シルバーブルーメ


ウルトラマンレオ』第40話に登場した怪獣で、円盤生物第1号。クラゲのような風貌をしている。
視聴者に強烈なトラウマを与えた怪獣としてファンの間では有名(詳しくは後述)。
別名は分類と同じく「円盤生物」。武器は長い触手と黄色の溶解液。
ブルーメ(Blume)はドイツ語で「花」を意味するので、意訳するとさしずめ「銀華」といったところか。
当初のスケールは
全長:0.4~29m(触手除く)
触手の全長:最長120m
体重:1.2kg~1万t
となっていたが、後にこの大きさではどう見てもMACステーションを飲み込めない為
最大全長:無限大という変更を受けている。

円盤生物とは地球から1000万km離れた場所に存在する*1ブラックスターより飛来する侵略目的の怪獣で、ブラック指令*2に操られる。
このシルバーブルーメを初めとした12体の円盤生物は、40話以降、
メインの1体と毎回のラストでブラックスターを飛び立つ次週登場分の計2体づつが登場しており、
最終回のブラックエンドまでの共通の敵であった(主にファンの間では「円盤生物編」と呼ばれる)。

その後「円盤生物」の肩書を持つ怪獣は、『ウルトラマンG』のUF-0、
ウルトラマンメビウス』のロベルガー、ロベルガー二世が登場している。
後者の2体は『レオ』最終回でレオが破壊したブラックスターの破片から何者(エンペラ星人)かが誕生させたという説があるが、
前者についてはブラックスター及びブラック指令との関係は明らかにされていない。

+原作ネタバレ、鬱注意
ブラックスターから体を縮小した円盤形態でMAC基地に接近し、奇襲する形で襲撃。
そのとき基地内では松木隊員の誕生日パーティーを行っている最中だった為、ゲンは寸前でレオに変身して脱出したものの、
その他の隊員たちはマッキー2号、3号で脱出しようとするが、基地ごと呑み込まれ全員殉職
モロボシ・ダン(=ウルトラセブン。本作ではある事情から変身能力を失っている)もゲンに脱出を命じ消息が途絶えてしまう。*3
更に地球へと飛来し、その日偶々デパートに買い物に来ていたゲンの恋人の百子、友人であり弟分でもある猛、
そしてトオルの妹カオルら多数の人間を殺害する。
ここまで名前の出ている人々は、全てレギュラーだったキャラである。

その後、エネルギー充填形態に変化して街中に紛れ込むが直後にトオルのクラスメイトの少年3人組によって
学校に持ち込まれてしまう。結局担任教師に見つかり没収されるのだが
その夜、性質を調べようとガスバーナーで熱しようとした担任教師を溶解し殺害、逃亡。
その翌日、大嵐のなか再び巨大化して学校を襲い始めるが、そこにレオが登場。
レオは小学校の生徒を助ける為の時間稼ぎをした後体内から呑み込まれたマッキー2号を引き出し、スパーク光線を浴びせ、
遂にシルバーブルーメを倒したのだった。

このエピソードは「MAC全滅!円盤は生物だった!」のサブタイトルが示すようにウルトラシリーズにあるまじき防衛チームの全滅、
さらに他レギュラーキャラも尽く死亡(生き残ったのはトオル少年だけ)している為、屈指の鬱回といわれている。
なまじ中盤に入ってから初期のハードな作風や描写が薄れ、ヒーロー番組らしい明るさが出て、またこの話の前は
ババルウ星人の陰謀でウルトラの星と地球が衝突する危機とレオとウルトラ兄弟同士の仲間割れと言う緊迫かつハードなストーリーで
その危機を乗り越えババルウを倒しレオも真のウルトラ兄弟として認められようやく落ち着いたと思っていたら、
このような暗い話が出てきてしまったというのも視聴者に大きな衝撃を与えた。

また話だけでなく演出もかなり狂っており、
  • 戦闘機ごと飲み込まれるMAC隊員の演技とは思えない恐怖の絶叫
  • デパートが押し潰され百子、猛、カオルが圧死する様をやけに執拗にねちっこく描写
  • 3人が圧死した直後、動く者がいなくなった瓦礫の中で壊れた人形が『お勉強しなくちゃ駄目よ 先生に叱られるわよ お兄ちゃん 私眠くなっちゃった 子守唄を歌って』と喋る
  • 病院の壁一面に張り出された死者の名前に人々の絶叫と号泣がオーバーラップし、必死で名前を見ていくゲンとトオルが3人の名前を見つけてしまう
  • ブルーメからドロドロに溶けたマッキーを引きずり出す。戦いが終わった後、レオはそれをただ見つめるだけで、機体の中は映さない
……と目を背けたくなるものばかりになっている。


+どうしてこうなった!どうしてこうなった!
実はこの大量のレギュラーキャラの死は、当時起きたオイルショックの影響で予算が足りなくなった為に
苦肉の策として採用されたものであった。
スタッフの怨念を感じる、狂気染みた殺戮演出も納得である。
後述する杉田かおる氏は、「まぁ子供だからわかんねえだろう」という理由で
自分の真横で「予算足りないからレギュラー殺そうぜ」といった話を聞かされたことなどを
ウルトラマンフェスティバルにおいて明かした上で、
たぶん『レオ』撮影中の自分は死んだような目をしていたと思う、と振り返っている。

また『ウルトラマンレオ』の戦闘シーンがアクション中心だったのも、当時特撮界でもオイルショックで
爆薬の使用が制限されていて、爆発演出を入れる必要がある光線技も制限する必要もあったことが要因のひとつで、
似た理由からシルバーブルーメ含む敵怪獣が溶解液を多用するようになったとも言われている。
(泡だった石鹸水等をかける→カメラ停止で人物が消えたようにその場から退くだけで撮影が可能)

散々とトラウマを残していったシルバーブルーメだがその割に戦いは意外とあっさりしており、
最初は触手で奮闘していたものの、マッキー引きずり出すシーンでは殆ど抵抗できずレオに倒されている。
(シルバーブルーメに限らず、円盤生物相手のレオは今までの戦闘の経験や修業の成果か
 多少苦戦する事があっても最終的にかなりの差で倒してしまうことが多い)
なおシルバーブルーメのトラウマも覚めやまぬ内に円盤生物はこのシルバーブルーメを含め、本来は侵略目的であったものから
侵略目的も含めつつレオ抹殺も意識するようになり精神的、肉体的にゲンを追い詰めるようになっていく。
正に一番目のシルバーブルーメから文字通り悪夢が始まるとは、恐ろしいことである。

余談だが、トオルの妹カオルを演じていたのは後年『KOF2001』においてアンヘルの声を担当した
子役時代の富永みーな(当時は「富永美子」名義)氏である。
またシルバーブルーメに殺される教師は、『マジンガーZ』の主人公である兜甲児等を演じた石丸博也氏が演じている。
(後に映画『ウルトラマン物語』や『ウルトラマンメビウス』におけるウルトラマンタロウの声も担当)
何という声優殺し…
更に最終回ではあの杉田かおるが友達と一緒にブラック指令を集団リンチで殺している。*4
何なんだこの子ども向け特撮番組…


ゲームにおけるシルバーブルーメ

PS2用ソフト『ウルトラマン Fighting Evolution3』にて、原作エピソードを再現したモードであるウルトラモードに
プレイヤー操作不可の敵キャラとして登場している。
このステージ、以下の要素からゲーム中屈指の難易度を誇るステージとしてプレイしたことのある人の間では有名である。
  • シルバーブルーメは常に空中で浮遊しており、レオが攻撃を当てると一定時間地上に落ちてくる
  • 空中での高さは二段階あり、高い方にいるとレオの攻撃は全て当たらない
  • 更にレオは制限時間が他のウルトラ戦士より短い2分40秒。この時間内に倒せなければ勿論ゲームオーバー
  • 更に更に他のウルトラ戦士に比べて防御力が低い
  • 更に更に更に、フィールドには学校があり、これを戦闘に巻き込んで破壊してしまうとゲームオーバー。しかもシルバーブルーメを投げるとどれだけ引き離していても学校の近くにワープする
これらのせいでただクリアするだけでもかなり難しいのだが、ランク(隠しステージやキャラを出現させる要素)Sでクリアするためには更に
  • レオの残りライフ50%以上。上記の通りレオは防御力が低く、シルバーブルーメの攻撃を数発受けただけでも大きくライフを減らされてしまう
  • 残り時間1分30秒以上。通常のウルトラ戦士なら90秒使えるが、レオは実質60秒。しかもシルバーブルーメはこちらからは一切手出しできない状況になることがあるため、運の要素も大きく絡む
  • ダメージを与えて横たわったシルバーブルーメからマッキー2号を引きずり出す(このゲームの仕様である掴み→ボタン入力→投げというプロセスの中の、掴みのみを実行すると発生。ボタンを入力してしまうと通常の投げが発動する。ちなみにこの『ボタン入力』には掴みボタンも含まれているため、気づかずに二度押しして失敗することも)
  • スパーク光線で止めを刺す
という厳しすぎる条件を満たさなければならず、ゲームでも多くの人間のトラウマとなったのであった。
※参考動画

なお、このシルバーブルーメは『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』(現在は稼働停止)にも登場しており、
始めはEXのストーリーモードでレイブラッド星人が憑依したレイオニクスのパワーを吸い取る怪獣として
顔見世程度の登場しかしていなかったが、後にNEO-GL第2弾でついにカード化。某邪神同様見事プレイキャラクターに昇格した。
バルタン星人のようにスピードが高めでディフェンスが低いが、ゲージが怪獣型で止めにくいため結構上級者向けの性能。
また、必殺技は怪獣を捕食して吐き出す「バキュームイーター」、例の黄色い溶解液を吐きかける「ディゾリューションミスト」と、
『レオ』の視聴者にトラウマを与えた技のオンパレードで、動きも登場時に不気味な浮遊音と共に触手を伸ばしたり、
勝利時には相手の怪獣を喰おうとする様な動きをみせたりと、相変わらずトラウマになりそうなものばかりである。


MUGENにおけるシルバーブルーメ

muu氏によって製作・公開された手書きキャラが存在する。
『ウルトラマン Fighting Evolution3』での動きをベースにしており、
性能もほぼそちらのものが再現されている。普段は空中に浮いているのだが
やられ判定が大きく動作が遅いので空中要塞はやりにくい。
攻撃を受けて地面にたたき落とされると移動ができないが、ボタンを押すか一定時間経つことで
空中モードに復帰することが可能となっている。

+大会ネタバレ
ウルトラ怪獣全裸王決定戦にて、出たり消えたりする不思議な喰らい判定による謎のAI殺し
3ゲージ消費で高速突進・投げ判定というこれまたAI殺しの一撃必殺技によって
並み居るを次々蹴散らし、見事優勝した。
これによって、「こんな時代だからこそ半裸 vs 全裸対抗祭 ~CERO-Zの向こうへ~」への出場が決定した……

と思いきや、そのあまりにもgdgdになる試合内容は度々早送りをくらい、性能が特異すぎるのもあって
他キャラとまともな勝負にならない可能性があることから、4位と入れ替えられてしまった。
プレイヤーが使用できない『Fighting Evolution3』の仕様の再現、つまり本来はプレイヤー操作で倒す事が
メインのキャラなので、対AIではgdgdになってしまうのは仕方がないところなのであるが……
判定などの検証動画

出場大会

出演ストーリー



*1
ただ、太陽系で最も外側の惑星である海王星の公転半径は約45億kmなので、
地球からの距離が1000万kmだと、ブラックスターは少なくとも円盤生物編の間は太陽系のどこかにあったことになる。
円盤生物が全滅した直後に地球に接近してきたブラックスターをレオが破壊するシーンがあることなどから、
何らかの形でブラックスターを移動させる手段があったものと思われる。
また、後年の作品では「ブラックスター自体が巨大な円盤生物だったのではないか?」という可能性も示唆されている。

*2
悪魔の惑星ブラックスターの宇宙人で、円盤生物を率いて地球侵略を企む。演じたのは大林丈史氏。
日本語の文法としては「司令」という表記が正しいはずだが、映像作品では「ブラック指令」と表記されており
現在の怪獣図鑑などでも変更はされていない。
内山まもるの漫画版『ウルトラマンレオ』では「ブラック司令官」、漫画『ウルトラマン超闘士激伝』登場時は
「ブラック司令」と表記されていたが、後者は単行本の完全版が刊行された際に「指令」に修正されている。

*3
当時の雑誌記事には「何とか心臓だけが回収され、そこから復元手術を受けて助かった」と記載されており
後に『ウルトラマンメビウス』において、ウルトラの母に助けられ無事だった事が公式に明言された。
この全滅事件はセブンの心に大きな傷となっており、メビウスの終盤で登場した際にも仲間を失った事を悔いる発言をしている。

*4
正確にはブラック指令の本体である水晶玉を奪われ、その水晶玉がレオによって円盤生物ブラックエンド
投げつけられて破壊された為に、泡となって消滅した。



 /⌒ヽ、
( *’ー’)
ノリリ从ルヽ



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