セービングアタック

ストリートファイターIV』にて採用されている防御・攻撃システム。
当作における要となっているシステムである。
海外版では Focus Attack(フォーカスアタック)と呼ばれている。

一定時間、一度だけの攻撃判定に耐えるガードポーズ(スーパーアーマーに近い)を取り、
ボタンを離すか一定間経過後に専用攻撃を放つ。ガードポーズは溜めで延長でき、
下段・飛び道具めくりなどの区別無しに受け止めることが可能だが、
投げやアーマーブレイク属性*1の技、多段ヒットする技や弱攻撃連打には無力である。

溜める時間によって、3段階に威力が変化する。カウンターヒットすると1段階上の状態になり、
1段階目がカウンターヒットするか2段階目以降がヒットすると相手は崩れるようにダウンし、追撃可能。
3段階目では専用攻撃がガード不能化し、更にアーマーブレイク属性も付加される。
空中の相手にヒットした場合は錐揉み状態でふっ飛ぶ。
+ 専用攻撃ヒット後の具体的な状況
段階数 相手の位置 通常ヒット カウンターヒット
1段階目 地上 単に仰け反るだけ。
前後のダッシュでキャンセルしないと、全キャラフレーム的に大幅な不利になる。
2段階目が通常ヒットしたように崩れ落ち、
追撃可能。
空中 空中ダウンする。
追撃判定を持つ打撃技と追撃判定を持つ対空投げで追撃が可能。
ダメージ以外は通常ヒット時と比べ変化無し。
2段階目 地上 崩れ落ちるようにダウンし、打撃技と対地投げで追撃可能。
完全にダウンする直前は空中判定になっており、
打撃技と対空投げで追撃が可能。
相手の崩れ落ちる時間が長くなる
(3段階目がヒットした時と同程度)。
空中 空中ダウンする。打撃技と追撃判定を持つ対空投げで追撃可能 錐揉みで小さく吹っ飛ぶ。
打撃技と追撃判定を持つ対空投げで追撃可能。
3段階目 地上 崩れ落ちるようにダウンし、追撃可能。
2段階目より崩れ落ちる時間が長くなる。
ダメージ以外は通常ヒット時と比べ変化無し。
空中 錐揉みで大きく吹っ飛ぶ。
打撃技と追撃判定を持つ対空投げで追撃可能。
ダメージ以外は通常ヒット時と比べ変化無し。

またガードポーズ中あるいは攻撃がヒット・ガードした時はダッシュ・バックダッシュでキャンセルが可能である。
これにより「相手の攻撃をガードポーズで受けて即座にダッシュし、
硬直中に攻撃を当てる」といったブロッキング風に使うことができる。
しかしブロッキングほど有利時間が取れないため、大振りの技に対してしか成立しづらいう欠点を持つ。

そして、一部の攻撃*2中にセービングアタックのコマンドを入れることにより、EXセービングアタックが使用できる。
この時のガードポーズにはスーパーアーマーが付かないが、
ダッシュでキャンセルすることはできるので、攻撃をEXセービングし、
その直後にダッシュでキャンセルすることにより擬似的なロマンキャンセルのように使うことができる。
これを「セビキャン」と呼ぶ。このため、見た目こそは同じだが、ほとんどのキャラで使い方が全く異なる。

例えば、
  • 昇龍拳がガードされた→すかさずセービングアタックのコマンドを入れる→すぐに前ダッシュして相手を投げる
  • リュウの昇龍がヒット→セビキャン→滅・波動拳
などと言った戦法が取れ、攻めを持続できたり、反確から逃げたり、
ウルトラコンボコンボに組み込めたりとリターンが非常に大きいが、
スパコンゲージ50%(EX必殺2回分)を消費するので、それに見合ったコストは必要である。

ガードポーズ中に耐えた攻撃はスーパーアーマーと同じでダメージは受ける。
しかし、このダメージ分はリカバリアブルダメージ(所謂ヴァイタルソースのこと)として計上され、攻撃を受けていない時に自然に回復する。
暗転中や演出中も普通に回復する。「『北斗の拳』で空中にいる時も回復する状態」言うと分かりやすいかもしれない。
ダメージを受けると溜まるウルトラコンボゲージは、このリカバリアブルダメージ分も溜まる。
ただしリカバリアブルダメージが残っている時に攻撃を受けてしまうと、リカバリアブルダメージは全て消滅しそのままダメージとして残る。
当然消滅する際に受けた攻撃分のダメージも受ける。
しかもガードポーズ中に受けるダメージの量はカウンターヒット時と同量となっている模様。
よって、ザンギのダブラリの様に1HITしかしないが判定自体は幾度も出るような技とぶつかるとえらいことに。
また、リカバリアブルダメージが残っている時に削りダメージを受けると、リカバリアブルダメージ分が肩代わりして減る。
体力が1ドットも無くなってリカバリアブルダメージのみが残っている状態で攻撃をセービングしても、
リカバリアブルダメージが減るだけで即座にK.O.するわけではない。
もちろん体力もヴァイタルも無い時に(体力+ヴァイタルの合計値が受けるダメージより少ない)セービングしたらK.O。*3

また、これを利用して多段ヒットしない飛び道具をセービングアタックで受けて、
すかさず前後にダッシュすることにより、実質ダメージを受けずにウルコンゲージを貯めるという戦法がある
(この影響を一番受けたのは、言うまでも無く待ちが主体となるガイルである)。
だが、近~中距離ではダッシュ後の隙を狩られたり、殆どのEX必殺技(飛び道具を含め、殆どが多段ヒット化する)には無力といった欠点もある。

大乱闘スマッシュブラザーズSP』ではリュウの下必殺ワザとして実装されている。


MUGENにおけるセービングアタック

3D対戦格闘ゲーム(見た目だけで中身は2Dそのものだが)のシステムではあるが、
MUGENでも、『ストIV』登場からほぼ間を開けずに搭載されたキャラクターが数体ある。
有名なところでは『ストIV』で初登場となった剛拳や、『ストIV』仕様のリュウケン等(ドットは『ストIII』仕様)。
またVyn氏のアレンジ『CVS』キャラでもセービングを搭載したりなど、
今後も搭載されるキャラクターが増えてくるかも知れない。


*1
1ヒットでガードポーズを崩せる攻撃のことで、コマ投げ主体のザンギを除く全キャラが少なくとも1つ以上この属性を持った技を所持している。
また、 リバーサルで必殺技以上の打撃属性攻撃を出すと、これらにもアーマーブレイク属性がつく。

*2
連打キャンセル・必殺技キャンセル・スーパーキャンセルのいずれかが可能な地上判定で出せる通常技・特殊技・必殺技と、
それに該当する必殺技のEX版を指す(一部の通常版と比べ大きく変化するEX必殺技を除く)。
必殺技でキャンセルできないが、スーパーコンボでキャンセルできる通常技・特殊技の場合、もEXセービングすることが可能。
また、EXセービングするには対応技をヒットあるいはガードさせる必要があるが、飛び道具に限りその必要は無い。

*3
このことは剛拳において特に重要である。
剛拳はこのゲームにおける唯一の当て身技を所持しているが、
当て身で攻撃を取っても、セービング同様にリカバリアブルダメージによって体力を減らされるため、
瀕死状態で当て身に頼ることは他のゲーム以上に危険である。


関連項目



最終更新:2023年08月20日 18:36