サイコクラッシャー

「これで終わりだ…サイコクラッシャー!」

ストリートファイター』シリーズ(その他含む)における、秘密結社シャドルー総帥ことベガ様を象徴する必殺技
サイコパワーを全身に纏い低空飛行で両手を突き出し回転、前方へ突進しドリルの如く相手を貫く。

技名は少々ややこしく、初出の『ストリートファイターII』での名前は「サイコクラッシャーアタック」
ファンの間での愛称は「サイコ」もしくは「サイコクラッシャー」。
長いので正式名称で呼ばれる事は少なかった。

ストリートファイターZERO』でスーパーコンボに格上げされた時、略称の「サイコクラッシャー」が正式な名前になる。
それ以来「サイコクラッシャー」で呼ばれる事が多いが、作品によっては必殺技が『ストII』時の「サイコクラッシャーアタック」で、
超必殺技が『ストZERO』以降の「サイコクラッシャー」という呼び名になっていたりする。
超必殺技版にはやってる事は毎回同じなのに名前だけ違うというややこしいものが複数ある(詳しくは後述)。

後発の作品でもサイコクラッシャーに似た技はしばしば見受けられる。
ローレンス・ブラッドの「ブラッディスピン」は、「手をかざしてきりもみ状態で水平に突進、多段削り」といった共通点があり、
初出の『餓狼2』では命中すると下記の「ハートブレイクディスピアー」のように相手を抉っていた。通称華山獄握爪
霧雨魔理沙の「ブレイジングスター」や、安栖頼子の「天地を焦がす魔界の劫火」が「ファイナルサイコクラッシャー」に似ているという意見もある。
前者は作品自体が「ザ・ワールド」「デモンクレイドル」「天翔十字鳳」等々パロディのオンパレードなので、意識して作られた可能性は高いと考えられる。
アークシステムワークス製作の『北斗の拳(AC北斗)』に登場するユダ一撃必殺奥義「血粧嘴」も、原作で全貌が明かされなかった事もあり、
最初の衝撃波が相手にヒットすると指を突き出しサイコクラッシャーのように突っ込むという内容になっている。通称「南斗クラッシャー」
『ソウルキャリバー』のセルバンテスの技「ジオ・ダ・レイ」はそのままサイコクラッシャーの通称で呼ばれている。


作品における性能

弱中強の順で移動距離と突進スピードが上がる。
喰らい判定を残さないため、ヒット時は1回でダウンを奪う。
ガードされても相手の体力を3回分削れる。海外版では6回削れるため、ヒットさせるよりもガードさせた方が体力を減らす事が可能な場合があったりする。
基本的に隙が少なく、突進中の全身が攻撃判定になっている仕様を生かした色々な活用法が存在する。

『ダッシュ』では「サイコクラッシャー」後にガード硬直中の相手を投げるという「サイコ投げ」と呼ばれる当て投げが、凶悪なハメ技として猛威を振るった。
また足の先までしっかり攻撃判定が付いており、爪先を当てるとめくりになる。
そのため当たり方によっては「3回ガード→めくりでヒット」する場合がある他、相手の起き上がりに爪先を重ねる「サイコテイル」が強力だった。
特に後者は正面かめくりか判別しづらく、ベガの下半身に食らい判定が無い事からリバーサルで反撃されにくいため、
これだけで封殺出来る事も多々あった。
『スパII』以降では「サイコ投げ」は隙がやや増えたため出来なくなり、「サイコテイル」は後方の攻撃判定が短くなってめくれないように修正された。
また以降シリーズを経るごとにダメージは減少傾向にある。

EX版は2ヒットし、出掛かりに無敵時間が付く。
威力は通常版とあまり変わらないがガードされても反撃を受けにくいため、
対空・割り込みに使え、更に1発だけ飛び道具を打ち消す事が出来る。

超必版は攻撃判定が大きく短いが出掛かりに無敵時間があり、さらに空中ガード不可で空中の相手にも全段ヒットしやすいので対空で信頼出来る。
しかし攻撃判定の性質上、地上の相手にカウンター狙いで出すと1発目がヒットした時点で相手が吹き飛びダウンしてしまうので、全段ヒットしない事がある。
加えて端付近ではヒット数が下がるので、連続技の場合は「ニープレスナイトメア」の方が安定する。

MARVEL VS. CAPCOM』シリーズでは空中発動可能でありエリアルレイヴに組み込めるが、
『X-MEN VS. ストリートファイター』を除き地上版は発生が遅く使いにくい。

ストV』シリーズでは当初必殺技版が実装されていなかったが、『AE』からVトリガー2「サイコナイトメア」発動中に限り使用出来るようになっており、
強P強K同時押しで発動出来る上、必殺技も含めたほぼ全ての技からキャンセル可能と、屈指の性能になっている。

派生技

メガ・サイコクラッシャー
CVS2』 『CFJ』 『SVC』にて使用。
強化版、超必版の「サイコクラッシャー」と同じ性能だが、上記作品では必殺技扱いなので上位互換としてこの技名が付けられている。何ともややこしい
技ボイスは作品によって様々だが、「これで終わりだ…サイコクラッシャー!」または「雑魚が…サイコクラッシャー!」のそれと言えば分かりやすいだろう。
注目すべきは発生と突進速度の速さで、反撃で効果を発揮し、飛び道具も引き付けてから出せば完全にすり抜ける。
ガード後に反撃出来る技が少ない技の代表格で、「スーパー頭突き」にも反撃可能。「遠間にて斬る也」に至っては喰らっても反撃出来てしまう。

ファイナルサイコクラッシャー
ZERO3』のファイナルベガのスーパーコンボ、『SVC』のベガのEXCEED。
暗転中に画面外まで後退して超パワーの「サイコクラッシャー」を放ち「ベガワープ」で戻ってくる大技。

『ZERO3』版は威力が異常なほど高く、画面全体判定(少々違うが詳しくはこちらで)、ヒットすると瀕死に追い込まれる。
発動後の対策はガードしかない(ただし空中ガード不能、地上でもベガ側の画面端に近いとガードが間に合わない)が、
ケズリ能力も高いので瀕死時に出されるとそのままK.O.されてしまう可能性がある(ガードキャンセルでケズリダメージを減らす事は可能)。
またガードゲージが残り少ないと途中でガードクラッシュしてしまい、やはり大ダメージを受ける。
家庭用や『ZERO3↑』でのプレイアブル版では小技から繋がり、相手の技の隙にも簡単に当てる事が出来る。

欠点としては発動した瞬間から「ベガワープ」で戻ってくるまでは完全無敵で攻撃力も大きいが、終わり際に高笑いの大きな隙が出来るのが弱点。
攻撃判定は縦幅は広いものの、横幅は1キャラ分程度の狭さであり、無敵時間の長い必殺技、三角飛びのあるキャラクターは画面上空まで飛ぶ事で一応回避可能。
通称「サイコ抜け」

なお、『ZERO3』でのCPUファイナルベガはこの技を超反応で繰り出すため、ゲージが溜まったら迂闊な動きが命取りとなる。
誰もが一度は引っかかる「サマーソルトスカルダイバー空振り→ファイナルサイコクラッシャー」。
飛び道具を出すと「ファイナルサイコ(略)。ジャンプすると「待ってました!」と言わんばかりに「ファ(略)。
このように、パターン無しで挑むと漏れ無く直撃を貰ってしまうため、一種の初見殺しとも言えよう。

『SVC』のエクシード版では範囲が狭まった上に発生が異常に遅いので使いづらいが、先読み対空に使える。
縦幅の攻撃判定が狭くなっているが、それでも避けにくい広さである。

サイコブレイクスマッシャー
ストEX』シリーズでのメテオコンボ
こちらも「サイコクラッシャー」の強化版で、やはり上位互換としてこの技名が付けられている。
このように技名が何種類もあって非常にややこしいが、性能は他の上位互換版とほぼ同じである。

ハートブレイクディスピアー
『CVS』(1作目と『PRO』)にしか登場しないある意味レア技のスーパーコンボ。
通常の「サイコクラッシャー」と違い当たっても貫通せずに、当たったその場でしばらく相手をドリルのように抉り、
その後通常投げで締めるという上記に書いてあるサイコ投げのオマージュかと思われる。
ロック技のため、空中の相手であろうと当たりさえすれば最後の投げまで確定で入る。

なお、技名を直訳すると「傷心・となる。
かつてサイコハメに苦しめられたプレイヤーの心境を如実に表している…と言えるかもしれない。

アルティメットサイコクラッシャー
『ストV』でのクリティカルアーツ。
Vリバーサル「サイコバースト」の動作で相手を打ち上げた後、空中にワープしてサイコパワーを溜め込み、
落下してきた相手に向かってサイコクラッシャーで突撃して壁に叩き付ける大技。
従来のサイコクラッシャー系超必殺技とは異なり、初段のリーチが短いという弱点を抱えているが、
技後は相手を画面端に追い込めるので有利になる他、空中での使用が可能である。


MUGENにおけるサイコクラッシャー

超必版の「メガ・サイコクラッシャー」や「ファイナルサイコクラッシャー」の見栄えや威力のインパクトもあってか、職人や視聴者にも愛されている技である。
この技のフィニッシュや若本えーりんの「バニコン」による逆転劇はベガの人気を支える一因になっていると言えるだろう。

腐ってもベガ様は格闘ゲーム史上の金字塔『ストリートファイターII』のラスボス、例え噛ませやネタにされようとも格好良いキャラクターなのだ。
サイコクラッシャー堪能動画
マッチョベガ編1回目
マッチョベガ編2回目
若本ベガ編(6:47~、7:46~、8:56~
やはり熱い因縁の対決
やはり熱い因縁の対決2(9:20~)
ベガのバーゲンセール

この他、ホイホイ塩レンの技には、ベガが背中に他人を乗せて「サイコクラッシャー」をするものがある。
背に人を乗せる関係上、どちらも回転は行っていない。
また、嘘=美談氏の沙耶やminoo氏の鍵山雛も「サイコクラッシャー」のような技が搭載されている。
回転はしないが、「画面外まで後退して突進する大技」という点では、
ドロウィン氏の遠坂凛の「ザ・ドライブ」も「ファイナルサイコクラッシャー」タイプかもしれない。
この「ザ・ドライブ」は多くののりものに導入され、轢き逃げと呼ばれる事が多い。
そういえば魔理沙の「ブレイジングスター」は箒に乗っている事もあってか、のりものブーム到来前から轢き逃げと呼ばれていた。
また、わりばし氏の古明地さとりは他者のトラウマを再現する「想起」の一環としてサイコを繰り出す。


「敗北者に死を……」


最終更新:2023年03月22日 19:32
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