ブロッケン


     

「見よ!我がドイツの科学力を!!」

     コピー:発進!超無敵必殺ロボ!!(『WH2』)
                   鋼鉄軍人(『WHP』)
     出身地:ドイツ
     誕生日:1891年 10月24日
     年代:1922年
     年齢:31歳
     身長:185cm
     体重:200kg
     血液型:カストロール
     職業:軍人かつ最高機密
     格闘技:軍人式格闘技
     趣味:空中飛行
     好きな物:弱肉強食、科学力、カストロール、世界一
     嫌いな物:レギュラーガソリン(間違えて注入して痛い目にあったから)、燃料切れ
     知能指数:計算外
     宝物:使命

「闘いこそが我が人生であり宿命…。この体朽ちるまで、俺は闘い続ける」


WH2
どんより曇った空の中、今日も上空を爆撃機が飛んでいる。
戦争の余波は、ドイツの片田舎の村にまでおよんでいた。
村人たちは敵国の爆撃機の来襲に血相を変えて逃げ場所を探している。

上空の爆撃機のコクピットの中で敵兵がニヤリとしながら今にも爆弾を投下せんとしていたその時、
空の彼方から小さな影が現れた。
村人たちがもうだめだ、と思って伏せた瞬間に奇跡が起こっていた。
ピカッと上空が光り輝いたかと思うと敵機は火球と化していたのだ。

ボウ然とする村人の前に、奇跡の主は立っていた。
「ありがとうございます…あ、あなたは?」と村人が言った。
「私の名はブロッケン」と言うと彼は再び上空へと消えた。


旧ADKのアーケード用対戦格闘ゲーム『ワールドヒーローズ』シリーズの登場キャラクター。
大戦中にナチス・ドイツが開発したサイボーグ戦士である…と思われやすいが、彼が来たという年代の1922年はまだヴァイマル共和国時代だったりする。
生年が1891年であることから考えると、ドイツ帝国で改造されたサイボーグで「大戦」は第一次世界大戦だったようである。
ナチスネタがヤバいから、スタッフがギリギリで年代書き直して修正したんじゃないかって? その可能性はあるかも知れない…*1
モデルは『キン肉マン』に登場したブロッケンJr.(あるいはブロッケンマン)と、
ジョジョの奇妙な冒険』第2部に登場したルドル・フォン・シュトロハイム少佐であるのは言うまでもない。
「伯爵」と名乗ったりはしない…が、そっちも元ナチス軍人のサイボーグで、
漫画版が週刊少年ジャンプ連載だったりするので、全く無関係とも言い切れないかもしれない。
超獣MUGENオリジナルキャラとは関係ないと思われる。
そのキャラクター性から開発者からの人気は高く『ADKワールド』では彼を主人公にしたシューティングゲームまで作られている。

+ 裏話
開発当初のキャラモチーフは、なんとアドルフ・ヒトラーだったらしい。
まあラスプーチンだって出ているし、古今東西英雄大戦としては十分に出られる「格」を持つキャラではあると思われる。
だが必殺技「毒ガスで相手を攻撃する」などシャレにならないものを搭載するつもりだったため、
ヤバイと思った上層部からストップがかかり、割とマイルド(十分グレーだが)な今のデザインになった、という話である。
それでも結局掴み投げで毒ガス攻撃はやっちゃったんだけどな!

手足は伸縮自在で長いリーチを誇り、更にはジャーマンスープレックスを仕掛ける時も、
腕を伸ばして常識外れの落差を付けるという、サイボーグならではの芸当をやってのける。
また体内で爆弾を生成可能で、腕や足から発射することが出来る。さらにはジェットエンジンも搭載され、空を飛ぶことも可能。
正にドイツの科学力は世界一である。

ワールドヒーローズ主催者のブラウン・シュガー博士にメンテを担当してもらっているが、
当のブラウン博士はそのついでに彼を実験素材にしているようで、
『WH2』のEDでは新しい身体と称してコミカルなボディを与えていたりする。
見た目は「B」と書かれた箱型ボディだが性能面は向上しているらしく、
『WHP』ではブロッケンも恥ずかしがりながらも外装を擬装して使い続けている
(というよりも、見方によっては箱型ボディが自爆(後述)後、失われた身体を復元する。いわば中枢回路の役割を果たしているようにも見える)。
ブラウン博士の実験はこれだけではないようで、『WH2JET』によるとブロッケンはブラウン博士の実験にガクブルらしく、
他にも『WHP』のADKワールドに名前だけ出てくる「ブロッケンの開発者のシューゲル(Suger)博士」という人物が、
ブラウン博士と同一人物疑惑があったりする。正に自作自演
(ブラウン博士のファミリーネームは「シュガー(Sugar)」でこれをドイツ風の読みにすると「シューゲル」になるので…。
 なお食品の砂糖そのものを意味するドイツ語は「ツッカァー(Zucker)」であるのでご注意)。
またNEO-DIOと対戦する時の会話(字幕)、ブロッケンの究極奥義、ブロッケンの『WH2』のEDの関連を考えると、
どうやら『WH2』ではブロッケンがDIOを倒した模様である。
さらに言うならば『WHP』でリョフに対してだけ対戦開始時の字幕で「こんどはにがさん!」と言っており、
捉え方によっては『JET』の出来事もブロッケンが解決し、『2』と『JET』の2大会合計3連覇しているという事に……。
ドイツの科学力マジすげぇ。

SFC版『WH2』では個別EDの直前にDIOとの会話が挟まれるのだが、
ブロッケンの場合はギャグ調の個別EDとは打って変わり、彼の悲哀を感じさせるものとなっており、非常にカッコいい。
「主人公のハンゾウではなく、ブロッケンがDIOを倒したのが正史である」というのも頷けるほどである。
DIO側のセリフは誰が相手でも変わらない(ネオギガスや自分が相手でも)のだが、一番会話が自然でしっくりくるのがブロッケンなので、
このセリフはブロッケンに合わせているととれる。

+ SFC版WH2 DIO撃破後の会話
「負けた… この俺が… 負けたのか… いったい お前は… 何者…なんだ?」
「俺は… 俺は 人間だ。」
「人間とは これほど強い生き物なのか… グッ… 世界最強の英雄よ… 最後に お前の… 名を…」
「ブロッケン… しかし もう俺を人間と呼ぶ者は いないかもしれないがな…」

このように『WH2JET』まではクールでカッコいいキャラだったが、
何故か『WHP』のメッセージではやたらと叫ぶようになり、うるさくなった
(ゲーム媒体に限らなければ、実は『WH2JET』のムックでもやたら叫びながらうるさいコメントを残している)。
イギリス生まれというだけで、ジャック・ザ・リッパーに国のプライドをかけて喧嘩を売ろうとしていた。

「俺は、我がドイツのためなら、茨の道でも歩みつづける!!」

『WHP』からブラウン博士に「ODC-004BROCKEN」という形式番号を付けられており、
上記のSTG『19YY』では「ODC-005」にバージョンアップしている。ちなみに「ODC」の部分についてはADKワールドによると、
「ODCの部分?そういえば博士、これは何の意味ですか…えっ?…おいら・ドイツの・サイボーグの略ッ!?
 ウソだ、ウソだと言ってください!」
だそうな。

「国を越え、時を越え、俺は「友情」というものを知りはじめている!!」

英雄達との戦いを重ねる内に、捨て去ったはずの人間的な感情を取り戻していく。
そのせいか『WHP』ではあろうことかジャンヌに恋愛感情を抱いてしまう。

美しいッ‥‥ハッ!! 何だァァ!? 今の感情はァァァァッ!?
 何だ!? このトキメキはッ!? こ…これが『愛』なのかァァァッ!?」

彼女に会うと胸の小型原子炉が爆発しそうになるらしい。
正直、爆発したら洒落にならないぞ。

余談として血液型と好きな物にある「カストロール」とは、
主に高級車や競技用車両(レースに使用するパワーマシン)用に向けた、
高級オイルを販売する「カストロール社」のオイル名ブランドである。


原作での性能

手足が伸びる、所謂ダルシム系キャラである。
リーチは長いのだが動きが遅く、また技のモーションも大きい。
空中ガードされないため*2、牽制や対空などに優れるが、
モーションの遅さ故に見てから無敵技で返されるという弱点を持つ。

『WH1』ではしゃがみ弱パンチ連打で相手を気絶させ、そこからまたしゃがみ弱パンチ連打で気絶→気絶に持っていくコンボが猛威を振るった。
必殺技飛び道具の「グレネードランチャー」、連打技の「スパークサンダー」、対空技の「ハリケーンアーム」の3つ。
特にハリケーンアームは 「↓→↘+ボタン」という妙に使いづらいコマンドが特徴だった
(ちなみにこのコマンドは後に『ヴァンパイア』のデミトリ・マキシモフの「ミッドナイトプレジャー」「ミッドナイトブリス」、
 『KOF』シリーズのK9999の「力が…勝手に…ぅわあああ!!」でも使われている)。
また、特殊技の「ジェットアタック」で飛行が可能。

『WH2』では足から発射する「ジャーマンミサイル」が追加されたが、
前作で猛威を振るったしゃがみ弱パンチが弱体化するなど辛くなった部分の方が多い。
『WH2JET』ではグレネードランチャーが「ロケットパンチ」に変更され、
新技として「ロングスパークサンダー」「アームパンチ」が追加された。

『WHP』ではロングスパークサンダーがスパークサンダーの中・強という形で統合され、
アームパンチは通常技の近立ち強パンチに格下げされた。
飛行中に「ジャーマンボム」という爆弾を投下することが出来るようになった。

そして、『WHP』でブロッケンは二つの笑える技を習得した。
一つは「攻撃判定付挑発」。
モーション自体は『WH2JET』で初登場した首を伸ばすというものだが、
『WHP』では何とこの伸ばした首に攻撃判定ガードポイントが存在し、屈辱的対空技として使えるようになった。
ただし、キャンセル出来ないので外せば相手からボコられることになる。特に良子戦ではやってはいけない。
もう一つは究極奥義「ジャーマンエクスプロージョン」。
コマンドが「BC・BC・ABC」とボタンだけで構成されており、成立すると渋い声でポチっとなという台詞と共に自爆
爆風で相手を吹き飛ばし、その後に『WH2』のEDで登場したあの身体と共に再生するのである。
ただでさえライフは一切消費せず乱発も可能なので、所謂自爆技とは一線を画すのだが、
この技の真髄はヒーローゲージMAX時にあり、何と至近距離だと爆風がガード不能になってしまうのだ。
しかもモーション中は完全無敵なので、対空・カウンター・画面端に追い込んでの起き攻めと、あまりにも役に立ちすぎる性能である。
お笑い技は得てして使いにくいという傾向がある中で、この待遇。如何にスタッフから愛されているかが窺えよう。
攻略本でも「ポチっとな100連発でいこう!」とか書かれている。なんなんだアンタ

そんなこんなで、『WHP』では強キャラの地位にいる。
突進技の「メッサーシュミットアタック」で固め、そこから派生する「ジャーマンボム」で起き攻め。
中距離「ロケットパンチ」又は「ジャーマンミサイル」で遠距離もバッチリ。そして壁際で「ポチッとな」と、地上ではかなり隙が無い。
その分、対空が非常に頼りなくやり込みを要するキャラである。

製作動画


MUGENにおけるブロッケン

3体ほど確認されており、いずれも『WHP』仕様。

+ FUJY氏製作
  • FUJY氏製作
現在は入手不可。
元ネタ繋がりでブロッケンJr.の必殺技「ベルリンの赤い雨」や、バイクで砂漠を踏破中の若ジョセフストライカーとして呼び出す技が追加されている。
特に前者は背景にハーケンクロイツが出現するかなりヤバい技である。
魔改造ネタキャラかと思いきや、ガードキャンセル必殺技や空中受け身なども実装されている。
AIは搭載されていない。
参考動画

+ 死門氏製作
  • 死門氏製作
現在は入手不可。
エリック呂布ジョニー・マキシマムの製作者である死門氏による『WHP』仕様。
ヒット音などが原作のものではないためβ版とのことである。その他の原作と異なる点としては以下の通り。
  • ガードポイント攻撃やガードはじき攻撃といった原作のシステムは未実装
  • しゃがみ強パンチが2HIT技ではなく、「近立ち強パンチ→しゃがみ強パンチ→しゃがみ強パンチ」の基本5HITコンボが出来ない
  • 高角度ジャーマン(→P投げ・高威力)とジャーマン(←P投げ・並み威力)のダメージが一緒
  • ハリケーンアームでのHEROゲージ使用を任意で選択可能
  • ジャーマンボムが未実装
なお、現段階でもおまけの人氏とほしおでん氏によるAIが存在し、後者はhamer氏によって代理公開されている。

+ GM氏製作
  • GM氏製作
マッスルパワーシャア専用ズゴック、『ストIII』キャラなどでお馴染みのGM氏によるもの。
現在氏のサイトは閲覧できない状態にあるため、交差氏によって代理公開されている。
各種システム及び必殺技は完全原作再現されており、お約束の戦闘中字幕もON・OFF可能。
ジャーマンエクスプロージョンはコマンドが簡略化され使いやすくなった。
AIもデフォルトで搭載されているが、お茶氏による外部AIも製作された。
プレイヤー操作(2:36~)


これらの他に、ビシャモン望月双角などアレンジネタに定評のある3㌶氏製作のダルシムは、
特殊技でブロッケンモードに変化し、ロケットパンチしたり自爆したりとカオスになる。今週のビックリドッキリヨガー

+ ストーリー動画ネタバレ注意
それまで大会・ストーリーでもあまり出番の無いキャラクターだったが、
某ストーリー動画にて『WH』勢一号、並びにナチス繋がりとして登場し、
その人格者ぶりが前面に出されて人気キャラとなっている。
そして番外編でまさかの 専用 BGMを背に戦い、さらにそこから 歌詞まで付いてしまった…
・・・・すごいサイボーグだ。


「フッ…。またひとつ勲章が増えるな……」

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み

出演ストーリー

プレイヤー操作

アルで昇華(part1、GM氏製)
実況付きP操作 Tarie配信(224キャラ目操作キャラ、GM氏製)


*1
SNES(欧米でのスーパーファミコン)への移植の際に、アメリカ向けではそのまま行けたのだが、
さすがにヨーロッパ向けへはナチス風味は不可能だったらしく、
キャプテンコマンドー風のヒーローっぽいグラフィックに描き直されている。

*2
ワールドヒーローズ』シリーズは『WHP』までは空中ガードが無く、『WHP』で空中ガードが追加されたが、地に足を付けている攻撃は空中ガード不能。
逆を言えば、ハンゾウの「光龍波」などの飛び上がるタイプの対空技は、出掛かりの地に足を付けている時でなければ空中ガードされてしまう。


最終更新:2024年03月18日 12:55