黄忠




「フアッハッハッハ!」

 黄忠(こうちゅう、ピンイン:huang zhong(ファン・ジョーン)146年(ただし諸説あり) - 220年)は、
 中国後漢末期から、三国時代の蜀漢にかけての武将。
 字(あざな)は漢升(かんしょう、han sheng(ハンション))。諡は剛侯。子は黄叙。
 荊州北部の南陽郡(現在の河南省南陽市)の人。

『三国志演義』では、60歳を過ぎた老将でありながら敵将を一騎討ちで討ち取る場面が多い。
関羽と一騎討ちで引き分けて以降、死ぬまで一騎討ちで敗北する事は無かった。
関羽との一騎討ちは初日で100合を超えて打ち合い引き分け、
二日目で50合辺りで馬が足を挫いて落馬するが見逃され、三日目は弓で烏帽子の房を射落とし恩義を返した。
関羽とこれだけ打ち合って生き残ったのは黄忠だけである。
ちなみに、黄忠はこの時既に62歳であったと言われる。
59歳とされる事もあるが、どちらにせよこの時代では老齢と呼ばれるほどの年齢。

極めて義理堅い人物で、客将身分でありながら雇い主の韓玄が死ぬと、食事を断ち門を閉ざしその死を弔ったと言われる。
これより劉備本人が訪れるまで、劉備軍に降る事は無かった。
一方で血気盛んでジジイ呼ばわりされるとキレる。
ただし老将である事を逆手に取り、相手を油断させる「驕兵の計」を仕掛け、夏侯淵の甥である夏侯尚&魏の名将である張郃を撃破するなど、
非常にしたたかな面も見せている。

主に蜀攻略戦から漢中争奪戦を巡る戦いにおいて活躍し、劉備の地盤である益州・漢中を得る戦いにはほぼ全てに参戦し、輝かしい戦功をあげている。
夷綾の戦いまで常に劉備が出る戦場では傍らに姿があり、劉備に頼りにされていたとされる。
演義では夷稜の戦いで戦死するが、史実では夷稜の戦いの前に病没している。
また、死の際に劉備に見取られ逝った数少ない人物でもある。
最終的には関羽・張飛と同位の将軍にまで昇格しており、これが演義における五虎将の由来となっている。
あまり知られていないが、関羽のように黄忠も死んだ後に神格化された一人。

史実においては、三軍最高の武勇の持ち主と賞賛され義に厚い壮士と言われる。
蜀攻略戦において、常に先駆けて敵の陣地を攻め落とすなど、その勇猛さは軍の中でも鳴り響いていたと言われる。
『演義』と同じく、蜀平定及び漢中攻略戦では常に劉備の傍らで武勇を発揮し、劉備自ら黄忠を後将軍に任命しようとした。
この際に関羽は不満を挙げるが、劉備自ら説得すると言い出したという。
この時に後将軍と同時に関内侯という爵位を賜った。
常に劉備の傍で武勇を振るっていた事もあり、親衛隊に近い立場だったとも言われる。

実は劉備に仕えていた頃の黄忠が老人であったかどうかは定かではない(先述の年齢もあくまで演義での設定)。
わずかに費詩伝において、関羽が黄忠を「老兵」と呼んでいる記述が存在するだけである。
しかしながら、老いるともなお、勇猛果敢な活躍を見せる演義での黄忠の記述から、
中国では老いてますます盛んな人を指して老黄忠と呼ぶ。
また、三国一の弓の名手としてその腕前を披露する姿も広く知られている。
百歩離れた場所から柳の葉を落とし、騎乗した関羽の烏帽子の房を射ち落とすエピソードが有名。
弓で敵武将を倒すシーンが多いのも特徴。

『全相平話三国志(演義より100年以上昔の演義の元の一つになった三国志物語)』では
一騎討ちにおいて張飛と魏延(一足先に魏延は降っていた)の二人を向こうに回して互角に打ち合った。
これはいかんと関羽までもが加勢し、猛将三人の前についに傷を負い落馬。
しかしなおも立ち上がり、馬を失いながらも騎上の三人に立ち向かったという。

真・三國無双』シリーズでも弓の名手として登場し、ゲーム内の能力でも最強の弓の使い手となっている。声優は川津泰彦氏。
『5』までの使用武器は柳葉刀や盤刀で、チャージ攻撃等でも弓矢を使用(通常の弓矢使用時と違い矢数は減らない)していたが、
『6』と『7』では全武将共通のサブ武器としての弓矢が廃止された影響で黄忠及び夏侯淵の得意武器が弓矢に変更。
『7』ではライバルである夏侯淵の得意武器が弓+棍棒のハイブリッドな武器に変更された為、唯一の純粋な弓使いとなった。
尤も、近距離で戦いやすくなった夏侯淵に比べ、黄忠は相変わらず敵に近寄られると辛い立場なのは変わらず、むしろ折衷武器のほうが強いという説があるが。
サブとしての弓矢が復活した『8』での得意武器は朴刀だが、後にDLCで「投牙弓」という、
弓矢と双剣とブーメランを組み合わせたまったく新しい得意武器が追加された。夏侯淵の鞭箭弓といい勝負である。

また、SDガンダムが三国志の人物を演じるという体で展開されているシリーズ『三国伝』でも、
ガンダムMK-IIが演者の「黄忠ガンダム」として登場する(劇中では「黄忠」としか呼ばれない。他の人物もそうだがあくまで「演者」なので)。
ちなみに魏延も同じくガンダムMk-IIが演者となっているが、魏延は濃紺のティターンズカラー(敵側)であるのに対し、
黄忠は白のエゥーゴカラー(主人公サイド)が割り当てられている。
強化武装も存在し、そちらはスーパーガンダムがモデル。
なお、テレビアニメでは赤壁の戦いの辺りで完結するため、魏延共々未登場に終わっている。


格闘ゲームにおける黄忠

1993年に台湾の「熊猫軟體股扮有限公司(Panda Entertainment)」によって制作されたPCゲーム『三國志 武將爭霸』、
および1995年に発売された続編『武將爭覇2』に登場。

初代では「五虎大将軍」の一人としてストーリーモードでのプレイアブルキャラとして登場。
『2』でもパッケージイラストに登場する主人公格の一人。
演義の通り白い髭を蓄えたおじいちゃんで、弓を武器とする。


MUGENにおける黄忠

『武將爭覇2』の韓国語版を元に、General Chicken氏が製作したものが存在。
海外サイト「Mugen Storehouse」内の「Old Mugen Storehouse」というコーナーにて氏の他の武将達とセットで代理公開されていたが、
サーバーに問題が発生したらしく、現在は正規入手不可。

当然というか弓矢による遠距離攻撃が得意で、必殺技はもちろん通常技にすら矢を射る技がある。
この通常技の射撃が強く、牽制に対空にと大いに役立ってくれる。
一度に五本もの矢を、しかも連続で乱射する超必殺技は壮観。
趙雲同様AIのスイッチが入ると鬼のように連射してくる。
飛距離が長く、範囲も広いため趙雲よりも恐ろしい。老兵ってレベルじゃねーぞ!
そのうえ近距離でも十分強い、まさに高性能おじいちゃん
華麗な回し蹴りも披露するが、とても腰回りが心配である。無理すんなって。

出場大会

出演ストーリー



最終更新:2021年01月08日 00:48