モーラ


「灰は灰に、塵は塵に…」


ニトロプラスのPCゲーム『吸血殲鬼ヴェドゴニア』に登場するキャラクター。
モララーではない。

平凡な男子高校生、伊藤惣太。
幼馴染や軽音部の仲間たちと共に日々を過ごしていた彼の日常は、ある夜、吸血鬼に襲われた事で失われた。
吸血鬼ハンターを名乗るフリッツ・モーラらによって辛うじて一命を取り留めたかに思えた惣太であったが、
既に彼の肉体は大量の出血、及び日数経過によって吸血鬼に変貌を遂げる ヴェドゴニア と化していたのだ。
さらに証拠隠滅の為に送り込まれた人造吸血鬼キメラヴァンプが、彼の周囲の人々へ牙を剥いたことをきっかけに、
惣太は人間に戻るため、自分を襲った吸血鬼、夜魔の森の女王リァノーンを滅ぼすべく、吸血鬼秘密結社「イノヴェルチ」と戦うことを決意する……。


ヴァンパイアハンターのフリッツ・ハールマンと共に行動するヴァンパイアハンターの少女。
常人を遥かに超える超人的な身体能力の持ち主で、その小さな体に似合わぬ巨大なスレッジハンマーを振り回し、
ハンマーに仕込んだ杭を叩き込んで、吸血鬼どもを塵に返していく。
他にも父から受け継がれた催眠能力を持っているが、父親である吸血鬼を憎み、殺すことを生涯の目的としている。
リァノーン、イノヴェルチを狙って日本に渡ったところ瀕死の惣太と出会い、彼に輸血したことから共に戦うようになる。

ちなみにこのような吸血鬼と人間のハーフをダンピールといい、吸血鬼と人間の長所を持ち合わせている。
その代わり両種族からの被差別対象でもある為(人間からはバケモノ、吸血鬼からは劣等種扱い)幸福な人生は送れない。
多くのダンピールにとって、ヴァンパイアハンターとなる以外に生きる道を選ぶ事はできない。
なおドノヴァン・バインも同じような境遇である。彼の親は魔族だし目的は魔物の殲滅と広いけど。

+原作ネタバレ
彼女の本名(というかフルネーム)はモーラ・ハールマン。相棒のヴァンパイアハンター、フリッツの妹である。
外見は10歳程度だが実年齢は19歳。
吸血鬼と人間の間に生まれたハーフであり、成長が止まった身体に強いコンプレックスを持っている。
彼女を異性として見てくれる男は決して現れないだろうし、たとえ結ばれたとしても、その「傷」さえ癒えてしまうのだから……。

フリッツとは異父兄妹の間柄で、村を襲った吸血鬼に手篭めにされた彼の母親が産んだのがモーラなのだ。
そういった事情がある為、村の住人からは家族全員そろって迫害対象とされ、あまり幸福な幼少期は送っていない。
しかしフリッツと二人の母親だけはモーラの事を愛しており、家族のことだけを大切にして生きてきた。
また度重なる村人の嫌がらせやリンチも半吸血鬼である自分が悪いといって抵抗せず耐え忍んでいた。

ある年、インチキな宗教家が商売の宣伝をしようと、モーラに聖水だと言って煮えた油を浴びせた為、
フリッツは宗教家を殺害し財産を強奪、モーラを伴って故郷の村を脱出し、以降ヴァンパイアハンターとなる。
当初は木の杭と槌だけで戦いを始めた二人だったが、成長して経験を重ねるにつれ装備を増強。
吸血鬼から奪った財産や、吸血鬼が『狩り』の為に開発した特殊な武器を駆使して戦い続けている。
ヴァチカンの埋葬機関や英国王立国教騎士団ほどではないにしろ、腕の立つハンターのようだ。

そういった事情から、あまり他の人間に心を開くことはない。
唯一の例外がフリッツであり、そして吸血殲鬼ヴェドゴニア――主人公の伊藤惣太である。
モーラとフリッツは彼を救うと共に、ロードヴァンパイアの力を得た惣太の能力に着目、
人造吸血鬼軍団を保有するイノヴェルチと戦う為の武器として、彼を利用するようになる。
(この時の姿は、ニトロワ出演時のリーブアタックでも見ることができるが、完全にバケモノ。
 口に鋼鉄の枷を嵌め、拘束着を纏わねば、吸血鬼として暴走してしまう)

しかし惣太は元々裏世界とは関係ない一般人であり、半吸血鬼という自分に似た境遇を持つ惣太を利用するのは
モーラとしてはかなり不本意だった様子で、フリッツとも意見の相違から口論になることも幾度かあった。
ナイフで手首や首筋を切って人間をやめ、倒したバケモノの血を啜って人間に戻る過酷な戦いの日々。
苦悩し、絶望しながらも何とか人間であろうと抗い続ける惣太を気遣っていたモーラは、
やがて惣太から外見ではなく、本来の年齢相応の女の子として接されるようになり、その事をきっかけに心を開いていく。


実は彼女の父親はイノヴェルチの大幹部・ナハツェーラーであり、モーラルートでは彼女との直接対決が発生する。
といっても敵は催眠術を得意とする(つまり戦闘向けではない)存在の為、わりとあっさり倒されてしまうのだが、
最期の意趣返しとして兄のフリッツを洗脳し吸血。自分の死後、モーラに対する刺客として彼を送り込んだ。
妹に対する家族愛が吸血鬼化によって歪んだ形で増大したフリッツは、彼女と二人で生きる為にモーラを吸血鬼化しようと試みる。*1
ロードヴァンパイアを倒した為、もはやヴェドゴニアとしての力を失い、ただの人間に戻った惣太は、
フリッツへ果敢に戦いを挑みダメージを与えるものの、片腕を切断され、瀕死の重傷を負い、遂には追い詰められてしまう。
そんな彼を救ったのはモーラであり、彼女は惣太を生かすため、自ら兄の心臓に杭を突き立てたのだった。

その後、モーラの元で「人間の吸血鬼ハンター」として修行を積んだ惣太は、彼女と共に戦い続ける人生を選ぶ。
学校生活、両親、幼馴染、平穏な人生、そういった全てを捨てて、彼はモーラと生きていくことを決意したのだ。
二人の目的は、全ての吸血鬼の抹殺。そうすることで、初めてモーラは平穏な人生を送ることができるのだから。
鋼鉄の義手を構え、スレッジハンマーを携え、二人は吸血鬼のねぐらへと踏み込んでいく。
山奥に小さな小屋を建て、子供の代わりに二匹の猫を飼い、そして共に穏やかに生きていく為に――


「灰は灰に…」 「塵は塵に…」

尚、リァノーン・ルートでは人間を辞め彼女と共に過ごすことを決意した惣太と袂を分かち、
幼馴染の香織、同級生の弥沙子のルートでは平穏な日常に戻った惣太と別れ、兄と共に吸血鬼を狩る日々に戻っている。
全ルートを満遍なく混ぜて再構成したノベライズでも同様で、どのルートでもモーラに明確な救済は訪れない。

余談ではあるが、この作品のモチーフとなった作品はブラム・ストーカーと『仮面ライダー』である。
人でなくなりながらも戦う悲哀のヒーロー&改造バイクと吸血鬼伝説を合わせた結果
こういうまったく新しい作品になる辺りはいかにもニトロらしい。
その為、後にライダーシリーズで吸血鬼を題材とした『仮面ライダーキバ』では偶然か設定が似ている部分がある。
(主人公がハーフだったり兄が敵になったりする、あと巨大なハンマーを武器に使う)

更に余談だが、彼女が登場する『ヴェドゴニア』という作品は元々普通の学園物として企画され、
ヒロインの方向性も、幼馴染、眼鏡っ娘、ロリ、不思議少女、という良くあるチョイスだった。
実際、幼馴染に朝起こされたりするし、軽音部の後輩はツインテールのロリっ子、真面目そうな眼鏡っ娘が実はメタル好きといったギャップ萌え等も盛り込んである。
そしてロリ担当がこのモーラであり、「お兄ちゃん」というセリフも用意されてるのだが……
上記の要素もぶち込んだ結果がこの通りである。どうしてこうなった。

実のところ脚本担当の虚淵玄氏は真面目に恋愛ゲームのシナリオを作ろうとしていたのだが、
どうしてもそういったシナリオの構想ができず、納期が近づいていたのもあって
最終的には自分の趣味に走って書くしかなかったとのことらしい。
信じられるか? 『ToHeart』が元ネタなんだぜ、これ。

ちなみに『竜†恋』では作中劇として『吸血殲鬼ヴェドゴニア』が登場している……
が、肝心の中身はと言うとヴェドゴニアが二段変身「アーマード・ヴェドゴニア」になったり、
ドラマCD「ぎんいろアクマときんいろオバケ」では大首領リァノーンが「それは余のメラだ」のパロディをしたり、
本編とは似ても似つかない作品である。
当然、本編のリァノーンは悪の大首領ではないし(どころか悪に囚われたお姫様ポジ)、魔法なんて使えない。
念話や念動力なんかの超能力は使えるけど。

なお、『吸血殲鬼ヴェドゴニア』のヒロイン代表としてニトロワに参加した彼女だが、
小説ではリァノーン、漫画ではオリキャラにヒロインの座を譲っている。
とはいえどちらも彼女の出番や見せ場自体は多く、ヴェドゴニアの相棒として活躍してるし、
中央東口氏が連載していたイラストコラム『シャイニングエクソシスト』ではパーソナリティに起用されているのだが。

一方の主人公は漫画版おまけ四コマでモーラルートのことをネタにされ『ロリコン殲鬼ペドゴニア』などと呼ばれたり、
『シャイニングエクソシスト』では名前を間違えられ「葱太」などと書かれたり、
第一作のファントムがPS2リメイクされるのにヴェドゴニアが放ったらかしなことをネタにされたり、
前述の劇中作では時事ネタをぶちこまれたりと、苦労が絶えない。

+そして『ヴェドゴニア』発売から12年の歳月が流れ……
とまあ、仮面ライダーの要素がふんだんに取り入れられている本作であるが、2013年10月より放送された
仮面ライダー鎧武』の脚本を、本作のシナリオライターである虚淵氏が担当することになってしまった。
これにはヴェドゴニアもさぞ驚いたことだろう。*2


『ニトロ+ロワイヤル』におけるモーラ

顔が丸くなって肉体年齢相応の顔に…本人は嫌がるかもしれないが

ニトロ+ロワイヤル』においても持ち前のパワーでハンマーを振り回し戦う。
技は全体的に使いやすいものが多く、ガンガン攻めていくスタイルの近距離パワー型。
担当声優は山菱白花氏(『吸血殲鬼ヴェドゴニア』にはボイスがない)。 どこかで聞いたことがある?聞こえんなぁ~


MUGENにおけるモーラ

MUGENではkayui uma氏が作成。2017年2月のJ:COMのWebSpace終了によるサイト消滅で現在入手不可。
SPカラーとして常時ゲージMAXの黒カラー、回復能力付きの金カラーがある。
金カラーの時には
  • ライフ自動回復
  • リーブアタック以外で与えたダメージの半分ライフが回復
スレイヤーの金カラーのような性能になっている。
更新版だと「GSX-Desmodus」にモーラが乗り込んでそのまま戦うことも。

青色⑨号氏によるAIパッチが公開されており、ニコMUGENにおけるニトロワキャラではトップクラスの強さを誇る。
昇竜技「デッドライジング」と叩き落しの「ディジョン・ザ・ナイトメア」による高火力ループコンボや、
AI殺しのリーブアタック「GSX-Desmodus」*3(バイクに乗った惣太が突撃してくるアレ)によって各大会で現在進行形で猛威を振るっている。
更新前はループコンで10割余裕というぶっ飛んだ火力だったが、更新によってこの辺りのループの制限がきつくなっており、
いささか前よりおとなしくなった。
それでも1ゲージあれば6割は減らしてくる辺り、未だ高火力キャラであるといえる。
更に「GSX-Desmodus」が相手の後ろからだけでなく、新たに自分の後ろからも出せるようになったのも新たな強みである。
AI公開サイト内の更新日は「2010年8月23日」のままだが、中身は2012年2月27日に更新されている。

+ストーリー動画で使う人に向けて。原作での口調など
性格は非常に冷静。口調も落ち着いており、声を荒げたりすることはめったに無い。
「~ね」「~よ」「~だわ」など、女性らしい丁寧な言葉遣いである。一人称は「私」、二人称は「あなた」。
近しい人間(?)の名前は呼び捨てにするが、そうで無い者については「くん」や「さん」などを付ける。
所謂幼女ではないし、ロリババアでもない。
彼女はあくまでも19歳(モーラEND後の設定なら29歳)の女の子なのだ。気をつけよう。

余談だがハイウェイスターと戦う際、イントロが特殊イントロでも搭載してるんじゃないかと
思われるほど非常にシンクロしているので、一度見てみるといいだろう。ちなみにマミヤは搭載済み。
8:06ごろ

また、ミロカロスグレイシアのボイスに、白レンに混じって彼女のものが使われる。

+大会ネタバレ
凶の宴 シーズン2 凶中位前後ランセレバトル!に出場。
当初の注目度は低かったが、粘り強く勝ち残ることで存在感を増していき、
ついにはPartFinalにまで進出する活躍を見せる。
終盤では視聴者からの声援も厚くなり、大会を盛り上げたキャラの一人となった。
最終戦績は12勝7敗、第5位。
470試合目:シンデレラ(モーラ)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27397248

http://www.nicovideo.jp/watch/sm27497792


参加大会

+一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み
  • 第2回 意外と見ないコンビでタッグリーグ OP
非表示

登場ストーリー



*1
ニトロワの勝利ポーズで披露している白ドレスは、この時にいつの間にか着用していたもの。
しかし当のモーラは惣太を救う直前まで気を失っているため、フリッツが着替えさせたものと思われる。けしからん兄だ。

*2
なお、起用の経緯は『鎧武』のプロデューサーである武部直美氏が知人である杉田智和氏から虚淵氏の事を紹介されたからの様子。
また、『仮面ライダーフォーゼ』放送当時は虚淵氏が脚本を担当するというデマが流れ、
その時の氏はTwitterにて「ありえない」と笑い飛ばしていたが、結果「瓢箪から駒」を行く珍事となった。

なお、2008年にはシリーズ構成を虚淵氏が、メインライターを本場の仮面ライダーの脚本を多く手がけた小林靖子氏が務めた
アニメ『BLASSREITER』もあり、こちらもバイクアクションや同族同士の戦いなどライダー要素を散見出来る作品となっている。
某魔法少女アニメは言わずもがなであり、2012年度の平成ライダー作品『仮面ライダーウィザード』は魔法という題材などから
「『まどか』の影響があるのでは?」とも噂された。
このように氏とライダーは奇妙な縁で結びつかれた関係と呼べるようになっている。

*3
「あばよ、デスモドゥス。お前は最高のマシンだったよ」
フリッツが敵の拠点からかっぱらってきたバイク。名前は吸血コウモリの意。分類は「拘束機動戦術マシン」。
吸血鬼が殺戮を楽しむための玩具であり、触れただけで切れるほど鋭利なチタン製のブレードが取り付けられている。
仮面ライダーの伝統に則って、原型はスズキのハヤブサ。ちなみに惣太の愛車はスズキのカタナである。
原作ゲーム中でも敵の吸血鬼を一瞬でミンチにしており、格ゲー補正がなかったら相当スプラッタなことになっていたと思われる。
本編中での出番は2,3回と少ないがどのルートでも大暴れしており、特に最終決戦では主題歌を背景に敵基地へ殴り込む為、本作を象徴する立派な「ヒーローマシン」と言える。

余談だが、原作ゲームには他にもイカれたデザインの武器が登場しており、惣太がの付いたショットガンを使ったかと思えば、
敵もギターアサルトライフルをくっつけたりしている。なんなんだこのエロゲ

「あいつの行く手に、茜と山査子(さんざし)の棘があるように」