魔獣ジンメン


「お前に比べれば、俺はまだ善良なモンだ。
 何しろ俺は喰っただけだからなぁ・・・
 人間の感覚じゃ、生き物を喰うのは悪いことじゃない。そうだろ?
 だが、殺すのはいけないなぁ。
 生き物を殺すのはイケないことだろ、え、え、えッ、そうだろぅ?
 だから俺は、殺さずに喰ったのさぁ。
 殺さずに・・殺さずに・・喰ったのさ・・」

永井豪の漫画『デビルマン』に登場するキャラで、デーモン一族の一員(魔将軍ザン率いる、ザン魔団の一員でもある)。
1990年のOVA『デビルマン 妖鳥死麗濡編』と、2004年の実写映画『デビルマン』にも登場、
OVAでは青野武氏が、映画では魔獣の姿の時の声と人間に化けた姿の両方を格闘家の船木誠勝氏が演じた。
サイボーグ009VSデビルマン』では大塚芳忠氏が担当。

亀のような外見をしており、喰らった人間の顔が背中の甲羅に浮かび上がるという特徴を持ち、
ジンメン本人がそれに関して快楽を感じている、デーモンの中でも一際残忍な存在。
しかも、その顔には生前の魂がそのまま宿っており、苦しみの呻き声を上げるという描写は、
永井豪作品の中でも一二を争うほどの凄まじさであり、読者に強烈なインパクトとトラウマを植え付けた。
主人公・不動明の知り合いである少女サッちゃんをはじめとする、多くの人間を盾に明を追い詰めようとするものの、
解放を望んだサッちゃんの叫びに突き動かされた明によって、甲羅を貫かれて死亡する。





   …のだが、この時点で食われた人々は開放されなかったらしく、
   続編の『デビルマンレディー』の地獄編に登場。
   明に情け容赦なく叩きのめされ、人々の魂を全て開放されて、
   何の力もない小亀の姿にまで貶められた上で叩き潰された
   (それでもなお、生きる意志さえあれば何度でも生き返るらしいが)。
   この作品のサッちゃんはシレーヌに似た鳥型のデーモンになっており、
   頭を食いちぎられて甲羅の一部にされている。

+OVA『CBキャラ 永井豪ワールド』でのジンメン
1990年のOVA『CBキャラ 永井豪ワールド』にも登場し、OVA同様に青野氏が演じているが、
こちらはギャグ作品なので、背中の甲羅に浮かんでいる顔は人間ではなく、カエル・猫・のものになっている。
転んで引っ繰り返った所を、美樹(非戦闘員のヒロイン)に包丁で首を斬られた上、体を焼かれて食べられてしまった。
しかしデーモンなのでその程度では死なない。それどころか、首だけの状態になっても一行に同行し(美樹曰く非常食)、
隙あらばデビルマンを討とうと考えていた。
デビルマンを討ち取って出世し、自分そっくりの妻子(同じく青野氏が演じている)に楽をさせてやろうと思っていた。
結局デビルマンを討つ事は出来なかったが、妻子の元には無事帰れた。

「明君、カメさんと仲良くしてね。太らせて、また食べるんだから」

前述の通り実写映画版『デビルマン』にも登場しているのだが、
この映画では原作漫画の「デーモンは同族同士でも殺し合う異常な闘争本能を持つ」という設定が変更され、
「デーモンは同族を殺さない」という事になっている。
その影響もあってか、ジンメンのキャラクター性と役回りはこれまでの作品とはかなり違う。
+以下ネタバレ。
「食いてえ」が口癖。その行動は大部分食欲に突き動かされてのものらしい。
闘争心はあまり強くない可能性がある。

不動明の友人を含む多数の人間を食い殺している点、その犠牲者の顔が甲羅に浮かぶ点などは原作同様なのだが、
どうやら映画では明の友人を食った事はただの偶然でしかなく
(なにせその行為の時点でまだジンメンはデビルマンの存在すら知らない)、
そして犠牲者の顔に対しても、原作のように意図的にファッション感覚で纏っているわけでなく
むしろ、犠牲者達の残留思念がジンメンの意思とは無関係に甲羅に勝手に取り憑いているに過ぎない。
これらの変更のため、精々が「人類にとっては危険な肉食獣」という程度の存在でしかなく、
原作で明を精神面から揺さぶろうしたような陰湿さ、邪悪さはまったく見られず、
むしろある意味で純粋、朴訥な性格にすら見えるキャラクターとなっている。

明=デビルマンとの遭遇時、同じデーモンの肉体を持つ明を同族と認識してしまった事から、
ジンメンの方からは明に全く戦意を向けなかったのだが、友人を食い殺された事実に明は激怒。
状況を理解していないジンメンはいきなりパンチで甲羅をブチ抜かれてしまう。

ジ「なんでオレを殺すんだっ…(中略)デーモン同士は殺し合わねえ筈じゃねえか…!」
明「オレはデーモンじゃない(中略)お前が殺した人達と同じ、人間だっ」
ジ「オレは殺してねえ、食っただけだ…! 人間だって他の動物食うだろォっ」
こんなやりとりの後、明はジンメンの口からサタンという名、そのサタンが人類抹殺を企てている事を聞かされ、
最期にジンメンはこんな言葉を残して事切れる。

「オレは違う、食っただけだ…それだけだ…」

「オレは違う」というのは「人類への敵意で行動するサタンとは違う」という意味であり、
「食っただけだ」というのは、「生物として当然の食欲で食った」という意味だと思われる。

そりゃまあ人間にとっては生かしておけない人食いの化け物なのは事実なのだが、
敵意の無い所を一方的に殺されてしまうだけという流れのせいもあり、また前述のように
その残忍さと邪悪さがオミットされたキャラクターから、なんだか可哀想にすら見えてしまう。
なお、明がよりによって犠牲者らの顔が浮かんでいる甲羅を攻撃したのは、
原作では「ジンメンの取った戦法への対抗上、仕方なく」という側面が強いのだが、
映画では特に理由は無い
その他、この実写版デビルマンについては色々と酷評の話等あるのだが、詳しく知りたい方は ニコニコ大百科の当作品についての記事 等を参照。

チャンピオンRED誌で連載されたリメイク作『デビルマンG(グリモワール)』では冒頭のプロローグに登場。
オフ会(HNは「デスマスク」。そのままである)を利用して人間を襲った同族のデーモンを喰い、更にその力を自分のものとした。
また、本作では人間を喰らったデーモンを喰らうとその人間も一緒に甲羅に浮かび上がるようになっているらしい。
後に第9話にて再登場。より厳密には先述のプロローグは同話の挿話だったという扱いであり、
冒頭で食われたデーモンはレギュラー的な立ち位置だったのが、同話で退場となっている。

月刊ヤングマガジン連載の『デビルマン対闇の帝王』では、原作で倒されたジンメンが闇の帝王の手先として復活。
本作ではそのサイズが背の甲羅に街一つを乗せる事が出来るほどにまでスケールアップしており、
喰らって取り込んだ人間の魂を、そのまま背の街で生前と何ら変わりなく活動させるという策略で明を翻弄した。
最終的にデビルマン=不動明に倒され、その能力は彼自身の物として習得される事に。

クロスオーバー作品の『サイボーグ009VSデビルマン』では短いながらも出番があり、
事前に食ったさっちゃんとその他大勢を見せ付けながら登場するという演出により、開始数分で観客達にトラウマを植え付けた。
「009」サイドでジョーがアポロに高熱の手で捕まるシーンに合わせ、ジンメンも赤く熱された両手でデビルマンに掴みかかっている。
また、皮膚が赤くなっているが三倍の機動力かは定かではない。TVアニメ版にくらべて退場するのが早かったのは確かだが

Netflix限定配信のアニメ『DEVILMAN crybaby』でも登場する。
オリジナルと違い、犠牲者の顔が腹部に浮かぶのが相違点。
+ネタバレ注意
その正体は 不動明の父親 であり、サッちゃんポジションは 明の母親 に変更されている。
原作通りの流れで最後を迎えるが、母親ごと父親を手にかけた不動明の心境やいかに。

+ジンメンモチーフの敵キャラ
上記のように、罪もない人間達を人質にとる(しかも、助ける方法が皆無であるという状態で)という、
卑劣かつ印象に残る能力を持つため、しばしばダイナミックプロのその他の作品においても
ジンメンをオマージュしたと思われる展開が登場する。

永井豪作品のキャラクターがスターシステムで総出演している『バイオレンスジャック』においては、
「体に生えた人面瘡を他人に取り憑かせ、本体の意のままに操る」という能力を持った人間として登場。
女性を操ってバイオレンスジャックを襲わせたが最終的には失敗、町の崩壊に巻き込まれて死亡した。
ちなみにバイオレンスジャックの正体はデビルマンだったりする。

また、続編『新バイオレンスジャック』では原作のジンメン本人が登場。
デーモン勢の筆頭として新蜀軍の張飛に憑依、バイオレンスジャックらを襲った。

OVA『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』でも人々を同化して体内に取り込んだインベーダーが登場している。
こちらは主人公のゴウ達が助ける方法がないかと困惑して防戦になってしまい、追い詰められてしまうが
突如現れたブラックゲッター 問答無用で八つ裂きにされた
(尤も、これは同化された人々の状態や戦局もあっての事なので、詳しく知りたい方は流竜馬の項を参照の事)。
このインベーダーは『スーパーロボット大戦D』や『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』にも登場。
『D』ではクロスオーバーで自軍の(人の思念を感知してしまう)NTパイロット達を苦しめた。

漫画『マジンカイザーSKLヴァーサス』にも、ジンメンをモチーフとした敵側のロボット兵器「バルバラD-2」が登場。
こちらも人々を甲羅に捕えて人質にしていたが、あくまで自爆装置を脅しにした捕縛に過ぎなかった事もあり、
主人公達の一か八かの賭けにより人質全員が無事に救出された上で撃破されている。
ちなみに主人公達はデビルマンモチーフ(というか作品自体が『バイオレンジャック』のオマージュ)。

この他、『鋼の錬金術師』に登場するホムンクルスのエンヴィーも、自身に取り込まれた人間達を盾にするなどジンメンを彷彿させる描写がある。
ホムンクルスの核となる賢者の石は人間の魂を材料とし、真の姿を現した際は体の至る所に石の材料にされた(食われた)人達の顔が浮かび上がって怨嗟の声を上げている所も共通している。


MUGENにおける魔獣ジンメン

そうけん氏が製作したジンメンが存在する。ドット絵のベースはザンギエフのようだ。
外見は原作に準拠したものだが、OVAの内容にちなんだ技を幾つか持っている。
また音声もOVAから持ってきものだが、青野武氏による声の後ろに効果音などがそのまま入っている。
前述の通りこのジンメン、登場する全作品に共通して、まずはデビルマンこと不動明の身近な人間の誰かを喰らい、
精神的に痛みを負わせてから襲ってくる実にイヤな奴(一部例外あり)なのだが、それぞれの作品で喰われてしまう人物は異なっている。
外見からするとこれは原作のサッちゃんを食ったジンメンなのだろうが、幸いにと言うかなんというか、
流石に甲羅は個人の顔が判別出来るほど細かくは描写されていない。
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了に伴い、公開先であったやまきち氏のサイトは消滅したが、現在はhamer氏によって代理公開されている。

「ジンメン
 こんどほど おまえたち デーモンが
    にくいと 思ったことは ないぞ!」

亀であるからか全体の動作は比較的ゆっくり。最初の単発の威力は高いが、何度か当てる内に威力が大幅に減少する。
長いイントロや強弱2種類の当身技など、演出面に重きを置いたキャラ。
その中でも、原作にあるデビルマンに甲羅側で体当たりを仕掛けるワンシーンを再現したらしき3ゲージ超必殺技、「体当たり」がその最たるもの。
この技は突進速度・ダメージ量は共に中々で、おまけにガード不能という大きな長所もあるが、
発生はやや遅めで、攻撃判定が食らい判定より引っ込んでいるため判定的にかなり弱く、
総合的には使い辛い技と言える……が、この技で相手を倒すと前述の様に対戦相手を喰らい
甲羅に浮かぶ顔達の仲間に加えてしまうというグロ演出が自動発動するのである。

しかしこの技、突進部分にカウンターを食らうと、なんと逆にジンメンの方が一発KOのピンチに陥るという、
即死攻撃とでも呼べそうな側面も持っており、この時、地面に倒れてもがくジンメンに止めを刺す事で、
これまた原作準拠の中々グロくてニクい演出が発生する。

「やめろ~~っ!やめてくれ!
 甲羅をはがすと全員死ぬぞいいのか!全員死ぬんだぞ!」

「だが!貴様も死ぬんだろ!」

なお、迎撃に多段ヒット技を使うと上手くいかない場合があるので気を付けたい。

+各種技解説

必殺技

  • のびーるパンチ
腕を伸ばし攻撃する。弱は打点は高いが発生が早いので、相手の判定の大きさ次第では連続技に組み込める。
強は相手を吹っ飛ばすが発生が遅い。
OVAに腕を伸ばして攻撃してくるシーンがあるのでおそらくそれを意識した技だろう。
  • のびーるアッパー
腕を上へ上げる対空技。弱は発生が早く判定的にも安定して連続技に組み込める。
強は発生が遅いが前進し、攻撃判定出現まで無敵がある。
  • 当て身
甲羅を相手に向ける当身技、成功すると甲羅の顔が潰れ、血が噴出し相手を吹っ飛ばす。
弱は発生が早く、強は遅いがボタン押しっぱなしで数秒持続させる事ができ
(と言うか、実はある程度ボタンを押しておかないと当て身判定が発生しない)、
更に成功すると長い演出と共に相手のゲージを0.5くらい減らす。
飛び道具にも対応しているが、血飛沫の攻撃判定を当てて初めて意味がある技なので、
あまり遠距離だとただ隙を晒すだけになる。同様の理由で無敵時間付きの技にも弱い。

超必殺技

  • のびーるPラッシュ(1ゲージ消費技)
腕を伸ばし、ヒットすと相手をロックし攻撃する。発生がそこそこ早く、連続技にも組み込める。
  • 肉焼き(1ゲージ消費技)
発生は少し遅いが、発動まで無敵のコマンド投げ。首で絞めて相手を鷲掴みにし焼く。
  • 下水の世界(1ゲージ消費技)
相手の頭上へ飛び腕を伸ばし掴む移動投げ。
発生は遅いが飛ぶ出始めに少しだけ無敵がある。
原作漫画のファンの人は「ジンメンと下水に何の関係が?」と不思議に思うだろうが、
どうやらOVAで下水道がデビルマンとの戦いの場だった事にちなむ技のようだ。
  • 体当たり(3ゲージ消費技)
ガード不能の突進技。
発生が遅く判定も弱く、更に突進中に攻撃を食らうと前述の様に即死する危険性もあるので、ぶっ放すのは少々危険。
しかし、恐らくは勝っても負けても発動するこの技の特殊演出がこのキャラの醍醐味なので、
それを勝敗を気にするあまり使い控えるというのも、少々勿体ない話かもしれない。

2009年4月3日の更新でAIも搭載された。
また、サクラカ氏が製作したAIパッチも存在するが、最新版には対応していないので注意(不具合は特に出ないが)。

作品への情熱を感じさせるインパクトのあるキャラなので、一度手に取ってみてはいかがだろうか。
勿論、クォリティの高いグロさから不快感を覚える人もいるので、動画での使用は細心の注意を要する。

出場大会

削除済み

出演ストーリー



悪魔ジンメンの甲羅
それは 巨大な
悲しみのデスマスク