竜巻旋風脚


「その間合いじゃ 拳半分届かない!」


リュウケンの象徴たる必殺技の一つ、片脚を軸に回転し空中で水平に突進して竜巻のように連続で回し蹴りを放ちながら前進する。
格闘ゲーム界における突進技の代名詞でこの技の入力方向の「下、左下、左」「竜巻(旋風脚)コマンドとも呼ばれる(稀に逆波動とも)。

この技と波動拳昇龍拳は格ゲーにおける三種の神器と呼ばれ格ゲーを普段やらない人でも分かるほどだろう。
もちろんリュウケンは三種の神器を初代『ストリートファイター』以来全作品で使用している。
そして例によって春日野さくら豪鬼ショーンなどのキャラが類似技や派生技を習得している。
ただ、『ストI』では殆ど前に進まなかったり、『ストII』では前に進んでも遅かったり、強化版のはずの真空竜巻旋風脚も前に進まなかったりで、
突進技という印象を持たない人も多いかもしれない。
そもそも「三種の神器」の最後の一つを定着させたのは、『餓狼伝説』の主人公三人組が持っていたバーンナックル、斬影拳、スラッシュキックであり、
竜巻旋風脚はそこに無理矢理当てはめただけではないか、という説も根強い
(『ストII』で(一般的な意味での)突進技と言ったら、スーパー頭突きローリングアタック等の事である)。
語呂の問題もあるだろうが、スタンダードなキャラは波動昇龍キャラと言われて竜巻は入らないし。

先端当てで反撃を受けない事が普通な他ゲーの突進技と比べると、
突進速度が同種技に比べて遅い(時には歩きと同レベル)事や、殆どの作品ではしゃがんだ相手には当たらない等々、
ただ使うだけでは確実に反撃を受ける場合が多い事が特徴(似た技であるスピニングバードキックは更に悲惨)。

なお、海外では「Hurricane Kick(ハリケーンキック)」とも呼ばれる。
実際にこう叫んでいたのは、初代『ストリートファイター』の海外版と、次点で『ザ・ムービー』のケンの「Hurricane!」のみだが、
「竜巻旋風脚」は外国人にとっては発音が難しいからか、はたまた名前が比較的長いからか、
説明書においては『III』シリーズまで使用され、『IV』シリーズの英語音声では、通常版のみ技名ではなく単なる掛け声になっていた。
ちなみに海外アーケード版『II』のコマンド表では「Cyclone Kick(サイクロンキック)」と書かれていた……ん?

全くの余談だが、「108・1900」(ひゃくはち・せんきゅうひゃく)を早口で言うと「竜巻旋風脚」と聞こえる、という空耳ネタがある。


各作品中における詳細

ここではリュウのものを代表として紹介する(キャラ毎に微妙な差異があるので注意)。

初代『ストリートファイター』では、何故かこれのみ筐体上のパネルに名前とポーズが載っておらず
(他の2つは名前とポーズのみだが記載、インストや小冊子では3つとも載っている)、
性能面でも発生が遅く、殆ど突進しないためあまり使われないという、いまいち影の薄い技だった。
とはいえ、『初代』の当たり判定のシビアさもあり中々見られないものの、
発動中の蹴りは『ストII』以降とは異なり仰け反り判定かつ最大4発連続でヒットさせる事が可能な事、
そして単発でも4割の威力がある上、削りダメージでも総体力の6分の1が消し飛ぶ事などから、性能自体は決して低くはない。
ちなみにリュウとケンのしゃがみを通常はすり抜けないが、相手が一部のしゃがみ通常技を出せばすり抜ける。

ストII』シリーズにおいては、まず『II(無印)』ではハッキリ言って死に技である。
理由としてはしゃがんだ相手には当たらない、ヒットさせても反確といったどこぞの弟子に似た性能である。
ただしサガットのみ2ヒットで気絶、そこから密着して当て3ヒットでまた気絶という攻略パターンがあり、唯一の使い道となる。
昇龍拳の次は竜巻旋風脚が嫌いになりそう
……しかし、残念ながら連続ヒットしているわけではないため時々アパカで落とされる。
『ダッシュ』ではリュウとケンで性能が別になった。詳しくは後述。一般的にはリュウ版の方が強いとされている。
『ターボ』以降は空中でも使える。いずれのシリーズでも地上版は殆どのしゃがんだ相手に当てる事ができない。
ストIII』シリーズ及び『ポケットファイター』、『NAMCO x CAPCOM』では回転方向や蹴り足が他シリーズとは逆になっている。
『III』以前では、出際の膝蹴りを左足で出してから奥へ1/4回転後、そこから右回転で蹴りを一定回数放ち、着地に1回転要するが、
『III』以降は、右足で膝蹴りを出し奥へ1回転後、左回転で蹴りを一定回数放ち、着地に半回転要する。
『ストEX』シリーズでは1発1発の回し蹴りを追加入力で3~4回連続で繰り出す技になっている。
見た目も他のシリーズと違い、両足で回し蹴りを放ち、最後に空中からの踵落としで〆る技となっている。
『ストIV』シリーズでは相手を大きく吹っ飛ばしたり、画面端で弱を命中させた場合は追撃できるなど、
コンボパーツとしての有用性が大きく増す形となった。
ちなみに、作品によっては一部の飛び道具を飛び越える事が可能で、『ストV』では強版に完全な飛び道具無敵が付いた。

『ターボ』からは空中竜巻旋風脚として空中でも出せるようになり、『スパII』以降は水平ではなく放物線を描いて下降する。
何故か『ストIII1st』では削除されたが『ストIII2nd』以降はまた復活。
ストIII』シリーズを除き昇りで出すと大きく浮力がかかるため、端からの脱出や間合いを開けるのに使える(通称「逃げ竜巻」)。
また『ターボ(及び『ハパII』のターボ性能)』と『カプエス2』の殺意リュウの63214+K版は進行方向真横(垂直は前進)に飛ぶ。

+ 今なら……飛べるかもしれない
様々なゲームキャラが一同に集うクロスオーバーゲーム『プロジェクトクロスゾーン』にリュウとケンが出演した際、それは起きた。
なんと空中竜巻旋風脚で本当に空を飛んだのである。
いや中平漫画なんかでは殺意リュウが確かに竜巻で空を飛んだりもしているが、これをやったのは普段通りのリュウとケン。
超高所のへ移動する際に、不慮の事故で二人(を含む数名)が空に放り出されてしまい、生存が絶望視されたところを、
リュウとケンは「俺たちには空中竜巻旋風脚があるからな」の一言だけで問題なく生還してしまった。
しかも殆どの人間が「届かずに落ちただろう」と判断する(その中には本職の忍者やら妖怪やらもいた)ほどの距離を。
原作的にはこの時は超高高度なので、硬直が解ける度に空中竜巻していたと受け取るべきか。
というか、リュウに至っては最初から(地上から打ち上げる時点で)空中竜巻で飛ぶ気満々だった。

「紅蓮旋風脚とかもな。……空中じゃ使えないか」

それ空中で使えたらマヴカプになっちゃうから!つーか今更だが お前ら人間じゃねぇ!!
他の投げ出されたメンバーはロボットの機能だったり謎の超能力でいつも浮遊していたりするので、なおさら二人の人間やめてる具合が目立つ。
尤も、一番人間離れしてるのは「そんなの使わなくても普通に跳んで届くじゃん」とか言って実行したゼファー&リーンベルだが
色々とぶっとんでる、そうなった経緯
そういう技じゃねえからこれ!!

このイベントはそもそもこうなった経緯のぶっ飛び具合と合わせ、『プロジェクトクロスゾーン』を代表するネタイベントとして評判になった。
当然、次回作『プロジェクトクロスゾーン2』の発売時、
前作プレイヤー達の脳裏に「また空中竜巻で飛ぶシーンはあるのだろうか」との期待がよぎったのは想像に難くない。
そして……。

やっぱり飛んでくれました。しかも今度は「竜巻旋風脚」のボイス付きで。しかも
そしてこの時パーティの一般人代表「竜巻旋風脚の人」呼ばわりされ、プレイヤーに鮮烈な印象を刻みこんだ。

また、『グランブルーファンタジー』にリュウがコラボで参戦した際には、
「乗ってきた 安心と信頼のカプコン製ヘリ 騎空艇が島の外に墜落しかけたため、艇を竜巻旋風脚で蹴り返しつつ空から降ってくる
という凄まじいインパクトで登場した。
技性能はたまに灼熱化する波動拳や、カウンター付与の昇龍拳と比べ特殊効果が無く、最後に解禁されるためレベル強化もない竜巻旋風脚が一番弱いが

この他、リュウとケンが参戦している『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおいては、攻撃だけでなく場外からの復帰にも使う事が出来る。
スマブラらしく横+Bで簡単に出せるが、コマンド(214+AorB)の入力でも発動可能。入力の手間がかかる分、性能は横B版よりやや高い。
また、後述の疾風迅雷脚はケンの最後の切りふだの1つとして搭載されている。


各キャラ使用時の性能

リュウケンは『初代』と『ハパII(ノーマル)』では両者の性能に大差は無いが、
『ダッシュ』以降では、リュウは1ヒットでダウンさせ、ケンは高速化して多段ヒットする(ダウンさせない)ように差別化が図られた。
しゃがんだ相手には当たらないが発生が早いため、特にリュウは連続技にも使用する。
『ダッシュ』と『ターボ』のリュウのものは出がかりと下降中は無敵(『ターボ』では地上版のみ)かつ着地時の隙が無いというちょっと信じられない性能になり、
「竜巻旋風脚を出すだけで投げと昇龍拳の二択」というわからん殺しで猛威を振るった。
『IV』では弱竜巻が画面端だと昇龍拳が繋がる事と、しゃがみ弱Pヒットから目押しでしゃがみ強Pに繋げ、強制立ち状態に出来る事から使用頻度が増した。
また、ケンのものは『スパII』以降出始めのヒザ部分にも攻撃判定ができ、発生がより早くなりしゃがんでいる相手にも当たるようになったが、
作品によっては当てても不利フレームが付き、最悪反確となる。……尤も、後述するとは違って状況は限定されるが。
さらに『MVC』シリーズ(『マヴスト』以降)では、斜めに浮き上がってとどめにカカトで叩き落とすようになる。…それなんて百壱式・朧車
『V』では相手をダウンさせるようになった他、強版が膝蹴りで飛び上がってから紅蓮旋風脚に似たソバットで下降するように変更された。
また、VトリガーIの「ヒートラッシュ」中には炎のエフェクトが追加される。
EX版は『MVC』のように斜めに高く浮き上がる。

殺意リュウ版は豪鬼のものに性能が近く、作品によっては追撃可能。ただし豪鬼と比較すれば性能面では明らかに劣っている。

豪鬼版の名は「竜巻斬空脚」
ケン版ほどではないものの多段ヒットし、リュウ版の様にダウンもする。さらに強以外はヒット後に豪昇龍拳など各種必殺技で追撃可能である。
作品によっては出掛かりの膝に攻撃判定がある場合もある。この場合、しゃがんだ相手にも当てる事が可能。
『EX』では同シリーズにおける竜巻旋風脚に準じており、天魔空刃脚を間に挟み込める。
ムービーでは足から炎を放ち、「灼熱竜巻斬空脚」という名前になっている。これを出し続けるだけで永久が可能。
MVC』シリーズでは足に雷を帯びて放つ「電刃竜巻斬空脚」……ではなく、名前はいつものまま。

『EX』ではコマンド連続入力技になっており↓↙←+Kでソバットを続けて出す。『EXplusα』までのリュウは2回、それ以外は3回まで追加入力可能。
弱がほぼ垂直、中が斜め上に、強が水平に突進し、空中版は無い(その代わりなのか、真空竜巻が空中でも使える)。
弱・中は相手を浮かしながら、強は仰け反らせながら連続ヒットし、さらに強は着地後に発生の早い技が目押しで繋がる。
『EX2』以降のリュウは追加入力が←+Kに簡略化され、ニュートラル+Kでその場でフィニッシュ攻撃を出すようになった。
一方で、ケンと殺意リュウは他作品に準じた性能に変更され、空中版も存在する。
カイリの魍魎渦旋もリュウ版と同性能。

火引弾は竜巻旋風脚系の技が存在しないものの、それに相当する技として「断空脚」を持つ(コマンドも同様)。
低空飛行しつつ蹴りを放つ突進技で、弱→中→強で一回ずつキックが追加される(一回目は飛び膝蹴り)。
基本的に意図的に弱キャラ調整を施され、必殺技も貧弱なものばかりのダンの中では唯一そこそこ便利な性能であり、
一部作品で追加されている空中断空脚は通常版以上に優秀。
ダンをガチで使うプレイヤーにはこれらを主軸にした立ち回りが求められる。
ちなみに、この技はSNKの『龍虎の拳』に登場する極限流空手の使い手の使用技「飛燕疾風脚」をパク…基にしている
(設定上は火引強の使用技を継承したもの。サガットもタイガーニークラッシュとしてコピーしている)。

さくら版の名は「春風脚」
作品によっては空中でも使用可能で、軌道が低い上にすぐに着地するのが特徴。
主に連続技や反撃、奇襲に使う。作品によっては追加技を出せる春風連脚となっている。
誤解されやすいが、追加部分も含めて技名が「春風連脚」であり、追加部分に技名はない。

ショーン版の名は「トルネード」
性能はケンの竜巻旋風脚に準じているが、本家と違い空中で出せない。
ストIII2nd』までは、相手がしゃがみ状態でヒットした場合ノーキャンセルハイパートルネードまで連続ヒットできるほど隙が無く、
気絶値も非常に高い使い勝手の良い技。
……だったが。
『3rd』ではEX版以外はヒットさせても相手の投げが確定するほど硬直が大きくなり、ダメージも減った。
また、しゃがみにヒットすると相手を強制的に立たせるため、隙が立ち状態にヒットさせた場合と変わらなくなり、
せいぜいEXが連続技、牽制に弱の先端当てで使える程度まで落ちぶれてしまった。彼の弱体化の具体的要因の一つである。
(´・ω・`)ショーン

他にもライユーなる人物が「タトゥマキゼミャーグ」という似たような技を出しているのが目撃されているが、恐らく何かの間違いだと思われる。

なお、アレン・スナイダーは蹴りではなく正拳突きによる突進技「ジャスティスフィスト」を使用する。

派生技

真空竜巻旋風脚

リュウと殺意リュウのスーパーコンボ、竜巻旋風脚の強化版。波動の力を利用してその場で回転し続け、当たると相手を文字通り竜巻の如くを巻き込む。
技名が長いためよく「真空竜巻」と省略で呼ばれる事もあり、また作品によって「真空…竜巻旋風脚!」と「真空竜巻!」の二種類のボイスがある。
主に前者は超必殺技となっている『ZERO』シリーズや『EX』シリーズ、『マーヴルVS.』シリーズ、
後者はEX必殺技となっている『ストIII』シリーズや『カプエス』シリーズである。

ダメージが高いので基本的には連続技に使う。作品やレベルによって無敵判定の有無や隙が変わり、高レベルではヒット数が多くケズリに使える。
『ZERO』シリーズでは決まれば一発で勝負が決まる技という位置付けであったが、
『ストIII』にて真・昇龍拳登場によって肩身が狭くなり、スーパーコンボからEX技に格下げされ、
特に『CVS』シリーズでは、特にLV3版は死に技とまで呼ばれるくらい全くのお荷物的な存在であった。
まあ真昇龍は中平漫画からの産物だからしょうがない
EX版や『EX』シリーズでは空中発動可能。後者では真空波動拳から繋がる他、昇龍拳や竜巻旋風脚からの追撃に使える。
MUGENにおいては、『EX』シリーズのように空中発動が可能となっている場合が非常に多い。
まあこうすれば「真・昇龍拳」に唯一勝っている点でもあるため当然と言えばその通りであるが…。

流石に『3rd』や『CVS』等で逆風が過ぎた為か、
『ストIV』では画面端限定だが真空竜巻旋風脚がヒットするとウルコン1で追撃可能になったり
(EX波動拳でも可能だがウルコン1はフルヒットしないのでダメージは真空竜巻の方が上)、
接近戦でしゃがみ弱Pなどで固めた後におもむろに出す事で、相手のグラップを潰したりと、
リュウのダメージソースや立ち回りにおいて重要度が増した。
ウルコンをヒットさせる際に2ゲージ使うセビ滅よりも1ゲージで確定かつ簡単と、
優秀なEX技や真空波動拳を持つリュウにとってはゲージの節約も出来てとてもありがたい技。
EX空中竜巻はその場で停滞するのでヒットさせる事は難しいが、着地を狙った攻撃を空振りさせるなど使い道もある。

暴風竜巻旋風脚

『ポケットファイター』でのリュウのマイティコンボ(超必殺技)。
技名を叫ぶと同時にリュウの上に雨雲が出現、その雨雲からの暴風雨を伴いながらの真空竜巻旋風脚。
2.5頭身のキャラが使うためどうしてもリーチが短いが、ヒットするとこのゲームで使用するジェムが大量に出る(リュウの技では最大)ので、
密着時の反撃や相手が気絶しているときに使用するのが定番。
暗転してからガード可能な上、システムとして削りダメージが存在しないため、ぶっぱには向かない。
なお、P.o.t.S.氏が作成したCVSアレンジのリュウもこの技を搭載している。

真・竜巻旋風脚

『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』で追加されたリュウのハイパーコンボ。
正確には自身を強化する新HC「波動覚醒」中に真空竜巻を出すとこれに変化する。
巨大な竜巻を巻き起こし、雷鳴をも呼んでほぼ画面全体に渡って攻撃する
テイストは上述した暴風竜巻を思わせるが、はっきり言ってそのレベルは段違いである。
…これといい「真・波動拳」といい、『UMVC3』のリュウは少々本気出しすぎでないだろうか。何があったマジで。
これでもキャラランクは下位だが。スーパーパワーを持つヒーロー達の高みに辿り着くには、本気を出してもまだまだ道は遠いようだ

疾風迅雷脚

ケンのスーパーアーツ及びスーパーコンボ、彼の足技の集大成と言える技。
突進しながら蹴りの乱舞(作品によって内容が異なる)を浴びせ、垂直上昇する竜巻旋風脚で締める豪快な技。

「風より速いぜ! オレの疾風迅雷脚!」

発生が早い上にリーチが長く、連続技、割り込み、反撃に使える。
威力は高くないが『ストIII』では上記の利便性に加えてゲージが短い上に、
3つ(『1st』のみ2つ)までストック可能と他の2つのスーパーアーツより高性能。
『ストIII』全体で見ても性能は高い部類に入る。更にケンはゲージの増加速度も速いため連発可能。
ケンを3強へ押し上げた要因の一つ。
『EX』シリーズでは発動後に+Kの追加入力で連続蹴りで止められる。
『ZERO3』や『CVS』ではレベル3専用に設定されているが、『SVC』ではこの技ではなく神龍拳の方が格上の位置付けとなっている。
『スマブラSP』でも最後の切り札の1つとして採用。こちらは脚に炎を纏うなど紅蓮旋風脚のエッセンスが含まれている。
『6』ではナンバリングでは久しぶりに、Lv2SAとして実装。こちらも『スマブラSP』同様に蹴りに炎を纏うように。
発動時には『III』のように背景に稲妻が十字に走る、シリーズファンならニヤリとするエフェクトも。
余談だが、初出の『ストIII』シリーズでは技名を発さず、乱舞中に掛け声を出していた。イクゼッ!フッヤッヤッヤッ!
技名を発する声自体は収録されており、MUGENにおけるGM氏のケンはそちらの声を使っている。

「とっておき これが蹴りのフルコースだぜ!」

ちなみにSNKもパk…影響を受けたらしく、
ロバートがそれっぽい名前である「無影疾風重段脚」を使ったり(『'98』だと発動時のポーズもそっくり)、
ジョーの『RB2』の潜在能力「サンダーファイヤー」も「電光石火」の意訳であるとかで、どことなく意識した感じである。

滅殺豪螺旋

豪鬼版真空竜巻旋風脚で、竜巻斬空脚のモーションで回転しながら垂直上昇し、
頂点で垂直ジャンプ中キック(空中前蹴り)→垂直ジャンプ強キック(空中回し蹴り)のモーションで蹴り飛ばす技。
(『ストIII』以外では垂直ジャンプ強キック(空中旋風脚)のモーションのみ)
MVC2』では足に電撃を纏う。

ヒットすると相手を巻き込みながら上昇する、横方向のリーチは短いが、真上に判定が強い、空中でも出せる。
『ストIII2nd』では初段の判定がやたら広く、コンボにも組み込めて威力も低くはない優秀な技だったのだが、
『ストIII3rd』では対空性能は滅殺豪波動に、威力は滅殺豪昇龍に劣るというなんとも微妙なSAになってしまい、ガチ対戦で選ばれる事は基本的に無い。
『MVC2』では発生が遅くほぼ魅せ技である。

滅殺豪旋風

スーパーアーツセレクトで滅殺豪螺旋を選択すると使用できる空中版滅殺豪螺旋。
ストIII』シリーズのみ実装されている。
こちらも垂直上昇する為主に空対空で打ち勝った後などに使用する、空中竜巻斬空脚や斬空波動拳からスーパーキャンセル可能。

天衝海轢刃

『ストIII3rd』のエンディングにて海底の沈没船を粉砕した技。後の『スパIV』でウルコン2に採用された。
蹴りの一撃で相手を遥か遠くまで蹴り飛ばし、さらに竜巻斬空脚による追撃を加える打撃投げである。
初段の清々しいまでの吹っ飛ばし力、文字通りの「天」を貫くド派手なフィニッシュ、それでいてなんともスタイリッシュじゃない仕上がりが特徴
性能面でも↑↑+KKKという出し辛い独特のコマンド、高すぎる打点、遅い発生、対空に使えそうだがそれなら着地狙いの真・瞬獄殺で事足りるとイマイチ。
阿修羅閃空での移動中にキャンセルして出せるという強みはあるのだが、それを勘定に入れても非常に扱い辛いため、ガチでの使い手は中々いない。

「滅殺!我が技に立ち上がる強者なし!」

春一番(春一旋)

さくらのスーパーコンボ。
真空竜巻旋風脚を見よう見真似した技…なのだが、上手く再現できず地面の上で回転しながら蹴り続ける技になっている。
地面すれすれを蹴っているので、とどめのキック以外は下段判定。
「春一旋」は『CVS』シリーズのみの技で、とどめのキックのモーションが違う以外の差異は無い。
「春一番」で一つの単語として成立していたものを何故わざわざ変更したのかは不明。
MVCシリーズではこちらも垂直上昇して最後に叩き落とすようになっている。……ってこれ滅殺豪螺旋じゃね?
……と思いきや、実は豪鬼よりもさくらの方が先に使っていたのである。つまり豪鬼がパク(ry

ハイパートルネード

ショーンのスーパーアーツ。
ショルダータックルから乱舞を決めて、浮き上がりつつのトルネードから空中でリュウビキャクでフィニッシュする。
派手な乱舞技だが、実はロックしてないので空中ヒットだとカス当たりになる。そうなったらまさに(´・ω・`)ショーン
それでも反撃や連続技に使えて威力も高く、『2nd』ではゲージ2本までストック可能だったため利便性の高いSAだったが、『3rd』では1本に減少。
前述のトルネードの弱体化もあって決める機会は減り、ロマン技と化した感もある。3rdショーンを使う事自体がロマンとか言うな

竜巻剛螺旋

剛拳の必殺技。名前から分かる通り3rd豪鬼のSA滅殺豪螺旋の剛拳版である。
昇龍拳を禁じ手としている剛拳にとって、強P波動拳と同様に貴重な対空技…なのだが、
実装当時は「当てたのにロックしなかった」「外した時の硬直が昇龍拳よりも大きいので対空や切り返しに使うにはあまりにハイリスク」と、散々な評価だった。

さすがに後のアップデートでは底上げが図られ、EX版は攻撃判定の拡大や初段のロック性能を強化する事で飛び込みを安定して落とせるようになった。
通常版は相変わらず無敵が無いなど、基本的にコンボパーツ扱いなのは変わりないが、
後ろ投げから安定して繋がり、剛拳の得意な遠距離戦に持ち込めるので、決して使い道が無い訳ではない。

+ 他ゲー、他メディアでの類似技
餓狼伝説』シリーズのボブ・ウィルソンの技に「マッドスピンウルフ」があるのだが、コレがどう見ても真空竜巻旋風脚。
CVもリュウを演じている森川智之氏だったりする(技の初登場は森川氏がリュウを演じるより前だが)。

格闘ゲームという土俵では特異な部類の動作だが、ベルトスクロールアクションにおいては左右の敵を同時に攻撃できるため
メガクラッシュなどの特殊攻撃としてはむしろかなりオーソドックスな攻撃方法だったりする。
竜巻旋風脚と違って前進せずにその場で回転するのが基本ではあるが。
『ダブルドラゴン』(II以降)の「龍尾嵐風脚」や『ファイナルファイト』の「ダブルキック」及び「(武神)旋風脚」などが代表的。

上記のダブルドラゴンのセルフパロディである『くにおくん』シリーズのりゅういち、りゅうじにも当然龍尾嵐風脚は搭載されている。
また『びっくり熱血新記録』の競技の一つである400Mハードルには、
システムとして旋風脚が搭載されてる為、全キャラクターが使用する事が可能。
同作には波動拳も出てくる等『ストリートファイター』を意識して作られている部分もある為か、
グラフィックも原点の竜巻旋風脚に寄せられ作られている。
『ダウンタウン熱血物語SP』のロキシーにも乱華の名前で似た技が搭載されており、
この技には回転中に相手を引き寄せるという珍しい特性を持っている。

『ONE PIECE』のサンジが使う技、「空軍(アルメドレール)・シュート」も動きがどう見ても空中竜巻旋風脚。
原作ではルフィとの連携で出していたが、『グランドバトル2』で追加されて以降は単独で使用している。
『ランドランド』ではキックの回転速度と回数が増しており、
空中の敵に連続でダメージを与えつつ最後は真下に蹴落としたり、移動の際は距離と高さを稼ぐ事にも使えるなど使用頻度は高い。
軌道はどの作品も少しずつ斜め上に上昇していく。

『アウトバースト』のSAYAKA(サヤカ)の技に「スカイリング:レボリューション」があるが、コレも竜巻旋風脚である。
参考動画(9分30秒~)

また『忍者龍剣伝』に登場する灰色のザコ敵も竜巻旋風脚らしき攻撃を仕掛けてくる。

『Devil May Cry3』の主人公ダンテも実は竜巻旋風脚に類似する技を使用している。
その名も「トルネイド」で、ソードマスタースタイルでのベオウルフ装備時に使用できる。
見た目はその場で滞空しながら竜巻旋風脚を放つ技で、『ストⅣ』のリュウのEX空中竜巻に近い。
ただ出せるのがR1+↓+○連打というもので、あまり見られないダンテの技の中でも特に目立たない技。
何故かパチスロ版『Devil May Cry3』ではプレミア級の演出となり、ダンテが出せばBB濃厚という技となったが…。
そのせいか実は強い技なのにダンテ自体忘れてる技とか、滅多に使われないので無理やりねじ込んだとか当時の打ち手から言われる始末

+ ラセツセン!
ロックマンX3』にて恒例の隠し技として登場……するかと思ったが、別にそんな事はなかったぜ!!
どういう訳か他の二つと比べてハブられがちな竜巻旋風脚だが、ここでもやっぱりハブられた。
2つはその後リュウもとい龍の人に使われたりGB版『サイバーミッション』及び『ソウルイレイザー』に隠し技として登場したりしたが、
竜巻旋風脚だけはいつまで経ってもスルーされ続けた。
どうしてもエックスにやらせたい人は、比較的格好が似ている『ロックマン3』のタップスピンで我慢という時代が長く続いたのである。
…が、『ロックマンX8』にて遂に登場。『X3』から数えて、実に10年越しの出番であった。
使用者はエックスではなくゼロ(とゼロのコンパチキャラでもあるオペレーターのレイヤー)。
武器を構えて空中で縦に回転する技「螺刹旋(らせつせん)」が、格闘用武器「Kナックル」を装備している時のみ変化するという仕組み。
正式な技名は「旋風脚」なのだが、ボイスでははっきり「竜巻旋風脚!」と叫んでいるので、まぁ、アリだろう。

……ただし、本来縦回転するものが横回転に変わり、その上武器が無くなったため攻撃範囲は非常に狭い
また、所詮はただの特殊武器の一つでしかないので、威力もその程度。完全に趣味の技である。
……タップスピンもそうであったが、泣かせるのう。

一応その「Kナックル」は、「Zセイバー」の倍近いリーチを持つシグマの持っている剣を模倣した巨大な剣「Σブレード」や、
どこぞの勇者王が持っていそうな巨大なハンマー「Tブレイカー」を上回る攻撃力を持っているため、それだけの威力はある。
が、狭すぎる攻撃範囲を補える程かというと、やっぱし……泣かせるのう。

ちなみに、本来は宙に浮いていられる時間に制限があり、しばらくすると落下するわけだが、
螺刹旋を出してる時に左スティックを上に倒しながら十字ボタンの下を押すと、なぜか下降せずに上昇していくというバグがあり、
ちょっとした滅殺豪螺旋気分を味わう事が出来る。いや、空中発動だから滅殺豪旋風か?
また、紫色のエフェクトを纏っている事も滅殺豪螺旋っぽさに拍車をかけている。


MUGENではmario64氏のエックスと新MUGEN用のドラグーンがドットを書き足して旋風脚を使うアレンジが施されており、製作者の拘りが窺える。
なお、エックスはリュウの音源そのままだが、ドラグーンは誰の声なのか不明。


関連項目



最終更新:2024年03月11日 17:05