邪神斎






ジライア!! 戦う前に ひとつ きいて おこう!!
 人間は なぜ 苦しむのだ?
 ジライア!! それは人間が 弱い心を もっているからよ!!
 では 人間は なぜ なやむのだ?
 ジライア!! それは人間が 弱い心を もっているからよ!!
 ちがうか ジライア?
 わしは そのような 弱い人間を
 もっと もっと 強い 生きものに かえてやるのよぉ!!
 それこそが 人間に とっての しあわせ!!
 あらたな 理想郷の はじまりなのだ!!
 そのために 古いものは すべて ほろびなくてはならぬ!!
 そうは 思わぬか? ジライア!!」

ハドソンの人気RPG『天外魔境』シリーズの登場人物。
1989年の一作目『天外魔境 ZIRIA』から登場している敵役。
また、1995年発売の対戦格闘ゲーム『天外魔境 真伝』でのボスキャラクターでもある。
他にも、このシリーズの多くで登場している。
CVは 加藤精三 氏。PCE版では自来也の兄弟子・雲切の親分との二役。

阪東地方を中心に「不老不死・幸福到来」を謳い、「ジパングに理想郷を築く」と布教する外の国から来た新興宗教「大門教」の宗主。
その正体は世界各地を滅亡させてきた邪教「デーモン教」の悪魔ルシフェラーである。
民を想う江戸のショーグンに取り入り入信させ、国を挙げて大門教を急速に広めさせたが、
理想のためにジパングの大地を一度無に還さねばならないと信じ、各地を護る神獣達を封印し、
かつてジパングを滅ぼしかけた鬼の王・マサカドを復活させるために必要な魂を信者達から抜き取っていた。

ジパングにおける「根の一族」の一員で、大和地方のイヒカの里出身。
本名はトキ(イヒカの言葉で「朝日」の意)。どこぞの世紀末病人とは関係ない。
イヒカの民は千年前の戦争で火の一族に味方し、戦後は自分達の技術が再び悪用される事を恐れて、人目に付かない場所で生きていた。
イヒカの祖先である指導者クマナの遺した「火の一族 この地にくだり イヒカの巨人 立つとき 我ら 再び 光を見るであろう」
という予言を信じ、火の一族が訪れる事を夢見て千年もの間、暗い谷底の洞窟の中でその日を待ち続けていた彼らだったが、
トキはマサカドを復活させてみせるとうそぶいて里を出て行く。
恐らく、マサカドを火の一族が封印したという伝説から、「マサカドを復活させれば再び火の一族が現れてくれる」と考えたのだと思われる。
由来の通りイヒカの希望を込められた者が、二度も世を乱す事になるのは皮肉である。
地上の光に人一倍執着したのはその名のせいだったのかもしれないと同郷の者は語っている。
その後、ロンドンから渡ってきたルシフェラーに憑依されて邪神斎を名乗り、マサカド復活のために和洋から大門教十三人衆を集めてジパング制圧を目指した。
なお、旧作では大門教十三人衆の最後の一人であったが、リメイク版ではそれより上の格になっている。

何百、何千もの人間を一瞬にして肉体を消し去り魂だけの姿にしたり、氷の壁に生き埋めにしてしまうほどの力を持っており、
その力の一端を見せ付けられるシーンは唐突なあまり不気味で、初見ではトラウマになりかねないほど怖い。

(『II』からの後付け設定であるため当然だが)最後まで根の一族やイヒカに触れる台詞は無く、アクマ族のルシフェラーを真の姿と称して変身する事、
息子である幻王丸と水王丸はイヒカの民には似ておらず、正体も「ベリエル」「クラーケン」と西洋の魔物である事、
ベリエルはルシフェラーに似ている事から、二人はトキではなくルシフェラーの子で、トキの人格はルシフェラーに上書きされ完全に消滅してしまったようだ。
デーモン教の教祖である魔王ガープの名前も出さないため、配下の支部長というわけではなく同格の存在だったと思われる。

小説『天外魔境I・II架話 髑髏譚 -SKULL TALE』では息子の幻王丸が主役となり、彼の母親、出生の秘密など邪神斎にまつわる新事実もいくつか明かされている。

PCE版では土気色の肌をしていたが、OVA版では緑色で、『II』でイヒカの民という設定が後付けされたのに伴い、
リメイク版ではイヒカ特有の緑色の肌になっている。

なお、トキの故郷である伊勢国の嘆きの谷の住人は一切地上の人間と関わろうとしていなかったが、
浪華のイヒカは神戸村の中にある洞窟に集落を構え、積極的に技術を無償提供し村人達に慕われていた。
トキ…そちらで生まれてさえいれば……。

+ 余談
『天外魔境II』の続編である『風雲カブキ伝』のラストダンジョンにて、部下や息子達共々何の脈絡も無く亡霊ザコとしてゲスト出演。
…なのはまだいいのだが、よりにもよって名前を「邪斎」と間違われてしまっている。
ザコに格下げされた上にこの扱いはあまりにも哀れである…。



『天外魔境 真伝』での性能

『天外魔境 真伝』における性能は、ボスキャラらしく(色々な意味で)相当なもの。
まずダッシュがワープで完全無敵であり、移動に全く隙が無い。
さらに武器で殴り合うゲームにも拘らず飛び道具を連発する弾幕キャラ
しかもパワーもある上、高性能な専用ガードを搭載…と、これだけ見ると非常に強そうに見える。
…のだが、ここで技のラインナップを見てもらおう。

炎化獄鳥
4HITの炎魔法。火の鳥を出す。邪神斎が使う技の中では最も威力が高く、レア度も高い。CPUはとどめくらいにしか使わない。
一死送電
4つのビットが電撃の三角形を作る飛び道具。触れると落雷が堕ちて2HIT。
凍神伝撃
青白い下段ブリッツボールみたいな飛び道具。HITエフェクトが凍り。
プレイヤーが近付くと凍神、離れると送電を多用するようだ。
地獄閃斬
ただの立ち強パンチなのに強そうな名前である。威力は高いがマントーA以外に当てると反確。
邪神烈撃
これもただの立ち中パンチだが、5本の指が伸びるのでリーチが長い。でも当てて反確になるほどのでかい不利。
邪神降臨
丸い球体で相手を包んで反対側に叩き付ける投げ。判定は広め。

以上。
実に技の数が少ない。え?レトロゲーなら普通?

補足しておくと、『天外魔境 真伝』は技の数なら群を抜く多さを誇っている。
弱攻撃、中攻撃、強攻撃、特大攻撃、ジャンプ攻撃、斜めジャンプ攻撃垂直ジャンプ攻撃、ダッシュ攻撃、しゃがみ攻撃、通常投げの全てに技名がある。
しかも距離や武器の有無に応じて技が別物になるため、必殺技を含めれば大抵のキャラクターは30以上の技を持っている事になる。
しかし公式に邪神斎の持つ技は上記の6つのみ。
通常技にさえ技名が付いている中でもこの少なさはある意味凄い。
そして上記を見ての通りジャンプ攻撃やしゃがみ攻撃すらも無いので、中下段という概念が無い。
しかし自分自身立屈ガード区別が無いため、下段も中段も立ちガードで防御可能。
あまりに思い切ったCPU専用キャラ性能である……。

全ての技に削り効果があり、弾幕も多少厄介だが、見ての通り地上打撃全てが当てて反確であり、
さらにその6つの技の中にまともな対空技が無いという致命的な弱点を抱えている。
常時無敵のワープと飛び道具だけをしていれば無敵なのだが、当然CPUはそんなインチキ染みた真似はしないので、
ラスボス第一形態の癖に、適当に飛び込みを連打するだけで勝ててしまう。
明らかに前座のマントーやカラクリ兵の方が強く、このボスラッシュでは間違いなく最弱である。

開発者によると、魔法のエフェクトに最後までかなりこだわったらしい。
どうしてそれ以外にこだわらなかったのかと小一時間(ry
邪神斎は犠牲になったのだ……職人魂の犠牲にな……。
また、このゲームにおいて挑発(ただし通常技扱い)を持つ唯一のキャラクターである。
何故挑発を入れる前に攻撃を作らなかったのかと小一時間(ry
CPU専用キャラクターであり、プレイヤーは使用する事はできない。
ダッシュしてるだけで絶対に死なないキャラを使えても困るが

倒すと最終ボスであるルシフェラーに変身する。なお、名前付きの技は8つと何気に増えている。
確率でスーパーアーマーが発生して仰け反らなかったり、コマ投げの「ヘルストーム」は一撃で6割以上減ったり、
足元に発生する下段飛び道具「ハルマゲドンウィスプ」で永久もできるラスボスらしい性能だが、流石にCPUは永久を狙ってこない。
また、邪神斎と同じくしゃがめずジャンプもできない代わりに、
中段で判定が超強力、かつ削りもでかいライダーキック「スターダストスピア」で飛びながら攻撃してくる。
……が、このスターダストスピア、画面外にジャンプ→攻撃がワンセットなので発生が非常に遅い上に、
一部キャラはガードから反確なのでむしろボーナス技である。しかもCPUはこの技を多用する。
加えてまともな対空技が無いのも変わらないため、変身前同様に適当にジャンプ攻撃を振ってるだけで勝ててしまう事もある。

ついでに判定がバカでかい上に上記の通りしゃがめないため、
剣を取った極楽太郎「極楽大旋風棍」をガードすると10割食らって即死する。

+ 勝利メッセージ
卍丸
命に代替などあり得ぬ
よって 貴様は地獄行きとなる

極楽
遠い! 果てしなく遠いのだ!
最強への道に終わりはないのだ!

綱手
火の勇者を制圧してこそ
最強の称号にハクが付くのだ!

大蛇丸
どんなに私を斬ろうとも
結果は 己がもがき苦しむが如し

八雲
もがけ! 苦しめ! 泣きわめけ!
二度と こんな考えを持つな!

自来也
私の勝利は夢ではない
貴様にとっての悪夢ではあるがな

カブキ
口先だけで 最強の男になれるほど
世界は甘くないということだ……


グフフフフ……そう簡単には
ジパング最強の座は 渡たせん!


MUGENにおける邪神斎

2体確認されている

+ 死門氏製作
  • 死門氏製作
現在は入手不可。
一部のスプライトエフェクト、動作が未実装で原作再現率は低いものの、機動性の高さと広い攻撃範囲を持つ性能となっている。
必殺技は一死送電、炎化獄鳥、凍神伝撃のアレンジバージョンが搭載されており、威力もそこそこ高め。
なお、邪神降臨はスプライトの抽出に難があるらしく未搭載。

外部AIはおまけの人氏によるものが存在。
いつもの氏らしいAIにさらに輪をかけたような強さは一見の価値があるが、それ故やはり一般の動画には使いにくい。
かつてはゼクルス氏によるAIも存在していたが、こちらは現在公開停止となっている。

+ 大垣氏製作
  • 大垣氏製作
立ち屈判別無しガードやアイテム以外の要素を、バグや不自然な仕様含めてほぼ再現している。
『真伝』の特徴的な勝利メッセージ画面も、負けた相手に時間負けステートヘルパーを出させる事により再現している。

AIもデフォルトで搭載されており、4段階のレベルの他ガード頻度が設定可能。
元々の性能が格ゲー向きでないので、作られていない空中攻撃(原作同様着地まで画像や接触判定が消えて無敵になる)を駆使しての投げや、
遠間からの飛び道具を押し付けて戦うといった挙動になっている。というか性能上ガチでこれぐらいしかやれる事が無い
また、2015年10月の更新で動作高速化スイッチが登載された。
これをONにすると技の発生や隙が軽減され、安定して飛び道具が撃てるようになるため強さが一変。
凶相手に安定して戦える強さを発揮する。

この他、MUGENについて語るスレ用小物ロダに製作者不明の外部AIが公開されている。
デフォAI以上に無敵ワープを駆使しての投げや、炎化獄鳥お手玉狙いと容赦無く攻め立ててくる。
ただし、6Pカラー以上でないと起動しないので注意。


かつては変身後のルシフェラーもbad darkness氏によって製作されていたが、現在は入手不可。
こちらにはSnowwolf氏による「ルシフェラーEX」という改変キャラが存在する。
MUGEN1.0以降専用だが、WinMUGEN対応パッチもOneDriveにて同時公開中。
AIもデフォルトで搭載されている。


「命に代替などあり得ぬ
   よって 貴様は地獄行きとなる」

出場大会

【ルシフェラー】
【ルシフェラーEX】

出演ストーリー

プレイヤー操作

単発!良キャラ発掘絵巻(part181、大垣氏製)


最終更新:2022年07月16日 13:59