人造人間16号


「お前たちが騒ぐから、小鳥が逃げてしまった……」

鳥山明氏の漫画『ドラゴンボール』及びアニメ『ドラゴンボールZ』の登場人物。
セル18号らと同じく、レッドリボン軍の残党であるドクター・ゲロによって孫悟空を抹殺するために造られた人造人間。
しかし、強大な力を持ちながら自然や動物を好む優しい性格であった事から、ゲロに失敗作と見なされいずれ作り直すつもりで封印されていた。*1
後に17号と18号が彼を目覚めさせ、しばらくの間行動を共にする事になる。

トランクスのいた未来では起動しておらず、トランクスは16号の存在を知らなかった。
また、セルも16号の事は知らなかった。
セルも素で困惑

アニメやゲームにおける声優はユウキリオン・マグナスヒイロ・ユイなどと同じく 緑川光 氏。
また、同じく緑川氏が演じるパイクーハン(『ドラゴンボールZ』に登場したアニメオリジナルキャラ)も肌が緑色だったりする。
『ドラゴンボール改』で緑川光氏が演じる天津飯も服が緑色。
緑だから緑川なのだという声まである。偶然なのか、それともわざとなのか…。

17号・18号やセルのような人間の組織を使った人造人間と違い、機械のみで造られた完全なロボットタイプの人造人間である。
緑色のプロテクターを纏った巨体にモヒカンと見た目は厳ついが、争いを好まぬ温厚な性格をしている。
悟空の少年時代の友達であるハッチャン(人造人間8号)の倍の数字であり性格や体格などもやや似ている。
ゲーム『Sparking! METEOR』のifストーリーでは少年時代の孫悟空を抹殺しようと時を越えて現れ、ハッチャンと激戦を繰り広げる。

「俺の狙いは孫悟空だ… 邪魔をするな…!」
「8かける2は16…俺より強そう…
 でも俺逃げない!! ソンゴクウ守る!!」
…やはり数字を狙っているのだろうか?

形式は17号・18号達と同じ「エネルギー永久式」。
気功波などは出せないようだが、そのパワーや身体に仕込まれた機械兵器の破壊力は非常に高く、
第1形態限定とは言え力を取り戻したセルと互角以上に戦えるほどである。
ちなみにこの時点のセルは、一般人の生体エネルギーを大量に吸収してパワーアップしているため、
既に17号や神様と融合したピッコロすら一蹴する程の実力がある。
驚くべきは、これほどの強さの人造人間を一から造り出せるドクター・ゲロの頭脳や技術力、だろうか。


劇中の活躍

セル第2形態に敗れた際にボディを破損するも、クリリンの弁護もあり輸送先のカプセルコーポレーションにて修理を受け復活。
「孫悟空を抹殺する」という当初の目的は生きているため、悟空個人に気を許してはいなかったが、セルを倒すという共通の目的のため、セルゲームに挑戦する。
非情に徹する事の出来ない悟飯を見かねて、セルにしがみつき自爆を試みるものの、自爆装置は修理を受けた際に外されていたため不発に終わってしまった
(ドクター・ゲロが16号の再起動を異様に恐れていた最も大きな要因が、この爆弾であったとも言われている)。
その隙を突かれセルに返り討ちにされボディを失うものの、残された頭部のみで悟飯を説得。

「正しいことのために戦うことは罪ではない…話し合いなど通用しない相手もいるのだ…」
「精神を怒りのまま自由に解放してやるのだ…」
「オレの好きだった自然や動物たちを守ってやってくれ…」

だが、最終的にセルにより頭部も踏み潰され、完全に破壊されてしまった。
それを見た悟飯はついにブチ切れ、超サイヤ人2へと覚醒するのだった……。

……以上。彼の出番終了
これほど重要な役回りだったにも拘らず、以後の出番は全く無い
純粋なアンドロイドのため、神龍の力による復活は出来なかったとか、あの世にも行けなかったのではないかとも言われた。
しかし、『ドラゴンボールGT』では電池切れで動かなくなったメタリック軍曹や、ベジータに破壊された人造人間19号が復活していたため、
完全な機械製のキャラクターであったとしても死人としてあの世へと送られたり、特殊な力によって蘇る場合があるという事が分かる。
ってかそうじゃないと彼女が可哀想な事になるし、そもそもハッチャンはブウ編で一度破壊されているはずだが復活した事が確認されている
にも拘らずこの扱い…。しかも、ある意味(悟空にとってのクリリン的ポジション)ではセル撃破における最大の功労者であるのに……。彼が一体何をした。
完全に機械であるため「修行によって強くなれない」事が、(より強い武装を追加する事で強化はできるものの)作風に合わないためだろうか。
下手をしたら機械なので安易に壊されても構わない枠にされる恐れすらある。

一応、PS2ソフト『ドラゴンボールZ3』のメニュー画面では、青年悟飯や悟天などブウ編のキャラが乗った車にちゃっかり乗っている姿が確認されている。
また、アニメ版では16号が復活している可能性を示唆しているシーンが存在する。

後に16号の容姿は若くして戦死したゲロの息子ゲボ(RR軍の上級兵士)をモデルにしており、
優しい性格も当のゲロが無意識に「戦闘で破壊したくない」という、親として極めて当たり前の感情を抱いた状態で製作したため、という設定が語られている。
恐らく、ゲロが16号を封印するだけに留めた点に関しては、父性愛も一因である可能性が高い。
この設定が公開されたのは『超』の時期であり、
先述の『Sparking! METEOR』で「悟空の力の源と推測される「心」を模しているため」と語られているのは、それ以前に作られたゲームであるため。
当初は完全な裏設定の類だったが、後に劇場版『超 スーパーヒーロー』にてゲロの家系図が表示されるシーンがあり、
そこで16号そのままの容姿のゲボが描かれたことで、明確に公式設定となっている。
更に母である人造人間21号の本名が「ボミ」であることが判明しており(フランス語で「嘔吐」という意味)、
父ゲロと母ボミから一文字ずつ貰い「ゲボ」という何とも愛情深い?ネーミングである
(英語表記でも父「GERO」と母「VOMI」で息子「GEVO」となっている)。
なお、『スーパーヒーロー』に登場したドクター・ヘドの父はこのゲボの兄弟だった模様。


ゲームでの活躍

『超武闘伝』のストーリーモードでは原作再現で完全体セル戦で16号が使えるようになるのだが、
ここで16号でセルに勝利すると「俺が存在する理由はこれでなくなった…」と発言するという、ラスボス撃破台詞なのに物悲しいものになっている。
それ以前に悟空抹殺はどうした
この勝利台詞から、原作の17&18号の「ゲロは失敗したというなら何で16号を残したんだ?」という疑問(ちなみに問われたゲロ本人は答えないまま死亡)や、
上記のセル戦の善戦の様子を絡め「万が一セルが暴走した時の対抗用に16号を使うつもりだったのではないか?」という説もある。
なお、本作での16号は性能がやたらと強い。
中距離では相手の飛び道具を一方的にかき消せる「ロケットパンチ」も大概だが、それ以上に「クロスガードボンバー」という、
格ゲー史に残ってもおかしくない壊れ技を所有しており、これら二つで同作を16号一強に作り変えてしまう。ダルシムの上位互換との声も。
+ クロスガードボンバーとは
クロスガードボンバーとは、その場で両腕を胸元で交差させた後に前後へ突き出す近距離用の技。
ラジオ体操とも揶揄されるダサいモーションだが、この技の恐るべき点が発生・持続・硬直全てにおいて無敵である事
その無敵の持続時間も長い上にコマンドは「←→+P」と楽に出せる、当たると相手は大きく吹っ飛ぶ、気絶値も高い、
そして連発やガーキャンからの入力、さらにハメも可能…と、
最早Pセルのパーフェクトアタックが霞んで見える壊れ技であり、この技の存在で接近戦を台無しにしてしまう。
状況の不利っぷりだけでも酷いのに冷静に見ると「ラジオ体操してるだけの奴が最強」という絵面が最悪で、心を折る能力は格ゲー史上屈指。
…まあ中には寝て待ってるだけで最強な奴もいたりするが…。

とはいえ、弱点が無いわけではなく、
「追跡エネルギー弾」を使われた場合は無敵でやり過ごそうとしてもその場で留まり、無敵が切れた直後に喰らってしまう。
また、下半身の無敵がそれ以外と比べて早く切れるため、スライディング持ちかつ姿勢が非常に低くなる悟飯が相手だと一番の欠点となってしまう。
まあなんとかやり過ごせても今度はロケットパンチとか他の技が待ち構えているわけで…。

難易度「きびしい」「スーパー」でのストーリーモードにおける16号戦も手強く、これらの技を高難度のCPUお得意の超反応でバシバシ決めてくる。
スーパー+縛りでノーダメージクリアを目指していた動画があったが、16号戦でストップしてしまった。
結局次回には続かず、挫折してしまったと思われる
9年後、別人によって挑戦が果たされる事となった

『ドラゴンボールファイターズ』では新たに製作された別個体が登場するが、記憶を受け継いでいるため実質本人と呼べる。
製作者である人造人間21号と、行動を共にする事となるのだが…。
過去作品へのリスペクトが多い本作だが、16号の場合、
Zリフレクト(カプコンで言うアドバンシングガード)が前述のクロスガードボンバーと同じモーションという妙なチョイスがされている。
流石に本家のようなクソ技ではないのでご安心を。
そうは言ってもこの作品での16号もかなり強く、アプデで調整されつつもその圧倒的攻撃性能から現在に至るまで最上位のランクを堅持し続けている。


MUGENにおける人造人間16号

ドラゴンボールキャラではお馴染みの超神氏によるものが存在する。
ドット絵は『ドラゴンボールZ2 Super Battle』の物。
原作通り、ロケットパンチや腕に仕込んだ大砲ヘルズ・フラッシュ、腕に仕込んだ大砲によるヘルズ・バスターなどのロボらしい装備で戦う。
また、他のキャラとエネルギー溜めのエフェクトが違う辺りこだわりが感じられる。

サクラカ氏によるAIがデフォルトで搭載されており、結構な強さを誇る。
このAIは間合いが離れた時などに目を光らせる謎の行動を頻繁に行う特徴があるが、何の事はない。ただの挑発である。○作AI故、致し方なし
外部AIはteoru氏によるものが存在し、ゆ~とはる氏によって代理公開されている。
かつては亞氏による外部AIも存在していたのだが、現在は入手不可。
こちらは投げを積極的に行ってくるAIで、接近されると苦戦を強いられる。
凶キャラといい勝負をしたり倒したりもするが、スーパーアーマー持ちや投げ耐性があるキャラにはとことん弱い。
プレイヤー操作

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み

出演ストーリー

プレイヤー操作

実況付きP操作 Tarie配信(355キャラ目操作キャラ)


*1
ちなみに、16号も人造人間編のラスボス候補で、ゲロが起動を恐れていたのはその伏線だったのだが、
「見た目がフリーザ編のリクームに似ていてラスボスには微妙だ」という意見が編集部の方から出たので、鳥山先生はセルを追加する羽目になったという
(…という話が昔から聞かれているのだが、19号と20号の時、17号と18号の時、セルの時とは違いソースが確認されていない)。
それでもこのキャラといい界王神といい、モヒカンなのに格好いい造形のキャラに仕上げた鳥山先生には脱帽せざるを得ない。

また、前述通り「自然や動物を好む優しい性格」なのだが、
『データカードダス ドラゴンボールZシリーズ』で設定された属性は何故か「悪」となっていた。


最終更新:2023年12月17日 08:53