルである)
ザンギエフ本田は?

前述の通り初心者相手には(待ちガイルと並び)ハメ同然の印象を与えるためか、格ゲーの歴史が進むごとに更に成立しにくくなっていった。
ガードキャンセル系の行動はその典型例で、『SNK VS. CAPCOM』でトリカゴなど狙おうものなら、
隙がかなり小さいダルシムのヨガファイヤーでない限り、ほぼ確実にGCFSから反撃を受けることだろう。
キャラとしての典型例では『ストリートファイターZERO』シリーズのバーディーが挙げられるだろう。
「ゲージが溜まっている状況ならば、どこからでも波動に対して反撃確定+間合い詰め」という
トリカゴ戦法に対して強力なスーパーコンボを所有していたこのキャラは、
いわば「アンチ波動昇龍」とも言うべき性能を備えている。
更に言うならば、体躯が大きめであるにも拘わらず動きも遅くないなど、非常に特徴的な能力を持っていた。

ただし最近はトリカゴ戦法がキャラの特徴・長所に設定されているキャラ
(例えば『ブレイブルー』のν-13およびそのコンパチキャラのλ-11など)も登場し、
システムが多様化した分だけ様々な戦法を許容する幅が広がったため、
格闘ゲーム全般で決して衰退の一途を辿っている訳ではない。
絶望的なトリカゴからの逆転

MUGENでもやる側自体は可能でもやはり相手の性能に依存し、性能次第では簡単に脱出されたり
阿修羅閃空流影陣など)逆に何もできないで死ぬこともある。
また、通常の格ゲーではハメレベルの弾幕が売りである東方キャラなどのように、
制作者によってはワンサイドゲームにならないように自分の弾幕にグレイズ設定を設けるなど、
対抗出来る手段を残しているケースも見受けられる。


関連項目: 格闘ゲームテクニック一覧



最終更新:2018年02月22日 16:53