ジェロニモン

怪獣酋長の眠り


+ 担当声優
梅津秀行
『ウルトラマングラフィティ』
清水彩香
『ウルトラ怪女子』

ウルトラマン』第37話「小さな英雄」に登場した怪獣
別名「怪獣酋長」*1。身長40m、体重3万t。
怪獣達のボスのような存在であり、名前の由来も有名なアメリカインディアンの酋長の名前から来ている
(実は、白人の侵略と戦った英雄ではあっても酋長ではなかったそうだが)。
当然、サイボーグ正義超人ではないし、「○○モン」と言ってもデジモンでもない。

頭部から尻尾にかけて豊かで色とりどりな羽を持ち、正に酋長に相応しい派手な外見である。
その羽はジェロニモンの念力により自由自在に飛び回り、相手に襲い掛かる。
他にも口から相手を浮かばせてしまう無重力光線を吐く。
しかしその最大の特徴は死んだ怪獣を復活させる能力を持つ事であり、実際に劇中でも死亡していた怪獣を3体復活させている。
最終的には60体の怪獣を復活させて総攻撃を仕掛ける計画を企てており、怪獣酋長の別名が示す通り、
怪獣達のボスと言える強力な怪獣である。

+ 原作ネタバレ
劇中ではウルトラマンらに倒された怪獣達60匹を復活させて総攻撃を仕掛けるという大規模な計画を企てていたが
この能力はかなり時間がかかるようで、復活したのはドラコテレスドン*2ピグモンの三体のみだった。
しかも、ピグモンが科学特捜隊に計画を知らせてしまったので復活させた二体も倒され、自らが岩山から出現した。
「まだ37話なのに60匹も怪獣居たっけ?」というのは言わないお約束。*3
そして、後の世に同じようにピグモンを蘇らせたせいで失敗した奴がいたりする。歴史は繰り返すという事か。

フェザーショットによる遠隔攻撃でウルトラマンを苦しめるが、その全てを撃墜され、頭部の羽を毟り取られてしまい、
無重力光線で反撃するものの、バリヤーで跳ね返されて自分が持ち上がってしまった。
その後、ピグモンの仇討ちをさせるためにとウルトラマンに頭上へ持ち上げられた所へ、
イデ隊員が開発した科特隊の新兵器「スパーク8」を撃ち込まれ、止めを刺された。

+ 映像作品以外でのジェロニモン
その強力な能力から度々漫画作品などに登場している。

ゲーム作品でのジェロニモン

1991年発売のウルトラマン(SFC版・アーケード版)にも登場しておりこちらがMUGENキャラのドット元になっている。詳細は後述。

2004年発売のゲーム『ウルトラマン』にも登場。
本作にはドラコが登場しないためかピグモンはジェロニモンが殺す展開になっており、スパーク8関係のイベントも無い。
他の部分は概ね原作に忠実で、飛び道具の無重力光線や3種類の羽を使いこなし、格闘の性能も高い強敵。
稀にガードモーションを取る事があり、八つ裂き光輪は確実にガードしてしまう。
また、ダウンしてうつ伏せ状態になった際に背後から投げボタンを押すと、頭の羽を毟り取る事ができる。

2005年発売のゲーム『Fighting Evolution Rebirth』においては、上記の37話の後日談という世界観を背景に再登場。
他の怪獣と共に氷付けになりながら自らも復活させるという荒業を行おうとしたが、ウルトラマンに氷を砕かれて戦う事になった。
しかし、復活が完全ではなかったので次第に苦しみ始め、全力モードという状態になって死ぬ気で挑むものの、力尽きた。
この全力モードのジェロニモンはかなり手強い。ゲーム中最大の難関とも言われる事も。
映像作品とは違って目の上辺りに2本の角のような突起が生えている他、復活が不完全なためか、傷だらけの痛々しい姿をしている。
なおジェロニモンとの対戦前のミニゲームの「ジェロニモンの氷柱」はノーミスでのクリアがミッション項目となっており、
パターンを掴むまではかなりの難易度を誇るためミッションコンプリート及び隠しキャラのメフィラス星人の解放を目指す場合はこちらも大きな壁となる。

2007年稼働開始のアーケードゲーム『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』にも稼働当初から登場。
上記『Fighting Evolution Rebirth』のCGを元にしているため、目の上辺りに2本の角のような突起があるなど映像作品とは外見が若干異なる。
口から吐く白いガスで相手を空中に浮かばせて叩き付ける「無重力光線」、
羽根を飛ばして連続攻撃する「フェザーショット」などの技を使うが、
「怪獣蘇生」という応援怪獣を蘇生させて攻撃する技が使えるのが最大の特徴だった。
その分なのか能力は低めで、後のインフレもあって中期以降では戦力不足な所があった。

ソーシャルゲーム『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』でも登場。
やはり『Fighting Evolution Rebirth』のCGを流用しているため頭に角がある。
移動力は3と高めで、通常攻撃に闇属性が付与されるため、闇属性が弱点である大半のウルトラ戦士に有利。
固有スキル「大いなる復活」は自分以外の味方のHPが0になった時に低確率で復活させる効果を持つ。
貴重なスキルではあるが、運任せに加え低確率なので過信は禁物。
対戦モードの「アリーナ」では、ジェロニモン4体で防衛チームを組んで復活確率を底上げし、
持久戦で相手攻撃チームの時間切れ勝利を狙う姑息なプレイヤーも見られた。

漫画作品でのジェロニモン

2005年ごろから掲載開始の漫画『ウルトラマンSTORY 0』にも登場。太古の石版より過去に誘われたウルトラセブンが対峙した。
近隣の村落の住人を誘拐し生体エネルギーを吸収した後に、死者となった村人を操り村落を脅かしていた。
この時点ではまだ人間と同程度のサイズでトレードマークの羽毛もあまり生えていなかったが、
極めて高度な知恵を持った怪獣であり、人間の言葉も理解していた。
反重力ガスや羽毛ミサイルなどの多彩な特殊能力でセブンを追い詰めるが、セブンの仲間が仕掛けた爆薬によって王宮が崩壊、その下敷きとなった。
ただし死亡したわけではなく、現在(石版で過去に飛ばされる前の時代)においてセブンの力を感じ、復讐を果たすため復活する。
原作と同様に配下として多くの怪獣を蘇らせ、セブンとゾフィーを苦しめるが、最後は「星の声」の力を得て
パワーアップしたゾフィーの岩山両斬波渾身のチョップを受け、今度こそ本当に倒された。

他にはメカキングギドラなどのデザインで知られる西川伸司氏が、
『大怪獣バトル』をコミカライズした2007年掲載開始の漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャー』に登場。
主人公の少年イオが使うゴモラとの戦闘中に敵怪獣ブルトンが次元を歪めて転送、召喚した怪獣の1体として出現、
同時に召喚されたレイキュバス超コッヴと共に3体がかりでゴモラと戦った。
ゴモラにあっさり倒されたレイキュバスと超コッヴを怪獣蘇生能力で復活させてゴモラを挟み撃ちにするが、
イオの指示によりゴモラが地底に潜って攻撃を回避した事で2大怪獣は同士討ちを始めてしまい、
そのまま地底から出現したゴモラの角かち上げ攻撃でジェロニモンは空中に跳ね飛ばされる。
それでも羽を飛ばして攻撃するジェロニモンだったが、ゴモラは角で羽を弾いて防御する。
さらに反撃に繰り出した無重力光線でゴモラを空中に巻き上げるなど、
能力の限りを尽くしてゴモラと戦ったが、イオの的確な指示を受けたゴモラに攻撃を切り返され、技の応酬の末に敗北し息絶えた。
以前は本作は刊行停止で絶版だったが、2018年に上下巻構成で復刊された。ジェロニモンは上巻に登場する。

ちなみにこのジェロニモン、「怪獣達のボス」「死んだ怪獣を蘇らせるものを筆頭に様々な超能力を持つ」という事以外は作中ではさっぱり語られず、
その出自や目的などは一切不明。
何気に謎が多い怪獣でもある。
一応、裏設定では宇宙怪獣ということになっているらしく、脚本担当の金城哲夫氏によるノベライズ版でも宇宙人に送り込まれたとされている。

+ 出番に関する余談
また、『ウルトラマン』に登場した怪獣の中でもファンの間ではバルタン星人レッドキングゼットンなどと並んで記憶に残る怪獣ではあるのだが、
それらが後年に再登場を果たしているのに対し、ジェロニモンは一度も映像作品で再登場した事が無い。
平成以降でも「過去にウルトラ戦士たちによって倒された怪獣が復活してくる」というシチュエーションは描かれているが、
そこでもジェロニモンではなく、ウルトラマンベリアルやレイバトスなど別のキャラによるものとなってしまっている。
スーツの作成及びその後の扱いが大変そうだからとか、別名の関係で面倒な事になりかねないからとか色々考えられているものの、はっきりとした理由は不明。
後者に関しては(別件とは言え)遊星の悪魔のような実例もあるため、有り得ない話ではないとも言える。
とはいえ「漫画作品やゲーム作品では21世紀以降も度々登場している」といった反論材料もあるため、真相は関係者のみぞ知ると言った所である。


SFC版の性能

SFC版ゲーム『ウルトラマン』ではSTAGE9(ゼットンの前)に登場。
ハイジャンプ攻撃を繰り返すだけで割とあっさり勝ててしまったり、
その前のステージメフィラス星人の強さが強烈だったりで印象が薄いが、
アーケード版ではラスボス一つ前の敵として相応しい凶悪な攻撃力を持つ。
通常攻撃はパンチ、キック、尻尾攻撃だが、
背中の羽根を飛ばす飛び道具、口から吐く無重力光線ともに射程も長く強力である。
ちなみに本作で有効な防御技であるバリヤーだが、原作ではジェロニモンの無重力光線の反射に使った一回のみ。
そして何故か本作で無重力光線は反射出来ない。再現するのが面倒くさかったのだろうか…。


MUGENにおけるジェロニモン

ウルトラ怪獣でお馴染みの這い寄る混沌氏によって製作されたジェロニモンが存在し、現在はムゲぎこ氏によって代理公開されている。
製作されてから約半年間、更新もされずに放置されていたが、思い出されたかのように突然更新がされ、AIも搭載された。
主な必殺技として、予備動作がなく発生が速いため回避が殆ど不可能な「フェザーショット」、
相手のパワーゲージダメージを与えて自らのパワーゲージを増幅させる「念力弾」、
間合いの広い「念力投げ」、その他にも念力で地震を起こすなど、意外と多彩な攻撃を持つ。
ちなみにこの地震は何気にアーマー殺しであり、AIがこれを多用するためアーマーキャラにはかなり有利である。
更にフェザーショット以外の技モーション中はジェロニモン自身も無敵状態である。
2013年6月17日の更新で「フェザーレイン」が搭載された。
かなりの広範囲に羽の雨を降らせるという強力な技である。

超必殺技では距離が開いていると劇中も使用していた地を這う「無重力光線」、
近付いていると前後に向かって広い攻撃範囲の「エネルギーウェーブ」を用いる。
特に、前者の無重力光線は本体がガード不能であるため、近付いていれば大ダメージは必至。
また、ガードが優れており、殆どの削りダメージが無効化される能力が搭載されている。

ライフが半分以下になると「怪獣酋長の理力」という技が常時発動する。
全身が赤く点滅し、攻撃力と防御力が増加。
更にライフとパワーゲージも自動で回復するようになり、ブロリーのようなスーパーアーマーまで付加される。
連続ダメージを無効化しコンボロック技から脱出出来るため、
マスターギースデッドリーレイブから抜け出したり、B-styleの鷲塚の弾きラッシュの食らい途中から平然と反撃したりとやりたい放題出来る。
この際に飛び道具の無効まで発生するため、
弾幕合戦になった際はジェロニモンのライフが半減した途端に撃ち負ける事がなくなり、敵に一方的にダメージを与える展開が見られる。
そのため、ジェロニモンを倒すには有無を言わさぬ単発高火力で押し切る決定力が必要とされる事が多い。
火力が並のコンボキャラでは苦戦必至であろう。

MUGENウルトラ怪獣の中では邪神宇宙恐竜伝説宇宙怪獣合体ロボットなどと同様の上位グループに分類される強豪であり、
登場するのは必然的に凶・狂キャラだらけの大会である。

基本戦法は遠距離から次々と飛び道具を連発してくるのが主体である。
前述の様に撃ち合いに強いので、タッグでは砲台を担当してくれる頼もしいパートナーとなるだろう。

ちなみに、このMUGENのジェロニモンはSFC版からの流用なのだが、SFC版とは体色が異なり原作に近いものとなっている。

+ 大会ネタバレ

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み
非表示

出演ストーリー

プレイヤー操作



*1
初期の怪獣図鑑などでは「酋長怪獣」と記載される事もあったが、現在は「怪獣酋長」で統一されている。
なお、主に1990年代からは「酋長」という言葉は差別用語という見方が強まっており、
先述したようにジェロニモンが後のシリーズに登場出来ない要因の1つになっているのではないか、と推測されている。
「怪獣漫才」でも「部族の長的なイメージ」と言葉を濁しているのが大人の事情を感じさせる。

*2
本来はレッドキングゴモラが蘇る予定だったが、アトラクションの関係でスーツが出払っていたらしく、
ピンチヒッターとして登場。レッドキングはドラコに、ゴモラがテレスドンになったそうな。
金城哲夫氏による『小説 ウルトラマン』では、当初のシナリオ通りにレッドキングとゴモラが復活している。

*3
尤もこちらに記載されている様に、
科学特捜隊はウルトラマンが来訪する(本編開始)より20年以上も前から怪獣と戦っている他、
日本支部の創設者が『ウルトラQ』のセミレギュラーだった一の谷博士だとされているので、『Q』時代の怪獣も数に含まれるのだろう。
逆に殺された訳でもない奴をウルトラマン達に恨みを持つ怨霊扱いしているタイラントベリュドラの方が…


最終更新:2023年12月29日 14:31
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