初出は、ある意味「ガンダム・ザ・ガンダム」と言えなくもない『ガンダムVS.ガンダム』。コストは最高の3000。
原作通り機動性に優れたインファイターで、ゴッドフィンガーは勿論、超級覇王電影弾やゴッドスラッシュやゴッドスラッシュタイフーン、
石破天驚拳、石破天驚ゴッドフィンガー、ゴッドシャドーなど、数々の 原作再現技を網羅している他、MFらしく格闘の性能が非常に高い。
さらに、体力が一定値を切ると原作通り「明鏡止水」状態となり、専用の 根性補正がかかる。
明鏡止水は他機の一般的な根性補正に比べて攻撃力に対する補正値が高く、
最低コスト帯である1000コストの機体群は下手すると ごく低難度の火力重視コンボ”1セット”で即死する危険性がある。
ゴッドフィンガーは二段で避け辛い+前方の攻撃に無敵、さらに恐ろしいダメージ量と言った凄まじい性能。
アシストは 何故かネーデルガンダムで、ローリスクハイリターンで汎用性が高く優秀。
しかも格闘機故に耐久も高い。
流石に存在がバグ(公式チート)と言われた フリーダムガンダムには及ばないものの、これらの性能から七強の内の一機に数えられている
(しかしフリーダムと同じ最大コストな所為で「最大の欠点はフリーダムと組めない(コストオーバーを起こす)事」
と言われており、実はあまり使われていなかったりもする)。
続編の『NEXT』にも登場。
前作のチート性能がかなり抑えられた他、新システムの「NEXTダッシュ(ND)」によってどの機体も射撃の手数が圧倒的に増加したため、
ゲーム全体で格闘機そのものが不遇気味な環境故に強機体の地位は失ったが、機動力や格闘性能の高さ、明鏡止水時の爆発力は健在であり、
NDを使う事で、前作以上に幅広くコンボを発展させる事ができるようになった。
総じて少々扱い辛いが使いこなせば強いやや玄人向けの機体に仕上がっている。
アシストは ガンダムマックスターに変更。さすがに ゴッドのアシストが風車ガンダムかよ!という批判があったのか、
誘導と銃口補正は悪いが 発生と弾速に優れ、補正率が優秀なのでゴッドの生命線の1つとなっている。 また使用回数が7回と全機体最多だったりする。
チボデーのバーニングパンチは今日も何処かでゴッド使い達を救っている事だろう。
最終的には3000コスト帯では下位ランクの評価に収まったが、
その軽快な機動力とコンボ能力の高さから、カジュアルな対戦の場では人気のある機体であった。
モデルチェンジした次回作『EXTREAM VS.』にも継続参戦。コストは500下がって2500枠に。
メイン射撃をはじめとし武装がかなり差し替えられたが、高性能格闘機という基本は変わらない。
しかしアシストが削除されたので牽制手段が減った上、バルカンとマシンキャノンを使い分ける事ができたサブ射が弱体化し、
バルカンが消滅した上に残ったマシンキャノンも何故か全くの産廃になってしまった。
石破天驚拳のチャージ時間が1Lvにつき2秒に短縮されたなど嬉しい変更点もあるが、
射撃牽制面では大きく弱体化したと言わざるを得ない。特にアシストの消滅は大きい。
格闘も前作そのままと言うにはやや苦しく、威力や初段性能こそ顕在だが、
前作で強みの一つであった豊富な派生がほとんど削除されてしまった上に判定が弱くなってしまった。
しかも、よりによって特格のゴッドフィンガーの各種派生技(ぶん投げ、格闘カウンター、二段追尾)も消滅してしまった。
そのせいでカット耐性コンボの幅は大きく狭まり、前作の変幻自在なコンボは見る影も無い。
つまり、格闘機なのに格闘でガンガン攻めれない性能になってしまったのである。
しかしその一方で新たなメリットも獲得している。
差し替えられたメインの照射ゴッドフィンガーは有効射程こそ短いものの弾速が凄まじく速く、
命中すればスタンと格闘機のメインとしては最高の性能を持っている事に加え、リロード・発生速度に優れており、
逆に反撃に出た相手の格闘もこれ一本で黙らせる事ができる。
補正率もフルヒットして一般的なBRと同程度と緩く、ヒット後早めにキャンセルしてヒット数を抑える事で更に緩くする事もでき、
格闘で追撃すればそこそこのダメージを叩き出せる。
さらに、前作 エピオンのホーミングダッシュに似た移動技「ゴッドフィールドダッシュ」を獲得し、
射撃の劣化で空いた穴を埋め合わせている。
このメインの獲得と格闘の弱体化から、稼働から日が経つと新たな基本戦術として、
「格闘生当てに固執せず優秀な機動力で張り付いてメインを押し付け、格闘で丁寧に拾ってダメージを稼ぐ」という戦術が確立された。
また上記の通り格闘の判定は弱いのだが、発生は非常に速くモーションも相手に直ぐ突き出すため、
格闘の振り合いになると相手が武器を振り下ろす前にゴッドの拳が刺さるので、判定の狭さをものともせず一方的に相手を殴り付ける事が出来る。
この事もあってゴッドは格闘機体かと思いきや、格闘メタ特化の機体という原作や過去作品のイメージが足を引っ張る機体調整となっていた。
明鏡止水発動のトリガーは体力減少から覚醒発動に変更。時間制限はあるものの、任意に発動できる上に爆発力は以前以上なのは嬉しい所。
この状態ではゴッドフィンガーのモーション全てに スーパーアーマーが付与され、強引に相手に格闘をねじ込んでいく事が可能となる。
ヒートエンド派生は覚醒状態限定のフィンガーから自動で出る技に変更された。
ヒートエンドでの爆発後最速キャンセルでゴッドフィンガーがもう1度繋がり、総ダメージは軽く300オーバー。3000コストにも負けない破壊力である。
覚醒技(所謂 超必殺技的なもの)は石破ラブラブ天驚拳。
原作通り 初代キング・オブ・ハートのおっさんが飛んで行く。そして当たるとハート型の爆風が出る。
仮にも デビルガンダムにトドメを刺した技なのでダメージは凄まじいのだが、
モーションまで原作並なので発生が非常に遅い。覚醒中は格闘の爆発力が飛躍的に上がるゴッドだけにこれは痛い。
現状、有効な使い道は高飛び逃げした相手を撃墜する程度で、基本的には封印安定。
『FULLBOOST』では、照射ゴッドフィンガーの銃口補正が弱まり多少当てづらくなったものの、追加武装を引っさげて続投。
産廃だったサブ射は 風雲再起の突撃に変わり、格闘、特殊射撃のゴッドフィールドダッシュから出せる派生が増加。
全体的に嬉しい強化を受けている。
また、格闘派生に過去作のゴッドスラッシュ切り抜けが戻ってきたおかげでコンボ選択の幅が増え、
メインは弱くなったが全般的に強化された良機体となった。 ……かに思われた。
しかしメインの弱体化は思ったより響いており、新技のGFDゴッドスラッシュ派生も 全くの産廃と、強くなったようで実は弱くなっていた事が発覚。
前作の位置から一転、最弱に近いポジションまで転がり落ちてしまったのである。
だが、後の修正で弱体化部分に修正が入り、ゴッドスラッシュ派生が強化されると評価は一転。前作同様の射撃メインの格闘機として復権を遂げた。
このゴッドスラッシュが「ゴッド第二のメイン射撃」と言われるほどの高性能であり、
GFDを経由する必要こそあるものの判定・弾速・銃口補正に優れ、発射後格闘にキャンセルできるのでBD・ステップ無しで追撃可能、
しかもブースト0でも出せるという大層な性能を持つ。
これとGFDが格闘キャンセルで出せる事を利用した「GFD→スラッシュ→格闘→GFD→スラッシュ~」
というブースト0でも途切れないキャンセルルートが強力であり、おかげで相手を追い殺す性能は非常に高かった。
ただし、普通のキャンセル同様誘導を切られると以降の技が明後日の方向に行くので、ブースト0で適当に撃つとあっさり対処される。
大半の相手にとって脅威ではあるが、高機動、迎撃が強い相手だと注意がいる。
このゴッドスラッシュと、以前同様の地走からメイン押し付けが強力な機体であり、
そんな戦闘スタイルからかプレイヤーからは ランニングファイヤーガンダムだの エアリアルスラッシュガンダムだのと好き勝手に呼ばれている。
やっぱりもうバーニングガンダムでいいんじゃないかな。
酷い時には 「ランニングファイヤーモードとエアリアルスラッシュモードを換装できる格闘寄り換装機体」「射撃寄り格闘機」
とまで呼ばれる事も。 格闘機とは一体…
覚醒技にはノーベルガンダムを召喚して二人で 乱舞技を決める「ノーベルガンダム 呼出」が追加されている。
攻撃時間が長い上カット耐性皆無なので基本ロマン技なのだが、コンボに組み込める上初段性能が高く、
生当てもできない事はないので、少なくともラブラブ天驚拳より使い所はあると評価されている。
…ただ、ゴッドは覚醒時には火力コンボパーツとしてゴッドフィンガー(と、そこからのヒートエンド派生)が使える上、
GFとヒートエンドを絡めたコンボと覚醒技直当て、及び覚醒技〆コンボのダメージの差は せいぜい10程度しかなく、
モーションも長くカット耐性もなく、出てしまえばキャンセルもできず、覚醒時間も使ってしまう覚醒技を使う意義は ほとんど無い。
一応、「アーマーが付いているので勝負を決める時のゴリ押しに使う」などの用途はない事もないが、基本封印安定。
最終調整後は低コストを機動力と起き攻めで狩り殺せる近距離の強さやコンスタントに火力を叩き出せる事から、
2500コスト帯ではバンシィには一歩劣るものの ジ・Oと並ぶ上位評価を得ている事が多いのだが、
実はゴッドは最上位の機体陣が相手だとほぼ全てに不利が付いており、
更に2500というコスト自体も不遇な調整環境であったために、その高評価とは裏腹に固定での実践ではあまり見る事が無い。
『マキシブースト』ではコストが上昇し、再びコスト3000に。
これにより、VSシリーズ史上初めてマスターガンダムとコストで並ぶ事になった。
コストが上昇した分各種性能も上昇し、特にブースト量の上昇は顕著。
武装の追加もあり、『NEXT』からは左手ゴッドフィンガーが復活、サブ射撃で風雲再起に乗るといった追加武装もある。
『マキシブーストON』では、全体的に「射撃の性能を落とした代わりに、格闘の性能を上昇」という調整がなされ、
『EXVS』から続いてきた「何らかの射撃を刺し込み、そこからコンボを決めてダメージを稼ぐ」というコンセプトにメスが入った。
このため、格闘を生で当てるという選択肢がより現実的になった反面、
『ON』以前のような堅実に射撃で詰めていく戦法は取りにくくなった。
また格闘モーションは全て一新され、全体に段数が増えた代わりに火力が増加している。
ブーストダッシュ格闘のモーションが、格闘ゲーマーならお馴染みの 某回転キックにそっくりな事はちょっとした話題になった。
今までのコンセプトを捨て格闘機らしい調整を受けたゴッドガンダムだが、その立ち位置はシリーズ始まって以来の最下位クラス。
理由は様々あるが、大きなものとしては、
- MF系共通の地走+ジャンプ挙動の仕様のせいで、短い硬直で攻撃の誘導を切る全機体共通のテクニック「ステキャン」「フワステ」が不可能。
これは『EXVS』からそうだったのだが、様々な機体に高い誘導を持つ武器や面を一瞬で制圧するような武器が実装された事で弱点として顕在化
- 上記のような高誘導武器・面制圧系の武器が増えたので、3次元的な回避の難しい地走系の機体そのものが環境的に不遇
- 本作でも機動力はあるのだが、ゴッドと同等の足回りを持ちつつもゴッドより質も量も強い射撃を持つ機体が2500~3000に増加したため、
ゴッドの間合いに近付いて試合をさせてもらえない
- 格闘中心に再デザインされた割には、他の格闘機体が持つような「距離を詰める一助になる、中距離で機能するような武装」
「射撃からキャンセルできる利便性のある格闘」「相手の迎撃を避けながら接近できる、ジャンプしながら相手に向かうような格闘(ピョン格)」など、 環境にマッチした武器を持っていない
- 格闘は初段性能は高いがカット耐性は皆無、これ以前にカット耐性を担っていた前派生の斬り抜けはモーション一新で改悪され、使用価値の無い死に派生に
- 「ダメージ・ダウン値の高い単発の攻撃」を一切持たないため「相手をダウンさせつつ、コンボを短時間で切り上げる」事が難しく、
大ダメージを狙うにはリスク覚悟で長時間足を止める各種ダメージ重視派生orゴッドフィンガーしかない
など。
環境上位の機体が「中~近距離で機能する強力な射撃を持つ」「決定的な格闘拒否能力を持つ」事もゴッドにとっては強い向かい風。
このため初心者はともかく中~上級者の戦いともなると格闘を決めさせてもらえず射撃でじわじわやられて敗北、という試合展開も多く、
1試合で最低2回はある覚醒時のチャンスにしっかりダメージを奪えないと厳しい、かなりの弱機体になってしまっている事は否めない。
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