Mr.ファンタスティック


"That's ungrammatical."

(その文法は正しくないぞ)

+ 日本語吹替声優
小林修
『宇宙忍者ゴームズ』
佐久田脩
1994年アニメ版
石川禅
『超能力ユニット』(ソフト版)、『銀河の危機』
森川智之
『超能力ユニット』(日本テレビ版)
水越健
『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』シリーズ
木村昴
2015年映画版
星野貴紀
『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』

アメリカのマーベルコミックの『ファンタスティック・フォー』に登場するヒーロー。
初出は1961年の『The Fantastic Four #1』。
タイトルにもなっている史上初のオリジナルヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」のリーダーを務める。

本名はリード・リチャーズ。身長185cm。体重82kg。
スーザン・ストームジョニー・ストームベンジャミン・ジェイコブ・グリムらと宇宙船で大気圏外に行った際に多量の放射線を浴び、全員超能力を身に付けた。
その後地上に戻ってからはこの力を世界のために使おうと、ヒーローチーム「ファンタスティック・フォー」を結成した。
後にスーザンと結婚し、息子フランクリンと娘ヴァレリアを得ている。
ちなみにフランクリンは超強力なミュータント能力を持ち、そのせいでオンスロートアポカリプスに幾度も狙われている。

その能力は、体をゴムのように伸ばせるというもの。
手足を伸ばして攻撃できるほか、体をボールのようにしてぶつかったり、薄く引き延ばして膜状になったりできる。
最大まで伸ばすと、なんと3マイル(12km)13kmや
角膜を伸び縮みさせて視力を調節したり、シナプス間距離を短縮して高速思考したりと応用範囲も広い。
イフの世界ではあるが「アースX」において同じように脳の構造を変化させることでX-メンのセレブロを使うということもやっている。
また防御にも有用であり、射出武器の類はほとんど効かない。
+ 能力を使うとこんなことも
弱点はゴムの弱点をそのまま受け継いでいる点であり、高温だと体が融けてしまい、低温だと固まってしまう。
また、天才ではあっても完璧ではないようで、魔法関連については理解できないようである。

だがそれらにも増して、彼の最大の能力はその頭脳である。
数学、物理学、工学で博士号を持っており、異星人の言語解読やホーキング理論の改訂もやっている。
ファンタスティック・フォーの収入のほとんどは彼の特許料が担っているほどである。
多くの分野で大発見を成し遂げており、まさに万能の天才と言っても過言ではない。
実際、多くの科学者が彼が地球上で最大の天才であることを認めているどころか、
宇宙文明全体を見ても有数の天才であると言われている。

その設定に対して天才さを今一感じられないのは、その天才性が発揮されているジャンルが,
「異次元トラベル」や「異星人の言語の解読」など、高等すぎて一般人(読者)に理解できず親近感が湧かないからだと思われる。
誰でも使える大出力のジェネレーターを開発したり、能力に悩むアイスマンの力を抑える機械を作るなど、
より一般人にとって身近で即物的な発明をしている社長の方がなんとなく天才に見えてしまうのも仕方ないだろう。

余談だが登場人物がことごとくゾンビになっていく『マーベルゾンビーズ』の前日譚『マーベルゾンビーズ:デッドデイズ』では、
生き残った者達が解決策を模索するなか、「不死身となるゾンビ化は、人間の新たな進化の行程である」という超理論を唱え、
あろうことかファンタスティック・フォーの3人をゾンビウイルスに感染させるというとんでもない事をやらかしている。
その後は自分をゾンビ化した3人に噛ませてゾンビ化していたが、そのまま全部喰われたらどうするつもりだったんだろうか。
ちなみにこのメンバーのゾンビ化以前に彼の子供達はゾンビによって殺されてしまっているが別にそれが原因で病んだわけではないあたりが恐ろしい。
なお、後に『UMVC3』でのフランク・ウェストのEDでは、ゾンビーズの世界へ行く装置を作り、
ゾンビの専門家であるフランクと共にゾンビーズの世界を救いに行くというフォローが入った。MARVEL古参としての矜持は保たれたのではないだろうか。
ヒーロー同士が思想の対立から敵対し合うシビルウォーにおいても、友人であり故人であるソーのクローン作って兵器にしたり、
「イルミナティ」なる自分が絶対的な善であるという前提の上での組織を作ったり、
ハルクを騙して宇宙に追放したり、そのことで全自動悪人シバキ倒しモードに入ったゴーストライダーに悪人認定されたりと、
ヒーローであるにも拘らずどうにも非人道的な行動が多くなり始めている。思い込むと止まらない人なのかもしれない。

他のヒーローとはかなり親交があり、スパイダーマンデアデビルハルクストームなど枚挙に暇が無い。
これらの何人かは共闘したり、臨時メンバーとして参入したりしている。
また、ヴィランのDr.ドゥームと同じ大学にいて、彼の実験について警告していたにもかかわらずドゥームは実験を強行、失敗したことから逆恨みされている。
もっとも、ヴァレリアのお産の時などは協力してもらったり、名付け親になってもらったりしている所を見る限り、
そこまで深刻な対立があるようにも見えないのだが。
しかもこの『ヴァレリア』という名前はドゥームの過去を語る上で重要となる人物の名前だったりする。

案外、ドゥームはリードにひと泡吹かせれば満足なのかもしれない。
実際、リードの精神を小さな人形に移植した際に(もちろん能力も使えず、思考力も鈍っている)、殺そうと思えばいつでも殺せる状況にも拘らず、
ドゥームはそのリードを無能呼ばわりして遊んで満足していたなんなんだアンタら

↓リードとドゥームが戦う理由に関する考察
+ MrファンタスティックとDrドゥームの「理論戦争」
観察者ウォッチャーの分析によれば、リードは「理論中毒者」であり、彼が戦うのは他のヒーローのような正義感義務感義理人情ではなく、
「敵が現れる敵を倒す最善の理論を思いつくその自分の理論を実験して証明したいために戦う」といった、
自分の理論が正しいのか知りたい。つまり「知的探究心」こそが彼の戦う理由であるという。

これは学者らしい独特な考え方であると言える。
そのため、同じ学者であったDrドゥームとの戦いは、言い換えれば
「ドゥームがFFを倒す理論を思いつき、それを証明するために実行に移す(ドゥームが戦いを仕掛ける)
 →リードがその理論が間違っていることを証明する(FFが勝つ)」といった、
学者同士の「理論勝負」であり、ドゥームは自分の理論を完成させる(FFを倒す)ためにFFに戦いを仕掛け続けるのだと考えられる。
学者時代の論争が、お互いスーパーパワーを手に入れてからも続いている。とでも言えるだろうか。

ただし実際には、複数の並行世界のリード達から「われわれの手であらゆる世界をよりよい理想の世界にしよう」と誘われた際、
自身の頭脳や理論を試す最大の機会だったにも拘らず自分の家族の方を選んで断っている。
確かに理論中毒者な面はあるが、リードは家族といった自分の周りの人達を大切に思う「ヒーローの父親」と言われる男なのだ。

アメコミでも老舗のヒーローだけに古くからアニメ化され、日本でも約40年前に吹き替え版が放送されている。
ただ、邦題は何故か『宇宙忍者ゴームズ』になっており、Mr.ファンタスティックの名前も「ゴームズ」に変更されていた。
「明晰な頭脳を持つ=名探偵ホームズ」とゴム人間をかけてゴームズ。馴染みの無い長い英語名より分かりやすいという理由だったらしい。
そして「ファンタスティック・フォー」は「宇宙忍者ゴームズ四人組」となった。実に分かりやすい。
宇宙忍者」もどの辺りが忍者なのやらさっぱりだが、当時は特殊能力といえばイコール忍者、的な認識があったのかもしれない。
ちなみに前番組は『宇宙怪人ゴースト』だった。少なくとも宇宙と付いているのはこのせいだろう。
当時はどうあれ、今見るとシュールかつカオスな上級者向けアニメなので覚悟と耐性のある方は是非とも鑑賞して欲しい。
カートゥーンネットワークでは実写映画化される前にも放送しているので、こちらの方が馴染み深い人も結構多いとか。ムッシュムラムラ。

1977年にはあのゴジラを(アントマンによる縮小の後遺症で10m足らずに縮んでいたとはいえ)ドゥームのタイムマシンに放り込み、
9億年前のデビルダイナソーの時代に追放することに成功しているが、
ゴジラの放射能によりタイムマシンが壊れ、デビルとの小競り合いと共闘を経たゴジラは完全復活した上でニューヨークへ帰還している。

ちなみにディズニーの映画『Mr.インクレディブル』のヒロインイラスティガールはMr.ファンタスティックがモチーフである。

実写映画化もされており、2005年公開の『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』、
及び2007年公開の続編『〜:銀河の危機』ではイギリスの俳優ヨアン・グリフィズ氏が演じた。
映画の内容自体は賛否両論真っ二つだったりはするのだが、リードに関しては結構なハマり役と評判。
2015年のリブート版『ファンタスティック・フォー』では『セッション』で知られるマイルズ・テラー氏が担当。
こちらも映画自体の出来はともかくキャストへの評価はそれなりに高い。
……『ザ・ファンタスティック・フォー』? 何の話です?

+ マーベル・シネマティック・ユニバースでの活躍
"And the smartest man alive…Reed Richards, of the Fantastic Four."

(そして最高の賢者、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズ)

"Hello, Stephen."

(やあ、スティーブン)

"“Fantastic Four”. Didn't you guys chart in the '60s?"

(『ファンタスティック・フォー』って60年代のバンド?)

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』に登場。
演じるのは『クワイエット・プレイス』で監督・脚本・主演を務めたことで有名なジョン・クラシンスキー氏。
ジョン氏は以前から、海外のファンから「リードを演じてほしい」との要望が強かった役者であり、
ファンからの希望に答えてのキャスティングとなった。

本作に登場するのは、ストレンジがワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチから逃げるため、
多元宇宙(マルチバース)を移動する能力を持つ少女「アメリカ・チャベス」の力で転移した別の宇宙「アース838」で活動するリード。
アース838においてのアベンジャーズに相当するヒーロー組織「イルミナティ」の構成員。

アース838にサノスが現れた際に、
アース838におけるストレンジ「スプリーム・ストレンジ」が、サノス打倒のために闇の魔導書「ダークホールド」の力に傾倒し、
サノスを倒す手段を探すためとはいえ、多元宇宙の一部を崩壊させる現象「インカージョン」を起こしてしまったことから、
彼の独断専行気味の気質を警戒し、他のイルミナティのメンバー、
バロン・カール・モルド、ブラックボルトキャプテン・マーベル(マリア・ランボー)、キャプテン・カーターと共に、
MCUの世界(アース616)のストレンジを拘束する。
「ワンダを倒すために、彼女を倒しうる『ヴィシャンティの書』の力が必要だ」と説くストレンジに対し、
マリアと共に、言葉遣いこそ柔らかかったもののストレンジの提案を一蹴し「ワンダよりも君の方が脅威だ」と彼を危険視する。

しかし、そこにアメリカを追って、アース838のワンダの体を乗っ取ったスカーレット・ウィッチが来襲。彼らは決議を中止し、ワンダの説得に向かう。
リードはイルミナティを代表してワンダの説得を試みるが、
初手で「僕も人の親だから、君の気持ちは分かる」と、家族恋人を失い、新たな家族を求めるワンダ最大の地雷を踏んでしまい、
「子供に母親はいるの?なら、子供は母親に育ててもらえばいいわ」と遠回しな死刑宣告をされる。
それでも、ブラックボルトの強大な破壊力をあえてワンダに告げ降伏を促すが、これでワンダにブラックボルトの能力がバレてしまい、
ブラックボルトはカオスマジック(現実改変能力)で口を消され、口内に溜まったエネルギーが暴発して即死。

それを見てようやくワンダを拘束しようとするが、カオスマジックに目覚めたワンダに敵うはずもなく全身を細切れにされて殺害された。

「最高の賢者」という肩書を引っ提げてのファン待望の登場となったリードだったが、劇中では、
「ワンダの脅威を軽んじる」「説得を試みるが逆にワンダの逆鱗に触れる」「切り札のブラックボルトを失うきっかけを作る」と、
「賢者」とは思えないポカミスを連発してイルミナティを崩壊させるという、かなり損な役回りでの登場となってしまった。

また、2024年にはMCUに組み込まれた、新たな『ファンタスティック・フォー』の始動が予告されている。
この映画でもジョン氏がリード役を続投するかは、現在不明となっている。

コミックボンボンで連載された漫画『スパイダーマンJ』では最終回で登場。
児童誌で連載されている関係か、スパイダーマンJと同年代のショタ化少年科学者となっている。
インビジブル・ウーマンとヒューマントーチも同様に子供になっており、実に可愛い。ファンタスティック・フォー(Earth-7041)の連載をやりませんかマーベル
なお、ザ・シングのみ無理があったのか大人のままで一人だけ浮いていた。Dr.ドゥームも、大物悪役が子供になっていると迫力に欠けるためか大人のまま。
ドゥームを追って来日し、スパイダーマンJとの連携でドゥームを追い詰め、プリズンビーム砲で拘束した。


「遅刻のフォローしてくれるヤツに悪いヤツはいない」


MUGENにおけるMr.ファンタスティック

海外の製作者であるZVitor氏によるものが公開されている。
手足を伸ばして攻撃できる他、体を液化して広がったりと多芸である。
かなり間合いが長い上にスキも少なく、近距離にもある程度対応可能という高性能キャラクター。
しかし、通常技→通常技以外のキャンセル発動ができないという欠点を抱えているため、
一般的な『MVC』仕様キャラと比較するとコンボ力に乏しく、多少扱いにくくはある。
但し、腕をブン回す必殺技「Propeller Arms」のみしゃがみキャンセル可能、
かつ出の早い打撃ならそのまま繋がるので必殺技を絡めたコンボが全くできないわけではない。
また、超必殺技では(恐らく自作の)衛星からサテライトキャノンをぶっ放してくる他、
FF四人の協力技もある。後者は対戦相手orタッグパートナーにFFメンバーがいると使えない辺り芸が細かい。

AIはデフォルトで搭載されているが、簡易AI故に強くはない。
黒須氏による外部AIパッチも公開されている。

出場大会

削除済み

出演ストーリー



最終更新:2024年02月05日 01:59