破裏拳ポリマー

この世に悪がある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!
破裏拳ポリマー、ここに参上!

+ 担当声優
曽我部和行 (現・曽我部和恭)
『破裏拳ポリマー』『タイムボカン王道復古』『タツノコファイト』
置鮎龍太郎
『新・破裏拳ポリマー』
安井邦彦
『タツノコVSカプコン』シリーズ
鈴村健一
『infini-T Force』シリーズ

タツノコプロ製作の痛快娯楽アクションアニメ『破裏拳ポリマー』の主人公。
「破裏拳」は「はりけん」と読む。むろん「ハリケーン」の当て字で、海外タイトルではまんま『hurricane polymar』。
車探偵事務所のへっぽこ助手・鎧武士(よろい たけし)が「ポリメット」を被って「転身」する。

武士は実は国際秘密警察庁長官・鬼河原虎五郎の息子・鬼河原猛(「鎧武士」は偽名。後述のリメイクOVAでは偽名の設定はない)で、
空手・柔道の有段者だが、悪党に狙われていたオレガー・スッテル博士を独断で護衛し、結果的に博士を死なせてしまったため勘当され、
今ではへっぽこ探偵・車錠(くるま じょう。名前の由来はシャーロック・ホームズ)のへっぽこ助手として正体を隠している。
しかしいざとなれば、オレガー博士の開発した新素材「ポリマー」を用いた発明品「ポリメット」でポリマーに転身し、
空手と超人パワーを組み合わせて独自に作り上げた全く新しい拳法「破裏拳流」と、ポリメットの機能でさらに5つのメカに転身し、
次から次へと現れる数多の悪党どもと戦うのである(本作の悪役は特定の組織ではなく、毎度あたっらしい)。
なお、「ポリマー」とは実際にある化学用語で、重合体の事を指す。本編中での扱いはアニメによくある架空の高性能新素材となんら変わりないが。

本作の最大の特徴はやはり上記の「破裏拳流」と「ポリマー転身」の2点だろう。
当時のカンフーブームの影響を受けた(実際武士の外見もブルースそっくり)ポリマーのカンフーアクションは筋肉の動きが分かるくらいリアル。
逆に威力はオーバーで、敵を殴れば仮面が割れ唾が飛び出し、蹴れば壁や天井に頭がめり込むという破天荒なアクションが徹底的・一方的に描かれる。
ザコに対する完全にオーバーキルな追い討ちが破裏拳流の基本といわれるあたり、後のスタイリッシュアクションにノリは近いかもしれない。

メカへの転身はOPにも登場しているポリマーホーク(飛行用)とポリマーグランパス(水中用)の出番が多く、
その他にドリル(地中用)、ローラー(圧搾用?)、存在感のまるで無いフォーミュラ型マシン(地上走行用)がある
(ポリマーマシンはEDで毎度毎度締めに歌われているので、無駄に知名度はだけは高いのだが)。
いずれにしてもスーツを纏っているだけの人間がメカへ変化していく描写は色々と異様極まりない。
近い描写を探すとするなら、『真ゲッターロボ』の徐々に変わっていく変形シーンだろうか。
それを人の身で行うのだからキャシャーンのフレンダーもびっくりである。

しかし折角5つもある個性的な転身だが、カンフー重視の作風のため正直活かし切れていない
そのせいか『タツノコファイト』ではホーク・ドリル・ローラーの3形態、『タツノコVSカプコン』に至ってはドリルしか出ていない
ED3番で高らかに謳われ、OP画面・劇中・ED画面と見せ場が多いのに、グランパスがゲームに出て来ないのは水中用の宿命なのか…?

作品としては大ヒットとは言い難いものの根強いファンは多く、
特にOPテーマはささきいさお氏の雄叫びが熱すぎることで有名であり、作品自体は見たことがなくとも歌は知ってる、という人も多い。
最初の「破ァッ! 裏イッ!! キィェーーエンッ!!!ポリマー!!!」と最初から熱すぎである。
因みにカラオケ表記すら「ケーン」ではなく「キィェーーエンッ」となっている。

ダン!ダン!ダン!ダン!ディンダダン!
バン!バン!バン!バン!ズンババン!
ガン! ガン!トッリャアーーーーーー!


タイムボカンシリーズの作品の一つである『 ヤットデタマン 』はポリマーの影響を受けており(というかセルフパロディに近い)、
主人公の時ワタルの声も同じく曽我部氏となっている。
またハードな展開とエロティックさを追加して解釈し直したリメイクOVA『新破裏拳ポリマー』も存在するが、
全三話の予定が残念ながら最終話は未発売のまま終わっている。
初顔見せした敵首領の正体が 悪のポリマー というべき怪人であり、
その圧倒的な力に起死回生の幻影破裏拳も破られてしまうという衝撃の展開であっただけに、続きが作られなかったのは残念至極である。
また、タツノコプロ40周年記念作品として制作されたOVA『鴉 -KARAS-』では、
街の守護者たる鴉たち共通の能力としてポリマーのように戦闘機やレーシングカーの姿に変化することができ、
第一話冒頭から裏切り者の鴉・廻向と追手の鴉の熾烈なドッグファイトが描かれるなどスピーディなアクション演出に一役買っている。
なお、『タツノコVSカプコン』には鴉も参戦している。

ちなみにポリマーを上回る謎のヒーロー「タイフーン・ホラマー」もお忘れなきよう。

ゲームでは

タカラの『タツノコファイト』やカプコンの『タツノコVSカプコン』に登場している。

『タツノコファイト』では、初期キャラでは性能が頭抜けており、「ポリマーゲー」と呼ぶ人もいたほど。
通常攻撃判定とダメージが強めで、ただ殴る蹴るするだけでもそれなりに戦えるほか、
突進技のポリマーホークをガードさせてコマンド投げの「真空片手独楽」で吸ってみたり、
オリコン幻影陣の合いの子のような超必殺技「幻影破裏拳」でタコ殴りにしたりする。

『タツノコVSカプコン』では、「咆哮する紅拳」というキャッチコピーで登場。
小技を入れたらどこからでも追撃が可能な「破裏崩拳」へ繋げ、エリアルを当てて補正切りコマ投げ超必「真空片手独楽」を狙う接近戦メインキャラ。
攻撃力は高いので、一発入れば高火力で押し切ることができる。
また独自の要素として「嵐の構え」で3つまでチャージできるポリマーマーク(パワーゲージの上に表示)があり、
これを消費して「繋ぎ足刀蹴り」からのキャンセルや、高威力の3ゲージ技「必殺・幻影破裏拳」(本作では短距離ロック式乱舞技)が使える。
さらに「嵐の構え」からは中段・下段・投げの3種類の派生技も出せ、ガードを揺さぶる手段が豊富。
しかしながらやや機動力やリーチ、ゲージ効率に乏しい面があり、単体では下位気味。

一方でアシストは連続技につなぎ易く、
ヴァリアブルコンボ「転身ポリマードリル」に至ってはそれ自体の威力が高い上、呼び出した側が先に動けるので追撃も可能。
本キャラにするよりもアシストで活躍するタイプであり、相方次第では大きく活躍してくれる。

ポリマー(アシスト)の可能性を垣間見る動画

『タツカプUAS』では順当に強化され、前作と変わらない闘い方ができる・・・のだが、
その強化の仕方が長所を伸ばし短所はそのままな調整なために、前作で苦手なキャラはそのまま苦手で、
得意なキャラはさらに得意になると言うなんともいえない調整となっている。
…実のところ、その調整も別段どうでもいいところがパワーアップしてるなど、いまいち疑問を感じざるを得ないところではあるが。

格ゲー的には二階堂紅丸の「真空片手駒」「反動三段蹴り」「幻影ハリケーン」の元ネタの人、という方が通じるだろうか。
ただし、紅丸の技は名前を借りているだけで、ポリマーのそれとは全然違うのだが。
…と思いきや、「真空片手独楽」に関してはポリマーも紅丸のと同じタイプの技として使ったことがあったりする。
レアなバージョンの方をパクるとはさすがコアなオタクと言わざるを得ない
ついでに『タツカプ』での声優が八神庵役でお馴染みの安井氏のため、
旧来のSNKファンからすれば「庵が紅丸の技を叫んでいる」ように聞こえるという愉快な事態にもなっている。


MUGENにおけるポリマー

ZANNA氏&The Pizzaman氏による『タツノコファイトドットの「hurricane polymar」が存在していた。
現在は公開サイトが消滅したため正規入手不可。
ファイルが「polymar2.rar」の場合、そのままだとエラーが出るようだが、polymar.defを開いて
「sound = polymar-ita.snd」を「sound = polymar-jap.snd」と書き直せばとりあえず動く。
「真空片手独楽」が通常投げだったり、「幻影破裏拳」が突進してハリケーンを起こす技と一定時間無敵(?)になる技と2種類あったり、
南波テルを呼び出してだだっこパンチさせる3ゲージ超必があったりと、元ゲーとはだいぶ異なる要素が多く含まれているようだが、
readmeが無く、細かい変更点や追加技の名前等の詳細については不明。
搭載されているAIはだいたい「ゲージを溜めて超必ぶっぱ等で転ばせ起き上がり超必重ね」を狙ってくる。
ゲジマユ状態だと連続幻影破裏拳でひどいコンボになったりするが、そうでないならほどほどの強さである。

出場大会



最終更新:2022年02月27日 20:57