プラスチックマン


"Rocketed to earth when the planet plastikon exploded,"

(惑星プラスティコン滅亡の瞬間、一機のロケットが地球へと放たれた。)

"A bouncing baby boy was adopted by a kindly rubber tree farmer and his wife."

(乗っていた赤ん坊を発見したのは、ゴム園の経営者夫婦…)

"Nah, just pulling your leg. And if you want to see something really freaky,
 you should try pulling mine."

(すいません、私、嘘をついておりました。)

+ 日本語吹替声優
羽佐間道夫
1979年アニメ版
川田紳司
『バットマン:ブレイブ&ボールド』

アメリカのDCコミックに登場するスーパーヒーロー。初出は1941年の『POLICE COMICS #1』と結構古い。
同社のスーパーマンバットマンと比較して、コメディ色がかなり強いキャラクター。
実は元々別会社のクオリティ・コミックス出身で、同社の倒産の際DCに版権を買い取られたという経緯があったりする。

本名は、パトリック・"イール"・オブライアン。身長185.4cm。体重80.7kg。
ところで イールとは ウナギのことだ カバヤキにすると うまいぞ。
元々はストリートで生活する孤児であり、大きくなるとギャング団の一員となった。
だが、逃走中に肩を撃たれ、そのまま謎の薬液槽に転落し、ギャング団からは見殺しにされた。
その後、助けてくれた修道士に善の性質を見いだされ、改心する。
そして、薬液が血液中に流入した事により能力に目覚め、世のため人のためにその能力を使う事を決意し、
ヒーロー「プラスチックマン」として犯罪者と戦う事になる。
ヒーローになってからというもの、金や女といった今まで欲しがっていた物がどうでもよくなったとの事。

ヒーローとしての能力は、全身を好きなように操れるというもの。
長く伸ばしたり顔を変えたりなどというのは序の口で、液状化して平べったくなったり、
指先を万能鍵に変えたり、体を風船のようにして腹の中に大量のものを入れて運んだり、
果てはバイクや飛行機に変形したりと応用範囲がとんでもなく広い。
当然、銃で撃たれても簡単に復元できるため、殆ど不死身に近い。
ただし、色は赤や黄色から変える事が出来ない(単純にしないだけかもしれないが)。
また、映像にしたときにはなんでもありだと判別が難しいため、トレードマークのサングラスとにやにや笑う口元は何に変身しても残っている。
アニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』ではバットマンのコスチュームになったりもした。

弱点は、体が柔らかいため、低温高温に晒されると変形しにくくなってしまう。
また、アセトンをはじめとする一部の薬品に対しても耐性が低い。

なお、こんなに柔らかいキャラクターが硬いプラスチックの名前な事に疑問を感じる向きもあるだろうが、
「プラスチック」という言葉には「可塑性の」という意味があり、何にでも変形できる性質をそのまま表していると言える。
「マーガリンは食べるプラスチック」というのはここから来た誤解である。

(コイツめんどくせぇ…)

後に(というかDCがプラスチックマンを買い取る前に)エロンゲイテッドマンという似たような能力のヒーローが登場しており、
彼とはライバル関係にあったりなかったりするようだ
(ちなみに彼は南国で見付けた果実で能力を得たそうである。……どっかで聞いた話だけど彼の方が世間に出たのは先ですよ?)。

+ 水木しげる版『プラスチックマン』
DCやマーベルのアメコミヒーローは、我が国日本においても輸入された原作や映像作品が好評を博する事で、
日本独自の漫画や映像作品が製作される事も多いが、このプラスチックマンも日本で単独の漫画が製作されている。
その作者とは何を隠そう、『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる日本漫画界の巨匠・水木しげる氏である。

水木版『プラスチックマン』は1958年に、全1巻の貸本漫画として発表された作品
(ちなみに水木御大の事実上の漫画デビュー作は、かのスーパーマンそっくりさんが出てくる『ロケットマン』)。
水木御大最初期の作品で、かつ単行本収録の機会も半世紀以上の長きにわたり無かったため幻の作品と化していたが、
2013年に講談社より刊行された『水木しげる漫画大全集』第1巻の収録作として『ロケットマン』共々ラインナップされた。

本作のプラスチックマンはDC版とは大きく異なり、日本人の科学者・水木博士が製造した人造人間という設定。
悪の科学者・不吉博士に毒殺されて事切れる寸前の水木博士が、息子・三吉に「オタマジャクシ程の生物」の姿で託し、
博士の助手だった男性・デブさんの体内に無理やり入って寄生……もとい妊娠させ、
彼がプラスチック製品を食べ続ける事で十月十日かけて成長、成人男性の姿をしたプラスチックマンとして、
無事出産される……という、物凄い水木しげるテイスト全開な経緯を辿って誕生している。
「なるほど、そんな事より二母性マウスの話、しませんか?」

見た目はクオリティ・コミックス当時のジャック・コール版まんまで、
先述のデブさんも本家のサイドキック「ウージー・ウィンクス」そのままの外見をした翻案キャラクターである。
出生こそヒーローというよりは妖怪と言わんばかりの怪奇奇天烈だが、プラスチックマン本人はお惚けやであるものの、
本家同様に性格面では真っ当なヒーローそのものであり、最終的には不吉博士の野望を挫く活躍を見せた。

余談だが、『マトリックス』三部作で有名なウォシャウスキー兄弟(現在は性転換により姉妹)が、
「エコテロリストがプラスチックマンとなり、環境に悪い物質になった自らの身体に苦悩しながら戦う」という、
それはひょっとしてギャグで言ってるのかな設定で映画化しようとしているなんて噂もある。


"Man, was I grateful my face didn't stick that way!"

(いくらなんでも伸びすぎだっての!)


MUGENにおけるプラスチックマン

海外のMambojambo氏が製作したものが海外サイト「The Mugen Multiverse」で代理公開されている。
ドット絵アイスマンを素体にしてその他色々付け加えた(手描き含む)ようである。
技は腕が伸びる宝箱になる、扇風機になる、ボールになって画面を跳ね回るなど非常にフリーダム。
イントロでもテレビからの変身を見せてくれる。
thatguy氏による改変パッチも公開されている。主な変更点は以下の通り。
  • 攻撃・当たり判定の修正
  • 基本動作が速くなり、基礎的なコンボが可能に
  • 必殺技超必殺技の始動を高速化
AIは搭載されていないが、Mammalman氏による外部AIが公開中。
Mammalman氏AI。お相手はKong氏のスパイダーマン

余談だが、体にぴっちりした服とサングラスのせいで変な人に見えるのは気のせいだろうか……。

+ 大会ネタバレ
素晴らしき筋肉の祭典において大会用のAIで参戦。
スパイラルを素体にした伸びる連続パンチとボールになる超必殺技がAI戦ではかなり有効に働いたようで、順調に勝ち進んだ。
しかし4回戦にてAI製作者とぶつかり敗退した。
ちなみに大会用AIのキャラでは最も長く勝ち残っていた。
実際上記2つの技は強く、特に連続パンチはフルヒットで3~5割持って行く。

また、ビザロの世界「Htrae」における同一存在も同作者により製作されている。


"After all, It ain't easy to get over on a guy who can be anything from
 a lady's vanity table to the very book you're reading now."

(ま、そんなこんなで今日まで来たけれど、あれこれ変形すんのもラクじゃないんだぜ、これが。
 あっそうそう、実はこの本だってオレなんだからね)

"Ha! Made you look!"

(やーい、引っ掛かった!)

出場大会



最終更新:2022年09月26日 00:05