バットマン


"I'm Batman"

+ 日本語吹替声優
広川太一郎
『怪鳥人間バットマン』(フジテレビ版、ソフト版)
田口トモロヲ
『怪鳥人間バットマン』(WOWOW版)
小川真司
『怪鳥人間バットマン』(新TBS版)
銀河万丈
『電光石火バットマン』(日本テレビ版)
三宅裕司
『電光石火バットマン』(テレビ東京版)
渡辺裕之
1989年映画版、『リターンズ』(共にソフト版)
堀勝之祐
1989年映画版、『リターンズ』(共にTBS版)
山寺宏一
1989年映画版、『リターンズ』(共にテレビ朝日版)
『レゴムービー』シリーズ、『LEGO スーパー・ヒーローズ』シリーズ、『レゴバットマンザ・ムービー』
『ニンジャバットマン』『SINoALICE -シノアリス-』『DC がんばれ!スーパーペット』『ザ・フラッシュ』
竹中直人
『フォーエヴァー』『Mr.フリーズの逆襲』(共にソフト版)
小杉十郎太
『フォーエヴァー』(テレビ朝日版)
小山力也
『Mr.フリーズの逆襲』(テレビ朝日版)
玄田哲章
『DCアニメイテッド・ユニバース』『ブレイブ&ボールド』
加瀬康之
『ザ・バットマン』『ヤング・ジャスティス』『バットウィール』
三木眞一郎
『ゴッサムナイト』
檀臣幸
『ダークナイト・トリロジー』(ソフト版)
東地宏樹
『ビギンズ』(テレビ朝日版)
高橋広樹
『ビギンズ』(フジテレビ版)
藤真秀
『ダークナイト』(テレビ朝日版)、『アーカム・ナイト』
小原雅人
『DCエクステンデッド・ユニバース』
山田孝之
『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』
千葉哲也
『TITANS/タイタンズ』
櫻井孝宏
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
石毛翔弥
『ジャスティス・リーグxRWBY: スーパーヒーロー&ハンターズ Part1』
三宅健太
『ジャスティス・リーグxRWBY: スーパーヒーロー&ハンターズ Part2』

なお、玄田氏は後述の『Mr.フリーズの逆襲』のMr.フリーズ役でも出演しており、
更には『ザ・バットマン』でも同役で加瀬氏演じる若きバットマンと対峙することとなり、
新旧バットマン対決ともいえるような状況となった。

アメリカのDCコミックの『バットマン』シリーズに登場するヒーロー。
初出は1939年の『DETECTIVE COMICS #27』と現役のアメコミヒーローの中ではスーパーマンに次いで古株。
愛称は「バッツ」。『ファイナルファンタジーV』の主人公とは無関係。
犯罪都市ゴッサムシティの平和を守り続けているクライムファイター
また、『ジャスティスリーグ』の誕生にも関わっており、主要メンバーの一人である。
黒尽くめな格好、高い知名度、犯罪者への容赦ない態度と暗い心中から「ダークヒーロー」の代名詞と言える男。

本名はブルース・ウェイン。身長188cm。体重95.3kg。
ゴッサムシティで一番の大企業、「ウェイン・エンタープライズ」社長の子供として産まれるが、
八歳の時に「奇傑ゾロ」(映画『ダークナイト』では、ヒーローという概念自体が存在しない世界という設定のため異なっている)を観た帰り道で、
強盗に両親を殺されてしまう。その事がトラウマとなり、あらゆる犯罪を撲滅するべく、
受け継いだ財産と鍛え上げた肉体(ゴッサムに戻るまでの十数年間自身を鍛えるために世界を回っていた)で、
街に潜む闇を狩る闇の騎士(ダークナイト)、「バットマン」となった。
他にも「ダークナイト・ディテクティブ(闇夜の探偵)」、「ケープド・クルセイダー(ケープの聖戦士)」の異名を持つ。

性格は非常に正義感が強く、妥協をしない。
映画やTVドラマ、アニメシリーズなどではまだ真っ当なヒーローとして描かれる事が多いが、
はっきり言って原作ではキチガイ一歩手前に描写される事も多く、
相手が犯罪者などの悪人とはいえ、敵がバットマンに怯える様子を見て喜んだり、
犯罪者を殴る事に喜びを見出していたりとサディストに描かれる事もある。
特に、名作『ダークナイト・リターンズ』を手がけたフランク・ミラー氏の作品ではその傾向が顕著であり、
ある意味で狂人すれすれというバットマン像はミラーの影響が強いといえる。
とはいえ「ゴッサムで活動を始めたばかりのバットマン」等を描いたシリーズでは今でも正統派ヒーローである事が多く、
どうやらゴッサムシティでの自警活動に対応していった結果、徐々に深みにはまっていったようだ。
現行の流れではそこまでヤバい事にはなっていないが、これまでも行き過ぎては反省し、
真っ当な道に戻るという事を何度か繰り返しているため、また過激な方向に進んでいく可能性は否定できない。

完全に個人営業のクライムファイターであるため警察との折り合いも良くないが、本人はやめるつもりは毛頭無い
(大抵の作品では警察がバットシグナルを空に投射して助けを求めるなど、ある程度協力している場合もある)。
ウェイン・エンタープライズ筆頭株主としての「ブルース・ウェイン」は慈善家のプレイボーイとして知られている。
尤も、プレーボーイというのは世間を欺くために金持ちのボンボンを演じているだけであって、実際には恋愛にも真剣な人物である。
だが、家族生活の経験が短かったためか他人に愛情を示すのが苦手な上、バットマンとしての活動を重視するため、
恋愛関係、友人関係問わず、あまり長続きしない。

ゴッサム市警本部長のジェームズ(ジム)・ゴードンとは数少ない警察関係者の親友。
彼はバットマンの正体は知らないが、もう一つの顔のブルース・ウェインとも仲が良い。
実はシリーズ第1話「ケミカル・シンジケート事件」(Detective Comics #27(1939)収録)から既に登場しているという、
バットマン史において最も息の長いサブキャラクターでもある。

若い頃は舞台役者だったり、軍医だったり、王室直属のスパイだったり、装備全般のメンテナンスもこなす等、
かなりのスペックを持つ執事アルフレッド・ペニーワースには絶対の信頼を寄せている。
ちなみにこの執事、バットマンほど強くはないが、身代金目的で誘拐されそうになっても犯人を返り討ちにするほど強い。
いずこの世界も執事というものは高性能な物らしい…というか、高性能執事の元祖的な人物である。

ヒーローとしての能力は、極限まで鍛え上げた肉体と格闘技、非常に回転の速い上に犯罪に関する事なら幅広く学び、
身に付けた頭脳、バットスーツを始めとする優れたアイテム、大企業の筆頭株主としての財力と情報力など、
普通の人間が手にする事のできる力をどれも最高レベルで持っている事であろう。
ただし、銃で親を殺された事から「決して銃を使わず、敵も絶対に殺さない」という厳しいルールを自らに課しているため、
銃を初めとした殺人兵器の類は所持していない。逆に、所謂「超能力」の類は一切使用できず、耐性もない。
このため、ヒーローチーム「ジャスティスリーグ」などでは、どちらかというと頭脳や財政面でサポートする事が多い。

とは言うものの、その身体能力は最早超人的なレベルで、分厚いレンガの壁をパンチで突き破ったり、
強化された肉体を持つ超人兵士であるキャプテンアメリカと互角以上に戦えるほど。
+ キャプテンアメリカとの一戦(『DC vs. Marvel』にて)
DC、マーベル両世界の化身たる巨神ブラザーズに選ばれたそれぞれ11名の代表のうち、最後の大一番を飾る決戦に登場。*1
戦いの舞台がゴッサムシティの下水道という立地の良さもあってスペックに勝るキャップを相手に互角の戦いを繰り広げ、
一瞬の隙を突いてバッタランとシールドの投げ合いを制して勝利を収めた。

後に両世界が融合、また再分離と激動の展開を続け、遂には巨神ブラザーズ達が直接戦い始めて両世界は消滅の危機に瀕してしまう。
ここで両世界の守護者として誕生した新ヒーロー・アクセスはバットマンとキャプテンアメリカをブラザーズ達の前に転移させ、
マーベルユニバースのブラザーズはバットマンの偉大な戦いの歴史を一望する。
……そして、巨神は戦いを止めて静かに語った。「見事なり」と。
バットマンの戦いは、自身の世界こそが唯一絶対であると考えていた異世界の神に、己と並び立つ存在であると認めさせたのだ。
同時にDCユニバースのブラザーズもキャプテンアメリカの戦いに感じ入り、巨神達は互いの存在を讃え合った。
ここに、世紀の戦いは幕を閉じ、両世界は再びそれぞれの道を歩み始めるのだった……。
アクセスがいるからまたいつでも好きな時に交流できるというとんでもない設定を残して

他にも「スーパーマンの動きが早すぎて一般人に姿が見えない」と言う演出が入った後に、
バットマンは普通にスーパーマンの動きを目で追えていたり、
同じくスーパーマン級の戦闘力を誇るグリーンランタンの一人をパンチ一発でノックアウトしたり、
また更に同じくスーパーマンと同クラスの身体能力を持つ敵を合気術で投げ飛ばしたりと、
割と単なる生身の人間というには強すぎる感がある
(この辺りはライターによる描写の違いという事もあるが…。
 実際、中身はあくまでも普通の人間なだけあって防御力には難があり、やられる時は簡単にやられる時もある)。

ヒーローとしての交友関係もジャスティスリーグに在籍しているため非常に広く、チームメイトも多い。
同じリーグのザターナや、フリーのジェイソン・ブラッドは弱点である神秘関係の情報を提供してくれる良きパートナー。
だが、あくまでも個人的動機で戦うダークヒーローであり、
それに加えて上記の様に人間関係の維持能力が壊滅的なまでに無いため、「仲間」は多くても「親友」は殆どいない。
それのせいで長い付き合いになるキャットウーマンも恋人と言うよりか、
どちらかというと腐れ縁である(スピンオフ作品によっては正式にくっ付いて子供まで儲けている場合もあるが…)。
唯一の例外が同じ創設メンバーのスーパーマンであり、互いの悩みを相談したりする事もある。
ただし、それぞれの掲げる「正義」が明らかに異なっているため、それが元で対立する事も多い。
2人ともそのあたりはよくわかってるため、親友としてつきあっていけてるのかもしれない。
また、2人が衝突すると大抵はワンダーウーマンが割って入って緩衝材として機能するため、
余程の事がない限り対立がエスカレートする事はない
(そのせいかバットマンの方も、スーパーマンほどではないがワンダーウーマンには心を許している)。

また「恐怖」を武器とするバットマンと「恐怖に立ち向かう意思」を武器とするグリーンランタンの面々とは仲が悪い。
実際、ランタンの一人には「恐怖を感じない人間から見れば滑稽な仮装だろうさ!」と言われたり、
バットマンも復活したランタンの一人を敵とみなして警戒したり、
ハルに対してほぼ一方的に苦手意識を持っていたりと、険悪とは言わないまでも相性が悪いようだ。
王道熱血漫画における嫌味な知性キャラのポジ=ランタンでのバットマン、
シリアスな漫画での青臭い熱血キャラのポジ=バットマンでのランタン、と言った所だろうか?

+ 暗黒の騎士の暗黒面
バットマンはジャスティスリーグの面々の弱点を研究し尽くしている
これは万が一にでも彼らが裏切った際、暴走した際、自分の正義と対立した場合に備えたもので、
常にいかなる相手であっても信用しきれない、バットマンの狂気の一端であるとも言える。
ちなみに情報流失して仲間が多大な被害を受けてもなお、謝罪はしていない。

更にその後、「アイデンティティ・クライシス」という事件の際、
とあるヒーローの正体を知って卑劣な凶行に及んだ(彼の妻を酷い目に遭わせた)とあるヴィランに対して
ザターナが魔術を用いて、ヒーローの正体に関する記憶消去だけでなく邪悪な人格を変えてしまうための洗脳までも行おうとし、
ヒーローとしての倫理に反するとそれを止めようとしたバットマンの記憶を消していた事が判明したのである。
そして、それは彼女の独断ではなく、他のリーグのメンバーらの決断によるものでもあったため、
後に記憶を取り戻したバットマンは、これまで以上に仲間を信じられなくなっていったのである。
そもそも気難しいから説得を断念されたとも言えなくも無いけど。

そして完全に人間不信に陥ったバットマンは、最も信頼する相手であるナイトウイング(初代ロビン)にさえ、
「誰であろうと信じてはならない、たとえ私であろうともだ」なんて教えたりするようになってしまう。
そしてその挙句、監視衛星を打ち上げてヒーローを監視する事さえ始めてしまう。
だが、後にその衛星は自我を持ち、何とヒーローの抹殺を目的として行動し出したのだった。
その結果、ヒーローに死者が出てしまっても絶対に謝らないバットマンだったが、
この時期は殺人を犯させるレベルまでに洗脳されたスーパーマンがバットマンをガチで殺害しかけて、
それに対してバットマンは「君のような力をもった存在が操られていたから、で済まされると思うのか」と言い放ち、
更にワンダーウーマンが悪人を止めるために、やむを得なかったとはいえ殺人を犯して責められたりと、
バットマンに限らずヒーロー全体に深刻な不和が広がっていたので、ある側面では仕方無いと言えなくもない。

これらの流れから始まった「インフィニットクライシス」という事件の中で、
改めて人との繋がりの価値を再認識していったバットマンは事件が終わった後、家族と共にゴッサムを離れ、
一年間世界中を巡り、自身を見つめ直したのだった(ロビンは先に帰ったけど)。
余談だが、監視衛星が自我を持って暴走したり、スーパーマンが洗脳されたり、
ワンダーウーマンが殺人を犯すよう仕向けられたのは「インフィニットクライシス」の悪役が黒幕だった。

このような、ある意味人間性を欠いた人格というか、「バットマンの正体はブルース・ウェイン」ではなく、
「バットマンがブルース・ウェインの素顔」と言えるような状態のため、
アメコミ史上「最悪」のヴィランと名高いジョーカーすら、彼の事を「気狂い」扱いしている
(彼曰く「蝙蝠の仮装をして玩具を投げて犯罪と戦う奴は気が狂ってる」との事。また、その狂いっぷりは自分以上とも評していた)。
また他のヴィランも多くがその事を指摘しており、キャットウーマンその他との恋愛が進展しないのもそのせい。
ペンギンなどは「お前は俺に嫉妬しているんだ。俺は素顔でも鳥人間だが、お前は仮面を被らなきゃいけない!」と言い放っている。

バットマン本人もこの事は十分に自覚しているようで、
彼が「決して銃を使わず、悪人を殺さない」という厳しいルールを自らに課しているのは、
パニッシャーとは異なり、自分自身の最後の人間性を守ろうとするためであると思われる。
そういった意味で、自らの怒りや狂気とも戦わなければならない彼は、文字通りの「ダークヒーロー」なのである。
また、上記の様にバットマンを気狂い扱いしているジョーカーもその一方で、
(作品にもよるが)辛うじて正気を保ち続けているバットマンを心底羨んでいる

とは言うものの、上記のルールを時と場合によっては、「銃を使わなければ問題ない」「殺しさえしなければなんでも良い」
もしくは「自分が直接手を下しさなければ悪人が死んでもお構いなし」という、
ある意味でとんでもなく自分勝手な方向に捻じ曲げる事もあるようで、
「一生涯に渡って刃物・銃・暴力行為に対して深刻なトラウマを発症する神経ガス」を使ったり、
無傷で犯人を確保する手段があるにも関わらず、敢えて犯人の腰の骨をへし折り逮捕したり、
貧困故に止む無く犯罪に手を染めた、子供を持つ父親をジョーカーを釣る餌として見殺しにしかけたりと、
単純な人殺しよりはるかに悪質なんじゃないかと思わせる手段も散々使っている。
しかもバットマンが想定する対ギャング用の最終戦術は、
よりにもよって街のギャング同士を煽って対立を深め、街中で抗争を起こさせてギャングを間引くという、
読者から見ても「それはもう立派な殺人じゃないか!」とか「ジョーカーでもやらないだろ!」とかツッコミたくなるような酷い代物である。
もし実行すれば、無辜の一般市民がまず間違いなくとばっちりを食うのは火を見るより明らかであり、
当のバットマンがそれに全く気付いていない、あるいはやむを得ないと割り切って目を背けている可能性は極めて高い
(まぁ、だからこそ最終手段なのだろうが、そうとは知らない身内の手でバットマンの意図しない所で実行されてしまい、大惨事となってしまった)。
冒頭で解説しているように、その精神は既にキチガイ一歩手前と化しているため、
最早発砲と殺人に手を染めずして一線を越えているんじゃないのかとか、
発砲と殺人のいずれか、或いは両方に手を染めた方が精神面が却って安定するのでは、と思いたくなるような描写も非常に多い。
こんな有様のせいか、「犯罪を撲滅しようとするバットマンの存在こそが犯罪を呼んでいる」というテーマが掲げられる事もしばしば
(バットマンを倒したと誤解したリドラーが足を洗って真人間になろうとしたが、生存を知りまた悪事を犯し始めたり、
 バットマンを殺したと勘違いしたジョーカーがショックで正気に戻ってしまったが、生存を以下略……等)。

余談だが、「銃を使わない・敵を殺さない」という姿勢は当時の制作サイドの執筆方針の移り変わり、
ロビンの登場、コミック・コードといった複数の要素がもたらしたもの、という面が強い。
実際、原作最初期でのバットマンは典型的な復讐型ヒーロー、「悪人の生命を絶対に尊重しない冷血漢」だったため、
拳銃を手に持ったカットも散見され、悪人を殺す事もあった
ロビンが登場するまでは殺害方法がエスカレートするばかりで、
ロビン初登場エピソードでは、ある悪党を間接兼合法的に殺害(=死刑に)するため、
「その悪党が殺人事件を起こすように仕向けて実際に人を殺させ、その一部始終を撮影した写真を警察にプレゼント」
というジョーカーも真っ青な超卑怯で腐れド外道極まりない手段を使っている。
が、バットマンの余りの冷血な姿勢に対して変だと思う読者は当時から存在し、
それを受けてか編集からもバットマンによる殺人への疑問の声は出ており、
そこからの作家陣の試行錯誤とロビンの存在に、後年制定されたコミック・コードなどが絡み合っていき、
バットマンは銃を使わなくなり、悪人を殺さなくなり、作風の方もかなり明るくなっていった。
そしてコミック・コードが瓦解して原作最初期のダークでシリアスな作風を取り戻した後も、
銃を使わず悪人を決して殺さないのがバットマンという不文律が定着し、
現在の「自警団型ヒーローの元祖」たるバットマン像が成立したのである。

ところが…(後述)。

ファイナル・クライシスの際に、ダークサイドと刺し違えてブルース・ウェインは戦死。
初代ロビンでありナイトウィングであったディック・グレイソンが二代目を務めた
(一時期代理を務めたアズラエルを含めるなら三代目)。
……ただ、読者全員の思ったとおり実は彼は生きていた。
ブルースの死体だと思われたのはダークサイドの作ったクローンである事が判明し、
本人は過去に飛ばされた事がレッドロビンの調査によって示唆されている。
そしてブルースは各々の時代でバットマンとして犯罪と戦いつつ、現代を目指していた。
現代に帰還後は「ゴッサムのバットマン」をディックに任せ、自身は主に世界で活動中。
その一環として「全世界の大都市でヒーローを一人勧誘し、バットマンにする」なんて事もしており…
+ 現在、東京ではこんなバットマンが活躍している。
現在、東京ではこんなバットマンが活躍している。
老いて前線を退いた伝説的ヒーロー「ミスター・アンノウン」。
その弟子として、実動員として活躍していた青年ジロー・オサム。
しかしミスター・アンノウンはロード・デス・マンによって暗殺されてしまう。
そして窮地に陥ったオサムを救ったのはロード・デス・マンの宿敵、バットマンであった。
やがてバットマン風のコスチュームを纏ったオサムは、バットマン・ジャパンとしての戦いを始める──……。

ちなみに丸っきりのネタではなく、かつて桑田次郎氏が連載していた日本版バットマンへのオマージュである。
彼自身のストーリー自体も、『バットマン・ビヨンド』の要素が盛り込まれている他、
加えてコスチュームのデザインにも日本風ヒーローの特徴が取り入れられ、
宿敵であるヴィランも、桑田版同様ロード・デス・マンこと「死神男」が登場しているなど、
決してパロディやネタなどではなく、「ガチ」のヒーロー、バットマンなのである。

当時、後述されるドラマ版のように明るい雰囲気だった原作版とは異なり、
バットマンを科学探偵としてクールでスタイリッシュに描いた桑田版はアメリカ本国でも話題となった。
2008年にはアニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』の1エピソードとして、1話のみとはいえアニメも制作されるなど、DCによって公式認定されている。
このアニメ版も桑田次郎氏の生み出したヒーロー「8マン」のオマージュが盛り込まれており、
本作が現在でもカルト的な人気を獲得している事の証拠となっている。

桑田バットマンは長らく絶版であったが、2013年に小学館から再版されているので、興味のある人は是非手に取って見て欲しい。

また使用する格闘技は原作では空手・柔術・忍術・合気術の複合。
それらに加え、メインに使う事は少ないが、バリツ*2に至るまでの格闘技全般を高いレベルで身につけている。
映画『ダークナイト』ではキーシファイティングメソッド(実在する対多数を想定した格闘技)とされている。
格闘技の描写が適当なアメコミでは珍しく、バットマンは割と詳細な描写がされる事が多く(恐らくフランク・ミラーの影響だと思われる)、
打撃系の相手に苦戦するとタックルからのマウントに持ち込んで勝利したり、肩の筋に貫手を打ち込んで腕を使えなくしたり、
ブルースが巻き藁に貫手を打つ訓練をしていたりと、随所にこだわりが見られる。

ちなみに科学的に正しいバットマンについての考察本『バットマンになる!』では、
多種多様な格闘技を始めとする技術を実用レベルで習得するのは無理があるため、
総合技術として忍術を中心に学ぶのが最も効率が良いとされている。
まあそれでも身体能力の全盛期等を加味すると、現実的には十年以上訓練を積んでも数年の活動が関の山、という事だが……。

+ パラレル未来図
引退したバットマンの復帰と戦いというifの未来を描いた『ダークナイト・リターンズ』では、
あくまで個人的な正義を貫こうとしたため、大局的な正義を重んじるスーパーマンと決定的に対立。
大量のクリプトナイトを用い、パワードスーツを着込み、一般には卑怯と言われるだろう作戦を立て、
スーパーマンと互角以上に渡り合い、自らの正義を貫こうとした。
それでも最終的には敵わず追い詰められるものの、それすらも計算の内であり、
伏兵として潜ませていたグリーンアロー(共産主義者であり、ソ連と戦ったスーパーマンを憎んでいた)に、
クリプトナイトの矢による狙撃を行わせ、スーパーマンを追いつめた
『ウォッチメン』同様に「ヒーロー」というものをシビアに、「ヒーロー」(の魂)に最大限の敬意を表しながら描いた
『ダークナイト・リターンズ』は、後述されるノーラン版『バットマン』を筆頭に多大な影響を及ぼし、
『ウォッチメン』と並んでアメコミ界を大きく変えた名作と評価されている。

続編である『ダークナイト・ストライクス・アゲイン』ではストレートな勧善懲悪路線を全うしつつも、
ヴィランによって築かれた体制に対して、ヒーロー達がテロリスト化して牙を剥くという衝撃の展開が敢然と描かれた。

また、別の未来の話を描いたアニメ『バットマン・ザ・フューチャー』では、
自ら開発したパワードスーツを身に纏い、年老いた体を誤魔化してヒーロー活動を続けていたが、
ある誘拐事件を解決した時に、肉体の衰えから追い詰められてしまい、思わず銃を手に取ってしまう。
辛くも発砲するのだけは避けたものの、その事にショックを受けたブルースは引退を決意し、
ウェインエンタープライズの経営も他人に任せての隠遁生活を送るようになっていた。
しかし、テリー・マクギニスという高校生が偶然にもバットケイブを発見し、そこから半ばなし崩しに彼を後継者にする。
現役時代と同じように気難しい性格でテリーからの反発を受けながらも、彼を導こうとする姿が描かれている。
また、テリーが捕われた際には自ら旧式のアーマーで救出に向かうなど、行動力も決して失われてはいない。
本編中では度々テリーと類似点を指摘されたり、父子のようだと言われたり(テリーは犯罪者に実父を殺されている)しており、
後に『Justice League Unlimited』でテリーの生物学上の父親がブルースという設定が加えられた。

他にも『キングダム・カム』という同じく未来世界の話では、
戦いで背骨を痛め年老いた自分の代わりに大量のバットロボで街の治安を守っている。
いかなる小悪も見逃さないその体制はもはや監視社会と化しているが、おかげでその世界のゴッサムはアメリカ一治安が良いらしい。
とは言え、他のメンバーや若手ヒーローはもっと迷惑な方法で治安を守っている(むしろ守りすぎている)場合もあるので、
その中ではかなりマシな方だったりする。

そして『バットマン:ザ・ラストエピソード』では、文字通りバットマンの最終回が描かれた。
其処では様々な形で訪れる彼の死が描かれており、それに直面したバットマンが自分の宿命に気付いていくというストーリー。
バットマンは犯罪との戦いで必ず死ぬ。絶対に妥協せず戦い続け、そして死ぬのだ。
逃れる事はできない。平穏な余生など有り得ない。
何故なら彼は、いくら戦おうとも、決して両親を救う事はできず……だからこそ犯罪と戦い続ける事を誓ったのだから。
だから、バットマンは諦めない。いくら死のうとも、どんな人生であっても、彼は自らバットマンとなる事を選択する。
そしてバットマンとして戦い抜いた者に与えられる報酬は──またバットマンになれる事なのだ。

だが、どうか忘れないで欲しい。

彼はただの人間だ。幼い頃に両親を亡くすという悲劇に見舞われた、我々と同じ人間
そんな彼が、悲劇を克服し、ただ己の意志と力で世界をより良く変えられると信じて立ち上がった。
だからこそ我々は彼を応援し、彼の存在に力を貰って、自分達の現実に立ち向かう事ができる。
なぜなら、我々もまた彼と同じ、ただの人間なのだから。

心理学において「バットマン効果」と呼ばれるものがある。
これは低年齢の子供に対して退屈でうんざりするような作業を延々とやらせた後に、
「バットマンだったらどうするかな?」と聞くと、再び集中力を取り戻し、より良い成果をあげるというものである。
バットマンは諦めない。バットマンはくじけない。
かつて両親を失って絶望の淵にあった少年が、バットマンとなる事を選んだように。



──忘れないで欲しい。だからこそ、バットマンはヒーローなのだ。


"A bat! That's it! It's an omen. I shall become a bat!"

(コウモリ!これだ!これはお告げなんだ。俺はコウモリになる!)


映像作品におけるバットマン

歴史ある名ヒーローだけあって、その映像化作品も多岐に渡る。
比較的明るく、コメディー要素の多い実写TVドラマ版は日本でも吹き替え放映されるなどしたため有名であり、
バットマンのブランドがメジャーにのし上がる原動力にもなったので、バットマンの映像史を語る上で外す事のできない重要な位置に存在する
(法律問題から、本国でもDVD化されていない、と言う非常に残念な事態が起きているが、映画版DVDは日本でも視聴可能)。

ニコニコ的には90年代に製作されたカートゥーン『バットマン:ジ・アニメイテッドシリーズ』が最も一般には知られていると思われる。
これはヒーローでありながらダークなバットマンの雰囲気を巧みに描いた傑作で、今もなお、多くのファンが存在している
(日本では残念ながら吹替えされていないエピソードの存在に加え、まともな形でのソフト化がされていないが……)。
その後、未来世界を描いた『バットマン・ザ・フューチャー』、設定を一新した『ザ・バットマン』、
シルバーエイジ(=明るく健全だった頃)への原典回帰的な『バットマン:ブレイブ&ボールド』などが製作されている。
『ブレイブ&ボールド』では、ダークヒーローでありながらも純粋な善意で正義を実行しようとする正統派的な一面も盛り込まれた、
深みと明るさを両立させたバットマン像が描かれているので、興味が湧いた人は是非見てみよう。

実写映画に関しては、ティム・バートン監督による『バットマン』『バットマン リターンズ』、
ジョイル・シュマッカー監督の『バットマン・フォーエバー』『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』、
そしてクリストファー・ノーラン監督の『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』の六作が知られている。
ダークかつスタイリッシュなバートン版、シリアスでリアリティ溢れるノーラン版、
そして子供向けの明るいヒーロー物を目指したシュマッカー版と特徴も別れており、それぞれにファンも多い。

……まあ、シュマッカー版は、その、うん、ちょっと、アレだけど、ね?
「バットクレジットカード! お買い物には忘れずに!」

アレなシュマッカー版だけど、シュマッカー監督が60年代の明るいドラマでバットマンを知った世代で、
なおかつスポンサー側から「バートン版は暗すぎたから子供受けするものを」と要求されて作った事を鑑みれば、
作品の全ての責任を監督に負わせてしまうのはフェアな行為とは言えないだろう。
事実『フォーエバー』はヒットし、興行的成功を十分に収めている。
シュマッカー氏は『オペラ座の怪人』など素晴らしい映画を撮影した名監督であるし、
それに後に「面白がってもらおうとしたけど失敗した。申し訳ない」とコメントしている。
あと少なくともMr.フリーズを完全とはいかなくても救済できた点は評価できると思います。
事実、Mr.フリーズを救済できたクリエイターは、2021年4月時点においてもシュマッカー氏しかいないのだから。

2017年には『レゴバットマン ザ・ムービー』が公開。
4年ぶりのバットマン単独映画は、なんと3DCGのレゴブロックで作られたゴッサムが舞台。
彼は「レゴブロックで製品化された版権キャラ」としても古株なのだ。
主人公は(レゴ映画としての)前作『LEGOムービー』に登場した、キザで格好つけたがりのバットマン。
悪役としてお馴染みのジョーカーは勿論、ハーレクインにMr.フリーズにベインにポイズン・アイビー
果てはイレイザーだのカレンダーマンだのとマイナーなヴィランまで登場している。
元々が玩具のレゴという事もあって軽快なコメディ映画になっているが
その実、バットマンの抱える葛藤、ロビンやアルフレッドとの家族愛、ジョーカーとの関係、その他新旧様々なバットマンに関する小ネタが、
2時間弱の上映時間に濃密に詰め込まれ、歴代映画にも劣らぬバットマン愛に溢れた一作として評価されている。
冗談抜きに「バットマン映画の最高傑作」と評するファンもいるほど。
かのゲームクリエイター小島秀夫氏もその一人である。
バットマンファン諸氏には、子供向けと侮らずに是非手に取ってもらいたい。

DCEUでは映画版『デアデビル』などを演じたベン・アフレック氏がバットマンを演じている。
2016年の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』では、ベン氏の鍛え上げられた筋肉と、
バートン版とノーラン版の間を行くような素晴らしいデザインのスーツが見事にマッチし、中々味のあるバットマンに仕上がっている。

2022年にDCEUとは別の時空であるバットバースの第一作として公開された『ザ・バットマン』ではロバート・パティンソン氏がバットマンを演じる。
本作では自警活動を始めてまだ二年目であり、人間としてもバットマンとしてもまだまだ未熟という設定。
更にバットマンとしての活動にのめり込むあまり、精神が狂気に染まりつつあるなど、非常に繊細で不安定な男として描写されている。

+ ティム・バートン版 暗黒の騎士に関する補足
1989年、ティム・バートンは実写映画版で狂気を体現するジョーカーとの対比のために前述の不文律を見事に無視して、
バットモービルとバットウイングの兵装とはいえ銃も平気で使い、手当たり次第ではないが悪人を殺す時は一切躊躇わない、
ジョーカーやペンギン、キャットウーマンと同じくコウモリの格好をしたフリークスとしての狂気に満ちたバットマン像を描いた。
(何の皮肉か、前述のジョーカーの指摘が完全に当てはまっている感じがしないわけでもない)。
同作と続編の『リターンズ』は名作と名高い(というか文句なしに名作)が、バットマンが殺人に走る点だけは今も評価が分かれている。
とはいえ、その一方、殺る気満々の凄みある笑みは他のバットマンには無い、極めて魅力的な要素でもある。
なんせホットトイズでも表情として採用されるほどで……っていうかマイケル・キートン怖すぎ。


ちなみにキートン氏は同作以前にティム・バートン氏が製作したホラーコメディ映画『ビートルジュース』で同名の主人公を怪演しており、
その時にバートン氏から演技力と演技の幅の広さを買われた縁でバットマンを演じる事となった。
ところが主演作の一つであったホームコメディ映画『ミスター・マム』での好演で出来上がった「コメディ映画の雄」というイメージが、
皮肉にも『ビートルジュース』での強烈過ぎる演技でより強固なものになっていたせいで、主演が決まった当初は大ブーイングに曝されたのである。
が、実際に出来上がった同作における殺人上等でガイキチを極めたバットマンを熱演し切った事でブーイングを見事鎮圧してのけた。
加えて、普段はちゃらんぽらんなプレイボーイであるブルース・ウェインに前述の明るいイメージはぴったりであり、
後の作品ではブルースもシリアスな演技をしている事が多いため、この二面性を演じきった唯一の作品であるとも言える。
+ バートン版バットマン 狂気と正義感で彩られた殺戮の軌跡
どんだけ殺していたかと言うと…。
第1作では、
  • 冒頭での路上強盗二人組の会話で、二人の強盗仲間を転落死に見せかけて殺害した可能性が示唆される。初っ端からこんな感じ。
  • ジョーカーの組織(かつてのボスや、他のギャング仲間を殺して乗っ取った)の傘下にあった製薬会社で製造されていた、
    殺人化粧用品『スマイレックス』の増産を阻止するためにバットモービルで殴り込み、小型強力爆弾で製薬会社を爆破。
    もちろん中で働いていたジョーカーの部下達は全員死亡。
    しかもこの時のモービルはバットマンが製薬会社の敷地内とはいえ、安全な外で遠隔操作していた。なんという外道。
  • ジョーカーの殺人パレードを食い止めるため、バットウイングで襲撃。
    スマイレックス入りの風船をまとめて空の彼方に放逐した後、ウイングに搭載されていた機銃とミサイルをジョーカーとその一味に向けて平然と発射。
    ジョーカーは無事だったがその場にいた部下達は全員射殺・爆殺。
  • 時計塔でのジョーカーとの決戦直前、ジョーカーの部下の中でやたらガタイが良くて腕っぷしが強い奴を、
    頭部を時計塔の鐘にぶつけて、止めにそのまま階下へ投げ捨てて殺す。
  • ジョーカーが両親の仇である事に気付き、それを根拠に思いっきり"kill you!(殺す!)"と宣言。
    激闘の末にその場から逃げようとしたジョーカーの足をワイヤーでガーゴイル像と結びつけ、転落死させる。
と、この時点で相当数の悪人を殺している。
更に続く『リターンズ』では、
  • ペンギンの部下達をバットモービルを使った轢き逃げ戦法で次々と跳ね飛ばし
    (足を引っ掛けるための仕込み板で転倒させる、乗り上げた部下を急ブレーキで吹き飛ばす、
       といった間接的手法ではあるが、傍目から見れば立派な轢き逃げ行為)、
    バイクに乗っている奴は新装備の柔らか素材で微妙な威力の弾を発射する仕込砲で狙い撃ってバイクから落とす
    (弾体は命中直後に粉々になり、悪党の方は目立った外傷は見られなかったが、胸部などの急所に直撃している)。
    どれも明確に殺した、と言う描写ではないが転倒時、何人かは明らかに後頭部を強打しており、死人が出ている可能性は高い。
  • 火炎放射攻撃してくる奴の内1名を、意図的にモービルのアフターバーナーで直火焼きにする、という非常にエグい方法で惨殺。
  • 後日、懲りずに街を襲った悪党の内、やたらガタイが良くて頑丈な奴を、別の悪党から奪った爆弾を括り付けてから満面の笑みで下水道へポイ捨て
    当たり前だが直後にその悪党は爆死している。
  • ペンギンとの決戦時、家族である本物のペンギン達がミサイルで武装している事を利用して洗脳。
    更にコントロール装置をわざとペンギンに奪わせて本人にミサイルを発射させてアジトを吹き飛ばし、
    それと同時にモービルに搭載していた本物の蝙蝠で攪乱する事で、高所からアジト内のプールに落として致命傷を与える。
など、第1作ほどでないにしろ殺しまくっている。
もし第3作(後のフォーエバー)以降もティム・バートンが降板していなかったら、どんな惨劇が繰り広げられていた事か。
まあ、これは監督であるティム・バートンの演出であり、
流石に後の作品ではそういった描写は形を潜めているが……。

なお、そのキートン氏が後に「かつてヒーローを演じた俳優」が苦悩と狂気に陥っていく映画『バードマン』で映画賞を総ナメした挙句、
その評判も冷めやらぬ内に鳥のヴィランを演じる事となったのはまた別のお話。


ゲームにおけるバットマン

やはりこれも映像作品と同様、多くの作品が製作されている。
最も知られているのは恐らくFC版の『バットマン』と、SFC版『バットマン リターンズ』であろう。
その他にもメガドライブ版、ゲームボーイ版、PCエンジン版と他機種で展開されており、主な
ゲーム化版権を取得していたサン電子の高い技術力もあってほとんどが高難易度ではあるものの、
極めて優れたアクションゲームとして認知されている。
……ただ、クソゲーも多いけどな
AVGNによるレビュー

2009年に発売された『バットマン:アーカムアサイラム』は極めて高い評価を得ている。
完全に3D化された世界で、狂気のヴィランを相手取り、バットマンそのものとして戦いを挑む……。

アメコミ諸作品がそうであるように例によって例の如く、日本での認知度は呆れるほどに低いのが難点だが、
キャラゲーとしての出来の良さに留まらず、アクションゲームとしても素晴らしい傑作であり、
なんとギネスによって「世界で最も評価されたキャラクターゲーム」に認定されている。

宿敵であるジョーカー(バットマン)が映画史に名を残したヴィランである一方、
バットマンはゲーム史上に残る活躍を魅せてくれた、文字通りのヒーローなのだ。

そして2011年11月、満を持して続編『アーカムシティ』が発売されている。
海外のとあるレビューサイトは高評価すると同時に「バットマンになれ、それだけだ」と、
(満点でこそなかったが)詳細なレビューを放棄して手放しでべた褒めしていた。
その後、アーカムシリーズは前日譚の『アーカム・ビギンズ』を経て4作目『アーカムナイト』で完結を迎えることとなった。

『パズル&ドラゴンズ』にも『バットマン:アーカム・ビギンズ』とのコラボで出演している。
ジョーカーやベインダンジョンで登場するのに対し、彼はコラボ限定のガチャでの登場になっている。
『バットマン+バットラング(遠隔クロー)』、『バットマン+バットウィング』、『バットマン+Sグローブ』の3キャラに分かれており、
それぞれサブ属性やスキルなどが違う。

2015年には、レゴブロックを題材とした『Lego Dimensions』という一大クロスオーバーTVゲームに出演している。
同じDCコミックのヒーロー達の他、『指輪物語』のガンダルフや『LEGO ムービー』のワイルドガール(Wyldstyle)、
『ドクター・フー』のドクター、『ザ・シンプソンズ』のホーマー・シンプソン、『ゴーストバスターズ』のピーター・ヴェンクマン博士、
『スクービー・ドゥー』のスクービー・ドゥー、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクなどと共演を果たしている。
主にガンダルフとワイルドガール、バットマンの3人組がメインとなり、様々な作品の世界を再現したステージを探索していく。
MUGEN入りしているヴィランとしてはジョーカーハーレクインベインレックス・ルーサーダーレクなどが登場している。


MUGENにおけるバットマン

DCコミックの顔の一人であるためか、かなりの数が確認されている。
なお、ここで紹介されている以外のバットマンも存在する模様。

+ Acey氏製作
  • Acey氏製作
格闘戦と多目的ブーメラン「バッタラン(バットラングとも)」を多用するスタイルとなっている。
また、冷凍爆弾やガス爆弾、瞬獄殺なども使用する。

+ Magus氏製作
  • Magus氏製作
現在β版。
バッタランで戦うスタイルは同じだが、スーパーマンが相手の時のみ、クリプトナイト製のバッタランを投げられる。
なんという外道

+ SpiderBat氏製作
  • SpiderBat氏製作
Magus氏が製作したプログラムにSpiderBat氏のスプライトを被せたもの。
こちらもまだβ版である。

+ Alucard氏製作
  • Alucard氏製作
海外サイト「MUGEN Database」で代理公開されている。
エフェクトやBGMに凝った完成度は必見。
並上位程度の強さを持つAIも搭載されている。
必殺技が充実しているのに加え、特殊カラーのバザロ(ビザロの世界の同一存在)モード、
クリプトナイトモード、潜入スーツモードで技が大きく異なり、実質上4人分のキャラクターである。
紹介動画。お相手はRgOp氏らのムーンナイト

+ Duracelleur氏製作
  • Duracelleur氏製作
Alucard氏製を改変したもの。
基本的なシステムは6ボタン式のオリジナルシステムになっている。
新たな必殺技の搭載や演出の強化が行われており非常に見栄えが良い。
AIは搭載されていない。

+ ZET氏製作
  • ZET氏製作
Alucard氏製の改変版。WinMUGEN、MUGEN1.0以降共に使用可能。
技性能や勝利演出が変更されており、全体的に重量感のある動きをする。
カラーによって性能が変化する。1Pが凶上位~狂下位、2Pから4Pが狂下位、5Pが狂下位~狂中位、6Pが狂上位。
AIがデフォルトで搭載されている。

+ Cyabaster氏製作
  • Cybaster氏製作
Unoriginal氏による、アニメ『ザ・バットマン』を基にしたフラッシュゲーム『Batman:The Cobblebot Caper』のスプライトを用いたキャラ。
公開ページではリドラーの謎かけが表示されるばかりで一見ダウンロードできない様に見えるが、よく探してみればリンクが見つかる。
システムは『MVC』の6ボタン方式で、チェーンコンボやエリアルレイヴの他、避けや回り込み等の回避行動も可能。
そしてdefファイルの切り替えにより、通常版、フランク・ミラー版、実写ドラマ『怪鳥人間バットマン』版の3つのモードが使えるのが最大の特徴。
なお、フランク・ミラー版と言ってもかの名作『ダークナイト・リターンズ』ではなく、
登場人物の性格や言動がやたらと過激な事で有名な『オールスター:バットマン&ロビン ザ・ボーイ・ワンダー』の方なので注意。

各モードはそれぞれ使える技や性能が異なり、
オーソドックスな通常版、超必殺技以外に飛び道具を持たない肉弾戦メインのフランク・ミラー版、
通常版に近いが飛び道具が優秀で、原作ドラマを意識した愉快な演出も特徴の実写ドラマ版、といった感じで差別化されている。
特に実写ドラマ版はヒットスパークが「BAM!」「KAPOW!」といった擬音語になっている他、
SEもコミカルなものに変更されていたりと、見ていて楽しいキャラに仕上がっている。
また、いずれのモードも2ゲージ以上の超必殺技は凝った演出となっており、威力・性能共に優秀なので必見である。

AIはデフォルトで搭載済み。
通常版はあまり強くはないが、フランク・ミラー版と実写ドラマ版は並上位程度の強さを持っている。


"A man with a gun once took away people I loved."
(かつて、私も愛する人達を銃に奪われた。)

"I never stopped missing them. Never forgot how painful it was to be alone."
(それから彼らに会いたいと思わなかった日はないし、孤独の苦悩を忘れた事もない。)

"You can't bring your parents back, but you can break the cycle of violence that took them."
(君のご両親を取り戻す事はできない。だが、ご両親を奪った暴力の連鎖を断ち切る事はできるんだ。)

"Don't be a part of it, MARCUS."
(マーカス、奴らなんかの仲間になるな。)

"Don't become what killed our families."
(私達の家族を殺した奴らの仲間にならないでくれ。)

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み

出演ストーリー




*1
だが、実はこの時すでにDCユニバース側は最重要となる最後の5戦のうち、
初戦からウルヴァリンスパイダーマンストームに3タテを喰らい、スーパーマンとバットマンの出陣を待たずして負けが決まってしまっていた。
戦犯は間違いなくダイアナ姉さんである。
この頃まだマーベル側に代表的な女性ヒーローが設定されていなかった時代に(今ならキャプテンマーベルがいる)、
仕方無く割り当てられたような感じのストームにまさか負けてしまうとは……。
ウルヴァリンとスパイダーマン、ワンダーウーマンとスーパーマンが勝って、2勝2敗で大将戦を迎えるブックだったと思われるが、
人気投票で勝敗を決める企画だったため思わぬ展開となってしまった……。

*2
宿敵と一緒に滝壺に落ちて死んだはずの、かの名探偵『シャーロック・ホームズ』が読者からの復活希望を受けて生きていた理由となった謎の日本武術
ただの一発ネタに過ぎないため詳細は不明。状況的には柔道合気道みたいなものだと思われる。
日本の創作では『探偵オペラ ミルキィホームズ』の主人公、シャーロック・シェリンフォードがこれ見よがしに使ったり、
Fate/Grand Order』におけるシャーロック・ホームズのスキルとしても取り入れられる等している。


最終更新:2023年12月09日 22:53