乱舞技


様々な技で連続攻撃を叩き込む技の総称。超必殺技以上の位置付けである事が多い。

概要

龍虎の拳』に登場するの「龍虎乱舞」が元祖で、この名称もここから来ている。
SNKの出世作となった『餓狼伝説2』で登場するキム・カッファンの「鳳凰脚」がその知名度を上げる役割を果たした*1

肝心の乱舞の部分の動作は、まずは通常技を連続で繰り出し、フィニッシュを必殺技や他の超必殺技で締めるものが多い。
これは既存グラフィックの流用で済むためドッターやROM容量の負担が小さく*2
それでいて派手で爽快感の高い技を演出できるため、格ゲー界の垣根をも越えて多くのゲームで広く使われている。
しかし必ずしも既存グラフィックの使い回しで構成される必要はなく、その技専用のモーションが用意されているものもある。

乱舞技のバリエーション

乱舞技という言葉は自然発生的用語で定義が完全には固まっておらず、
最大まで広げると「一度の発動で様々な技を繰り出す、演出が乱舞っぽいものが乱舞技」と言ってしまう事ができる。
この「乱舞動作を含む事」を絶対条件に、「龍虎乱舞」や「鳳凰脚」が持つ、以下に挙げるような特徴を備えていればいるほどに、
“誰が見ても文句無しの乱舞技”と言えるという事になる。
  • 初段は突進で、これをガードされたり避けられた場合はそこで終了、不発に終わる。
  • 始動技がヒットすると相手をロックする。
  • 始動技がヒットすれば追加入力不要で乱舞動作を開始し必ず最後まで出し切る。

乱舞動作がある技をこういった特徴を備えているかいないかによって区別し、
ロック式乱舞、突進乱舞、目押し乱舞などと呼び分けている。

なお冒頭で「様々な技で」と述べた通り、同じモーションによる連打だけでは普通は乱舞とはされない。
たとえば「百裂キック」「百裂張り手」「爆烈拳」「暫烈」「幻影脚」等は百裂技と呼ぶ方が一般的だったし

一方で「技の演出」が重要なのであって、相手をロックするする事は重要視されない(暫烈拳と幻影脚はロック技である)。
そもそもロック技の代表格は投げ技である。まぁ両方を兼ね備えたしつこい投げとかもあるけど。

タッグシステムのある作品などでは、別のキャラクターと一緒に乱舞を繰り出す技(「ダブルアサルト」など)も存在する。

ロック式乱舞技

「龍虎乱舞」「鳳凰脚」など、乱舞技という言葉を生んだタイプの乱舞技で、最も王道的な乱舞技。
初期のものは初弾の突進が当たれば(演出中にタイムアップにならない限り)結果が確定するので、
性能的に言えば「ダメージが超デカくて演出の長い1ヒットの突進技」という事になる。
ただしガード不能系は「ダメージが超デカくて演出の長い移動投げ(対空可)」と言った方が良いだろう
受け身?必殺投げなら受け身を取れないのが普通。吸い込まない?移動投げって吸い込まないでしょ)。
その為、カス当たりは存在しない代わりに、演出中にタイムアップすると1ドットも減らせないと言う欠点がある。

突進乱舞

初段からいきなり乱舞動作を開始し、それがヒットしようがしまいが前進しながらある程度の連撃を繰り出すというもので
(ものによってはお構い無しに最後まで動作を完遂するものも)、
ジョー東の「爆裂ハリケーンタイガーカカト」や七枷社の「ミリオンバッシュストリーム」などが該当する。
逆に言うと削りダメージはあるものの、ガード不能技は存在しない。
性能としてはダブルニープレスみたいな多段突進技であり、
元祖である龍虎乱舞(ロック式乱舞)とは違うため(ただしKOFの龍虎乱舞は初期を除きこのタイプになっている)、
突進乱舞技と区別されて呼ばれるようになった。
当然、こちらの場合は攻撃中にタイムアップしてもそれまでに舞った分のダメージは入るが、カス当たりで最後まで入らない場合もある。

目押し乱舞

ギース・ハワードの「デッドリーレイブ」に代表される目押し、つまりタイミングを合わせての追加入力を要求されるもの。
分岐があり複数のルートが設けられているもの、ガードの上からでも始動するもの、
突進せずその場で始動するものなど、その形は様々。
目押し乱舞の定義はロック性能を要求せず、実際それが無いものが多いが、中には『月華の剣士』の剣質「技」で行える乱舞奥義のように、
初段が当たれば相手が空中にいても引き込んで連続になるという「ロック性能を持つ目押し乱舞」も存在する。

その他

ロックも突進もしないが乱舞っぽい動作だけはあるので乱舞技とされるというもの。
ダンの「必勝無頼拳」(マーヴルシリーズを除く)などが該当する。

代表的な乱舞技

(非ロックのものは丸括弧で表記、目押し形式のものはデッドリーレイブの項を参照)


MUGENにおける乱舞技

新規グラフィックが不要で、ステート的にも良く見る程度のコントローラーだけで記述でき、制作難易度はそう高くない。
そのためか原作では乱舞技を持たないキャラでもアレンジとして搭載している場合がある。
特に、超必殺技の無い作品からのキャラに超必殺技を持たせたい場合には比較的楽な手段となるだろう。

投げと同様にヒットした場合に攻撃側にステートが移り、相手の食らい判定が消失し、演出中はお互い無敵となり、
タッグ戦においてパートナーがいくら手を出してもカットできず、その代わり巻き込まれもしないという仕様が多いが例外はある。
長い無敵時間を持つ打撃技の連続として作られている場合、タッグ戦では相手二人を巻き込む非常に強力な攻撃になる。


*1
当初、乱舞技と呼べるものは龍虎乱舞しか存在しなかったので、
「技の種類」を表すための「乱舞技」という言葉自体が鳳凰脚の登場によって作られたものである。

*2
乱舞技ではないが、CAPCOM格ゲーにおける初期のスーパーコンボのほとんどはこのアイデアを用いたものである。

*3
初段ヒット時と空振り・ガード時で乱舞の内容が異なる。


最終更新:2022年03月04日 19:26