KAITO


「ん~? アイス食ってた」

初音ミクの発売元であるクリプトン・フューチャー・メディア製のDTMソフトウェア、および同ソフトのイメージキャラクターの名称。
ミク以前に発売されたもので、こちらは男声キャラクターであり、VOCALOID1エンジンを使用している。
素直で伸びのある声質を持ち、童謡や歌謡曲を得意としているとされる( 公式サイト より)。

発売当初は500本しか売れず、不良在庫の山を築いてしまった。
公募で決まった名付けの親にはダメ出しされて捨てられ、脱力ボイスで使いづらいとDTMer達には酷評された。
KAITOの前に発売されたMEIKOはDTMソフトとしては十分なヒットと呼べる3000本以上を売り上げており、*1
発売元の社長に「男じゃダメなんだと思った」と失敗作扱いをされる結果となってしまっていた。
出番があっても小ネタ程度でしか使われないと、かつては暗黒の時代を歩んできた。
かつて妹に心配された兄

後の初音ミクブームの到来によって、MEIKOと共に先輩ボーカロイドとしてその存在が知られるようになり始める。
当初こそ「何この青いの」などとコメントを付けられるような扱いだったが、
当時としてはただ一人の日本語男性ボーカロイドとしてミクとは別方向に活躍の場を広げていった
(一応男声ボーカロイドとしては、ボカロ初の存在として英国ZERO-G社販売の「LEON」が居たのだが、当然ながら英語ボイスであった)。
主にネタ曲の多さに定評があり「仕事を選べないKAITO」とタグが付くほど本当に何でもやる(やらされてる)ボーカロイドである。
一方ガチな曲も少なくはなく、気合の入った名曲を発表している製作者も多い。
現在ではニコニコ市場からの購入者だけでも1800人を越えており、他のボーカロイド達同様高い人気を得ている。
暗黒の時代を過去のものとしたと言えるだろう。

その甲斐あってか『初音ミク -Project DIVA-』にも、
MEIKO、鏡音リン、レン、巡音ルカ、弱音ハク、亞北ネルと共にゲスト出演した(表記は「メイコ」「カイト」とカタカナ)。
+ したのだ、が…
このゲームでは専用曲を持つリン、レンも含めてあくまで「ミクのモジュール(コスチューム)」の一つという認識であり、
全キャラクターがミクのモーションの流用である。
そのためミクだとパンチラなのがルカだとパンモロだったりする。
つまりKAITOはミク用の女性モーションで踊っている事になる。
さらにあくまでミクのゲームのため所謂「狙ったカメラワーク」が多々存在している。…だがそれが兄さん使用時であっても嬉しいのかと言われれば……。
さらにはKAITOの水着が「水着にマフラー」と後述のうろたんだーを思い起こさせるようなコスチュームだったりする。
そのためオカマっぽく見えたり場合によっては変態に…あぁここでも兄さんは仕事を選べないのかよ!
+ さて、続編では
2作目『Project DIVA 2nd』にも引き続き登場。他のキャラと同様、ミクのモジュールではなく個別のキャラとして扱われる。
でもやっぱりダンスのモーションは全員共通なので、前述の理由で相変わらず違和感を感じさせるネタキャラ。
…なのだが、なんとボーカル・ダンス共にKAITOがメインの曲が登場。
モジュールもマジメにカッコイイ物が追加されたし、ネタキャラ脱出だね兄さん!

……そんな風に考えた時期が俺にもありました
KAITOの新作水着はなんとビキニパンツ+当然のようにマフラー
ゴーグルの着用も選択する事ができ、前作よりもさらに変態度は加速した。
ただし『Project DIVA アーケード』ではトランクスパンツの水着にマフラーと少しはマシになった。
スキンでも凛々しい兄さんを見る事ができる。一進一退……。

3作目『extend』にも前作同様個別キャラとして登場。
今回もKAITOメインのソロ曲に加えてデュエット曲も追加されてさらに格好よくなった兄さんが見られるようになった。
モジュールに至っては今回追加されたKAITOの曲をイメージしたカッコイイのが追加されるというなんとも嬉しい展開となった。
…のだが、同時にネコミミ付のコスチュームというあまりにも前衛的なコスチュームが登場してしまった。一体兄さんはどこに向かっていくのだろうか…。
余談だが、KAITOからキャラチェンジをすると「空中前転をしながら離脱」と身体能力が高い面が描写されている。

…と思ったのも束の間、結局AC版にもビキニパンツ+マフラーが追加されてしまった
ゲームセンターという環境の中、トランクスパンツとビキニパンツでデュエット曲なんてやった日には…。
購入及びご利用は計画的に。何かが起こっても責任は取れません。
お巡りさんこっちです

ハードがPSVitaとなった4作目『f』においても兄さんに相応しいカッコイイモジュールや楽曲は登場したのだが、
今作より追加された「アクセサリ」の類を水着モジュールと合わせる事で、より変態度が加速するという事態に発展してしまっている。
具体的にはランドセルバタフライマスクなど。先程も申しましたがご利用は計画的に。
PS3での『F』でも同様の事が言え、しかもこちらは更に画像解像度が上がり滑らかになっている。

何やってんの兄さん
巻き添えにされた弟分
兄さんの本気

KAITOには元々のキャラ設定という物は存在せず、強いて挙げるなら公式のパッケージイラストと音声のみである。
現在のKAITOのキャラクターはファンによって築き上げられたイメージが集合して作り上げられたものである。
強いて言えばソーシャルアプリ『三国志パズル大戦』の初音ミクコラボでゲスト出演した際、一人称が「俺」になっていた事や
クリプトンボカロ達に加えてオリジナルキャラも登場する音ゲー『プロジェクトセカイ』で身長が175cmに設定されていた事くらいか。
これに関しては同シリーズのMEIKOも同様であり、
ミク以降のキャラクター・ボーカル・シリーズの面々も身長・体重・年齢の設定が追加されたのみである。
そのためキャラクター付けに関してはそのソフトを使う人間次第であり、
KAITOは時にアイス狂だったり、ヘタレだったり、卑怯だったり、女の子になっていたりするが、
ボーカロイドはそれら全てを内包する、いわばカオスとも言える存在である。
良く見られる設定としては、ミクを初めとしたクリプトン社のボーカロイド達を兄弟と見なし、その長兄として扱われる事が多い。

音声モデルは歌手の 風雅なおと 氏。
『電磁戦隊メガレンジャー』のOP・EDや『仮面ライダーアギト』のEDを歌った人として知られる。

同氏はKAITOの曲のカバーも行っており、「卑怯戦隊うろたんだー」や「千年の独奏歌」といった曲がカバーされ発売された。
また、うろたんだーに収録されていた「虚空戦士マジスパイダー」は、元ネタのスープカレー店「マジックスパイス」にて、
KAITOが歌った時点で「公認」となり、風雅なおと氏が歌った事で晴れて「公式」ソングとして採用された。
+ 余談だが
風雅なおと氏の関連する動画などにおいて、
「風雅なおとさん」を一瞬「ふうがなおとうさん」と読み違えてしまう人が続出したためか、
ファンからは「(KAITOの)お父さん」と呼ばれる事がある。
一方で風雅氏もインタビューの際にその事に言及したり、
自身のブログでKAITOを息子と呼ぶ事があったりと、中々にノリの良い方のようである。
そのノリの良さからかカバーついでにこんな事もやっちゃってるが。

そして、2013年2月にはリニューアル版の「KAITO V3」が発売された。
7年ぶりとなる新バージョンはKAITOをベースに最新のボイスを加え、エンジンもVOCALOID3に。
曰く「初代から成長したクリアでスムーズな発声。低音から高音まで流暢に歌い上げます」。
日本語×3・英語×1の4つの音声データベースを収録しており、「STRAIGHT」(ストレート)は「ハキハキとした、張りのある自然な声」、
「SOFT」(ソフト)は「やすらぎを感じさせる、柔らかな声」と、曲調やジャンルに合わせて使い分ける事ができる。
英語での歌唱にも対応可能で、特設サイトではデモソング4曲を公開している。
主要DAWに対応したボーカルエディタ「Piapro Studio」が付属する他、音楽制作ソフト「Studio One 2.5 Artist / Piapro Edition」、
200種類以上の楽器を収録した「PreSonusソフト音源」が付属。DTM入門用パッケージにもなっている。


MUGENにおけるKAITO

MUGENではカーネル・サンダースの作者であるpeg氏作の手描きキャラが存在していた。
現在はiswebライトが終了し、キャラ公開サイトが削除されたため入手不可。
性能としてはアイスを設置したり、持ち歌を元にした技を駆使して戦う攪乱タイプ。
また、ストライカーとしてミク、鏡音リン・レン、MEIKOを呼びながら戦う人間弾幕キャラでもある。
一般的なKAITO像よりもやや卑怯なイメージが強い、所謂「うろたんだー」なKAITOと言えよう(うろたんだーについては こちら こちら を参照)。
ストライカーの各人も同様であり、キャラ崩壊に耐性が無い人は要注意。
なお、ボイスは当然ながらKAITOの声をそのまま使用している他、カーネルと同じくブリスにも対応済み。

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
削除済み

出演ストーリー



*1
初期ロット1000本が1週間で完売するなど一大ムーブメントと化した初音ミクや、
それに続く鏡音リン・レンや巡音ルカの売り上げには流石に敵わない。
……というか、MEIKOが発売された2004年当時、仮想楽器ソフトは1000本売れれば大ヒットとされており、
リリース初年度だけで3000本を売りさばいたMEIKOは、その当時としては奇跡的なセールスと言えた。



最終更新:2023年05月16日 01:14