ウルトラマン(ゲーム)


『ウルトラマン』とは、1966年に放送された特撮作品及びその流れを汲むシリーズ。
1954年『ゴジラ』で特技監督として名をはせた円谷英二が設立した「円谷プロダクション」によって
同年1月~7月の『ウルトラQ』に続く空想特撮シリーズ第2弾として製作された。
優れた特撮技術によって演出されたダイナミックさあふれるウルトラ戦士や怪獣の活躍はたちまち日本の子供たちを魅了し、
50年以上が経過した現在も、『仮面ライダー』『スーパー戦隊シリーズ』と並んで、
日本三大特撮ヒーローの一角として国民的人気を誇るコンテンツとなっている。

ここでは主にMUGENキャラとして存在するウルトラ戦士や怪獣・宇宙人のもとになっているゲームについて表記している。
3D格闘の『Fighting Evolution』はここでは割愛している(一部のキャラにシステムなどが取り入れられているが)。



ウルトラマン

概要

1991年4月6日にバンダイより発売されたSFCソフト。
画面の雰囲気は格ゲーに見えるが操作感覚や仕様的にアクションゲームと言った方がしっくりくるかもしれない。
同時にAC版も稼働しており、画面構成や登場怪獣などが異なっている。
また、同年12月にはGB版が発売、こちらも登場怪獣が異なっている。
1993年にはMD版も発売されている。こちらは純粋なSFC版の移植とである。

ちなみに海外版ではシステムはほぼそのままに登場キャラが『ウルトラマングレート』のものに置き換えられている。

システム

怪獣の体力が0になるとゲージに「FINISH」の文字が表示される。
そこに必殺技のスペシウム光線を決めることで怪獣を倒し、ステージクリアとなる。
コンティニュー回数(残り人数)は制限されており、0になるとゲームオーバー。
また原作同様に3分以内に倒さないとミスとなる

必殺技ゲージ

画面中央に表示されている。時間の経過と共に溜まっていき、増えるほど使える必殺技の種類が増えていく。
使えるようになっていく順番に、
スラッシュ光線(SL)→アタック光線(AT)→八つ裂き光輪(US)→スペシウム光線(SP)
Rボタンでカーソルを合わせてYボタンで必殺技発動。使用すると技に応じてゲージを消費する。
スペシウム光線を当ててもFINISHが表示されていない限り勝ちにはならない。
また、必殺技ではないがバリアも使用可能で一部の敵の飛び道具等を跳ね返せる。こちらもゲージを少量消費。
なお、AC版では各光線が上下に並んでおり技の選択もレバー↑のみで行う。これにより大ジャンプをする度に選択が変わってしまう。

キャラクター

プレイヤーキャラ
怪獣・宇宙人
アーケード版のみの怪獣

アーケード版ではネロンガアントラー(ゲーム中での別名は「蟻地獄怪獣」)も登場する他、
バルタン星人が2度にわたって登場するため全13ステージとなっている。
ゲームボーイ版ではテレスドンとジェロニモンは登場せず、バルタン星人が2回登場する。
また、最終ステージはゼットンを倒した(スペシウム光線を決めた)だけでは終わらず、
科学特捜隊員を操作して無重力弾をゼットンに撃ち込む事で、ようやくクリアとなる
(弾数はウルトラマンの残り人数分+1だけ与えられ、原作通り1発当てれば撃破)。

海外版(ウルトラマングレート)


プレイヤーキャラ
怪獣・宇宙人

海外版と日本版の違いは、ステージ数が9ステージで日本版より一体怪獣が少ない事、
日本版のペンシル爆弾でのシューティングステージに該当する特殊なステージが存在しない事。
またジャミラやメフィラス星人等のような特殊なステージクリア演出は無い。
ゴモラの尻尾締め付けのような相手の怪獣が使ってくる掴み技が無く、テレポートしてくる相手もいないので戦いやすい。
ラスボスのシラリーもゼットンのような理不尽な強さではなく、難易度も普通に仕上がっている。
日本では未発売であるのと海外版SFC(SNES)専用ソフトなので、ソフトがあっても日本のSFCではプレイできない。


ウルトラセブン

概要

1993年3月26日にバンダイより発売されたSFCソフト。基本的なシステムはほぼ前作を踏襲している。
グラフィックがより向上していたり、敵との戦いの前に原作のシーンを再現したデモ絵が挿入されたりと演出面が強化されている。
また、対戦モードが存在し、こちらでは敵キャラも操作できる。

カプセル怪獣

敵怪獣との戦闘前にセブンの味方であるカプセル怪獣を戦わせるかを選択することができる。
回数制限ありだが、シューティングゲームで残り使用回数が増やせる(3回分まで)。
カプセル怪獣はHPが自動的に減少していき、敵を倒すことはできない。
敵怪獣のHPを減らしておけば(ある程度回復してしまうが)、セブンでの戦いが有利になる。
ミクラス
移動速度は遅いが、パンチのリーチが長い。上手く相手に近付かないと大抵一方的にやられる。必殺技は熱光線。
ウインダム
ジャンプは低いが、跳び蹴りは意外と強く、上手く当て続ければハメられる。必殺技はレーザー光線。
アギラ
尻尾攻撃(↑+Y)はリーチが長く、敵の一部の攻撃も躱せる優れた攻撃。必殺技は突進。

キャラクター

敵の怪獣・宇宙人


ウルトラマンパワード

概要

1994年3月20日にバンダイより発売された3DOのローンチソフト。
基本的なシステムはほぼSFC版の二作と同じだが、防御動作の追加や必殺技のコマンド入力やパワーゲージの存在、
相手の体力を0にすると自動的にとどめの演出に移行するなど、より格闘ゲームに近いシステムとなっている。
グラフィックは実写取り込みであり原作以上によく動くのが特徴。
また、ストーリモードでは原作からの取り込み映像を使用した動画が挿入されるなど、3DOの性能が生かされている。
対戦モードも存在し、こちらでは敵キャラも操作できる。

キャラクター

プレイヤーキャラ
敵の怪獣・宇宙人


ウルトラマン 光の国の使者

概要

2001年6月21日にバンダイからWSC専用ソフトとして発売された。
SFC『ウルトラマン』をより格ゲーに近付けたような仕様となっており、グラフィックが向上した他、
SFC版にはいなかった怪獣の他、隠しキャラとしてゾフィーが登場する。
さらにキャラクターを育成して通信対戦できるモードなども存在する。

キャラクター

ウルトラ戦士
ウルトラマン
ゾフィー(対戦・育成モードで使用可能)
怪獣・宇宙人(一部は対戦・育成モード両方で使用可能)


対決!ウルトラヒーロー

概要

2004年3月5日、ジョルダンより発売されたGBA用ゲーム。2D対戦格闘に近い構成である。
『ウルトラマンガイア』よりガイアとアグルが登場した初の対戦格闘ゲームである(ゲーム作品への登場自体は『PDウルトラマンバトルコレクション64』が初)。
昭和・平成からウルトラ戦士が4人ずつと、6体の怪獣が登場する。

ウルトラ戦士は体力とは別にエネルギーゲージが存在し、必殺技を使うと消費する。
この特性のせいで必殺技を使いすぎると自滅してしまう…というか技によっては1回使っただけでエネルギー全消費してしまったりする。
また、怪獣側のキャラはウルトラ戦士側が可能な動作の殆どができず、総じて性能が低い(強いて言うならタイラントが幾分マシなレベル)。

キャラゲーとして見ても、
  • 本編のイメージとは打って変わって運動性能の低いタロウ
  • ガタノゾーアの攻撃方法が闇と触手の2通りのみで、ハサミや石化光線などは無い
  • レイキュバスの眼の色が変わる特性が再現されておらず、冷凍攻撃を使う青い目の形態しかない。
  • 初代マンのアッパーカットなど、原作にない動きが多数
…など原作再現度は高いとは言い難い。
あと格ゲーらしい動きをさせづらそうな恐竜戦車や、帰りマンからはベムスターなどを差し置いて二代目ゼットンといった謎のチョイス

ボリュームも豊富とは言えず、ゲームバランスも全体的に大味なものとなっており、評価はあまりよろしくない。
同じ年の数か月後に『ウルトラマン Fighting Evolution 3』が発売され、そちらがキャラゲーとして高評価を受けたことで更に埋もれた存在となってしまった節がある。

キャラクター

昭和ウルトラマン
平成ウルトラマン
  • ティガ、ダイナはそれぞれ性能・必殺技の異なる3タイプにチェンジ可能。また、ガイアはスプリームヴァージョンで登場している。
怪獣
  • タイラントはキャラ選択時にL・R・START同時長押しで性能が強化されたバージョンとなる。


MUGENにおけるウルトラマン(ゲーム)

這い寄る混沌氏によりSFC版の『ウルトラマン』『セブン』をもとにウルトラ戦士や多くの怪獣が製作されており、
とくにゼットンは狂上位の代表格として様々な動画でその強さを見せつけていた。
また、キャラクターを『ウルトラマングレート』のものに置き換えた海外版よりコダラーシラリーも作られている。
AIが搭載された当初は強力な性能故に、上記のゼットンが極稀にある狂クラス大会やおまけに出ているくらいであったが、
AIインフレの結果凶~狂クラスにも勝てるキャラが増えてきた事、狂クラスの大会が人気になってきた等で他の怪獣も出番を増やしている。
ただし、どの怪獣も本来無かった技が追加されている等、仕様が元のゲームとは大きく異なっているので注意しよう。
なお、氏の怪獣キャラはMUGEN1.0以降には対応していないが、CNS内のDisplayToClipboardをコメントアウトか削除するか、
text=以降にある%lfを全て%fに直せば起動できる。

この他、muu氏によって『光の国の使者』や『対決!ウルトラヒーロー』のドットを用いて、
システム面に3Dゲーの『ウルトラマン Fighting Evolution』の要素を取り入れた怪獣やウルトラ戦士も多い。
這い寄る混沌氏のものに比べると性能面では劣るものの、強力な技やそれを出し惜しみしない中々に強いAIも搭載されている。
ガタノゾーアのような一部の狂最上位クラスを除けばその多くは比較的格ゲーをやっていると言えるレベルなので、
尖った部分も目立つものの、普通の格ゲーキャラと戦わせやすくなっている。
また、ウルトラ戦士や一部の怪獣はbakisimu氏によってよりマイルドな調整が施された改変パッチも存在するので、こちらをあてるのも一考。

また、以前からgainer氏などの先達者こそいたが、
2020年前後から中華圏のMUGEN製作者の交流サイト「千寻Mugen」(qxmugen)を中心に、
ウルトラシリーズのキャラを作るのがブームとなり、キャラが複数公開された他、
ビリビリ動画で製作・対戦動画が多数公開されるようになった。
同時期に国内ではカーベィ氏によってSFCの『ウルトラマングレート』からMUGEN入りしていなかったマジャバとガゼボが公開され、
また3DOの『ウルトラマンパワード』のキャラも全員MUGEN入りを果たす事となった。
これらは這い寄る混沌氏版に比べて一般的な性能であり、普通の格ゲーキャラとも戦わせやすくなっている。
他にもキングジョーブラックギラス兄弟メフィラス星人二代目など、
SFC版のドットをベースにして作られたキャラもカーベィ氏によって何体か製作・公開されている。

+ muu氏、bakisimu氏のキャラに搭載されているスピリッツについて
muu氏及びbakisimu氏の製作した怪獣やウルトラ戦士には「スピリッツ」という、
PSPゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution 0』の同名のシステムを元にしたシステムが搭載されている。
剣サム』のスピリッツとは同名だが、仕様は大分異なる。
このスピリッツを発動すると一定時間の間「攻撃力増加」や「飛び道具を吸収してゲージ増加」などの特性を得る事が出来る。

ゲージを消費しない代わりに回数制限のある技がイメージとして近く、
デフォルトだと食らい時以外はいつでも使えるが4回までしか使えない。
そして使用すると、デフォルト設定の場合は20種類近い効果の中からランダムでどれか1つの特性を得たり効果が発動する。

ただし効果の当たり外れは大きく、スピリッツの引きに勝敗が左右されやすい。
番狂わせになったり逆転劇に繋がることも多いが、仕様を詳しく知らない人には何が起こったのかが分かりにくいので注意。

なおcnsからスピリッツの発動回数は調整可能で0にもできる。そのため場合によっては調整しておくと良いかもしれない。
調整としては弱体化になるので強さが合わない時の調整としてもいいのかもしれない。

ちなみに発動するスピリッツの種類を固定にすることも可能(ただし一部固定できないものがある)であるが、
ある意味ランダムなのが面白さを増している側面もあるので上手く使いたい。

+ ウルトラ戦士のスピリッツの効果
+ 効果が特に強力なスピリッツ
ウルトラマンキング:一定時間ゲージMAX
発動中は常にゲージMAX状態になる。効果が終わっても3ゲージ残った状態になる。
あまりに強力なためかこのスピリッツだけ固定させることができない。
ウルトラマンタロウ:ゲージの溜まりが速くなる
発動している間ゲージが増加し続ける。こちらも強力だが任意に設定可能。
ゾフィー:必殺技がパワーアップ
必殺技、超必殺技のダメージが2倍になる。
ウルトラの母:常に体力回復
怪獣のライブキングとほぼ効果は同じ。
ウルトラセブン:連続で攻撃するほどパワーアップ
多段技を当てるとヒット数に応じてダメージが上昇する。

+ それ以外のスピリッツ
ウルトラマン:投げ技がパワーアップ
投げ技の威力が2倍になる。
ウルトラマンジャック:攻撃を受けるとゲージがたまる
攻撃時だけでなく、ダメージを受けた時もゲージが溜まるようになる。
ウルトラマンエース:ゲージを使うほど溜まりが早くなる
ウルトラマンレオ:ピンチになるほどパワーアップ
体力が半分以下だと攻撃力・防御力が1.5倍になる。
アストラ:ジャンプキャンセル可能になる
各種攻撃のジャンプキャンセルができるがAIは使わない。
ウルトラマンメビウス:必殺技から必殺技へキャンセル可能
スーパーキャンセルができるようになるが、AIはあまり活用しない。
セブン上司:ゲージ技の消費量低下

この他、一部のウルトラ戦士には、より上記の効果が強化される代わりに防御力が低下してしまう「0」バージョンが存在する。

+ 怪獣キャラのスピリッツの効果
+ 効果が特に強力なスピリッツ
プリズ魔:相手の光線技を必殺ゲージに変える
発動中は飛び道具でダメージを受けなくなり、飛び道具攻撃を受けるとゲージが増加するようになる。
ガッツ:敵ゲージが少ないほどパワーアップ
発動中は攻撃力が2倍になり、必殺技のダメージも大幅に増加する。敵のゲージ量による差は特には無いようである。
ブラックキング:パワー大幅アップ
発動中は攻撃力が2倍になり必殺技のダメージも大幅に増加する。上のガッツのスピリッツと効果はほぼ同じ。
ライブキング:常に体力回復
発動中はライフが自動回復するようになる。回復量もかなり多いので非常に強力。

+ それ以外のスピリッツ
防御力が増加するタイプのスピリッツはダメージ計算の都合なのか、ダメージを軽減出来る攻撃と出来ない攻撃がある。
例えば特定の攻撃技で受けるダメージは全く減少しないが、別の技だと大幅にダメージが減少する、
技の2ヒット目のダメージのみ減少するなど、相手によって効果にばらつきがあるので注意。

バルタン:回り込みが決まりやすくなる
ゼットン:攻撃時以外の防御がアップ
レッドキング:攻撃がガード不能になる
スカイドン:防御アップ・動きが鈍くなる
防御力や移動速度、タイム経過の変化は確認できず。
ゴルドン:全身が金色になる
金色というと特殊カラーみたいな気がするが、特に効果は無い。所謂ハズレ。
ウィンダム:防御力少しアップ・光線に弱くなる
飛び道具に弱くなり、受けた時のダメージが増加する。一部の攻撃のダメージは減少するのだが、
殆どのダメージは減少しない。そのためむしろ弱体化になることの方が多い。
バキシム:ゲージ技の消費量低下
ギエロン:攻撃を食らうと体力が少し回復する
攻撃でダメージを受けた後体力が回復する。
回復量は40ほどと少しなので、むしろダメージ軽減の方がイメージとしては近いかもしれない。
サータン:ガード時姿を消す
姿が消えている間は無敵になるので、ガード中の削りダメージを全く受けないという利点がある。
ダイダラホーシ:時間をまき戻す
発動中はタイム経過が停止する。相手や自分の動きは止まらない。
サウンドギラー:音を消してパワーアップ
ステージに設定したBGMが消えて攻撃力、防御力が少し増加。BGMをステージに設定していなくても効果有り。
効果音は消えない。
テンペラー:ヒーロー相手のときパワーアップ
相手がウルトラ戦士の時は攻撃力と防御力が少し増加する
ムルロア:画面を暗くする
ウリンガ:念力で周囲を攻撃
発動した瞬間だけ攻撃判定が自分の周囲に発生し、攻撃判定に触れるとダメージを受けて空中に弾き飛ばされる。
発動した瞬間以外は効果が一切無く、出現する攻撃判定も狭いが、ダメージはかなり大きめである。
恐竜戦車とかだと攻撃判定が自分の判定の内側になってしまい当てにくいので注意。
ヒッポリト星人:必殺技を受けるとゲージ上昇

ちなみに以前は「シグナリオン:相手の画面を三色で点滅させる」というスピリッツが搭載されていた事もあったが、
現在では搭載されておらず、代わりにヒッポリト星人が新規に搭載されている。


最終更新:2024年01月11日 23:13