カイザーナックル

ここにひとつのドラマがあった。
ある者は己れの為。
また、ある者は愛するものの為。 
自らの拳を鋼と化して戦う戦士達を
人はいつしかこう呼んだ。


 ARE YOU GOOD ENOUGH TO
 BECOME THE ONE AND ONLY

“KAISER KNUCLE?”

 GO FOR THE TOURNAMENT'S
              TOP PRIZE:

$10,000,000!


『カイザーナックル』(KAISER KNUCLE)は1994年にタイトーから発表された2D対戦格闘ゲーム。
採用基板は「TAITO F-3 SYSTEM BOARD」。
音楽はZUNTATAのメンバーの渡部恭久(Yack.)氏。
キャラクターデザインは『天空のエスカフローネ』や『ロードス島戦記』などで有名な結城信輝氏。
(ただし諸説あり、結城氏は販促用イラストしか手がけていないとの説も)
海外版のタイトルは『Global Champion』。

概要

優勝の1000万ドルの賞金を目当てに、世界中から集まった9人の格闘家たちが格闘大会に挑む。
彼らがを得たい理由は恋人の命を救うためといったシリアスなものから女にモテたいといった俗なものまで様々である。

対戦格闘ゲーム最盛期にリリースされた作品で、その頃の風潮に漏れず、超必殺技のコマンドが難しかったり
隠し要素が多々(隠し技はもちろん、通常技の超・激攻撃すら隠し要素だった)あった。
システム面も特徴的な物は擬似10ボタン方式ぐらいで出た当時はそれほど注目された作品ではなかった。

この作品が有名になった最大の理由はズバリ 「格闘ゲーム史上最強最悪のボス」 として
今なお君臨し続けているジェネラルを生んだ事である。
当時のゲーメストでも「 気合でなんとか… 」と攻略を放棄するほどの強さで、実際戦うと勝つとかいう以前に
ジェネラルの 体力ゲージを減らす事すら困難なレベル である。(詳しくはジェネラルの項にて)

ジェネラル以外にもCPU戦の難易度は恐ろしく高く、一人目は普通に戦っても勝てるレベルなものの
二人目以降からは飛び込むと落とされ、飛び道具を撃つと反撃を喰らい、待つと投げられて勝負にならない
ヘタな牽制は逆に命取りで、大足払いなど出そうものなら 技が出る前に投げられる という極悪アルゴリズムを誇る。
そして中ボスの二人も相当な強さで、
全身無敵の前方回転受身と格ゲー史上最長の投げ間合いを持ち、空中にいないと投げ殺されるゴンザレスと
ゲーム中リーチとスピードが最高で、必殺技すべてが超高性能なアステカはジェネラルの前の果てしなく高い壁である。

はっきり言って普通に戦うと何をしても攻撃を喰らってなすすべもなくやられてしまうのは必至で、
勝ち進むには龍虎の拳2のようにパターンを構築するのが絶対条件。
また、相性が悪いキャラが後半に来ると本当に詰むため、CPU戦の順番を決める1人目を選ぶのも重要。
格ゲーのCPU戦の難易度がどんどん上がっていった当時においても凄まじい難易度を誇り、
行き着くところまで行っちゃった作品として、格闘ゲーム史にその名を刻んだタイトルである。

キャラクター

キャラクターは使用可能な9人+ボスキャラの3人。CVはそれぞれ有名どころが勤めており、
主人公の和也は矢尾一樹ボイスで「やってやるぜ!」「ダンクーガ!」と叫ぶ。
CPU戦は最初の対戦相手を選べ、以降4人目までの順番は固定となる。
9人全員を倒すと中ボスのゴンザレスとアステカ戦、最後はラスボスのジェネラル戦になるが、
ノーコンティニューでかつラウンド取られた回数が5回以下でないとジェネラルは出現せず、アステカ戦で終了する。
(アステカ戦クリアまでに1回でも対戦しているとジェネラルは出現しなくなる)

  • 使用可能キャラクター(CV名)
和也(矢尾一樹)、バーツ(置鮎龍太郎)、月光(石川英郎)、武龍(YASUSHI HORIBATA)、梨花(島津冴子)、
ライザ(久川綾)、J・マッコイ(田中一成)、ボギー(ANDREW HOLMS)、マルコ(音羽一郎)
  • CPU専用キャラクター
ゴンザレス(江川央生)、アステカ(RYU KUZU)
ジェネラル(STEVE YAMASHITA)
+ キャラクターニュートラル集

カイザーナックル(断仇牙) OP/ED集

システム

操作系はストIIなどと同じ6ボタン式だが、弱・中・強に加え、 超攻撃 (弱+中同時押し)、 激攻撃 (中+強同時押し)の
計5段階攻撃、擬似10ボタン方式という仕様になっている。
当然必殺技の性能もそれぞれ5段階で変わってくる。
前・後ダッシュ、空中ガードは無し。

  • フェイント技
 ジャンプ中に↓+KKKでフェイント技が出る。フェイントと言ってもしっかりとした攻撃技である。
 キャラによって性能は違うが、基本的にジャンプ軌道をずらす攻撃を出す。

  • クラッシュゲージ
 サムスピシリーズの怒りゲージのように、ダメージを受けるとゲージが溜まっていき、
 満タンになると当てた(超)必殺技の威力がゲージを消費して一発だけ通常よりアップする(画面クラッシュの演出)。
 怒りゲージと違い、満タンになっても技がヒットしない限り無くならず、ガードされても消費されない。

  • 空中追い討ち
ジャンプ中のやられ状態 の相手に1発だけ追い討ちが出来る。追い討ちは打撃技はもちろん、空中投げも入る。
 空中でやられ状態から復帰すると技が出せるようになるが、追い討ち判定が消えるわけではない。
 やられた側が空中復帰後に技を重ねられた場合は、上記のフェイント技などでジャンプ軌道をずらす必要がある。

  • 最終奥義(超必殺技)
 残り体力が少なくなり体力ゲージが点滅すると使用可能となるが、コマンドは難解。

  • ステージの変化
 試合開始直後のステージはやや狭いが、壁へのふっとびやクラッシュゲージのクラッシュ等の要素で
 左右の壁が壊れ、ステージが横に広くなる。
 広がったステージの床には炎や電気のエネルギーフィールドのようなものがあり、
 特定の必殺技の威力や性質が変わる効果(ダウン属性の追加など)がある。
 なおボギーステージは壁は壊れずエネルギーフィールドのみ変化し、ボス三人のステージは変化が無い。

  • 診断結果
 戦闘に勝つと敗者の方に医師が走り寄って来て、スコアボーナスと共に診断結果(「絶対安静」「あの世逝き」など)が表示される。
 診断結果はランダムではなく、必殺技などの強い攻撃を当てられた回数が多いほど深刻な診断結果が出やすくなる。なおボーナス等への影響は無い。

+ 今は無きサイトにて開発者が語った各種裏話等々

断仇牙(DAN-KU-GA)

カイザーナックルの調整版として発売される予定だったタイトル。「だんくうが」と読む。
+ 「だんくうが」色々
ロケテストを行う段階まで完成していたが、そのロケテストでのインカムが全く振るわなかった事から
これ以上このタイトルが売り上げを伸ばす事はないと判断され、お蔵入りになった。
ただ、このロケテスト用バージョンがインカム調査用として少数パッケージ化され、
タイトーのごく一部の直営店でのみROMボードが試験販売されているが、これは正式な発売とは記録されてはいない。
凶悪だったCPU戦の難易度調整の他、各キャラの技の性能など様々な調整が施されている。
何よりジェネラルが普通に攻略可能なキャラクターに調整されており、
「それはそれで嬉しいような悲しいような…」という意見もあったという。

カイザーナックルからの変更点

  • カラーの変更と追加
 ストII'ターボのようにキャラクターやステージのカラーが一新されている。
 キャラクターカラーの選べる数が2色から3色に増えている(カイザーナックルでのカラーも使用可能)

  • ゴンザレスとアステカが使用可能キャラクターに
 同時に中ボスではなくなり、CPU戦の出現順が他キャラと同じになった。
 また1人目の対戦相手も選べなくなっている。

  • 難易度選択
 ゲーム開始時に、ノーマル・プロ・トレーニングの3つのモードが選択できる。
 ノーマルとプロは普通のCPU戦で、トレーニングは2ラウンド(時間制)で終了する、完全な練習モードである。
 トレーニングモードでは全必殺技のコマンドが表示され、超必殺技も出し放題となっており、
 1ラウンド目(プラクティスラウンド)では、敵が動かず、スタートボタンで初期配置に戻り、
 2ラウンド目(トライアルラウンド)では、敵が動き(攻撃・防御もする)、Sボタンで敵の難易度変更が出来る、という仕様。

  • 超攻撃・激攻撃の削除
 ボタン同時押しの超・激攻撃が無くなり完全な6ボタン式に。
 超・激攻撃は通常技と入れ替わったり、特殊技として残った。

  • バックダッシュの追加
 レバー後ろ二回で打撃無敵のバックダッシュが出来るように。
 バックダッシュ中は空中必殺技が出せる。

  • キャンセルジャンプの追加
 ジャンプ攻撃を相手に当てた瞬間(ヒット・ガード問わず)にレバー↑要素でもう一度ジャンプが出来る。
 二回目のジャンプ中も技が出せ、これによりフェイント技を絡めて空中戦が非常に多彩になった。
 ただし三角飛び→キャンセルジャンプやその逆は出来ない。

  • 空中多段ヒット技
 空中追撃は一発だけだが、一部の技は空中で多段ヒットするようになった。
 また、地上の相手に攻撃を当てたあとに追撃できる技も増えた。

  • 連続ヒット数の表示
 画面下に連続ヒット数が表示され、コンボボーナスも追加されている。

  • エネルギーフィールドの削除
 壁が破壊されステージが広がってもエネルギーフィールドが出なくなった。

  • 全体的な火力の低下、必殺技の多段ヒット化
 これにより1試合にかかる時間は長めになり、必殺技4~5回ヒットだけで終わっていた前作のような大味さは若干改善された。


MUGENでは…

ニコニコMUGENにおいては主にジェネラルが登場したゲームとして知られている程度だったが
ジェネラルに負けず劣らずの凶悪ボスであるゴンザレスアステカの登場も増えて知名度が上昇した。
プレイヤーキャラは海外でマルコ梨花が製作されていたが、いずれも現在は入手不可となっている。(マルコは新たにアレンジ仕様が公開された)
国内ではseki-rou氏によって和也と梨花と武龍が、mass氏によってボギー、masa00341氏によってバーツライザJ・マッコイが作られている。
かつては緑茶氏によるMVCアレンジのライザも存在したが、サイト閉鎖で現在は入手不可。

何かとボスキャラたちばかりが出番をさらっていくが、プレイヤーキャラでもチーム結成が可能になった。
今後の活躍が期待される。

なお、カイザーナックル勢の特徴であるフェイント技が、 受け身可能な空中食らい中から直接出せる ことが多いため、エリアルコンボや空中受け身狩りに妙に強い。



*1
3ラウンド・2本先取制の格ゲーではこういった事情になるのだが、MUGENでは4人対4人のチーム戦が行われる場合があるので
1ループが2分40秒の曲でも十分に聴く事ができる。
むしろ、通常の格ゲーのサントラから収録した「1ループ1分ほどで、2ループぐらいで曲が終わる」というものでは試合終了まで曲が続かなくて困ったりもする。
つまりカイザーナックルの曲の長さはMUGEN対戦動画ではうってつけである。こんなところで長い曲が活きる可能性が出てくるとは……。