ヴァンパイア


シリーズ概要

『ヴァンパイア』及び「ヴァンパイアシリーズ」は、カプコンが発売した2D対戦格闘ゲームである。
それまでのカプコン対戦格闘の看板であった『ストリートファイターII』シリーズとは方向性もイメージも切り替わった、
まさに「新しいカプコン格闘のスタイル」として作られたタイトルである。

いくらストIIシリーズがカプコンの看板であるとはいえ、
度重なるマイナーチェンジの繰り返しは「今後ストII以上の物は果たして作れるのだろうか」という疑問をカプコンファンにすら少なからず抱かせており、
また『餓狼伝説SPECIAL』や『サムライスピリッツ』を大ヒットさせたSNKの追随もあった時期に、このタイトルは発売された。

まずこれまでの大きな変化として挙げられるのは、扱えるプレイヤーキャラ群だろう。
それまでの対戦格闘キャラは「人間」ないし「人型メカ」というのが一般的であったが、
『ヴァンパイア』では登場する全てのキャラクターが「モンスター(シリーズ作中では「ダークストーカー」と称する)」で統一されている
(シリーズを重ねるうちに人間も入ってきてはいるが…本当にあれは人間なのだろうか)。
さらに、それまでの立体的に見せるのが基本のグラデーションから、当時のプレイヤー層に馴染みの深いアニメ塗りという単純化したグラデーションに変え、
それが『スーパーストIIX』の約2倍のドットアニメーションで滑らかに動く様は、視覚的にも衝撃であり、
そして「人間」という枠組みを越えた動きやトリッキーな攻撃も、プレイヤーに「モンスターならでは」という認識を与える事に成功した。
『バトルファンタジー』『バトルブレイズ』等の先例があるとはいえ、所謂人外キャラ・獣キャラの登場する格闘ゲームの嚆矢と言えるだろう。
90年代前半にして猫耳娘を実戦投入した作品でもある。

また、システム面でなされた新たな試みとして「チェーンコンボ」がある。
それまでの連続技が「通常攻撃の戻りを必殺技でキャンセルする」ことで成立していたのに対し、
「通常技から通常技へとキャンセルして繋ぐ(チェーン)連続技」をシステムに組み込む事で、スピーディーで爽快感のあるゲーム展開を生み出した。
一方で、チェーンコンボによる強力な固めに対する切り返し手段として、
ガード中にガードモーションをキャンセルして反撃に転じる「ガードキャンセル」の概念も追加された
(ただし、「チェーンコンボ」や「ガードキャンセル」をヴァンパイアシリーズの特徴的なシステムとして強調したのは『ハンター』からで、
  初代『ヴァンパイア』では、存在していたものの表だっての紹介などはされていなかった)。

こうした試みは、加熱を増した対戦格闘ブームに新たな方向性を示し、所謂「コンボゲー」として発展・進化しながら継承されているころからもわかるように、
あらためてゲーマーおよびゲーム業界に「カプコンこそが格闘ゲーム界のパイオニアである」と見せつけたタイトルであったと言えよう。

余談だが、初代『ヴァンパイア』には、タイトルの使用にちょっとした制限があり、
「(C)TEZUKA PRODUCTION」というコピーライトが追加されることになっている。
これは、手塚治虫の漫画およびそれを原作とする実写テレビドラマ『バンパイヤ』への配慮によるもので、
このゲームが手塚作品の剽窃ではなく、また手塚プロダクションもそれを了承していることを示すためである。

このシリーズはキャラクターやデザイン的な部分において海外市場を強く意識していた傾向があるが、
当の海外からは「動き過ぎてかえって気持ちが悪い」と前述のグラフィックが裏目に出たような意見があったり、
また宗教的な見地から
魔界の悪魔や魔物に対しこれを聖なる力で浄化し人間を守る存在として、あるいは単に「魔」側の対抗勢力としての『神』
という存在に対する強い信仰心とそりが合わなかったのか、ゲーム内容はさておきその他諸般の要素が海外受けしなかったらしく、
開発スタッフの船水氏は当時、雑誌のコメントで「ヴァンパイア(シリーズ)はもうしばらくの間やりたくないんです」と、弱音とも取れる発言をしている。
(ちなみに、この頃は『セイヴァー』で人間世界に存在する何者かを意識する発言をするキャラクターがおり、続編の可能性を匂わせていた)
しかし、近年ではヴァンパイア発売の15周年を記念してアメリカでハードカバーの画集が出るなど海外での評価もある程度上がってきている。
また、『ストリートファイターIV』の開発プロデューサーである小野氏が「ストIVが成功したらヴァンパイアシリーズをもう一度作りたい」
と発言しているためファンの間では今後の動向が依然として期待されている…が、
戦国BASARA X』のように、現在のカプコンの開発姿勢自体は当時と著しく方向性を変えてしまっている事、
また、当時の2D対戦格闘ゲームのノウハウを知るスタッフが殆どカプコンに残っていない事(ドッターは過去に大量リストラされている)、
それ以後の『CAPCOM FIGHTING Jam』における自社制作の対戦格闘ゲームでの失敗等により
今現在は外注制作による2D、3D対戦格闘ゲームのリリースをメインに据えているという事など多くの不安要素が有り、
そしてあくまでも意見は個人(プロデューサー)のもので、
一度売り上げを衰えさせたシリーズ作品を容赦無く打ち切らせるカプコン上層部がヴァンパイアシリーズ復興に許可を出すかどうかも微妙である。
その為ファンの間では「今のカプコンにちゃんとした作品が作れるのか」「実際はかなり難しいのではないか」といった慎重論的な見方も根強いようである。

ヴァンパイアOP集

ヴァンパイア The Night Warriors



記念すべき第一弾。
CPシステムII基板にて1994年7月稼働。
ある夜突如、闇の住人たちの意識に我の下へ集えという謎の思念が語りかけ、その声に導かれた10体のダークストーカーズが戦いを繰り広げる。
プレイヤーが使用できる10体の他、ボスキャラクターとして2体のCPU専用キャラクターが登場した。
対戦時にそれぞれのキャラクターの種族名(モンスター名)が表示されるのが特徴となっている。

システム面では既に基本的な概念は完成していたものの、対戦において充分に機能していたとは言えず、まだまだ発展途上な面が伺える。
しかし、キャラクターの動きや常識的概念を覆すキャラクター達の攻撃方法は、当時のプレイヤー達の目を引くには充分であり、プレイ人口を増やす事に成功。
新しいカプコンの顔となるには充分な出来映えとなった。

家庭用版は意外な事に、単品ではプレイステーションにのみ移植されていた。
とはいえ、この移植の時期が遅く、同じ時期にセガサターン版で続編のハンターが既に発売されていたうえに、
やたらロードが長い、コマ落ちが激しい、オプション設定が貧弱(セーブすらない)など移植の完成度も低い。
代わりに、何故かOPで矢沢永吉氏が歌う主題歌が入ったCGムービーが入るという謎の微妙な追加要素が存在する。

この状況に、「余計な物を入れるならマトモに作れ」と怒るユーザーも居たが、実際のところ
「ディスク自体の容量は余っていたが、ハード側に大量のスプライトを読み込んで使うだけのメモリがなかった」
というのが原因によって起こった現象なので、どうしようもなかったのである。
(特にPSはSSに比べ3D処理には優れていたものの、大量のアニメデータを扱う2D処理にはあまり向いていなかった)

結局、完全移植となるプレイステーション2版ダクコレ(後述)が出るまでは、唯一の移植作でありながら
その出来は褒められる物ではなかった。

  • 使用可能なキャラクター
  • CPU専用キャラクター
フォボス(中ボス)、パイロン(最終ボス)

ヴァンパイア ハンター Darkstalkers' Revenge



CPシステムII基板にて1995年3月稼働。
『ハンター』というタイトルの通り、「闇の住人を狩る」立場の新キャラクターとしてドノヴァンレイレイが追加され、前作のボスキャラクター2体も使用可能になった。

前作のアッパーバージョン的な位置付けとなっているため、キャラクターの基本カラーやステージの配色は前作の色違いで、BGMも前作のアレンジ。
一方でシステム面は大幅にてこ入れされ、
「チェーンコンボ」の幅が大きく増え、「ガードキャンセル」も意識して出しやすくなったうえ、成功時にはそれと表示されるため視覚的にわかるようになり、
また複雑だった前作の必殺技コマンドも単純なものに見直され、分かりやすさ・操作のしやすさを重視した様々な調整が行われている。
CPUのアルゴリズムは設定したものを基準に圧勝すれば強く/苦戦すれば弱く変化する、オートガードなど初心者にも遊びやすい工夫がなされている。

対人戦時のゲームバランスに関しても、完成度は極めて高く、シリーズでも屈指の人気作であり、今なお本作を最高傑作とする声もある。

家庭用ではセガサターン版がある。
実際の所、上記の初代ヴァンパイアのプレイステーション版と同時開発発表であり、
当初はPS版と同じく初代ヴァンパイアが移植される予定だったのだが、
当時、セガサターンではアーケードゲームでのヘヴィーユーザーが多い事、
家庭用ゲーム機での2D機能に関してはNEOGEOに続いて非常に高スペックを保っており、
メモリが少ない事以外は十分に再現出来る事から、いち早くセガサターン版はハンターへの移植と切り替わったのである。
隠し要素も充実しており、アーケード攻略などにも使えるデバッグモードもあったりと、
いたせりつくせりの移植となっている。

また、晩年にはシリーズ完全移植セットのプレイステーション2版へも収録された。(下記「ダクコレ」参照)

  • 使用可能なキャラクター
デミトリ・マキシモフ、モリガン・アーンスランド、ガロン、フェリシア、ビシャモン、ザベル・ザロック
ビクトル・フォン・ゲルデンハイム、サスカッチ、オルバス、アナカリス、フォボス(中ボス)、パイロン(最終ボス)
  • ハンターで追加された使用可能なキャラクター

ヴァンパイア セイヴァー The Lord of Vampire



CPシステムII基板にて1997年5月稼働。
ヴァンパイアシリーズの新展開として登場。
新キャラクターとしてジェダ、リリス、バレッタ、Q-Beeの4体が追加され、代わりにフォボス、パイロン、ドノヴァンが削除された(ただし家庭用では復活)。

もっとも大きな変更点として、「インパクトダメージゲージ」の導入が挙げられる。
それまでの対戦格闘では、「ライフゲージを0にするとK.O.、次ラウンドでは体力を完全回復させてスタート位置ら仕切り直し」が基本であったが、
本作では、「ライフをゼロにしても一時的なダウンとしてカウント、その場から簡単に仕切り直して試合続行」という流れとなった。
もう少し詳しく言えば、ダウンした方はダウンした時点で体力を全回復させ復帰するが、
ダウンさせた方は現状体力のまま再開されるということであり、これにより戦闘が継続中であるという緊張感と、スピーディーな展開が生み出された。
さらに、これによる一方的なライフの不利等を考慮し、「ヴァイタルソース」の概念が追加されている。

なお本作からはナレーションの演出が追加されており、ラウンド開始とKO時だけでなく、
コンボが決まった瞬間にもボイスがほとんど低音処理されずに追加された(ナレーションを担当したうえだゆうじの低声演技が聞ける数少ない作品である)。

前作と比べると、「ヴァイタルソース」の存在により、高い攻撃力のわりに実ダメージは低いという状況があり、
それを含めた攻め・守り・ゲージ使用を考えねばならず、さらに「アドバンシングガード」も追加されたことで、
対戦ではより高度な駆け引きが求められるようになった。
ただしターボを選んだが最後、もはや常人には見切れないゲームスピードと試合展開の速さとなる。
この頃は同社の「ストリートファイターII'TURBO」を頂点とした、ゲームスピードの過剰高速化がようやく沈静化を始めてきていた頃であり、
このタイトルも、通常時と高速時のスピードはまさに天と地、とも言うべき開きがあった。
この尋常ではないスピードに慣れた者には好評を博し、現在も尚稼働しているなど息の長いタイトルとなったが、
この過剰高速化ブームに馴染めなく全くついていけないとして離れていくプレイヤー達も多く、深刻化していた面もある。
また、このスピードに慣れたプレイヤーは他のゲームの「見えない中段」が「見えて」しまうという現象も…。

家庭用ではセガサターン版とプレイステーション版がある。
セガサターン版はメモリの少なさを、ROMカセットスロットにD-RAMを4MB載せて拡張した「4MB拡張RAMカートリッジ」を挿す事により、
アーケード版とほぼ同じクオリティを維持してでの移植を実現している。
プレイステーション版は、「EXエディション」としてオリジナル要素も数多く付加され、かなり充実した内容となっているが、
セガサターン版とは違いメモリ容量が少なく、また拡張RAMを装備して補うという手段も使えないため、
アニメーションパターンに関してはやはり、かなりの枚数制限が発生しており、
動きにぎこちなさがあるのは否めないものとなっている。

こちらも後にシリーズ完全移植セットのプレイステーション2版に収録された。(下記「ダクコレ」参照)

  • 使用可能なキャラクター
デミトリ・マキシモフ、モリガン・アーンスランド、ガロン、フェリシア、ビシャモン、ザベル・ザロック
ビクトル・フォン・ゲルデンハイム、サスカッチ、オルバス、アナカリス、レイレイ
  • セイヴァーで追加された使用可能なキャラクター
  • 隠しキャラクター
ダークガロン、シャドウ
※シャドウは倒した相手に憑依するという設定の特殊キャラ
  • CPU専用隠しボス
朧ビシャモン(家庭用のみ使用可能)
  • 家庭用のみ使用可能なキャラクター
ドノヴァン・バイン、フォボス、パイロン

ヴァンパイア セイヴァー2 / ハンター2



CPシステムII基板にて1997年9月稼働(2バージョン同時稼動)。
日本国内でのみ稼動。
どちらも『セイヴァー』のマイナーチェンジ版で若干の調整がなされ、『ハンター』からフォボスとパイロンとドノヴァンが復活した。
さらに、前作の隠しボスであった朧ビシャモンと、相手キャラクターをコピーするマリオネットも使用可能となった。
ただし、どちらの作品も『セイヴァー』から一部のキャラクターが削除されており、ダークガロンに至っては両方とも登場しない。
また、「ダークフォース」が全キャラクター共通のものに変更され、エンディングデモなども大幅に簡略化された。
なお、『ハンター2』は見た目や内容こそ『セイヴァー2』のコンパチだが、BGMや勝利メッセージが『ハンター』準拠の物に差し替えられているという凝った作りになっていた。

このように2バージョンに分かれたのは、基板のROM容量不足のため、1枚に全キャラクターを収録することができなかったからだと言われている。
しかしプレイヤーにしてみれば、バージョンによって出来ない対戦の組み合わせが生じることは不満でしかなく、
純粋に2つに分けた意味そのものが疑問視された。
また前作で問題視されていた部分に若干の調整が加えられたが、それがプラスに働いているとは言いがたく、
先の使用キャラの問題とあいまって、シリーズ中では2バージョンとも評価が低く、基板もそこまで多くは出回らなかった。
特に1台しか導入しなかったゲーセンでは『ハンター2』の方が割を食い、見かける事は少なかった。


  • セイヴァー2/ハンター2共通で使用可能なキャラクター
デミトリ・マキシモフ、モリガン・アーンスランド、フェリシア、ビシャモン、ザベル・ザロック
ビクトル・フォン・ゲルデンハイム、アナカリス、レイレイ、フォボス、パイロン、ドノヴァン・バイン
  • 隠しキャラクター
朧ビシャモン、シャドウ、マリオネット
※マリオネットは対戦相手と同じ姿になるという特殊キャラ
  • セイヴァー2でのみ使用可能なキャラクター
リリス、バレッタ、Q-Bee、ジェダ・ドーマ
  • ハンター2でのみ使用可能なキャラクター
ガロン、オルバス、サスカッチ

『ハンター2』の方は1キャラ分足りないため、キャラセレクトの最上段は空欄になっている。

人気が振るわなかったせいもあり、家庭用でこの二作の『純粋』な移植作は、PS2版が登場するまで無かった。
その代わり、上記で解説したPS版『ヴァンパイア セイヴァー EXエディション』で、『セイヴァー』『セイヴァー2』『ハンター2』の3作品を
1本にまとめたという謳い文句で、キャラクター選択時に『セイヴァー』をベースにした「D.F.チェンジ」、
『セイヴァー2』&『ハンター2』をベースにした「D.F.パワー」の2種類のキャラクタータイプを選択可能で、
後述の『クロニクル』に先駆けて『セイヴァー』対『セイヴァー2』といった、
それぞれ異なる作品の性能のキャラクター同士を対決させるというシステムを実現させている。


ヴァンパイア クロニクル(DC・PSP)



家庭用オリジナル作品。『セイヴァー2』のゲームシステムを基に、ダークガロンを除いた過去シリーズの全キャラクターが総登場。
ゲームモード(ゲージのタイプ)を初代『ヴァンパイア』・『ハンター』・『セイヴァー』の3種類から選び、
キャラクターそれぞれが『ヴァンパイア』・『ハンター』・『セイヴァー』・『セイヴァー2』の4種類からキャラクタータイプを選択して戦う。
これらは『ストリートファイターZERO3』の「ISMセレクト」のように、グラフィックや演出は主に『セイヴァー2』をベースにしているが、
技の性能などがそれぞれのシリーズ風のものに変化するというもので、原作の性能そのままというわけではない(原作から全般的に弱体化がなされている)。
各シリーズに登場していなかったキャラも、そのシリーズに合わせた性能が新たに設定され、各タイプを選択できる。
(例えば『ヴァンパイア』タイプのドノヴァン、『ハンター』タイプのジェダなど)。
CPU戦は『セイヴァー2』に準じてジェダが最終ボスの共通エンディングとなっているが、各シリーズのOPとスタッフロールがおまけムービーとして別に収録されている。

言ってしまえば『ハイパーストリートファイターII』のヴァンパイア版なのだが、原作の性能を完全再現しているわけではなく、
さらにゲームシステムのベースが『セイヴァー2』だったということもあって評判はあまりよくなかった。
後に発売されたPSP版では、3体のキャラクターを選んで魔界にそびえる塔を登って行く「タワーモード」と、
イラストや過去の作品のエンディングなどを閲覧できる「クロニクルモード」が新たに追加された。


ヴァンパイア ダークストーカーズコレクション(PS2)



ヴァンパイアシリーズAC版全5作を集めたプレイステーション2用ゲームソフト。
2005年5月29日に発売された。略称は「ダクコレ」。2006年には廉価版も発売されている。海外版は存在しない。

完全な移植とは言い難かったPS版やSS版に比べ、アーケード版と遜色ない移植度を誇る。
アーケードで存在したバグは基本的に修正されているが、隠し要素としてバグ再現版でもプレイできる。
加えて全作品にトレーニングモードが完備され、設定画などが見られるアートギャラリーのほか、
隠しモードとして『セイヴァー』『セイヴァー2』『ハンター2』の3作品には全キャラ使用可能なアレンジバージョンが用意されている(そのため、実質5+3で8本収録)。
このうち『ハンター2アレンジ』だけは、原作が『セイヴァー2』のコンパチだったが為に差別化のため、新たにシステムの大幅な改変(『ハンター』までと同じラウンド制・ヴァイタルソース廃止・ジャストディフェンス導入など)が行われている。
また、ドノヴァンのなれの果てとされるディーはダクコレのみのキャラクターである。

非常に高い移植度と、初めて完全移植がなされたこと、カプコンの販売方法の関係で非常に安く簡単に手に入れられることから一定の評価を受けている。

  • ダクコレで追加された使用可能な隠しキャラクター
※追加隠しボスとしても登場。アレンジ版『S2』&『H2』では難易度NIGHTMAREのときに限り、アーケードモードで隠しボスの朧ビシャモンを倒した直後に必ず乱入してくる。


ヴァンパイア リザレクション(PS3 / Xbox360)


2013年3月14日に発売されたリメイク版。
アーケード版『ハンター』と『セイヴァー』を2作セットでHDリマスター化したもので、ネット対戦にも対応している。
ただし基本的な内容はアーケード版に忠実であり、『セイヴァー』にも追加キャラは一切居ない(一応朧ビシャモンが使用可能になっている)。



特徴的なシステム


操作形態

1レバー+6ボタン(弱中強パンチ、弱中強キック)

チェーンコンボ

タイミング良くボタンを押すことで、技から技へと連鎖するように攻撃を繋げることができる。
複雑な操作ができない初心者の救済策として考案されたシステムであるが、
初代『ヴァンパイア』ではタイミングが難しすぎてその任を果たせず、『ヴァンパイア ハンター』以降に改善された。
なお正式に「チェーンコンボ」と名付けられたのも『ハンター』からで、
初代『ヴァンパイア』当時は公式名称がまだなく、雑誌『ゲーメスト』などでは「目押しコンボ」と呼ばれていた。

この初代の「目押しコンボ」は、弱Pか弱K→中→強という流れのみのいわゆる「3ボタンチェーン」で、
『ハンター』以降の「チェーンコンボ」は弱P→弱K→中P→中K→強P→強Kのような「6ボタンチェーン」となっている。
どちらも、途中のボタンを抜かして後位の技へ繋げることが可能。
ただしノックバックの関係から基本的に3ボタンまでが限界であるため、純粋にルートが増えた以外の意味はない。
一応セイバーのフォボスは弱P→しゃがみ弱K→6中P→しゃがみ中K→6強P→(2段目キャンセル)しゃがみ強Kの6ボタンチェーンが繋がる。
なお、『ハンター』以降の「チェーンコンボ」は基本的に必殺技等でキャンセルすることができない。
(例外的に順番押しコマンドのEX必殺技のみキャンセル可能)

『セイヴァー』のみ、標準で空中チェーンコンボも使用可能。
『セイヴァー2』と『ハンター2』では標準では空中チェーンコンボを使えないが、ダークフォース中のみ空中チェーンコンボが可能。
空中チェーンコンボが使用できないタイトルでは、代わりに1回のジャンプで通常技を複数回出すことが可能となっている。


ガードキャンセル (GC)

相手の攻撃をガード中に特定の必殺技コマンドを入力することで、ガード状態を即座にキャンセルしてすぐさま攻撃できる。
ガード操作(レバーを後方に入れる)と必殺技のレバー操作を同時に要求されるため難易度は比較的高いが、
連続してガードさせられている間はガード操作をしなくても自動でガードするため、入力が容易になる。

前述のチェーンコンボにリスクを負わせる存在として重要なものである。
これもやはり初代『ヴァンパイア』では公式名称はなく、『ハンター』でこの名が付けられた。

初代ではガードハメに対する初心者の救済策として搭載され、
キャラクター毎に決められた特定の地上必殺技1種類(アナカリス、ビシャモン、フォボス、パイロンを除く)と、
ほぼすべての空中必殺技(ビシャモンを除く)が対応技となっていた。
しかし、初代のGCは成功しても見た目上の変化がほとんどなく、
単純に発動してもそのまま潰されてしまうことが多かったため、あまりその役には立っていなかった。

『ハンター』ではフォボス以外の空中GCが廃止された代わりに、
アナカリス以外の全キャラクターにGC対応必殺技が1種類ずつ存在し、
GCを成功させると発動時に無敵時間が付加されるようになったため、大幅に利便性が向上した。
また、グラフィック上の変化としても、発動したキャラクターが白く発光し、
画面に "GUARD REVERSAL" の表示もされるため、発動に成功したかどうかが一目で分かるようになっている。

しかし、一部のキャラクターのGCが強力すぎたことから、
『セイヴァー』以降は成功の難易度を上げるため、全てのキャラのGC対応必殺技がいわゆる昇龍拳コマンドに統一されている。
なお、画面表示も名称と同様の "GUARD CANCEL" に変更された。


アドバンシングガード (AG)

『セイヴァー』より追加。
相手の攻撃をガードしてから一定時間中に攻撃ボタンを規定回数連打(同時押しは1回としてカウントされる)すると、
相手を強制的に後ろに押し下げ、連続ガードや固めから脱出できる。
ちなみに連打回数が少なくとも発動するが多いほど発動確率が上がり、さらに発動時に入力していたボタンで押し返す距離が異なる。
なお、発動した時点でガード硬直が解除され、AG動作の硬直に上書きされ、これが短いため、小技以外なら基本的に硬直差で有利を取れる。

失敗すると必殺技を空振りするリスクのあるガードキャンセルに比べ、こちらは失敗しても比較的隙の少ない通常技が出るだけで済むため、
ローリターンだが比較的ローリスクな行動である。
ただし、攻撃のタイミングを微妙にずらされると通常技の出掛かりにカウンターを貰ってしまう。
上級者同士の対戦になると、攻撃すると見せかけて相手のアドバンシングガードを誘い、
暴発した相手の通常技の出始めを潰しコンボをするといった高度な駆け引きも見られる。

なお、アナカリスのみアドバンシングガードをすることができない。


追い討ち攻撃、移動起き上がり

初代『ヴァンパイア』では、ザベルのみ必殺技「スカルジャベリン」でダウン中の相手に追い討ち攻撃ができた。
『ハンター』以降ではこれが全キャラクター共通のシステムとして取り入れられ、コマンドを入力することで追撃が可能となった。
この追い討ち攻撃は必殺技扱いとなっているため、ES版も存在する。

これを受け、『ハンター』以降は追い討ち攻撃を回避する手段として、
ダウン中にレバーを左右(『セイヴァー』以降ではレバー操作に加えボタンどれか)に入力することで、
ダウン状態のまま左右に移動して、その後に起き上がることができる操作が追加された。
ただし、これを行うと起き上がるまでの時間が長くなるため、わざと移動起き上がりをしないという駆け引きもある。
ちなみに、その場・移動問わず起き上がりの硬直後1Fはジャンプのみ不可能で、移動起き上がり後は5Fほど通常投げを出せなくなる。

インパクトダメージゲージ

『セイヴァー』より採用。
従来の体力ゲージは1ラウンドが終了する毎に両者とも体力が全快した状態で次のラウンドを開始するが、
このシステムでは勝利側は受けたダメージを持ち越し、
敗北側はバットマーク(ライフ残量で、これをすべて失うと負け)を1つ失った上でゲージが全回復する。
またタイムのカウントも引き継がれるが、『セイヴァー2』および『ハンター2』ではダウン時に残り時間が20延長される。
どちらかが体力ゲージを失ってダウンが発生した際には、そのまま試合は続行されるものの一旦仕切り直しとなるため、
発動中のダークフォースやオプション攻撃などは全て解除される。

受けるダメージは、赤いゲージで示される「確定ダメージ」と白く点滅する「回復可能ダメージ」に分かれており、
回復可能ダメージは、一定時間攻撃を食らったりガードしたりしなければ徐々に回復していく。
回復可能ダメージを含む分、合計したダメージは全体的に高めとなり、そのためプレイヤー間の実力の開きがあるほど早く決着がついてしまう。
また、数回の読み合いで負けてもすぐ決着がつくため上級者同士でも一方的な試合展開になったりもする。


スペシャルゲージ / スペシャルストックゲージ

試合中の画面下部(『ハンター』では体力ゲージの真下)には、体力ゲージとは別にゲージが存在し、
攻撃を出すなどの行動により徐々に溜まっていく。

初代ではストックできないため「スペシャルゲージ」と呼ばれる。
ゲージが満タンになると「Special」の文字が点灯し、ゲージを消費する行動を行うと0に戻る。
「Special」の点灯の有無に関わらず、ゲージは時間経過と共に徐々に減少していくが、「Special」点灯時はさらに減少が速くなる。
また、ラウンド間の引継ぎはできない。

『ハンター』以降では「スペシャルストックゲージ」と呼ばれ、ゲージが満タンになると「ストック」することが可能になり、
最大99個までストックを溜めることができる。溜めたゲージは、同一試合内なら次のラウンドへ持ち越すことができる。
『セイヴァー』以降ではストックを同時に2つや3つ消費するEX必殺技なども存在する。

『クロニクル』では初代タイプとハンター・セイヴァータイプのゲージを選択可能。

ゲージが一杯になると、以下の行動が可能になる。

ES必殺技

普段の必殺技の強化版。通常よりダメージが大きいなど単純に効果を増大させるものが多いが、中には全く性質が変わってしまうものもある。

初代では、ストックしておく事ができず、ゲージがMAXになった後徐々に0に向かって減っていく仕様になっている。後のパワーMAXと言える。
その間にES版に対応した必殺技を出すと自動的にES化し、ゲージが強制的に0に戻る。
さらに、弱中強でそれぞれES必殺技の性能が変化するものも多い。
中には、Special点灯時に発動するとゲージのみ消費されるが、性能が通常版から全く変化しないというリスクのある技もある。

『ハンター』以降は、2ボタンを同時押しして通常の必殺技を出すと、ゲージを1本消費してES必殺技が発動するように仕様が変更された。
技の発動中は体が変色して(『セイヴァー』以降は全員共通で青色に)光る演出も追加される。


EX必殺技

ゲージが一杯になっているときだけ使用可能な、特殊な必殺技(いわゆる超必殺技)。多くは派手な演出を伴い、大きいダメージを与える。
なお、「EX必殺技」という名称は『ハンター』からで、初代では「スペシャル必殺技(SP必殺技)」と呼ばれていた。

『ハンター』以降では技の発動中、体が虹色に発光する。
なお、モリガンの「ダークネスイリュージョン」のようなボタン順番押しコマンドのEX必殺技に限り、
本来ならキャンセル不可能なチェーンコンボを強制的にキャンセルすることが可能になっている。

『セイヴァー』以降はスペシャルストックゲージを2本もしくは3本消費するEX必殺技も登場した。
なお、『クロニクル』でゲームシステムを「ヴァンパイアモード」にした場合、
本来2つ以上を消費するEX必殺技やダークフォースも1回のスペシャルゲージ点灯のみで使用可能になる。

ダークフォース

『セイヴァー』より追加。一定時間背景が変化し、特殊能力を発動できる。発動時に僅かに全身無敵が存在する。
『セイヴァー』と『セイヴァー2』&『ハンター2』でそれぞれシステムが違い、
PS版『セイヴァー EXエディション』のゲーム内表記およびPS2版『ダークストーカーズコレクション』の説明書では、
『セイヴァー』版が「D.F.CHANGE(ダークフォース チェンジ)」、
『セイヴァー2』&『ハンター2』版が「D.F.POWER(ダークフォース パワー)」と呼称されている。

『セイヴァー』の「ダークフォースチェンジ」はキャラクター毎に効果が異なり、
ゲージを1つ消費して「攻撃を受けてものけぞらない」「追加攻撃するユニットなどが追加」などの一時的な強化がなされる。
弱・中ボタン、強ボタンで異なる2種類のダークフォースを所持しているキャラクターもいる。
ただし制限時間のゲージが0になると、技などの動作が終了した時点で強制的に終了ポーズとなり、隙が発生するというリスクがある。
なお、制限時間内でも任意のタイミングで自分から終了させることもできるため、相手をダウンさせている間に解除して隙の軽減なども可能。
これらの一部は元は『ハンター』以前でのEX必殺技であったり、
『セイヴァー2』と『ハンター2』でEX必殺技として引き継がれているものもある。
固有の技として扱われているため、それぞれに個別の技名が付けられている。

『セイヴァー2』と『ハンター2』の「ダークフォースパワー」は全キャラクター共通で、
ゲージを同時に2つ消費し「相手に与えたダメージが全て回復不能ダメージになる」、「自身の体力回復が速くなる」、
「空中チェーンコンボが可能になる」、「特定のEX必殺技が強化される」といった効果が出る。
いわゆる『THE KING OF FIGHTERS』シリーズの「パワーMAX発動」や「MAX超必殺技」に近いシステムになった。
終了時の隙は存在せず、制限時間が終了すると技の動作中でも強制的に解除される。
さらに、『ダクコレ』内の『ハンター2』のアレンジバージョンでは性質が少し異なり、
体力回復の代わりに「攻撃力と防御力が上昇」「1発分の攻撃を受けてものけぞらない(スーパーアーマー)」という効果に変わっている。

『クロニクル』では後者も初代ゲージ時は1本で発動可能。


ニコニコMUGENでの扱い

特徴的なキャラが揃っているもののニコMUGEN動画では意外と出番が少ない。
また登場してもたいていはチェーンコンボをEX必殺技でキャンセルするなどゲスト参戦したゲームの仕様だったり、アレンジ版であったりする。
そもそも、原作仕様のキャラが初期の頃は非常に少なく、アバレッタの異名で知られるバレッタもMVCアレンジである。
原作再現系で活躍しているのはサスカッチ、ザベル、ガロン、ジェダぐらいであった。

しかし、近年では原作仕様のキャラが増えており、AIも存在している。
いずれ原作仕様のヴァンパイアキャラが活躍する時が来るかもしれない。