クロスオーバー

一般に用いられる場合、ある創作物のキャラクターが同じ設定のまま別の作品へと登場する事を指す場合が多い。
その他、音楽用語やスピーカーに関する用語、音楽アルバム名や自動車名などにも使われる言葉でもあるが、ここでは割愛している。
メディア作品では主に小説、漫画(特にアメリカンコミック)やアニメ、ゲームなどのジャンルで用いられる。
以下その一例。

昭和ライダーや昭和ウルトラシリーズ、『マジンガーZ対暗黒大将軍(マジンガーZ対グレートマジンガー)』はシリーズ全体が繋がっている扱いなので、
クロスオーバーと言えるかは怪しい所(『仮面ライダーV3』に至っては、主人公をV3に改造したのは1号と2号という明確な続編である)。

ちなみに似たような手法として、
ある作品に登場する主人公以外のキャラクターを異なる作品に主人公として登場させる「スピンオフ」などがある。
一方、「スターシステム」も似ているように見えるが、これは演劇や実写ドラマが元で、
「役者(スター)が別の作品でよく似た別のキャラを演じている」と言う意味なので、クロスオーバーとは別物
(漫画などでは名前や格好まで同じ場合もあるが、これは「金髪ツインテールはツンデレ」「黒髪ロングは大和撫子」
  「ピンクは淫乱」 みたいなノリでキャラの性格などを読者に一瞬で理解させるための「記号」である)。
例を挙げれば(実写だが)『バトルフィーバーJ』のバトルケニアと『電子戦隊デンジマン』のデンジブルーの関係がスターシステム
(両方とも大葉健二氏が演じた肉体派の大食いキャラ)。
そして『劇場版・海賊戦隊ゴーカイジャー』でこの二人に加え『宇宙刑事ギャバン』まで共演したのが、
スターシステム兼クロスオーバーである。
漫画作品で挙げると複数の手塚修虫作品に登場するヒゲオヤジやアセチレン・ランプなどはスターシステム(裏設定では所属芸能事務所も設定されている)、
一方で『ドラゴンボール』の作中に登場したペンギン村の住人達はそっくりさんなどではなく本人と言う設定なのでクロスオーバーとなる。

……ただしクロスオーバーと言うのは複数作品のファンを取り込める皮算用は出来るとは言え結構面倒な部分もあり、
日本でのクロスオーバーの代名詞である『スーパーロボット大戦シリーズ』だと、
毎回(困ったちゃんな)一部のファンの間で「俺の好きな作品を冷遇しやがった」「 俺の嫌いな作品を出すな
「俺の好きなロボを設定通りの強さにしろ(いや、単機で地球を滅ぼせる奴とかゲームにならないから)」などと揉める事もしばしば。
余談だが、スパロボの元ネタは前述の『グレートマジンガー対ゲッターロボ』などである。


ビデオゲームにおけるクロスオーバー

昨今の格闘ゲームでもクロスオーバー作品は多数制作されている。
SNK社内の別シリーズのキャラクターが一堂に会した『THE KING OF FIGHTERS』シリーズや、
大手アメコミ出版社MARVELとCAPCOMが提携し両社の版権キャラが競演した『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズ、
当時の2大格ゲーブランドとも言えるCAPCOMとSNKによる『CAPCOM VS. SNK』シリーズと、
頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』、
ネオジオ格闘の集大成を謳った『NEOGEO BATTLE COLISEUM』、
アニメ制作会社であるタツノコプロとCAPCOMが組んだ『タツノコ VS. CAPCOM』シリーズ、
二作目以降ジャンルを問わず他作品からの豪華ゲスト出演が恒例となった『ソウルキャリバー』シリーズ、
ジャンルは違うがニンテンドーオールスターの名に違わない同社キャラの集大成『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ、
SRPGとして根強い人気を持ち続けている『スーパーロボット大戦』シリーズや、
NAMCOxCAPCOM』『PROJECT X ZONE(CAPCOM×バンダイナムコゲームス×SEGA×任天堂)』
…などといった、作品や企業の垣根を超えたクロスオーバータイトルも多く見受けられる。

また、ソーシャルゲームなどスマートフォンアプリにおいては「他作品とのコラボレーション」がよく見られる。
これらでは大抵キャラクターだけでなく作品をもとにしたダンジョンや敵キャラクターなども登場するので
「ドラゴンボールのキャラでパーティを組み、世紀末覇者に挑む」「アイドルが有名RPGのモンスターと戦う」「ボーカロイドが聖杯戦争に参戦」
などといった状況も発生し、ある意味ではこれも一種のクロスオーバーと呼べるかもしれない。
コラボ元のキャラクターコラボ先のキャラにちなんだ別バージョン(コスプレなど)で登場したりするほか、
コラボ用に新規のシナリオが用意され、各作品のキャラ同士が対決または共闘するといったシチュエーションが見られることもある。
以下その一例。



MUGENにおけるクロスオーバー

主にストーリー動画に顕著に表れている。
初期の代表的な例としては影気ままなストーリーのうp主がブランドー一家とのクロスオーバーを行っており、
これが切っ掛けとなったか否かは不明だが、以降、各ストーリー動画のうp主が、
応援する他のストーリー動画のキャラやネタなどを拝借し、カメオ出演させるなど、様々な方法を用いたクロスオーバーが行われている。

また、その後ニコMUGENうp主交流掲示板や、 ストーリー総合外部板 といった、
動画同士や個人同士以外でのやり取りの場がニコ動内の掲示板の他にも生まれた事により、
後述する大規模なクロスオーバー作品もそれまでよりも多く制作されるようになった。

実際に動画内で見られるクロスオーバーとしては以下のようなパターンがある。

作品の世界観に関して何かしらの繋がりがあるパターン

ネタのクロスオーバーによるパターン

など。
他動画などで確立されたカップリングネタの輸入もクロスオーバーの一環に入るだろう。

ただ、クロスオーバーというものは必ずしも喜ばれるとは限らない。
(ニコMUGEN界隈内での)元の二次創作作品が好きであり、他の二次創作作品と一緒にされたくないという人もいるかもしれない。
更にクロス元の動画も視ていないとネタが解らず、視聴者を置いてきぼりにしてしまう可能性もあり、
それが原因で視聴者の批判が殺到し、動画を削除された実害もある。
下手をすればクロス元の動画に迷惑が掛かるかもしれない。要注意

そしてこのMUGEN自体も、元は格闘ゲーム創作ツールでありながら、
大半が版権を有するゲームのシステムやキャラクターのデータを無断でコピー、使用、改造、そして配布しているのが実情。
当然だがこの行為に憤慨するファン(だけに留まらないが)がいる事を念を押して記述する。


MUGENにおける大規模クロスオーバー

2008年9月に開催されたストーリー動画対抗戦・無限交差を始めとして、
主に「メインとなる世界に、他動画のキャラ達が参加者として集まる」という形でのクロスオーバーが多く、
ストーリー色を強く出しつつも、進行はトーナメントなどの大会形式に則って行われるという場合が殆どである。
上記で挙げられている『NAMCOxCAPCOM』や、『スーパーロボット大戦』シリーズを思い浮かべると分かりやすいかもしれない。
通常の大会形式とは一味もふた味も違う形式をとっているものもある。
上記のクロスオーバーの発展型であり、内容にもよるがこうした動画は各動画のファンなどの視聴者を集めやすい。、
また大規模であればあるほど、その効果は比例して高くなる。数あるMUGEN動画の中でもダントツに魅力の高いものである事は間違いない。

しかし、こうした企画を実行に移すためのハードルは想像を絶する程に高い。
大規模クロスオーバーにおける一番の問題は無事完結に持っていけるかどうかにかかっていると言っても過言ではない。
完結には数年を要する事もあり、その間その動画のうp主はもとより、それに関わる人全員が一様にモチベーションを保ち続けなければならないのだ。
これは非常に難しい事であり、リアル事情の変化などのほんの些細な事でも、更新が完全に滞ってしまう事もしばしば。
実際、下記にあげる作品の中で完結までこぎつける事のできたものはごく少数に留まっている。

そうした要因があってか、2013年以降は新たな大規模クロスオーバー作品は投稿されていなかった。
2019年に久しぶりに異世界対抗!体育祭リスペクト!が開始された。

大規模クロスオーバー作品一覧(OPにあたる動画の投稿が古い順)

ストーリー動画対抗戦・無限交差
2009年6月完結。
ストーリー対抗祭・クロストーナメント【2008】
長期更新停止中。
ストーリー対抗会話無しタッグトーナメント
多数のストーリー動画のキャラが参加しているという意味ではクロスオーバー作品だが、
ストーリー要素は無く純粋な大会動画となっている。2009年6月完結。
大闘領 -Sengoku Legend of the Gainers-
ターン制のシミュレーション形式となっており、
実際にうp主が各ターンの行動を決定し、それが反映されている。長期更新停止中。

俺と俺の嫁が最強だトーナメント【嫁自慢トナメ】
正確にはクロス要素のない大会動画だが、「うp主本人」によるクロスオーバーという側面があるため、特殊な例としてここに挙げる。

シンクロナイズド・ストーリーズ
更新停止中のストーリー対抗祭・クロストーナメントの参加者をフォローする形で開催された。長期更新停止中。



最終更新:2023年03月20日 18:56
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