ウォーザード


『ウォーザード』(WARZARD)は、1996年12月に発売されたカプコン製作の業務用2D対戦格闘ゲーム。
同社の業務用システム基板CPS-3を採用した第1弾ソフトである。日本国外版タイトルは『レッドアース』(RED EARTH) 。
2012年現在、家庭用ゲーム機への移植は実現していない。

概要

異世界ファンタジーの世界観を持つ一風変わった対戦型アクションゲーム。
プレイヤーは主人公4人から1人を選び、ストーリーに沿って世界各地で巨大な怪物キャラクターと戦う。
主人公サイドは対戦格闘ゲームのように通常技・必殺技・投げ技などで戦い、
CPU側の怪物キャラクターはカプコン得意のベルトスクロール型アクションゲームのステージボスのように
長いライフゲージを持ち、多彩な攻撃を繰り出してくる。
イメージ的には対戦格闘のシステムでアクションゲームのボス戦のみやるような感じである。
究極戦隊ダダンダーン』に近い、とでも言えば知っている人には分かりやすいかも知れない。
プレイヤーキャラクター同士で2P対戦を行うことはできるが、メインはCPU相手のストーリーモード。
エンディングはキャラクターごとのストーリーに沿っており、一定条件を満たさないとバッドエンドという場合もある。
なお、コンティニューを20回以上したときは簡易EDとなる。

独自要素としてラウンド終了時の得点に応じて経験値を獲得し一定値でレベルアップするという成長要素があり、
レベルアップ時には、新たな必殺技の習得や属性攻撃に対する耐性の向上といった特典が付加される。
(※『ウォーザード』より先の作品、『ガーディアンヒーローズ』のレベルアップは能力値の上昇程度のメリットしかない)
また2P対戦で勝利するとCPU戦とは異なるバーサスポイントという特別な経験値を獲得でき、
これを一定値取得した上で特定のレベルに到達することで特殊な特典が得られる。

独特の世界観や雰囲気、キャラクター、グラフィックはとても評価が高い。
特にグラフィックは、CPS-3基盤になりCPS-2作品と比べると一つのオブジェクトに使用できる色数と階調が
向上したことで、非常に緻密な印象を与えるものになっている。
なんでも一部のオブジェクトは一度ポリゴンでモデルを作り動かしてみて、
それをパターン画の代わりにしドットを打ったそうである。

ただし、ゲームそのものはというと、根本的な部分で多数の問題点を抱えており評価は決して高いものではなかった。
まず一つに、一見対戦格闘に見えてその実、通常の対CPU戦ではその印象を裏切って完全にアクションゲームなのである。
前述したが、本当に格闘ゲームのキャラでアクションゲームのボス戦だけを繰り返しているに過ぎないのだ。
売りの一つである成長要素も、ゲームセンターという場所でいちいちパスワードをメモしないとならない煩わしさや、
気分を変えて違うキャラで遊んでみるということのやりにくさ等など、けしてプラスの面ばかりでは無かった。

さらに、乱入されると協力プレイではなく普通に対人戦となるのだが、その時は当然4人しかいない主人公のうちの誰かとしか戦えない。
同キャラ対戦含めても4人と言う事はは初代スト2未満であり飽きが来るのも早いだろうし、
対CPU戦と対人戦では敵のタイプが違いすぎて
「対CPU戦は対人戦の練習にならない」「対人戦も対CPU戦の練習にならない」という小さくない欠点をはらんでしまっていた。
更には前述のバーサスポイントも「一定値取得した上で特定のレベルに到達することで特典を得られる」と言うのは、
逆に言うと「 バーサスポイントをためる前に特定レベルに到達してしまうと特典は永久に貰えない 」と言う意味でもある。
(古いパスワードを取っておいてあれば、そこからやり直す事は可能だが)
特典は新必殺技等の永続的なものばかりなので、特典を取りそこなうのはそれだけ不利になると言うことである(特に対人戦)。

またグラフィックは緻密でアニメパターンも滑らかなのは事実だが、
まるでその反動のようにどのキャラもけっこう動作が重く爽快に動かせるとは言いがたく、
最終的に「アクションゲームと格闘ゲームの悪いとこどりをした無駄に煩雑なゲーム」というイメージが固まっていくこととなった。
さらに、CPS-3は高額なうえに、プロテクトが誤作動を起こして非常に壊れやすい。
それに対するカプコンの対応も悪かったため、オペレータからの評判は良いものではなかった。

そのためCPS-3基板第一弾ながら不人気により早々に撤去されるという最悪の結果を招いてしまった。
この商業的失敗がカプコン経営陣に「ドット職人では金を稼げない」という認識を植え付けてしまい、
後のドッター大量解雇事件に繋がったと言われている。

mugenに登場したことで、ドット職人たちの神懸り的な仕事が改めて評価されることになるのか、楽しみである。


キャラクター

プレイヤーキャラクター

プレイヤーが使用可能な4人の主人公。それぞれ固有のストーリーがある。
タオ以外の三人は『SVC CHAOS』『CAPCOM FIGHTING JAM』などに参戦している。
名前の後の()内は海外版での名称である。

敵キャラクター

ストーリーに合わせて戦うことになる怪物たち。CPU専用である。
のちにハウザーとヌールが『CAPCOM FIGHTING JAM』で使用キャラとして参戦しており、それ以外の敵キャラ(金剛以外)も神殿ステージの背景に壁画や石造として登場している。


システム

ラウンド

CPU戦は1ラウンドのみ。対人戦は2ラウンド先取になる。

ハイジャンプ

素早く下→上の順でレバーを入れることで、通常より高い位置までジャンプすることができる。

ダッシュ

フロントステップ・バックステップの形で前後への素早い移動が可能。

ダウン追撃

『ヴァンパイア』シリーズと同じように、ダウン中で倒れてる相手に対して専用の追撃が可能。

ガードクラッシュ

一定数の連続攻撃を受けるとガードの状態が強制的に解除され、一瞬無防備な状態になってしまう。

アルティメットガード

同じ強さのパンチボタンとキックボタンを同時押しすることで発動。
この状態で敵の攻撃を受けた際、ありとあらゆる必殺技による削りダメージを受けずにガードすることが可能で、ガードクラッシュもない。
発動させるとガード状態で一定時間硬直してしまうために、行動ができなくなる。
投げ属性のガードはできないため、うかつに出すと投げの的になってしまう。
+詳細
いわゆる上位ガードの一種だがブロッキングジャストディフェンスとは違い、
リスクを犯してリターンを取りにいくのではなくリスクを押さえる方向に性能が強化されている。
具体的な強化点は
  • 削り無効
  • ヒットバック増大
  • ガードキャンセル可能
  • 投げを除く中段、下段、ガード不能など全ての攻撃をガードできる
といった物があり非常に堅固…に見えるのだが実際には
  • ガードの成否に関わらず、終了時に隙があるため普通にガードしたときより状況が悪化することが多々
  • ガードキャンセルに使える技も各キャラ2種類しかなく、お世辞にも性能が良いとは言えない
といった弱点があり、CPUが大型のボスで基本的に間合いで
不利な戦いを強いられる本作においてはあまり活用されることは無かった。
+類似のシステムが存在するゲーム
なお、カプジャム版のUGにはパワーゲージ上昇という効果が追加されている。

アルティメットカウンター

「アルティメットガード」を強制解除させて、専用の反撃を行う。
LV1の状態では「逆波動拳コマンド+パンチ」の1種類しか使えないが、LVアップやVSポイント量によってタバサ以外に「逆波動拳コマンド+キック」のコマンドのものが追加される。

レベル

キャラクターに設定されているレベル。1から32までのLVがあり、この数値によって様々なメリットをもたらす。

メリット

攻撃力と防御力の増加。
キャラが使える必殺技が増加。
各属性に対する耐性。
レオの装備する剣と盾のグラフィックの変化。

デメリット

CPUキャラのHPの増加。
レベルによる対戦時のキャラの能力差。

経験値

キャラクターをレベルアップに必要な経験値であり、ゲームのスコアになる得点でもある数値。
レベルはパスワードによって保存されるが、経験値はそのレベルの初期数値までの合計値のみが保存される。
コンテニューしなければ引き継がれることがなく、次回プレイ開始時にはゼロからのスタートとなる。

メダル

基本的には、相手にダメージ量の多い攻撃を与えたり、宝箱の中から出現するメダル。
プレイ中に2度あるボーナスステージでは、登場するオブジェクトを破壊すると多数出現する。
プレイヤー同士の対戦時には出現しない。
大中小の金銀銅の計9種類のメダルがあり、銅より金、小より大の順で取得量が多い。

勝利ボーナス

CPU戦終了後、残りHP・残り時間・所有オーブ数からボーナスとして支給される。またこの数値量は、それ応じた量のキャラのHPを回復させる。

バーサスポイント

プレイヤー同士の戦闘時に取得できる特殊な経験値。
この数値が一定量に達してなければ覚えることができない必殺技や、取得できない武器がある。
レベルが低いキャラが、レベルの高いキャラを倒したときほど多くもらえる。
相手を止めのさし方や勝ち方によって、ボーナスが加わる。

パスワード

本作ではアーケードゲームには非常に珍しく、ゲームオーバー時に表示される
1から6まの数字で構成される10桁のパスワードを次回プレイ時に入力することで、
育てたキャラクターを継続して使用可能(ステージは最初から)。
レベルと取得武器や技とバーサスポイントが反映される。
なお特定の操作で入力できる特殊文字を使用することで隠しモードに突入することも可能。
稼動当時、このパスワードを控えるためのメモ用の紙片が設置店や筐体に備え付けで配布されていた。

宝箱

各ステージに存在するアイテムの入った箱。
箱の中には、オーブ・回復アイテム・メダルのどれかが入っており、攻撃を当てることで出現し取得することができる。
プレイヤー同士の対戦時には、拾ったキャラクター側優先。
CPU戦では、相手がアイテムを取得することはない。取らずに放置しておけば自動的に消滅する。

オーブ

「ミスティックブレイク(超必殺技)」や「ミスティマジック(魔法)」を使用するための宝珠。
黒(星)・紫(毒)・赤(火)・緑(風)・黄(雷)・青(氷)の6つの属性に分かれており、
「ミスティマジック」使用時にはその属性に合わせた魔法が発動。
ゲームスタート時に初期状態でキャラに応じた色を最初から2個所持。
宝箱から出た際は、一定時間放置すると隣あった属性[5]の色のオーブに変化し、3度目の変化時に割れて消滅する。
最大で3個まで取得可能で、4つ目取得時にはオーブに応じた経験値になる。
一番画面中央寄りのものから消費され、スタートボタンを押すと隣り合った属性のものに変えることが可能。

フード

キャラのHPを回復させるアイテム。基本的に何かの料理であり、大・中・小の種類によって回復量が変化する。
ステージによって料理のグラフィックが変化する。HPが満タン状態では経験値に変わる。

ミスティックブレイク

オーブを1つ消費して発動する、いわゆる超必殺技。キャラによって個別のものが用意されている。

ミスティックマジック

オーブを1つ消費して発動する魔法。オーブに応じて6種類の聖霊を呼び出し、攻撃を行う。発動中にダメージを受けると消滅し、効果が消えてしまう。

黒:星属性 巨神ギアメテウス[Giamateus]

オリオン座を模したような星座の巨人の聖霊。画面上空から多数の隕石を降らせる。
ヒット数が多いが、発動時間が若干遅く、発動前にダメージを受けて消滅してしまうことが多い。
耐性のあるキャラクターがヴァルドールしか居ないため、安定したダメージを与えることが可能。

紫:毒属性 毒萬ドグマ[Dogma]

紫色の幽霊のような聖霊。キャラを中心に地面を這うようにして、毒の霧が発生する。
発動時間が短く、他の魔法に比べて当てづい上にヒット数も多くはないが、発動が早い。

赤:火属性 炎龍ゴランダ[Goranda]

大蛇にも似た3本の角のある竜の聖霊。自キャラの手前から正面にむかって、火柱を連続で発生させる。

緑:風属性 風守ラファール[Rafale]

女性の妖精のような姿をした聖霊。キャラの後方から前方に向けて、孤を描く軌道の無数の小さな竜巻を発射する。
効果範囲が全魔法中最大を誇り、高い命中性能を持つが弾速が遅いので離れた位置に居る相手にはガードされやすい。

黄:雷属性 雷獣ガルバルス[Gorubarus]

狼にも似た多数の角のある獣の姿をした聖霊。相手の上空付近に、多数の雷を落とす。
発動が若干遅めではあるが、効果範囲が広く回避が難しいので連続ヒットしやすい。

青:氷属性 氷華スルフニル[Soulfunil]

氷の女性の姿をした聖霊。多数の氷柱を自キャラの前に作り出し、相手を自動で追尾しながら飛んでいく。
命中率は高いが、飛んで行くまでに間があるのでガードはしやすい。

以上が原作のシステムです。(一部Wikipediaより抜粋)


MUGENでは

主に海外で作られたキャラが多く存在する。
また一部のキャラは、CAPCOM FIGHTING Jamへの参戦や、SNK VS. CAPCOM SVC CHAOSで登場したりしているので、それからの移植も見受けられる。
システム面でも原作を重視したものからカプエス仕様等もあり、充実していたりする。
しかし、元ゲーの知名度の低さがたたり、またAIは動画で活躍しているものに比べると強さが足りないと思われているのかあまり目立たない。
ただし、その優れたドット絵(特に敵キャラなど大きなもの)は見る者を惹きつけることが多く、その存在感はドット職人の魂をいまでも感じさせる。

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