ダン


     

「ものの2分も持ちゃしねぇ

 たいした格闘家サマだぜ!」
  • 出身地: 香港
  • 誕生日: 5月6日(CVS) - 11月25日(IV以降)
  • 身長: 177cm
  • 体重: 74kg
  • スリーサイズ: B113 W83 H88
  • 血液型: O型
  • 好きなもの: 挑発
  • 嫌いなもの: ワカメ、小悪党、キザな男
  • 特技: かわら割り、カラオケ
  • 職業/所属: サイキョー流師範
  • ファイティングスタイル: 空手をベースとした格闘術(CVS) - サイキョー流(IV)
+ キャッチコピー
  • キャッチコピー:
    • オレのオヤジは強かった(ZERO3)
    • サイキョー流師範(MVC2)
    • 無頼独走(CVS2)
    • 爆走!最強ロード(IV)
    • サイキョーの漢(V)

+ 担当声優(Wikipediaより引用・改変)
石塚堅 岩永哲哉
ZERO』(AC版)
細井治
『ZERO』(SS版・PS版)、『ZERO2』『ZERO3』『スパズル』『ポケファイ』『MVS』『MVC2』、『CVS』シリーズ、『SVC
石川和之
OVA『ZERO -THE ANIMATION-』
楠田敏之
『IV』以降(日本語音声)
Ted Sroka
『IV』以降(英語音声)


+ ZERO バックストーリー
ZERO(ALL ABOUTストリートファイターZERO・ALL CHARACTERS PERFECT DATA)
父親を死に追いやったサガットに復讐するため、
日本へと渡り、リュウたちの師匠・ゴウケンのもとで修行に励むが、
全身から発する憎悪を悟られ、破門を言い渡される。
その後、サガットが東洋人に敗れたというウワサを聞き、
その引導を渡すべく、タイへと旅立つ。
今こそ復讐のときだ!!
ZERO(ALL ABOUTストリートファイターZERO・SPECIAL ROOM・Official Story)
ゴウケンの目の前に、その額を床に接するようにして、1人の若者が座っていた。
どこで聞きつけたのか、人里離れた山奥で己の技にさらに磨きをかけんとする
ゴウケンのもとに、教えを乞おうと若者はやってきたのだった。
一目みてゴウケンは見抜いた。
この若者の中に、類稀な闘いの才能が秘められていることを……。
「ダンとやら、お前はその拳に何を求める」
そのゴウケンの言葉に若者は静かに頭を上げ、凛としてこう答えた。
「ただ、強さのみ!」
ゴウケンがダンの才能に興味を持ち、弟子として迎え入れてから、
いくばくかの月日が流れていた。
ゴウケンの睨んだ通り、ダンは着実に才能を開花させていったのだったが、
なにかが、おかしかった。
繰り出される拳に常につきまとう、ひときわ燃え上がるような憎悪の念と、
何かに駆り立てられるかのような焦り……。
ゴウケンの目指す拳の心は、ダンの拳の先にはなかった。
「わしは誤ったのかもしれん……」
ゴウケンは何かを決意した目で、そう呟いた。

漆黒の闇の中、ロウソクの明かりだけがほのかに揺らめく道場に、
初めて出会った日のように、じっと対座する2人の姿があった。
「ダンよ、お前は何を背負っている」
その問いに顔を背けて沈黙するダンを見て、ゴウケンはゆっくりと立ち上がった。
「ならばお前の拳、封じるしかあるまい」
静かに歩み寄り、膝の上に置かれたダンの拳を目掛けて突きを放った。
身をこわばらせたダンがゆっくり目を開けると、その突きはダンの拳の直前で止まっていた。
いやしくも師として、教えを授けた弟子の拳を自らの手で砕くことなど、
ゴウケンにできようはずもなかった。
「ダンよ、わしの前から立ち去れ……そして、拳は捨てよ」
背を向けそう言い放つと、ゴウケンは涙を流すダンを残したまま、道場を出ていった。
その夜ダンはゴウケンのもとを去った。
憎しみにまみれていようと、拳を捨てるわけにはいかない……
そう、あの男への復讐を果たすまでは!
+ ZERO2 バックストーリー
ZERO2(ALL ABOUTストリートファイターZERO2)
必勝無頼拳

白熱灯に照らされ、浮かび上がる2人の男。
2メートルを超す大男が、苦しそうに荒い息をしている。
そこに飛びかかるもうひとりの男。
「あれは……オレの、オヤジ? そうだ、あれは……
ムエタイ・チャンピオンに挑むオヤジの姿だ。て、ことは……!? 
だめだ……やめろ、やめてくれ!!」
大男の眼が見開き、狂暴な赤い光を放った。
それは吹き出す鮮血だった……。
「やめろォォーーーー!!」
飛びかかった男は、その血を全身に浴び、逆に吹っ飛ばされた。
世界が、赤く染まってゆく……
「!!」ダンはベッドから飛び起きた。
全身が震え、不快な汗がシーツをぬらしていた。
「また、あの夢か……!」
格闘家だった父が、ムエタイ・チャンピオンのサガットとの試合の直後に
命を落としてから十数年、ダンはこの悪夢に悩まされつづけてきた。
復讐を果たすまではこの悪夢は去らない。
そう信じ、ダンは遮二無二、己の拳に殺意と憎悪を宿らせ、
悪鬼サガットを討つべく修行を重ねてきたのだ。
おもむろに立ち上がるダン。体中にみなぎる炎のごときパワー。
目前に揺れるサンド・バッグの前に立ち、ダンは力を解き放った。
「オラオラオラオラオラアアァァァーー!!」
すさまじい勢いで蹴りや突きが放たれ、一分のスキもなくサンド・バッグに吸い込まれてゆく。
もてるすべての技を瞬時にたたき込む……
ダンの怒りが臨界に達したとき、抑止不可能の超絶技「必勝無頼拳」が発動する。
「晃ゥ龍ゥ拳ンン!!」
あとかたもなく消し飛ぶサンド・バッグ。
いまやダンに、サガットを恐れる心はない。
恐れは怒りに、脅えは憎しみに変えてみせる
……己に課した誓いを確かめるかのように、ダンはひとり、拳を突き上げるのだった。
+ ZERO3 バックストーリー
ZERO3(ゲーム内)
見事、父のかたきを討ち取った
ダン‥‥

報復の執念で身に付けた我流の拳は
「サイキョー流」として大成する

だが、再び拳はうなる‥‥
帝王は何処かと‥‥
ZERO3(ALL ABOUTストリートファイターZERO3)
日の出公園【JAPAN】

世田谷区・日の出公園。
ダンのテントにさくらが訪ねてくる。
ダン「おう、さくらじゃねぇか。ひさしぶりだな」
さくら「相変わらずですねー。ちゃんとご飯食べてます?」
ダン「なんだおまえ、おふくろみたいな物言いだな」
さくら「そんなことより、じつはすごいニュースがあるんです」
ダン「あん?」
さくら「今度、ケンさんが誕生パーティーをやるんですよ」
ダン「俺ァあのキザ野郎を祝う気はねぇぞ」
さくら「そうじゃなくって。その会場で、ちょっとした格闘大会をやるらしいんです。なんか賞金も出るとか」
ダン「おまえ、金がほしいのかよ」
さくら「そりゃあほしいけど……それより、全米選手権の優勝者のケンさんのパーティーですよ?
    すごい格闘家とか集まりそうじゃないですか。それに、もしかしたらあの人もくるかも」
ダン「それが目的かよ。で、なんで俺ンところへきたんだ?」
さくら「ダンさんて、見かけによらず外国語得意でしょ?英語とかタイ語とか……」
ダン「見かけは余計だ。まあな、言っちゃあなんだが日本語、英語、タイ語に広東語。
   フランス語とロシア語も少々できるかな」
さくら「スッゴイ! やっぱ頼りになるなー。で、その才能を見こんで、いっしょに大会に出てほしいんですよ。
    いろんな人と知り合いになって、世界中の格闘家と会うチャンスを作りたいんです」
ダン「おまえも物好きっつーか、学生のくせに勉強以外にゃ熱心だな。
   ……ま、条件つきなら引き受けてやらんでもねえ」
さくら「条件って?」
ダン「知ってのとおり今オレは、サイキョー流の門下生を探している。おまえも入るべきなんだがな……」
さくら「それはその……エヘヘ、学生のうちは学校へいかないと……ネ?」
ダン「よく言うぜ。このサボリ魔が……で、だ。おまえが新しい対戦相手と知り合いになったら、
   そのままサイキョー流に入門させろ。それが条件だ」
さくら「エエ~ッ!? そんなの本人が入りたいって言うかどうか……絶対言わないと思うけど……」
ダン「入らせるんだよ! おまえが入らないんならそれぐらいしろ」
さくら「う~ん……なるべく努力する、ってことで……」
ダン「よぉし! 約束は守れよ! なぁに心配するな、この俺サマの技をひと目見たら、
   入門せずにはいられねぇ! 大船に乗った気でいろよ!」
さくら「(何だかなァ……)じゃ、出発の日にきますから、また!」
走り去るさくら。
ダン「フフフ……軌道に乗ってきたな! 見てろよオヤジ、世界がサイキョー流に染まる日も近いぜぇ!!」


ストリートファイター』シリーズのキャラクター。初出は『ストリートファイターZERO』。本名は火引 弾(ひびき だん)。
ダルシムブランカとはまた別の方向性の色物として有名なキャラクター。
ちなみに登場初期の『ZERO』『ZERO2』でのダンのバックストーリー(上記)は非常にシリアスなものであり、
ゲーム中での色物っぷりとは大きくギャップのある内容になっていた。

CPS-1での稼働を前提に開発された初代『ZERO』では、余った容量を利用してリュウケンドット絵を組み合わせて製作された。
ボイスもリュウやガイからの使い回し・加工だったが、家庭用移植(PS・SS)版で専用のボイス・声優を得た
(ただし、『ファイターズ ジェネレーション』版の『ZERO』はAC版移植のため、ボイスは使い回し・加工のまま)。
更に『ZERO2』で顔や髪型が修正され、専用のドット絵も大量に描き下ろされた。
『ZERO3』ではケン・豪鬼と同様にニュートラルポーズも専用のものになっている。
『CVS』シリーズではこれまでのグラフィックをベースに大幅に手直しされたものに変更され、リュウ達とは完全に差別化された。


キャラクター設定

父・火引強サガットに殺害され、復讐に燃えて剛拳リュウケンの師匠)に弟子入りするも憎しみを看破され破門。
この時、本来ならば一旦授けてしまった技を封じるために剛拳はダンの拳を破壊せねばならなかったが、弟子可愛さ故にそれができなかった。
その後、剛拳のもとで身に付けた基本を独自に発展させ「サイキョー流」という流派を生み出し、
その技でサガットを倒した*1後は、自分のサイキョー流を世界に広めるため、日々精進している。
ストリートファイターIV』以降のダンの胴着の左胸には、特殊な字体だが「最強流」と読める文字があるので漢字で書く場合には「最強流」で良いらしい。

ブランカとはジャングルで助けられてからの親友で、本名(ジミー)で呼ぶ仲。駆け出しの春日野さくらに技の基本を教えた事もある。
あと、『CVS』で何故かジョー東とタッグを組んだ事がある。

名前こそ日本式ではあるものの、彼は日本生まれではなく香港生まれの日系人であり、
『IV』における代表国も上記のプロフィールの通りである。『CVS』のエンディングでは日本国旗が表示されていたけれど
修行のために世界各地を旅した事から英語・タイ語・広東語を完璧に、フランス語・ロシア語も少々ながら使いこなせる
(元は漫画『さくらがんばる!』で加えられた設定だが、後に『ZERO3』でもそれを窺わせる描写が為されている)。

二流格闘家という設定だが一般人よりは強く、通信空手*2もやっているようだ。
性格はお調子者で、常に自分を大きく見せたがる。
しかし敵味方全員にその無能さを見抜かれており、本人は自慢のつもりが実際にはへっぽこの馬脚を現す事も日常茶飯事。
サイキョー流についても、ガイルからは「(ダンの)素質を無駄にするスタイル」と酷評されてしまっている。
逆に言えば素質だけは認められているらしく(現に剛拳も素質を見込んで一度弟子にしている)、
そのためか打たれ強さだけは超一流で、一方的にボコボコにされながらもケンを辟易させるほどである。

一方で面倒見は良く、一人の人間としては普通にいい奴だったりもする。
『ZERO3』の自身のストーリーは復讐を終えた後という設定なのだが、サガットに再会した際に、
「あんまりにも弱っちいからサイキョー流で1から鍛えなおしてやる」とのたまい、激昂させている。
とはいえ実父を殺害した相手に対し、仇討ち後必要以上に負の感情を引き摺らず、寧ろ自流派に勧誘さえしてしまう姿には器の大きさすら感じられる
……尤も、サガットのストーリーではまだ復讐を遂げておらず、一蹴されているのだが。
勝利台詞等も『ZERO』時代はオラついていたが、『CVS』で若干緩和、『IV』では後述の通り常識人寄りと化していった。
他キャラからの扱いも『ZERO』時代はあまり良くなく、『CVS』では妙に厳しい扱いが多かったが、『IV』以降はあまり邪険にされない事が増えた。

基本的に作中での彼はリュウ・ケンベースだが、意図的に弱く設計されている。
飛ばない飛び道具我道拳」や、無敵のない対空技「晃龍拳」、判定発生共に強いとは言い難い通常技の数々。
あらゆる技に欠点が付き纏い、数少ない優秀な技はゲージ消費技のみという悲惨なラインナップ。
ただし「断空脚」だけはそこそこ便利な性能である事が多く、
特に「空中断空脚」は搭載されていればたいてい優秀……だが搭載されているのは『ZERO3』以降など一部作品に限られる。
父親の技であり、サガットも後に参考にしたという設定のためだろうか。

『ZERO2』以降のコンセプトは「マニアックな人が苦労して勝つキャラ」
しかし「カプコン製のダンは軒並み弱いが、SNK製になると多少強くなる」とも言われる。

本当にぶっちぎりで弱く、どうしようもなかった作品としては『ポケットファイター』がある。
同作では「ジェムシステム」という、
ジェムを集めるとそれぞれの色に対応した技(赤:飛び道具、黄色:対空技、青:突進技)が強化されるシステムがあるのだが、
敵を攻撃した時に出るジェムが他のキャラクターは3色出るのに対し、ダンの攻撃で出るのは「我道拳」の赤のみ
これは前身になったパズルゲーム『スーパーパズルファイターIIX』の攻撃パターンの名残で、
『ポケファイ』での弱さもこれを引き継いでいるからなのかもしれない。
ただし、青色対応の「断空脚」はレベルが上がると「晃龍拳」で締めるようになるため隙が膨大になり、
黄色対応の「晃龍拳」もレベルが上がった所で無敵が頼りないので、
むしろ赤色のみ集まるのは唯一無難に使える「我道拳」の強化が早まるため、逆に都合が良い。
ちなみにこの2作品のダンはドットが独特であり、ニュートラルポーズが爽やかな笑顔なので楽しそうである。
+ さて、その『スパズルIIX』では…

以下に示すのは『ポケファイ』より更に絶望的な『スーパーパズルファイターIIX』でのダンのダイヤグラムである(攻略本より)。
ドノヴァン ケン レイレイ 豪鬼 デビロット モリガン リュウ さくら フェリシア 春麗 合計
ダン 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 3(-47)
赤一色だけという最悪の攻撃パターンから容易に察しが付くだろうが、こんな有様である。こいつあいつそいつらもびっくりである。
2番目に弱いとされる春麗の合計でも38(-12)あるというのに。攻略本でも「接待専用キャラ」と言われている。
格ゲーではないにしろ、こんな低いダイヤを付けられるのはそうそうない。
こうなってしまった原因として、このゲームは同色のジェムを集めて巨大化させると攻撃力が上がると言うシステムであり、
赤一色を送り込むと言う事は、ノーマルジェムに戻った際に全てがくっついて超巨大化して手痛い反撃を貰ってしまうと言う事である。
つまり同キャラ対戦以外は、一撃で倒せるだけの大連鎖を組まない限り勝ち目が無いのだ…。
勿論その間も相手は牽制し放題、それに切れて半端な反撃すると死亡フラグである…
(コナミの落ち物パズル『対戦ぱずるだま』と『対戦とっかえだま』にも似たようなダイヤが存在するとか。
 ただしこちらは一色キャラが2名居る(上から降らす小学生と下からせり上がるお手伝いロボ)ため、
 実は「一人だけぶっちぎりで弱い」と言う事はなかったりする(一応ロボの方が弱い))。

リョウ・サカザキロバート・ガルシアを足して2で割ったような外見や、
勝ちポーズユリ・サカザキの「余裕ッチ」と似たような「余裕ッス」をする事からも分かるように、
龍虎の拳』のパロディキャラでもある。
元ネタのリョウにも言える事だが、この時代は色々許される時代だったのである。
その事もあって、ダン自体が「元々SNKへの当て付けとして生まれたキャラ」とも言われる。
ただしカプコン・SNK共に、ダン誕生の経緯について公式に発言した事は一度だけで、
その内容は「他社のゲームに、苦労して作った(キャラクターのアニメーション)パターンをそっくり真似られた」事が原因で、
これに立腹した開発者の一人が「『真似をするな』との意味を込めて、おちょくりキャラとして作らせてください」と、
船水(『ストリートファイター』シリーズのプロデューサー)に進言した、というもの*3
この発言自体も船水氏の発言と矛盾する点もあり、「他社」がどこの会社を指すのかも明確ではない。

「『KOF'94』のルガール・バーンシュタイン登場シーン(詳しくはルガールの項にて)にカプコン側の社員が怒った」とか、
「『龍虎の拳』の登場キャラクターが『ストリートファイター』シリーズに似ていたからパロディキャラとして作った」という認識をされている事が多いが、
これらの多くはファンの勝手な推測に過ぎず、いわば都市伝説に過ぎない
(前者に関しては『KOF'94』の稼働は1994年、『ZERO』の稼働は1995年だが、
 開発期間を考えると少々無理があるので『龍虎の拳』への抗議と取る方が妥当)。
「いかにもそれっぽい」のは確かだが、「それっぽい」以上の信憑性は全く持たない

当時のカプコンはデータイーストの『ファイターズヒストリー』に対して「『ストII』のパクリである」と裁判を起こすなど、
他の会社を牽制して険悪な関係になっており(その牽制に対してSNKが『ストリートファイターIII』の商標を取得して牽制し返している)、
その様なゴタゴタがある時期に露骨なSNK作品のパロディを盛り込んで生まれたキャラである事だけは事実であるが、真相は闇の中。
『CAPCOM VS. SNK 2』のムックのインタビュー記事では、両者のデザイン室はかねてから交流があり仲が良かったというような発言もある
(CAPCOMもSNKも在阪企業であったため地理的にも近い)ので、身内ノリ的な側面もあったのかもしれない。

さてダンの使用する技であるが、気力ゲージが無いときに撃った「虎煌拳」っぽい「我道拳」や「昇龍拳」の自社パロ「晃龍拳」、
「飛燕疾風脚」もどきの「断空脚」から始まり、「龍虎乱舞」もどきの「必勝無頼拳」や
覇王翔吼拳」もどきの「震空我道拳」(やっぱり飛ばない)など、素晴らしいまでのパロディ具合である。
しかし『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』では、
カプコン側への皮肉なのか、元ネタが自社作品の龍虎だからなのか、どのモードでもゲージの有無を問わず強力な連続技が使える。
そういう意味では下手すれば同作品内において本来のシリーズでは中上位常連であるガイルや春麗よりも優遇されているとも取れる性能である
(ただし攻撃気絶値は相変わらず低く、まず相手を気絶へ追い込む事ができない)。
ちなみに、この作品では「震空我道拳」のレベル2仕様のモーションがもろに「覇王翔吼拳」そのもの(やはり飛ばない)になっており、
それが後に『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』で技名を捻って合体させて正式に「我道翔吼拳」として実装され、
更に技名の前後が入れ替わって強化された『スパIV』のパロディウルコン「覇王我道拳」の習得へと繋がっていく事になる。
ちなみに、もっと古くからゲーメストの読者投稿ページに「羅王咆哮拳」というネタがあり、ダン版覇王翔吼拳の登場はファンも期待していたと言える。
+ ゲーメスト版

MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』では、色紙にサインを書いて投げ付ける「プレミアムサイン」が追加。
「我道拳」よりはリーチは長めだが非常に発生が遅いため、当たる事は殆ど無いだろう。
自爆技の「漢道」が初登場したのも『MVS』。まるで「瞬獄殺」のように近寄り、相手を掴むと「やったぜ……!オヤジィー!」の叫びと同時に爆発。
「発生4F、投げ判定でガード不能、瞬獄殺より広い間合い、ダメージも特大」と、これだけ見たら優秀な技に思える。
だが『SVC』以外ではダンの体力も残り1ドットまで減ってしまうという、致命的な欠点がある。
また、初登場の『MVS』では他のハイパーコンボの半分程度の威力しかなく、相手に投げ抜けされるという、
ロマン技を通り越して死に技だった。なお投げ抜けされるとダンだけ吹っ飛ぶという事は無く、ダンの体力も減らないので、
「パーフェクト勝ち寸前から漢道を決めてダンの体力が豪快に減るところを見たい」という遊び方の時にはむしろ残念な仕様だった。
しかも『MVS』で「波動拳」は巨大化したが、「我道拳」は逆に小さくなってしまった。まるで豆粒のような「震空我道拳」は必見。
ちなみにその「震空我道拳」の威力は見かけによらず「晃龍烈火」や「必勝無頼拳」より高いなんなんだアンタ

そんなわけでダンのオマージュっぷりは、カプコンどころかSNKによっても強化されているフシがある。
前述の通り「覇王翔吼拳」もどきこと「我道翔吼拳」をダンに習得させたのは他ならぬSNK。
更に「天地覇煌拳」のパロディ技「究極天地我道突き」まで搭載する始末。
また、『SVC』でのテリー・ボガードとの掛け合いで、開口一番「よお、ロバート!」、
藤堂香澄にも「あ!ロバート・ガルシア!」と言われている辺り、造形の意識に関しても理解はしている部分はあるのだろう。
つまりSNKキャラをカプコンがオマージュしたキャラに、SNKがセルフパロディを盛り込んだという事で。
共同開発してるこの時代になると寧ろ喜んでやってる様にも思える。
……いやまさかそんな。えっ、和月?聞こえんなぁ
余談だが「龍虎乱舞」もどきこと「必勝無頼拳」は、カプコンが過去に製作した『必殺 無頼拳』が元ネタ。
なぜそんなマイナーなゲームを引っ張ってきたかというと、『必殺 無頼拳』を企画したプロデューサーがSNKに移籍して『龍虎の拳』を作ったからである。

更に面白い事には、そのSNK(プレイモア)担当の『最強ファイターズ』や『SVC CHAOS』では自虐的とも取れるようなセルフパロを交えつつも、
前述の通りその実さりげに性能の重要な部分を釣り上げて強さを垣間見せている所である
(前者の場合は強断空脚を絡めた全モード共通の強力な連続技、
 後者においては「漢道」が自爆技ではなくなりノーリスクになった事(一回きりというシステムの都合もあるが)や、
 性能の高めな弱「断空脚」のゲージ回収率の高さと、それに関連したゲージ使用技の攻撃力の強化)。

上述のように生まれた背景に黒いものを感じるキャラであるが、
その後のキャラ付けで他のキャラから頭一つ抜けた「挑発」という名の個性を与えられたり、
和解後はクロスオーバー作品でSNKに結構気に入られてセルフパロされたりと、現在ではどちらかと言うと両社を結び付けるキャラになりつつある。

そのためか、『CVS2』のリョウ・サカザキのエンディングでは、
極限流に入門するというネタがあったりする(本人曰く「敵を崩すにはまず内部から」との事だが)。
また、『餓狼MOW』の頃の極限流空手のイメージイラストに、居並ぶ弟子たちの中にダンと藤堂らしき人物の姿が見える。本当に入門してしまったのか。
その頃までにサイキョー流道場の経営が破綻したとか

「思い知ったか!極限流に敵なし!!」
「甘い!サイキョー流にゃ味方も居ねぇ!!」

電波新聞社刊『ALL ABOUTストリートファイターZERO』でも伏せ字で上記の件に触れられている他、
顔つきや体型、オールバックの髪型から同じカプコンの『ヴァンパイア』シリーズのドノヴァン・バインの子孫ではないかという、
衝撃の説も当時唱えられていたらしい。聖戦士ダン・バイン……いやなんでもない

+ ダンの誕生から紐解く格闘ゲーム創世紀
……実は、『餓狼伝説』や『龍虎の拳』は、『ストリートファイター』の生みの親である西山隆志、松本裕司両氏がSNKに移籍して開発したもの。
つまり、制作会社は違えどこれらのタイトルは兄弟作品であり、リュウ・ケンとリョウ・ロバートの技やデザインが酷似しているのも当然というわけである。
ある意味では格ゲー2大ブランドとしてのカプコン・SNK、更に言えば2D格ゲーの源流は西山・松本両氏が創り出したとも言える。‥‥すごい漢達だ。
更に更に、旧SNK倒産の際に西山氏を含む当時のスタッフが独立して立ち上げた会社の一つが、『IV』の開発会社であるディンプス。
氏は2012年時点でディンプス社の代表取締役であり……。
『IV』のダンが、過去作以上にパロディ色が強くなったのはそのせいだろうか。

キャラクター作りは、の2000倍ぐらい楽でしたね。(中略)イメージの変えようがないんです。
ごもっともである。

つまり、先述の禍根による誕生秘話が真実であるとすれば、
それはまるで生き別れの兄弟がお互いの素性を知らずに争っていたようなものと言えるだろう
歴史の皮肉とロマンを感じさせるエピソードであると思わざるを得ない

「行くぞオラァ!
                                 うっしゃあ!
    オラオラぁ!
                                 ナメんじゃねーぞ!
    こっちこっちぃ!
                                 うーらうーらァ!
    ヒャッホーイ!
                                     ちょー余裕っち!」
そして、ダンと言えば「挑発」である。『ZERO』シリーズでは挑発に回数制限があるが、ダンだけ無制限で使いたい放題。
立ち屈みジャンプに前転後転と何種類もの挑発技を持ち、なんとゲージ使用技まである
(例・『ZERO2』などの「挑発伝説」:前転挑発×5→ジャンプ挑発→ポージング)。
その間ずっと挑発を続けるため、対戦相手の理解と協力無くして最後までやり終える事はまず不可能。
挑発を超必殺技にまで昇華しているのは、恐らくダンくらいだろう。
『ZERO3』では全ての攻撃ボタンが挑発に変化するというとんでもない超必殺技「挑発神話」を身に付けた。
言うならば挑発のオリジナルコンボ。しかもZ-ISM3ゲージ専用。もはや正気の沙汰ではない、格闘ゲーム史上類を見ないロマン技である。
一部は腕の部分に攻撃判定があったりするが、基本的には攻撃力ゼロ。おまけに相手のゲージを減らすなんて気の利いた効果も全く無し。
ムック本には「相手をおちょくる時、あるいは我が道を行く時に使う」「半ば試合放棄行為」とまで書かれてしまっていた。
ちなみに「伝説」も「神話」も最後の「余裕ッス!」の瞬間に攻撃を受けるとカウンター扱いになる。

どちらかと言えば、ダンを使用する場合「勝敗よりも、いかにして挑発して魅せプレイで勝った気になるか」が重要とされる。
なんせ、挑発は相手の隙を突いてする事なのだから。
+ 事実
家庭用『ZERO2』が発売された折、ファミ通連動で実施されたオリコン募集企画において、
見事大賞を掻っ攫ったのがオリコン中にひたすら挑発しまくる「超ヒャッホー!」(投稿者命名)なるオリコンだったりする。
なお、これが「挑発神話」に繋がったのかどうかは定かではない。

彼の亡き父・火引強は素顔でも天狗のような鼻をしているという設定が初期に存在し、
その所為か『SVC CHAOS』の対戦前会話デモで、Mr.カラテを父の偽者呼ばわりしている。
父は『ポケットファイター』でゲームに初登場し実際にダンを援護してくれるのだが、
鼻からビームを放ったり「瞬獄殺」に似た「殉哭殺」なる技を使う等、(同作はギャグ寄りではあるが)サガットの片目を奪ったのにも頷ける強さである。
ただし、流石に無理があるためか後年では素顔が少し鼻が高い程度のナイスミドルに設定変更された。詳細は強の項目を参照。

また、ダンには彼に髪型がそっくりな妹*4がおり、『龍虎の拳』のEDをパロった『MVS』でのED、
若しくは『SVC』でデミトリ・マキシモフミッドナイトブリスをかけられる事で見る事ができる。
しかも彼女はその後……(後述)。

『STREET FIGHTER X 鉄拳』にはチュートリアル及びチャレンジモードにのみ登場。
余談だが、PVでは一八に登場と同時にボコられている。
その後、DLCのさくら&ブランカのストーリーにも登場。
本作のストーリーの根幹となる謎の箱「パンドラ」の危険性を察知して南極に向かうも行方不明になってしまい、
さくらとブランカは彼を追って南極に向かうというストーリーになっている。
エンディングでは何故かパンドラの中に閉じ込められていた事が判明し、無事救助されている。

+ めでたく『IV』シリーズにも参戦。頭髪が後退していて、本人は相当気にしているらしい。
『IV』では「晃龍拳」の外見が大きく変化している…というより「ユリちょうアッパー」っぽくなっている。
他にも「必勝無頼拳」のフィニッシュはちゃんとした(?)「虎砲の型」だったりその時は龍虎音(コォォォォンのアレ)っぽいのがしたり、
EX「断空脚」の最初の一撃が完全に「飛燕疾風脚」のパクリになっていたり、剛拳の片手撃ちだと注目された「我道拳」も
どちらかと言えば別のオヤジの片手撃ちだったり、ニュートラルポーズで「覇王翔吼拳」を出したがっていたり、
ニュートラル投げのモーションがまんま「天地覇煌拳」だったり(技名も「我道突き」でSVCとほぼ同じ)、
ダッサいポーズを取りながら「これがサイキョー流だ!」と言う勝利ポーズがあったり、
ウルトラコンボの「疾走無頼拳」がそれまでは晃龍烈火で叫んでいた「サイキョー流奥義!」というボイスと共に、
腕を交差させた後にダッシュ→ロック式乱舞技(とどめは当然「晃龍拳」。ちなみに失敗するとこけ)…などなど、自重するどころか極限を極めている。
更に『スパIV』にて、上記の「我道翔吼拳」をそのまま進化させたかのような新たなウルコン、
その名も「覇王我道拳」を会得した(こっちはこっちで、撃った反動で自分が吹っ飛んでしまうのだが)。
次回作では「暫烈拳」でも引っさげてくるのだろうか…と思っていたら『ウルIV』のオメガエディションで遂に「弾烈拳」が実装されてしまった。

設定的にもサイキョー流道場を開いたはいいが、門下生が集まらないため、
電話代もろくに払えない極貧生活をしている様子が描かれるなど、ますます極限流に近付いている。
最近は、自分で立ち上げた「SAIKYO」というサイキョー流スポーツ格闘ブランド製の道着やプロテクトスーツを着ながら闘っているとか。
ただ実はこれが製造販売などで意外と営業効果を生んでいるらしく、格闘家よりも実業家としての方が収入がいいらしい。
深夜帯とは言えテレビCMを出せる程度には収益があるようで、そっちに専念した方がいい暮らしできそうなもんだが……。

ケンには勝ち組である事にイチャモンを付け、ダルシムが妻子持ちである事を羨ましがり、まことには道場修繕のアドバイス。
ブランカに門下生が増えない事を愚痴りながらも、さくらの友人であるキャミィには安値で弟子入りさせようとしたり、
バルログには髪の多い奴は嫌いだと言ったり、エドモンド本田には絶対に相撲にない技があったなどとツッコミを入れるという感じに、
他の連中と比べてもやたら人間臭い。
『スパIV』で復活した剛拳に「あんた死んだって聞いたぜ? どうなってんだ?まさか霊っぽい何かか?」と驚く姿も見られる。
またいぶきに対して「つうかお前、その袴!横もうちょっと締めとけ!な?」等と、
全てのキャラの中で唯一下心無し+常識的なツッコミをしているあたり、割と良識人の様である。
サンダー・ホークの住む所が無い辛さに共感したり、コーディーの囚人という立場に同情するなど、人の好さも垣間見られる。

多彩な挑発ももちろん健在。特に『IV』では挑発を複数ある中から選択できるようになったため、
挑発のバリエーションが大幅に増えている。ここでも誰かさんを思わせる動きは忘れない。
前転挑発・後転挑発は残念ながら削除。しかし代わりにステップ時の動きがかなり挑発的になっているのでさほど支障は無い。
そして「挑発伝説」の性能が何故か格段に向上。なんと前転挑発をウルコンでキャンセル可能となっている。
これにより「余裕ッス」まで出させてくれない不届き者を、華麗なクロスカウンターで迎撃する事が可能となった
スパコンからウルコンへのキャンセルはダンの特権である
つまり「挑発伝説」を挟む事でウルコンまでコンボを繋ぐ「伝説キャンセル」というロマン溢れるテクニックも同時に爆誕。
これらの要因から、「ガチでの使用に耐え得る『IV』最強の挑発」というまさかの進化を遂げてしまった。

更に『スパIV』で空中挑発としゃがみ挑発に攻撃判定が復活、対空で上手に当てれば反撃もされ辛く、ガチで挑発したい時にも安心だ!
公式ブログによると「史上最強のダンを目指した」らしく、所々光るものを持った曲者キャラとなっている。
総じて、『ZERO』シリーズよりは遥かにまともな性能と言える。
…が、確かにダンも強化されたが他のキャラがそれ以上に強くなっているため、結局の所キャラランクではぶっちぎりの最下位である

+ オメガエディションでは
家庭用『ウルトラストリートファイターIV』で実装されたオメガエディションでは、
  • 各種通常技の性能が大幅に強化され、全体的に発生が早く硬直が短くなった
  • 中・強断空脚が『ZERO』時代の物になり、小技がら繋がるレベルで発生が早くなった
  • アドバンシングガード系の防御技(ただし自分が下がる)「サイキョー流防御」 追加
  • 前ステップを通常・特殊・必殺技でキャンセル可能に
  • 上記の強化により前ステップから出せる強力なコマ投げ「サイキョー転塵砕」追加
  • コンボパーツとして優秀な「弾烈拳」の追加
  • しゃがみ・空中挑発の攻撃判定が空中の敵にヒットさせると追撃可能になり、対空として実用的に

など、見違えるほどの強化を受けている。特にコンボ火力面での強化は目覚ましい。
オメガエディションは全体的にアッパー調整気味なのでどれほど戦えるかは未知数だが、少なくとも一弱キャラは脱していると言えるだろう。
……ただ、オメガエディション自体ランダムマッチで使えなかったり大会で使用されなかったりと遊ぶ機会が多くないのが残念である

今日から始めるサイキョー流入門。これで君もサイキョーだ!!
初版
第二版
最終版
※このダンは特殊な訓練を受けています。真似しないで下さい

+ 『V』では……
発売直後は当然の如く参戦を逃したどころか後述の通りに妹の方ばかりがクローズアップされるという哀しみを背負っていたが、
遂に最終シーズンVのアップデートにて参戦。しかも追加キャラのトップバッターという大役を果たす。
発売前から「今回のダンは使える」という公式アナウンスがあり、体力の低さや通常技の物足りなさはあるものの、
Vゲージが1マス(作中最短)のVトリガーという唯一無二の個性や、挑発で両者のVゲージを増加させる使い勝手がトップクラスに良いVスキルなど、
Vゲージ周りのシステムで個性を持たせた調整がなされている。

実装当初はこのVスキルで通常技の隙消しができる事を利用したループコンボがあったが、
ループパーツの我道拳がランダムで強化版(ダウン効果あり)になるという調整で解消されている。
現在は通常技→挑発(Vスキル)→出掛かりを通常技や必殺技でキャンセルして繋ぐという強烈な連係を組むラッシュが魅力のキャラと見なされている。
ただ、この連係はミスると多大な隙(当ててもマイナスフレーム)を晒す事になるため相当な練度が求められる。
最終シーズンを経ても、キャラランクとしてはやはりと言うか下位層ではあるが、
やり込めば十分に戦えるキャラに仕上がっており、「良質な(?)弱キャラ」という立ち位置。
プレイヤー間では「一歩足りない性能なのは間違いないが、挑発連係にはしっかりキャラ対策して臨まないとダメ」、
「対戦相手としての嫌らしさ・めんどくささは中堅以上」とも言われており、曲者キャラとして面目躍如と言った所か。

+ 『さくらがんばる!』での活躍
コアなカプコンファンにとってはお馴染みの、中平氏の漫画『さくらがんばる!』でも登場。
実力に見合わないビッグマウスはそのままだが、さくらに格闘家の先輩としての心構えを伝え、
精神面においては間違い無く「師匠」と呼んでも差し支えないほどの好影響をさくらに与えている。
サガットへの復讐心ゆえ剛拳に破門された事が惜しまれると思えるほどの「漢」。
ちなみに実力はさておき、戦闘スタイルから観客からの人気は高い描写もある。
また、体が頑丈らしくケンに負けたあとでも塀の上からケンの戦いを観戦し、戦い方に文句を付けたりしていた。

後に、さくらに敗れた神月かりんもダンに弟子入り?している。……が、
ダンが屋外のテントにカップラーメンで貧相な生活をしているのに対し、かりんは優雅に別荘を建ててティータイムという有様であった。
一応その後は神月邸の出入りもフリーになり接待なども受けているようだが、派閥争いに巻き込まれていきなり爆破されたりなど苦労が耐えない模様。


原作での性能面(ZERO3)

  • X-ISM
X-ISMのダンは、弱い
ダンの生命線たる「空中断空脚」なし、スーパーコンボは性能の悪い「必勝無頼拳」。
どうやって戦えというのか。しかし、X-ISMのダンには他にない武器、挑発がある。
なんと攻撃判定付きで、その判定がやたらと強い。対空として見れば『ZERO3』最強クラス。
そしてガード不能!ダメージは1ドットだがな!ここまで言えば、X-ISMが「いかにネタか」お分かり頂けるだろう。
とりあえず魅せろ!それしかやる事ないから!

  • Z-ISM
とにかく「空中断空脚」である。前述したが、ダンはこれだけは強いのだ。
とりあえず飛び込んでみたり、対空をスカしたりしつつ、ヒットさせたら屈中P>弱晃龍拳
空中カウンターから着地キャンセルして、連続技にも繋げていける。後ろに飛びながら強Kで出して、ゲージを貯めつつ逃げなんて事も可能。
更に↓↙←↗+Kで出す「低空断空(リープ断空)」が強力で、隙がほぼ無く、ガードさせても(キャラにもよるが)5分以上ダン有利。
投げ&スパコンの2択を迫れたり、中「断空脚」なら中距離から一気に懐まで飛び込めたりもする。
弱「断空脚」なら固めにも組み込める上に隙も小さいので、弱で出すのが基本。
更に「晃龍烈火」が強く(発生後まで無敵あり)、LV1は対空として優秀。LV2、LV3は連続技に組み込む事も可能。
ゲージを貯めて目に物見せよう。こうして見るとダンが強く見えるが、逆に言えば強いのはここぐらいだ!

  • V-ISM
Z-ISMのダンの強みがほぼそのまま残り、オリコンとサイキョー流防御という+αが加わる。
サイキョー流防御は要するに「アドバンシングガード」である。うまくやれば、ダンが攻めのターンを握れる強力な技(というか、守り)。
そして『ZERO3』はオリコンゲーと揶揄されるほど全キャラのオリコンが強力であるため、ダンのオリコンもかなり強い。
対空で出すもよし、サイキョー流防御で画面端まで押し込んでから出すもよし。
攻めに「空中断空脚」やオリコン、ゲージがあるなら対空に「晃龍烈火」やオリコン。ただし、ゲージがないと死にかけだ!

  ……ちょ、誰だ弱いとか言った奴!
  連続技も弱いし、気絶値低いし、攻防面どちらも光るもののない最弱だけど、
  「サイキョー」だからいいんだよ!!


MUGENにおけるダン

出演作品の多さもあり、リュウや豪鬼ほどではないにせよ複数製作されている。
搭載されている(または新たに製作された)AIの多くが暇さえ有れば挑発しまくるのも特徴。

+ PotS氏(Phantom.of.the.Server氏)製作 CVS仕様+アレンジ
  • PotS氏(Phantom.of.the.Server氏)製作 CVS仕様+アレンジ
ニコニコ動画で最も見かけるダンはこれだろうか。
ドットこそ『CVS』だが、上述の「プレミアムサイン」や「我道翔吼拳」「究極天地我道突き」などが搭載されたハイブリッド仕様となっている。
「漢道」や「挑発伝説」の演出がかなり強化されており、見る者を退屈させない。
「漢道」でフィニッシュした際は、倒れながらも親指を立て「余裕ッス」とアピール。これぞまさしく「漢の道」である。
「挑発伝説」による挑発動作にも非常に多くのパターンがあり、邪魔されずに全ての挑発を完了すれば何処からともなく大歓声が鳴り響く。
逆に途中で邪魔されると、ブーイングが起こるという凝り様。
現在はMUGEN1.0以降専用とWinMUGEN対応の2バージョンが公開中。

結構な強さを持つAIがデフォルトで搭載されている他、オトコマエAIことmisobon_ism氏の外部AIも公開された。
さらなる活躍が期待できそうである。

2022年に氏の他のキャラと共におおよそ12年ぶりとなる更新版が公開。
  • 「我道拳」の射程距離が減少し、「震空我道拳」は3ヒットに
  • 2種類あったEX版「断空脚」のうち、単発ヒット版が1ゲージ超必に格上げ
  • 「我道翔吼拳」が2ゲージ超必に格上げ、それに伴いLv2「震空我道拳」は削除
  • 「究極天地我道突き」ヒット時に腕を痛める演出が、相手がガードポーズを取っていた時のみに
  • 「漢道」の反動ダメージが軽減され、相手に与えるダメージと同じに
  • 歓声やブーイングが「挑発神話」限定に
  • 「挑発神話」に相手のゲージを大幅に増やす効果が付いた
  • AI起動中の挑発頻度が激減
など、多岐にわたる調整がされている。
最後は他のキャラに合わせたといえばそれまでだが、かえって「らしさ」が損なわれているような…。

また、このダンの改変キャラとしてデフォルトの胴着の色が緑でMr.カラテのように天狗の面を着けた謎の男「Mr.サイキョー」が存在している。
AIもデフォルトで搭載しており、動画に出演する度正体を気にするコメントがよく流れる。
Mr.サイキョー…一体何者なんだ?
挑発で面を外し素顔を曝しているようにも見えるが多分気のせいであり、その正体は謎に包まれている。まぁぶっちゃけオヤジなんだけど

+ 悪咲3号氏製作 CVS仕様
  • 悪咲3号氏製作 CVS仕様
もはや説明不要のクオリティ。
『SVC』の「究極天地我道突き」や「覇王翔吼拳」もどきの「羅王咆哮拳」が搭載されている。
氏の引退により長らく入手不可であったが、2022年4月の活動再開に伴い再公開された。

AIもデフォルトで搭載されている…が、狙って作ったのか単にテキトーに作ったのかは不明だが、
どう考えても当たらない位置で必殺技(特に「晃龍拳」)を連発したりと、優秀なAIが搭載されている氏のキャラの中では一際弱い
しかし、ゲージ溜め等細かい部分はかなりしっかり作ってあるため、狙って作ったのは確定的に明らか
一方で大艦氏により悪咲氏のデフォAIを元に改良を加えたAIパッチがJ・J氏のサイトで代理公開されていたが、最新版非対応かつ現在は非表示。
プレイヤー操作

+ あだむすきー氏製作 ZERO3仕様
  • あだむすきー氏製作 ZERO3仕様
ほぼ完全再現。
2016年のフリーティケットシアター終了及びサイト閉鎖により長らく入手不可であったが、2021年11月21日に再公開された。
プレイヤー操作

+ Fido氏製作 ダンMX
  • Fido氏製作 ダンMX
現在は入手不可。
『ZERO』シリーズを基にアレンジされており、綺麗なエフェクトが特徴的。
KOF』のMAX発動のようなものを搭載しており、発動中はコマンド挑発から必殺技や別の挑発にキャンセルできたりする。
また「挑発伝説」は常に必殺技等でキャンセルできるため、迂闊に手が出せなくなっている。
cmdファイルの記述順の関係で「晃龍拳」が非常に出しづらくなっているので、使用する時はこちらで中身を弄ってやるといい。

+ Carlos_killar氏 & Pain228氏製作 III風ダン
  • Carlos_killar氏 & Pain228氏製作 III風ダン
『III』のリュウやショーンのスプライトを改変し、『III』風ドットに仕上げたダン。音声は英語。
飛ばない「我道拳」、密着しないと当たらない「晃龍拳」などダンらしい性能になっており、「断空脚」や「挑発伝説」も完備。
必殺技の威力が低く、コマンド挑発技(?)のサイン投げが当たった時のダメージの方が高い始末である。
全体に『III』バランスに仕上がっており、超必殺技の「震空我道拳」と「晃龍烈火」は性能はともかく1ゲージ相応の威力がある。
ちゃんと格ゲーをしつつ低性能、だが頑張ればやれるというダンのコンセプトをきちんと押さえたキャラである。

+ Tatsu氏製作 SVC仕様
  • Tatsu氏製作 SVC仕様
『SVC』のダンだが、「最強流○○殺」が搭載されている。また、何故か声が妙に高い。

コケココ氏と青村氏、t3hplatyz0rz氏の外部AIが存在する。
コケココ氏のAIは技使用設定スイッチがあり5段階で調整可能。現在はhamer氏によって代理公開されている。
青村氏のものにも挑発スイッチなるものが存在し、最大レベルにすると「挑発伝説」と「挑発神話」を解禁する。
こちらも上記と同じくhamer氏によって代理公開中。

+ Mr.X-file氏製作 SVC+TLEアレンジ仕様
  • Mr.X-file氏製作 SVC+TLEアレンジ仕様
『SVC』ベースだが、名残は勝利メッセージ画面に見られる程度でほぼ『KOF』仕様となっている。
必殺技にプレミアムサインと挑発伝説が復活し、更にオリジナル技として暫烈拳に似た技「懺滅拳」と空中我道拳、「オレ式・漢ブロッキング」を搭載。
『ZERO』シリーズでは恒例の晃龍拳がランダムで全身無敵になる仕様も導入されている。が、これを参考にしたのか懺滅拳と漢道に罠が…。
前者は弱で出すとワイヤーダメージを誘発、追撃可能という強力な技だが、弱で出した場合に限り1/3の確率で脱臼を起こし反確
後者も原作ではノ―リスクな切り札だったが、1/4の確率で相手ではなくダンが大ダメージを喰らう「奥偽・漢逝き」となる。
他にも、初段ヒットでワイヤーダメージを誘発するも硬直が長過ぎて絶対に追撃できないプレミアムサインなど、全般的にネタ色が強くなっている。
ただ、空中ふっとばし攻撃が強・空中断空脚の3段目モーションになっているため、空中戦はそれなりに強化。
くるぶしキックは繋ぎに使いやすいし、懺滅拳も強で出せば脱臼なし&割と良いダメージソースになる等、
頑張れば戦える「ダンらしさ」もきちんと再現されている。

+ Mr.X-file氏製作 狭間ニテ 闇ニ魅入ラレシ ダン
  • Mr.X-file氏製作 狭間ニテ 闇ニ魅入ラレシ ダン
上記のダンをベースとしたセルフアレンジキャラ。
通称は「闇ダン」だが、ニコMUGEN的にはディスプレイネームの「バイオレントダン」の方が知名度は高いか。
殺意の衝動と闇に魅入られて暴走したというものになっており、特殊技・必殺技にも豪鬼系列のものが散見される。
技は基本的な隙は割とそのままながら、性能が段違いに格上げされている。
まずKOF2002のタクマ・サカザキの様な、一瞬で画面端まで到達する波動の軌道が見えない「我道拳」。
殆ど「飛燕疾風脚」と同性能な「断空脚」。炎のオーラを纏った「晃龍拳」。ゲージを使用せずに画面端まで高速に撃ち出せる「我道翔吼拳」。
他にもアレンジされた技の数々がある。しかし、それでもやたらに強いというわけではなく、上記のように元来ダンの技が持っている隙もある。
とはいえそれでも、アップした性能は伊達ではなく、油断していると一気に攻め込まれて倒されてしまうほどの強さはしっかりとある。
瞬獄殺系統の技「無名蓮華」を決めて背中に「人」の字が浮かび上がる姿は、動画でも割かし良く見られる光景。
勝利メッセージも搭載されており、それでは闇の力と葛藤をする、やたら男らしいダンの姿が垣間見られる。

+ しょうゆ氏製作 KOFアレンジ仕様
  • しょうゆ氏製作 KOFアレンジ仕様
『KOF』アレンジ仕様の極限流キャラを多く公開しているしょうゆ氏による、『SVC』ドットを使用したダン。
氏共通のシステムでEX必殺技等が搭載されている。
『SF』風の挑発伝説や、『SVC』の挑発伝説を再現した「挑発伝説SPECIAL」、挑発神話など多彩な挑発の他、
頂上決戦ファイターズをリスペクトしてMAX超必殺技になった「我道翔吼拳」、龍虎乱舞風の「新・晃龍拳」など個性的な技が揃っている。
同氏の極限流キャラとの乱舞対決も搭載されている。

AIは未搭載だが、ホルン氏による外部AIが公開されている。
恒例のコンボ・立ち回り・反応・ガードレベルに加え、ダンの象徴たる挑発の使用頻度を設定可能。想定ランクは並~強との事。
プレイヤー操作

+ ilcane87氏製作 エビルダン
  • ilcane87氏製作 エビルダン
プレミアムサインの中からダンの分身(ゴースト)が出てきて追撃を行うなどのアレンジが施されている。
作者曰く、エビルリュウエビルケンほど強くするつもりはないとの事。
だが、AIの動きはほぼエビルケンのコピペ+強化といった挙動である。

+ Mouser氏製作 MVC仕様
  • Mouser氏製作 MVC仕様
2013年5月24日に公開された『MVC』仕様のダン。
「漢道」「挑発伝説」「挑発神話」「プレミアムサイン」といった定番の技も完備。
AIは未搭載。

+ kamekaze氏製作 MVC2仕様
kamekaze氏製作 MVC2仕様
現在は新mugen専用。
AIもデフォルトで搭載。

+ Mr.Ansatsuken氏製作 CVS仕様+アレンジ
  • Mr.Ansatsuken氏製作 CVS仕様+アレンジ
Pots氏のものの改変版で、MUGEN1.0以降専用。
改変元の多様な技に加え、『ポケットファイター』の親父を呼び出す超必殺技や、『IV』のウルコンが追加されている。
7P以降は殺意の波動に目覚めたダンになり、阿修羅閃空や瞬獄殺が使用可能になる。
AIはデフォルトで搭載されているが、AIレベルはMUGEN本体OptionのDifficultyからしか変更できないので注意。

+ みーご氏製作 ダンガン
  • みーご氏製作 ダンガン
ボウケンをリスペクトした改変。
晃龍拳の着地時に足を挫いたSEが鳴ったり、我道拳がフラフラしたり、
前転姿勢でローリングしながら連続で相手を踏んだり、勝利時にMUGEN界のサイキョー流の弟子を呼んだり、
必勝無頼拳で案の定画面上空に飛んでいったりと笑いを誘う。
1Pでは狂下位相当、強化カラーではそれ以上。凶相手なら無敵が少ない弱体化の6Pを。


上記以外にも、原作準拠のものから、初代『ストリートファイター』風(ダンの初出は『ZERO』)といったアレンジキャラが存在する。

+ 大会ネタバレ注意
挑発こそ正義!いい時代になったものだ。トーナメント』のPart1では美代子の腹筋に敗北したが、
Part2では数々の猛者を得意の挑発で蹴散らし、準決勝ではかのSUMOUにも挑発で勝利した。
だが、決勝戦では対戦相手のパターンに翻弄されて挑発を使う暇も無く、超必殺技も相手の超必で返され、惨敗となった。





「教えてくれよ! どうしてオレは

        こんなに強ェんだ!?」

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
削除済み
凍結
更新停止中
非表示
【エビルダン】
削除済み
【闇ダン(バイオレントダン)】

出演ストーリー

+ 一覧
Mr.Kの挑戦状
Mr.Kの挑戦状Dynamite
MUGEN STORIES INFINITY
MUGEN街の夜雀亭
MUGEN街の夜雀亭 2nd
mugen島物語 ~幻想帰譚~
MUGEN X Fighters
頭文字D (「あたまぶんじでぃー」と読む、主人公)
アリスとラオウ(八百屋さん)
居酒屋mugen
狼は安らかに眠れない!
カードキャプターみやこ
がくえんアリス(不良)
きれいダン(主人公)
クロス・ゼロ(謙虚かつキレイな弾)
コーディーたち
サイキョー流珍道中(主人公)
サイキョー流珍道中第二幕 サイキョー漫遊記(主人公)
ザキレイネ
ジャギ様家族
すごい漢シリーズ
たとえばこんなサプライズ
ディオ・ブランドーは落ち着けない
ナイトメア・ハンターズ
七夜が往く
ブランドー一家(エビルダン)
新約ブランドー一家
無限の果てに。
無限旅行
ユウ☆キ☆オウ
よろず屋『わふぅ!』

プレイヤー操作

MUGENキャラをさっくり触ろお!!(さまざま23操作キャラ、しょうゆ氏製)
実況付きP操作 Tarie配信(139キャラ目操作キャラ(しょうゆ氏製)、166キャラ目操作キャラ(あだむすきー氏製)他)


「やったゼ‥‥オヤジィーッ!!」


*1
あのダンがサガットに勝てるなど考えづらく、サガットが面倒だからわざと負けた説が囁かれていたりした。
2018年10月25日発売の『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション』でのダンのプロフィールでは、
「復讐に身をやつすダンの姿を憐れんだサガットが勝ちを譲った」と解説されている。

*2
受講者の一人に「私立ジャスティス学園」に登場する太陽学園の委員長がいる。
が、後にマスターズ流空手に乗り換えられており、内容的に芳しくない事が窺える。

リアルサイキョー流

*3
ダンの原型である「サガットに頭を掴まれている道着姿の男」は、
実際はSNKの『THE KING OF FIGHTERS』シリーズが世に出る前に、既にイラストレーターによって描かれていた。

ちなみに『ZERO』シリーズのリュウ対CPUサガット(『ZERO3』ではサガットがZ-ISMの場合を除く)では、
サガットが橙色の道着を着たダンと思しき人物を投げ捨てる特殊イントロが挿入される
(X-ISMだとサガットのタイガーアッパーカットで画面外へと吹き飛ばされる。
 それ以外の場合は下駄を履いている上に掴まれ方が上のイラストに酷似している)。

*4
ダンの妹の初登場は『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』のダンのエンディング。
ここでは、倒れたメカ豪鬼の胸ぐらをつかんで殴りかかろうとする兄を止めるため唐突に現れた。
この際の彼女の台詞が「お兄ちゃん、やめて!! その人は、その人は私たちの・・・!!」
勿論説明するまでもなく、これは初代『龍虎の拳』のリョウEDで聞けるユリの台詞のパロディ。
ただし厳密には簡略化された『龍虎の拳2』OPの方に近く、また台詞の順番も元ネタでは「やめて、お兄ちゃん!」だったのが逆になっている。
なお、別にメカ豪鬼の正体が父親だったとかそういう訳ではないらしく、当然ながらこの続きは語られていない。
EDの最後も元ネタが「TO BE CONTINUED?」なのに対し、こちらははっきりと「END」で完結してしまっているし。

単なる一発ギャグネタだと思われたが、その後元ネタ側のSNKによって妹ネタが拾われる事になった。
『最強ファイターズ』のダンEDではリョウに対抗して妹自慢をしていたり、彼とのタッグ名が「やめて!おにいちゃんズ」になったりしている。
『SVC CHAOS』ではダンがミッドナイトブリスを食らうと私服の妹姿になる。

当初は妹の名前等の詳細は全く不明であったが、時を経て2017年、
なんと『ストV』公式サイトの「シャドルー格闘家研究所」のキャラ図鑑にて
「パラレル設定です」としつこく念を押した上で、遂に詳細な設定が明かされた。
+ パラレル設定です


 フルネーム: 火引百合子(ひびき ゆりこ)
 出身地: 日本
 誕生日: 12月7日
 身長: 169cm
 体重: 63kg
 血液型: A型
 好きなもの: ケーキ、お兄ちゃん
 嫌いなもの: メカ豪鬼、ワカメ

……名前からして元ネタギリギリだが、その他もギリギリセーフ狙いが多い。
類似点を挙げると、
  • 誕生日、血液型:同じ
  • 身長:百合子の方が1cm大きい(元ネタは168cn)
  • 好きなもの:百合子はケーキ、元ネタはショートケーキ
この他、百合子はソフトボールの投手をしているらしいのだが、元ネタの得意スポーツはソフトボールだったりする。
ディンプスだからいいのか?

好奇心旺盛な性格で、世界を旅する兄をこっそり尾行し見守っている。
何気に某トゥードゥーも真っ青なスニーキングスキルを備えているようで、
兄はおろかプレイヤーや開発にすら気付かれない域に達しているらしい。・・・・すごい妹だ。
フラフラしてる兄にはそろそろ落ち着いて欲しいと願っており、
将来は兄の商才を活かして一緒に通販ショップでも開きたいと考えているんだそうな。良い妹さんである。
幸いにも?格闘技には全く興味が無いそうなので他社ののようにはならない筈。…たぶん。
なお、兄とは違い、出身国は日本である。
父・強が「日本から香港に移住した」という設定のため、それを考慮すると複雑な家庭事情があるのかもしれない……?

+ パラレル設定……のはずだったのだが……?
当初、百合子は「パラレル設定」と念を押された上で、キャラ図鑑でも番外編扱いとなっていたのだが、
この度『ストV』2018年9月26日のアップデートよりSHOP担当の店員としてボイス付きでシリーズ本編に初登場となった。
CVは伊藤静女史。格ゲー的には『サムライスピリッツ』の羅将神ミヅキや『AQUAPAZZA』の向坂環などの人である。
初登場時と比べると幾分と可愛くなっており、一緒に店を経営するダンの事を「お兄ちゃん」と慕っている。
上記の「兄と一緒に店をやりたい」という念願が遂に叶った形になる。
通常の衣装はセーラー服の上に「最強流」の文字がデザインされたエプロンを着用。
ハロウィン期間ではなんとリリスのコスプレまでしていた。


+ おまけ「コラム サイキョー流の秘密 ~「天の拳」と「人の拳」~」
彼が編み出し、世界に広げようとしている流派「サイキョー流」。いったいどんな技なのだろうか?
父を殺したサガットへの憎しみから暗殺拳を学ぶが破門され、それをアレンジして作り上げた独自の拳法。
当初の目的は復讐だったとはいえ、サガットを倒した際にトドメを刺していない事を見ると、
サイキョー流をムエタイのチャンピオンを倒すまでに昇華させた頃には、大きな気持ちの変化があったようだが…?
作中の人物の言い分を借りると、ガイル曰く「(ダンの)素質を無駄にするスタイル」との事。
確かに生粋の軍人であり、銃の代用に使えそうなソニックブームを習得しているガイルにとっては、
「拳法=敵を倒すための技術」であり、威力の低いサイキョー流はダンの実力には合わないと思われても仕方ないが、なんて事はない。
サイキョー流は最初から敵を倒すためだけの技ではない。人を「倒す」のではなく「活かす」拳、「活人拳」なのである。
ここでは元々敵を倒すためだけの暗殺拳だったリュウの技との対比を軸に、サイキョー流の秘儀の数々を紹介していこう。

我道拳
サイキョー流には「我道拳」という、気の弾を飛ばす必殺技がある。
「波動拳」と対になっており、比較した際の一番の特徴は「射程距離が短い」事だが、
これはダンの力がリュウやケンより劣っているというわけではなく、
サイキョー流が不特定多数の人間に教える拳法だという事を考えれば容易に理解できる。
そう、射程を敢えて抑えているのは、「周りへの被害を避ける」ためだ。ストリートファイトや公式試合、どんな戦いの場にも「観客」は現れる。
そんなとき、周りへの見境も無く波動を放つ事が出来るだろうか?
これがリュウのような、戦いの最中でも周囲に注意しつつ力を加減できる達人であるならいざ知らず、
春日野さくらのように経験に劣る者は、観客を庇って「上空方向にしか放てない」ような事になってしまう。
サイキョー流が陽拳であり、世界に広めていく以上、危険性が低い事は絶対条件なのだ。
今のダン本人ならば、我道拳の射程を延ばしても十分な注意を払えるかもしれないが、
弟子たちが真似する可能性を考え、公の場では自らも力をセーブしているのだろう。
また、「片手で撃つ」という点にも着目したい。
リュウのような熟練した者なら普段の生活から両腕のコンディションを気をつけられるし、
その気になれば片手で波動拳も撃てそうだが、一般人はそうもいかない。
常人は腕のどちらかに怪我をするのは珍しくない。そんなとき、暴漢に襲われるなどのトラブルが起きても、
片腕さえ動けば使える「我道拳」ならば、十分に護身用として役立つ。
怪我をしている時点で不利だが、リーチさえ長ければ相手を脅かして追い払う事が可能だからだ。
余談だが、この「波動拳」に対する「我道拳」というネーミングは「波動」……すなわち「破道」、
他人や自分の道を破壊してしまうような、危うい二面性を持つ技(拳法)に対し、
我の道を保つ、危険の無い技として名付けられた(あるいは無意識のうちに)…というのは考えすぎか。
晃龍拳
汎用性が高い拳法にはほぼ全て対空技があるが、サイキョー流には「晃龍拳」がある。
これは「昇龍拳」とほぼ同じ技であり、動き・特性が非常に似ている。
元々「昇龍拳」は天、すなわち神仏に拳を向ける技であり
未熟なまま使用すると「殺意の波動」に目覚めるきっかけになる技の為、剛拳の先代である轟鉄によって禁じ手とされていた。
リュウは殺意の波動に目覚める直前に、邪念を振り払い「真・昇龍拳」を編み出す事で殺意の波動を克服した。
だがリュウ程の格闘家でさえ死線を超え、極限状態に陥らなければ光明を見出す事の出来ない技。
多くの門下生を持つダンにとって、弟子達に殺意の波動に目覚めさせるような危険な技を覚えさせるわけにはいかない。
故に殺意の波動に目覚めないで、尚且つ昇龍拳のもてる性能をぎりぎりまで引き出せるように、
ダンが独自にアレンジを重ねた結果生まれたのが晃龍拳なのではないだろうか。
「肘を伸ばさずに曲げる」など、腕の形を微妙に変えているところからも、
「昇龍拳」の問題点である「天に拳を向ける」事を改善するための工夫が凝らされている事が窺える。
また他の対空技は、足を使う場合は「サマーソルトキック」「マ・シェリの悲哀」「幻影キック」など使用する際に頭が下になる危険な技が多い
(その例外、すなわち足だけを伸ばしたり振り上げたりする場合もそれはそれで相当な熟練を要する)。
腕を使う場合は「虎咆」「シャドウブレイド」など「昇龍拳」と同じく飛び上がりながらアッパーする技が多数であり、
選択肢を考えれば、「晃龍拳」が「昇龍拳」に似た技になるのも仕方ないと思われる。
断空脚
竜巻旋風脚」と同じタイプの技として、「断空脚」という必殺技もある
(これは暗殺拳のアレンジではなく、亡き父から受け継いだオリジナル技なので似ているのは偶然である。
 アレックスの「エアニースマッシュ」など、空中で足を使う技は普遍的に存在するとも追記しておく) 。
飛び膝蹴りで上昇し逆の足で蹴り、更にもう一度逆の足で蹴るという技で、
「竜巻旋風脚」は「目が回るため、狙いを定めにくい」「回転し続ける足が相手以外も攻撃してしまう」という欠点があり、
威力はあっても扱いづらいのに対し(ただし後者は対複数や飛び越えつつ攻撃する際に有利であり、やはり熟達した者が使えば強い)、
こちらは「危険な場合は途中で止められる」など、より安全性・確実性を意識した技である。
ちなみに、さくらは「竜巻旋風脚」の方をコピーした「春風脚」という技を使うのだが、使い方によっては着地に失敗し転んでしまう。
やはり初心者が使うのには、「竜巻旋風脚」は難易度が高いのだろう。

この通り、サイキョー流はあくまで一般人が習得する事前提の、安全・健全な技であり、
リュウの暗殺拳や、一般人には極意を教えない極限流空手とは全く違うグローバルな技であると言える。
この設定を受けてダンの実力は作中でも事実上最弱に設定されているが、
相手、そして「自分」を殺さないように手加減しなくてはならない活人拳は、何でもありの殺人拳より弱くて当然なのだ。
弱き拳で強き拳を征してこそ、真の活人拳の使い手と言えるのではないだろうか。

(以上、民明書房刊 『無限に存在する格闘技~街頭覇王編~』 より抜粋)


最終更新:2024年03月30日 00:23