闘姫伝承

『闘姫伝承(とうきでんしょう) -ANGEL EYES-』とは、1996年にテクモが発表したAC向け対戦格闘ゲーム。
海外版は無いため、国外では単に『Angel Eyes』と呼ばれているらしい。
1997年12月に追加要素を含んだプレイステーション版が発売された。
現在はPSゲームアーカイブスでの販売も行われている。

概要

8人のうち1人だけが大天使になれる事となった天使達は、その1人を戦って決める事にした。
実体を持たなかったため地上の者に乗り移り大天使の座をかけて戦うのである。

全キャラクターが女性キャラという、 ある意味やっちゃった 的な格闘ゲーム。
当時はPC用やコンシューマ用では『ヴァリアブル・ジオ』『あすか120%』が先行して存在したものの、
アーケードゲームとしては初の試みであり、それまでの女性比率トップだった『豪血寺一族』を一瞬で追い抜くものだった。
(※:初代豪血寺一族は9人中4人が女性、続編の2でも14人中6人という珍しいキャラ構成だった。勿論を含む)
後に発売される『アルカナハート』シリーズまでは実質、アーケード唯一のオール女性キャラ格闘ゲームであった。
登場キャラクターも三度のメシよりケンカ好きな格闘少女クールな委員長普段はメイド姿の女忍者
薄幸貧乏体操服少女スピード狂の女教師など多彩な顔ぶれが揃っている。

ただ、ギャルゲー層を狙い撃ちしたあざといゲームなのかというと、意見は分かれる。
本作の特徴として ドット絵と3Dポリゴンキャラを2次元的に使ったキャラが混在する ためで、
当時のローポリゴンキャラがドット絵キャラと戦う様子はシュールであり、
格ゲーファン・ギャルゲーファン双方から イロモノ と断ぜられたためである。
なお、その3Dキャラ制作のノウハウは同社の3D対戦格闘『デッドオアアライブ』に受け継がれたと思われる。

ゲーム自体は空中移動に意欲的なシステムが多数盛り込まれており、
操作性は良好でスピード感あふれる試合展開を楽しめる。
ただし、戦闘は空中コンボ重視で、 コンボ数に応じて威力が増加する 逆補正 」の存在により
ほとんどのキャラで1チャンス即死級の凶悪な連続技ができてしまうため対戦ツールとしての評価はかなり低い。
その異常な攻撃力ゆえにMUGENでも「原作再現が最も危険なゲーム」と揶揄される始末である。
とはいえ実際にはカプコンやSNKの主流派に押され基盤はあまり出回らなかったので
対戦格闘ブームの影に埋もれたマイナー格ゲーの一つとして消えていくことになったのだが。
CPUはそれほど強くないので、2P対戦でなければ爽快なプレイが楽しめる。

なお、一部にコアなファンを生んだのも事実であり、ファンの要望によりのちにPS版が発売されている。
こちらではアーケードモードとは別の個別ストーリーの追加や隠しボス、3Dキャラを2D化した隠しキャラなど新要素が盛り込まれた。

キャラクター

ディスプレイネームは各キャラクターのニックネームであり、
それとは別に本名が設定されているのだが、ゲーム中に本名は登場しない。
また、キャラクターの多くは「聖テーカン学園」「聖テーカン学園中等部」の生徒・教師という設定があるが
テーカンとはテクモが1986年まで使用していた旧社名である。
最終ボスのANGELは色合いや雰囲気が微妙に『アルカナハート』のミルドレッドに似ている。ローポリゴンの3Dだけど。
  • 使用可能なキャラクター
  • CPU専用キャラクター
ANGEL(エンジェル、最終ボス) ※3D
  • プレイステーション版の隠しキャラ
 家庭用で追加された個別ストーリー専用キャラ。元キャラに似ているが性能は微妙に異なる。
ブラックライヤ、恋をしたレイカ(2D版)、ロボチビコ、ハイパーミステリアスパワー、アカネ、重傷ハイウェイスター
リナ2、マリー&パンダ、貧乏ちび子

+ キャラクター本名一覧

システム

レバー+4ボタン式。大と小2種類のキックとパンチに割り振られている。
操作性は良好で、ジャンプ中の移動システムに富み、移動面でのストレスはほとんど無い。
攻撃システムはコンボ重視で、連続技はワンチャンス=即死レベルという凶悪さを誇る。
これはひとえに「逆補正」といわれるコンボ補正が主に原因で、
普通、コンボ補正といえば「ヒット数に伴い攻撃力が減少する」という物なのだが、
闘姫伝承のコンボ補正は「 ヒット数に伴い攻撃力が増加する 」というとんでもない仕様。
ただでさえコンボが繋がりやすく攻撃力も高いのに、この仕様のために勝敗が一瞬で決着してしまうのである。
だが、各ゲームのキャラの強さでも語られている通りガードキャンセルにゲージを使用しないため、
安易に攻めるとガーキャンコンボで大ダメージ(キャラによっては即死)を喰らってしまう。
攻めれば勝ちのゲームではなく、ハイスピードな展開の中でも熱い読み合いを強いられるゲームである。
一応、エモーションゲージ(パワーゲージ)を溜めることで使用できる感情必殺技(超必殺技)があるが、
上記のように通常コンボの威力が高すぎるため重要視されない。

アクション

  • 「感情超必殺技」
画面下のゲージ(感情ゲージ)が満タンの時に特定のコマンド。このゲーム唯一のゲージ消費行動。
  • 「ホーミングジャンプ」
空中でキックボタン2つ同時押し。相手に向かって高速で移動する。
  • 「空中停止」
空中でパンチボタン2つ同時押し。その場で一時停止し、投げ以外の攻撃を無効化する。ただし空中停止中は移動・攻撃ができない。
  • 「多段ジャンプ」
空中で最大4回までジャンプできる。
  • 「空中ダッシュ」「急降下」
空中で左右にダッシュできる。下方向にも対応しており、↓↓で急降下する。
  • 「ハイジャンプ」
地上から↓↑で通常より高くジャンプする。だいたい2段ジャンプ程度の高さ。だがこのゲームでは影が薄い。
  • 「追い打ち」
「ATTACK CHANCE」表示中に8+強攻撃で出せるのだが威力が低い上にこれを出してしまうとそこでコンボ終了。
「ATTACK CHANCE」表示中は大抵ホーミングジャンプで追いかけて追撃が入るのでぶっちゃけ封印行動。
  • 「ガードキャンセル」
ガード中に必殺技コマンド入力でガードをキャンセルして必殺技が出せる。
全ての必殺技で出来る上にノーゲージで出せる。その代わり無敵が無い技に無敵が付加されるなどの恩恵は無い。
  • 「飛び道具消し」
飛び道具に合わせて小攻撃。飛び道具を打ち消せる。
  • 「飛び道具返し」
飛び道具に合わせて大攻撃。飛び道具を跳ね返せる。
しかしこの二つは闘姫自体あまり飛び道具が強くないので出番が少ない。

体力と防御力

体力は全員同じで139なのだが、防御力があり受けるダメージはキャラによって変わってくる。
例としてライヤの J小K-J大P-J大K-ライジング(小)-HJ-J小K-J大P-ライジング(小)というレシピで受けるダメージは
レイカ、リナはダメージ139、ライヤ、マリー&キング、ハイウェイスターは165、ちび子ミステリアスパワーキリコは180となる。

逆補正

通常のコンボ補正とは逆に、ヒット数が増えると攻撃力が増加する狂ったシステム。
闘姫自体はマイナーゲーなのだが、そのインパクトのせいか逆補正というシステムは有名である。
勘違いされがちだが、ヒット数が増えていけば増えていくほど攻撃力が上がっていくわけではない。
詳細は3ヒット目からその後は小攻撃にダメージが+2、大攻撃に+4されるという物である。
ただでさえこのゲームは一発一発の攻撃力がストII並に大きいのにさらに上乗せされ
しかも追撃当たり前のコンボゲーだから即死コンボだらけという世紀末ゲームになってしまった。

縦キャン

大P大K同時押しによる特殊キャンセルのこと。2004年に発見と稼動から随分後で見つかった。
大P+大K入力をする事で、立ち・しゃがみ・レバー入れのそれぞれの大Pを相互にキャンセルできるようになるというもの。
同じように小P+小kでもキャンセルして小Pを出すことが出来る。
チェーンコンボや連打キャンセル、目押しで通常技が繋がり、しかもそれで即死出来るので
一見すると地味で別に必要ないようなテクだが、空中でも同じことが出来るのでライヤ、ハイウェイスター、キリコあたりは
ジャンプ-(大P+大K-レバー下大P+大K)×nと入力しJ大Pを連発で当てて即死ということが出来てしまう。
上位キャラは有効利用できるキャラが多いのに、下位キャラは恩恵を受けられない場合が多く
結果として格差を広げるだけの発見になってしまった。

食らいモーションキャンセル

ヒット中にガード方向にレバーを入れておくと、なぜか数フレーム復帰まで早くなるという仕様。
トレーニングモードではヒット表示が出ているのにガードされていたりとどちらかと言うとバグの可能性が高い。
食らい中にレバーを入れればいいのではなく、食らう前からレバーを入れておけば有効。

MUGENでの活躍

MUGENでは、以前までは一部キャラクターのみだったが、他の女性キャラの格闘ゲームとの相乗効果により、
現在ではすべてのプレイヤーキャラクターが存在する。
主に動画ではNHK氏のハイウェイスターを始めとして、ほとんどのキャラが登場しているが、
やはり良質なAIが無いキャラはあまり動画に出してもらえないのが現状のようだ。

参考動画

  • 闘姫伝承OP
  • TASさんの闘姫伝承(「上の説明見ても良くわかんね」という人向け)