雪代縁








「さあ 人誅の完成の始まりだ──」



プロフィール

身長:175cm(幼少時:130cm)
体重:68kg(幼少時:24kg)
出身地:東京府
生年月:安政2年(1855年)5月
星座:双子座
血液型:A
特技:中国語会話
趣味:死んだ姉との会話
流派:倭刀術

和月伸宏氏の漫画『るろうに剣心』に登場するキャラクター。「ゆきしろ えにし」と読む。
剣心の妻である雪代巴の弟であり、剣心からは義弟にあたる。
コミック版における最終エピソード「人誅編」及びOVA「星霜編」の最後の敵である。
OVA「追憶編」にも子供の頃の姿が描かれている。
CVは 佐々木望 氏。実写映画版では虹村億泰泊エイジを演じた新田真剣佑氏が演じている。

姉の婚約者が抜刀斎(剣心の別名)に殺されたため、復讐のために姉共々剣心に近付いたのが始まりである。
だが、姉の巴は共に暮らす内に剣心に対する敵愾心を失くしてしまった(縁はほとんど一緒にいなかった)。
さらに、不本意とはいえ剣心が巴を殺してしまったのを目撃したため、完全に決別。上海へと渡った。
そこで武力と経済力を身に付け、遂には上海マフィアの頭目にまで上り詰めた
(このため日本語の発音を忘れており、当初は台詞の一部がカタカナになり、後に叫び声や擬音語が中国語で表現されるようになった)。
そして11年後、日本に戻ってきて剣心に対する復讐を始める。これが「人誅編」の始まりである。
一時は当時の剣心の恋人である薫を殺したように見せかけて剣心を抜け殻のようになるまで追い詰めるが、
仲間の助力や決意によって立ち直った事により状況が一転、最終的には仲間と共にやってきた剣心と戦い、敗れる事となった。
後に巴の本心を知り、姉のためだと信じてきた自分のこれまでの行いが独り善がりな勘違いであったと知る。
今度は彼が抜け殻のようになってしまうが、最後の一線を失っていないために立ち直る可能性が残された描写となっている。

白髪なのは姉が殺される現場を目撃したショックによるもの本来は黒髪
性格は元から対人関係の希薄故か非社交的で、用済みなら仲間を始末する事も厭わない冷酷な性格。
また重度のシスコンであり、思い込みも激しい。
さらに目的が「剣心をできるだけ苦しめる事」だったためか、行動も非常に陰湿かつ残忍だった。
「復讐鬼」をイメージして描かれているので当然か。
作者曰く、「志々雄真実がアッパー系(=世界制服とかの覇道を目指す立身出世?型)なら、
こっちはダウナー系(=ターミネーターとかの復讐鬼)」との事。
また、趣味が「死んだ姉との会話」というどうしようもなさである。
おまけに妄想の姉が笑わなくなっただけで取り乱すなど精神的に脆い面もあり、最終的にはこれが原因で敗れた。


「滋養たっぷりの食事と献身的な介護 少年は一命をとりとめた」
「少年はガラにもなく その時 神仏に感謝した」

「馬鹿な獲物を授けてくれたコトを」

「これで当面の金に困るコトはない」

人誅だの断罪だの偉そうな事を謳いつつ、
異国で身寄りのない自分を新しい家族として迎えてくれた親切な一家を「幸せそうなのがムカつく」と惨殺し財産を奪い取る*1など、
新時代のために人に憎まれるのを承知の上で刀を振るった抜刀斎や、
姑息な手段を嫌い部下や強者への敬意を忘れない志々雄よりよっぽど自分勝手で外道である
左之助にも「性根からして腐ってる」と酷評された)。
まあ、あまり彼に正当性を持たせてしまうと本当に剣心が死んで償うしかなくなってしまうのだが…

剣心への復讐においても「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」を地で行っており、剣心を精神的に追い詰めるためだけに、
剣心がわずかにしか接触した事のない人間までも同士に襲わせて重傷を負わせた。というか、漫画でなければ普通に死んでる。
そのためか、ファンからの評判はあまり芳しくない。
人誅の集大成として、薫を剣心の前で無残に嬲り殺したくて仕方なかったのだが、姉が死ぬ場面を見た時のトラウマのせいで、
若い女を殺す事ができなくなったため、本当に薫を殺すのでなく、殺したように見せかけるという妥協手段を取らざるを得なかった。
その妥協手段は、薫と瓜二つの人形に刀を刺して死体に見せかけるというあまりにトンデモなものだった。
ちなみにこの人形は当時同盟関係にあった天才人形師に造らせたもので、
皮膚などの生体部分は死体を寄せ集めて作ってあるらしい。
これは作中でも名医とされる人物ですら見破る事ができず、葬式が執り行われ一度は完全に埋葬されたほどの代物である。
その後、「縁のような性格なら剣心の目の前で嬲り殺すはず」と推理した四乃森蒼紫の指示で墓を暴き、
解剖した結果初めて判明したのだから、明治の技術恐るべしとしか言いようがない。
『エンバーミング』と世界が繋がっていると考えれば驚くに値しないが…。

ただOVA版では、服装と戦闘スタイルから大陸に渡ったという設定はあると思われるが、
そこから人誅に至るまでの詳しい経緯は描かれていない。
その為、仲間達も登場せず外道な面よりも、たった一人で復讐を果たそうとする被害者という面が強調されており、
原作よりも同情の余地を残すキャラクターになっている
(…まぁ、非アニメ的な演出のOVA版で、仲間の八ツ目無名異夷腕坊参號機を出されても困るのだが。
 ……え?八ツ目は追憶編でこっそり出てた?聞こえんなぁ?)。

実写映画版では巴と婚約者は一作目から描写されてはいたが、同作で人誅編の同志2名が名前は出さず中ボス程度の扱いで登場。
このため実写映画版の世界では登場しないかと思われていたが、後に『最終章 The final』として人誅編も実写化、登場した。
こちらでは大陸に渡ってマフィアとなった設定を強調し、中国語での会話シーンやコネを活用するなど狡猾な場面も見せている。

実写映画版を基に原作者が漫画を執筆したキネマ版では登場はしていないものの、
エピローグにて志々雄と共にその存在を示唆されている。


戦闘スタイルは、日本刀の技に大陸風の体術をミックスした「倭刀術」(ただし若干我流)を使用する。
刀の背を蹴って加速させたり、地面に立てた刀を足場にして高く跳躍したりと独特の技を多く持つ。
特に、重心移動による「疾空刀勢」は、リアル空中ダッシュというぶっ飛んだ技であった。
最大の大技「虎伏絶刀勢」は、相性問題や精神状態の差こそあれ一回は剣心最大の奥義を破るほどであった。
また、15年間昼も夜も剣心を恨み続けた結果、「狂経脈」と呼ばれる異常に発達した神経節を持つ。
この狂経脈が最大に機能すると、感覚や条件反射が通常より遙かにエンハンスされた状態になり、
飛天御剣流ですらその動きに先読みしきれない。
もっとも、痛みなども増幅してしまうのだが、常時「精神が肉体を凌駕している」状態なため痛みのペナルティはない。
ただし感覚が強化されているため、一旦感覚が狂うと大変な事になる。
…が、剣心によって平衡感覚を狂わされた時は狂った方の三半規管を引きちぎるという強引極まりない方法で無効化しようとした。

実力は非常に高く、二度に渡る戦いで剣心の主立った攻め手を全て封殺したほど。
しかし最終的な能力を志々雄真実や瀬田宗次郎、四乃森蒼紫などとの詳細な比較がされていないため、
どれくらいの強さなのかが分かりにくい*2。同志も何だかんだで小物ばかり。
こういった点も、彼の不人気に拍車をかけているのかもしれない。
+ 縁の手下同志達
縁は対等な同志と言っているが、実際は剣心への復讐の達成を餌に利用しているだけに過ぎない。
  • 暗器を専門に使う変態快楽殺人者
  • 時代を先取りしすぎたファッションに身を固めた頭のかわいそうな脳筋
  • 一族再興の機を逃した恨みに加え、門外不出の肉体改造を見られた事の口封じを目論む噛ませ犬的化物
  • 武士としての死に場を奪われた事を恨み、トチ狂って銃火器を乱射し一般人を巻き込みまくる隻腕巨人。最終的には改心した。
  • 指1本につき200kgの荷重を支え、かつ10分の1mm単位の精密動作を必要とする人形を操る人形師。覆面が取れてからヘタレっぽい。
    ちなみに彼だけは復讐ではなく、闘いに身を投じて技術を探求する事を目的としている
  • お子様ボスと駄目出しを受けた組織ナンバー2の実務派。戦闘力はゼロで、実際に戦う手下4名も享楽に溺れるだけの小物
再筆版(作者自身によるキャラのリメイク)では通常時は刃衛以下の実力でありながらも剣心に対する憎悪によって生まれる力で
蒼志、斎藤、左之助と互角以上に渡り合うと設定されている。
戦闘面以外にも、火の通ったものや味のあるものが胃を受け付けず生きた鼠を丸かじりにする、
戦う度に体の部位を失う(顔面右側、左腕、肋骨)もその分だけ剣心への執念が増すという狂気的なキャラ付けがされている。

作者である和月氏自身、単行本での「人誅編」のキャラクター紹介で縁に対しこんな発言を残している。
  • 志々雄に影響されすぎて(悪役として)中途半端なキャラになった
  • 偏執的(姉への思慕・剣心への憎悪など)な人間の負を投影している
  • 描いていて色々自己嫌悪に陥った
…このように上手く描ききれなかった自分の力量を悔いる発言が多く、
武装錬金では雪代姉弟のリボーンにあたるキャラが登場し救済されている。


「抜刀斎 貴様の中の姉さんは今 微笑(ワラ)っているカ?」


MUGENにおける雪代縁

トカティキ氏による手描きドットで製作された縁が存在していたが、現在はサイト消滅により正規入手不可。
やや動きが固いものの、独特のモーションを持った技もきっちり再現されている。
「狂経脈」も使用可能であり、相手の距離によってダメージが変動する仕様である。
ちなみに、放っておくと勝手に「姉さん…」と呟き始める。何というシスコン。
古くから存在しているキャラなのだが、AIが未搭載故か、動画で見かける事はほとんど無い。

また、四乃森蒼紫瀬田宗次郎を製作したAoshi24氏の改変版や、更にそれをAxellord氏が改変したものが存在する。
いずれも新MUGEN専用専用で、AIがデフォルトで搭載されている。
前者は氏のコンプゲー『Rurouni Kenshin: Soul and Sword』用のキャラとして製作されており、
キャラ、ステージ、アドオンなどと一括で公開しているため、キャラ単体での入手はできない点に注意。
後者は氏の他の改変るろ剣キャラ(剣心左之助斎藤志々雄、蒼紫、宗次郎とセットで公開中。
Aoshi24氏製
Axellord氏製(DLリンク有り)


「俺が唯一守りたかったものは既に貴様に…貴様に奪い取られている!」

出場大会

  • 「[大会] [雪代縁]」をタグに含むページは1つもありません。
削除済み


*1
余談だが、るろ剣のRPG作品である『十勇士陰謀編』の主人公(男女選択式)は実は同じ行動を取られた際に縁と真逆の対応をしている。
この主人公はある日故郷がRPGの敵側に襲われて兄は自分を逃がして死亡、幼馴染は負傷した自分を守って死亡、自分自身も記憶喪失になると、
物語開始時点で散々な目に遭った挙句、右も左もわからず行き倒れた所を薫と弥彦に拾われる……とどこかで聞いたような展開を迎える。
そして薫と弥彦に介抱された主人公が取った手段は……普通に神谷道場に居付いた。当たり前である。そうでなきゃゲームが終わるし。
まぁ、この主人公は裏設定では極めてまともな性格だとされているし、そもそも記憶を失っていたので縁の様に歪む事もなかったのが幸いしたのであろう。

*2
色々と彼の性能についてフォローしておくと、
志々雄がどのような技かの見当を付けつつも結局破れなかった天翔龍閃の2撃目を、
(技の相性があるとはいえ)1撃目を1度見ただけの状態から破ってみせたり
(尤も、これでも紙一重で、本人曰く「1撃目を見ていなかったら相打ちだった」らしい)、
「回避不可能技」である九頭龍閃を2度目には完全に受け止め、3度目には発動前にぶん殴ってみせたり
(それ以前も、宗次郎が回避しているが、彼は縮地2歩前で避けており、受け止めてはいない)、
狂経脈発動時に宗次郎の縮地より速い動きを見せたり(感情が乗っている状態の縮地は剣心も対応出来たが、狂経脈には対応出来なかった)、
二重の極み並に原理が物理的におかしい疾空刀勢でリアルに空を飛んでみたり、
そもそも剣心が勝てたのも龍鳴閃(超音波で聴覚にダメージ)の相性勝ちによる所が大きかったり……
(左之助・蒼紫・斎藤もスピードで負けるので縁に勝てるかは怪しい。作中の人物でガチでまともに戦えそうなのは志々雄か真の比古清十郎辺りか)。
まあ要するに彼も彼でばっちり凄まじい奴である。
ちなみに、左之助と斎藤の見立てでは実力は志々雄>縁(ただし狂経脈使用前でモロ手抜き時)だった。
余談だが、最終決戦は弥彦、左之助、蒼紫、斎藤を縁が4タテで倒して最後に剣心と決着を付けるという案もあったそうだ。


最終更新:2021年11月24日 02:24