ギエロン星獣

それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ…


『ウルトラセブン』の名エピソードとされる26話「超兵器R1号」に登場した怪獣
身長50m、体重35000t。別名「再生怪獣」。
元はシャール星座の第7惑星ギエロン星に生息していた生物で、地球防衛軍の惑星破壊兵器R1号の実験が
ギエロン星を破壊するという方法で行われた際に、当のR1号の放射能で変異したもの。
何故ギエロン星を攻撃したかというと「ギエロン星は金星に近い過酷な環境で、生物がいるはずが無いと断定した」から。
実験場所を選ぶのに6ヶ月も検討したらしいが、ちゃんと調査したのか怪しいものである。

地球に飛来した目的は定かではないが、母星を破壊された復讐と考えられている。
武器は口から吐く放射能ガス(R1号の放射能を取り込んでいた物)、両手を近づけて発射するリング光線、鋭利な翼から放つ怪光。
硬質化した身体は飛行中に衝突した自分の頭ほどもある小惑星を粉砕し、
鋭利な翼はアイスラッガーも弾いてしまう。
最大の特徴は再生能力で、ウルトラホーク3号に積まれた新型ミサイルで粉々にされるが、一晩で再生した。
最期はウルトラセブンとの死闘の末に片翼をもがれ、アイスラッガーで頚動脈を切られて絶命した。

「粉々になっても再生できるのに、なぜ失血しただけで死ぬの?」という疑問は尽きないが、
資料によっては「セブンが再生能力を断ち切るために喉を切った」としていたり、
「実はあの鳥っぽい姿は上っ面だけで、実際はその体内を流れる黄色い血のような液体が本体のアメーバ状生物」
とする説があったりで、はっきりしていない。

ギエロン星獣という怪獣自体もファンからのデザインの評価が高く、セブン怪獣の中でも屈指の人気を誇る。
猛禽類に近い顔つきをしているが、これは
「“平和の象徴”であるハトが兵器の影響で凶暴化した」ということを暗示しているのではないか?
という説もある。
少なくともセブンとの戦いで右腕をもぎ取られた際に羽毛らしきものが舞っているので、鳥類を意識したのは確実。
登場回も含めて「地球を守るための行為がもう一方から観た場合悪になりうるのではないか」と問いかけた存在でもあった。

またこの話、R1号を開発した科学者が「ギエロン星獣が再生するならR1号より更に強力になったR2号を使いましょう!」
お前は何を言っているんだな提案をしたことでも有名である。
東京近郊で惑星破壊級の兵器を使うって……(R2号はR1号の十数倍の爆発力で、地球が2つ3つ消し飛ぶとされている)
劇中では「R2号の放射能でギエロン星獣が更に変化するかもしれない」
という理由で使用は中止されたが、ツッコむところはそこじゃないだろう。
尤も、前作『ウルトラマン』でも都心に出現したバルタン星人核ミサイルを容赦なく発射するような世界だから
仕方ないのかもしれない。
防衛や警備の方法としては最悪であるが。

ちなみにこのページのトップにある台詞は、ウルトラセブンことモロボシ・ダンが言ったもの。
ダンが星を破壊できるほどの超兵器の存在に疑問を持ち、フルハシ隊員と対話した時の台詞の一部である。

ダン「地球を守るためなら、何をしてもいいのですか?」
フルハシ「え?」
ダン「答えてください!」
フルハシ「…」
ダン「実験を止めるように進言してきます!」
フルハシ「待て! 忘れるなダン、地球は狙われているんだ。
      今の我々の力では守りきれないような強大な侵略者がきっと現れる。その時のために…」
ダン「超兵器が必要なんですね」
フルハシ「決まってるじゃないか!」
ダン「侵略者は、もっと強烈な破壊兵器を作りますよ!」
フルハシ「我々は、それよりも強力な兵器をまた作ればいいじゃないか!」
ダン「…それは、血を吐きながら続ける…、悲しいマラソンですよ…」(絞り出すように)

この台詞は果てしなく続く冷戦の軍拡競争を痛烈に批判したものであり、『ウルトラセブン』屈指の名台詞とされている。
(放送当時は冷戦中なので米ソの軍拡競争の真っただ中だった)
ただ、いくら批判の為の話とはいえ冒頭で「地球を侵略しようとする惑星なんか、ボタンひとつで木っ端微塵だぁ!」と
はしゃぐのはどうなんだウルトラ警備隊。
前作で「地球は地球人の手で守るべき」と説いたゾフィー兄さんもまさか地球人がここまでやらかすとは夢にも思わなかったに違いない。

ただノンマルトの時と同様、この世界に登場する異星人は 基本的に全部侵略者である という状況を忘れてはいけない。
宇宙はいわば地球上の大航海時代、帝国時代と似たような状況にあり、後進星である地球は彼らに狙われている。
良き友、良き上司、良き地球人であるからこそ、彼らは地球を守るために懸命に武装を強化しようとしているのだ。
地球人類だけが一概に悪いのではない。暴力を持って支配・侵略せんとする異星人側も悪く……。
ウルトラセブンという作品全体を通して、今話のダンの最後の一言に集約される重たいテーマを孕んでいるのだ。

尚、2011年3月のファミリー劇場での一挙放送の際、この回はあの原発事故を考慮して放送中止になっている。

SFC『ウルトラセブン』にも登場。
射程距離は短いがバリアで反射できない放射能ガスや、逆に射程距離が長いリング型の光線、
近距離では締め付け攻撃、中距離では突進攻撃なども使ってきて意外と多才。
なお他の怪獣を倒した時は「○○ 撃破!」と表示されるだが、ギエロン星獣だけは「ギエロン星獣 永眠」と表示され、
演出も個別演出、BGMも物悲しいものとなっているので少ししんみりとさせられる。
その直後にボーナスステージに突入するけど


MUGENにおけるギエロン星獣

現在はMature4evr氏、這い寄る混沌氏制作のものが公開されている。

+ Mature4evr氏製
+ 這い寄る混沌氏製

出場大会

出演ストーリー

なこるる茶屋(2009年8月投稿の特別編に登場)



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