プリン



        
 分類:ふうせんポケモン
 タイプ:ノーマル・フェアリー(第6世代から)
 高さ:0.5m
 重さ:5.5kg
 特性:メロメロボディ
            (直接攻撃を受けると時々相手をメロメロにする/先頭だと異性のポケモンが出易くなる)
               かちき(能力を下げる技や特性を受けた時、特攻が2段階上がる)
 隠れ特性:フレンドガード(味方のダメージを減らせる)

まるくて おおきい ひとみで さそいこみ
ここちよい うたを うたい あいてを ねむらせる

+ 担当声優
かないみか
下記を除くアニポケ、『スマブラ』シリーズ
冬馬由美
『ライコウ雷の伝説』(ピンクちゃん)
岡崎美保
『POKÉTOON』

任天堂の育成RPG『ポケットモンスター』に登場するポケモンの一匹。初代の『赤・緑』から皆勤賞のポケモン。
また、同社の『大乱闘スマッシュブラザーズ』にも出演している。
「ププリン」から進化するポケモンであり、「つきのいし」を使用することで「プクリン」に進化する。
英名は「Jigglypuff(ジグリパフ)」。直訳すると「jiggly(小刻みに揺れる)puff(膨らみ)」。
それに伴い、外国版のアニメやスマブラでは、日本版での鳴き声の「ぷり~ん」等が、
英語版では「Jigglypuff」やそれに順ずる鳴き声に言語ごとに変更されており、
同じアニメやスマブラでも、多少異なるプリンを見て(聞いて)いることになる。

丸い体をしたポケモンで、大きな瞳が特徴的。
この瞳で相手を誘い込み、声の波長を操作して相手を眠くさせる歌を歌う。眠らせてどうするのかは不明である。

カラーリングについては微妙にはっきりしておらず、体色のピンクの濃さや瞳の色が媒体ごとに異なっている場合が多い。
一応6世代以降の原作ゲーム中においては「体は薄いピンクで瞳は緑がかった青」のようだ
(色違いだとピンクがやや濃くなり、瞳はよりはっきりした緑色になる)。

アニメ版では、最初はプリンなのに歌えずサトシ達3人の奮闘でどうにか歌えるようになる。
プリン自身はとにかく歌うことが好きなため、純粋に自分の歌を最後まで人に聞いてもらうために歌っているのだが、
前述の通り歌を聞いた相手は途中で眠ってしまう。そうなると怒ってふうせんポケモンの異名に違わず丸々と膨らみ、マジックで顔に落書きをしていく
初登場はカントーだがその後のオレンジ諸島やジョウトへと続くサトシ達の旅路にその身一つで影から付いていっている
なんだかんだ言って自分を歌えるようにしてくれたサトシ達が好きなんだろう。
なお一度だけ「ぼうおん」の特性を持つポケモン・ゴニョニョに最後まで歌を聞いてもらったことがあり、仲良くなった…
と思ったら、その後バトルをしたゴニョニョが疲れて眠ってしまったのを歌によるものと勘違いし、結局落書きをしてしまった。

その後はBW編の第4期EDに登場するのみで本編には長らく姿を見せていなかったが、
サン&ムーン編にて、サトシ達がカントーに訪れた際に実に14年ぶりに登場した。
相変わらず歌っては眠ってしまったサトシやロケット団達に落書きをしていったが、
最初から眠っているネッコアラに対しては落書きしようとしてもことごとく躱されたばかりか、
逆にプリンが落書きをされてしまうという羽目に。だが逆にそれで仲良くなったようである。

「プゥ~プリュリュップ~プリ~ン プゥ~プ~リ~ン~♪」

他にも無印編では古代文明の遺跡に出現した巨大なゲンガーフーディンの後に巨大プリンが登場している。
他の二体が生物をとり込んだり謎の物質を作るなどして怪獣の様な戦いを繰り広げていたのに対し、
プリンは二体を強力な歌で眠らせて顔に落書きをして帰って行くという平和な活躍をした。
巨大プリンが来る前に普通のプリンも二体に歌を聞かせたが、こちらは何の効果もなく、二体の戦いに巻き込まれ吹っ飛んでいった。

ちなみにアニメ版のプリンはかなりワガママな性格となっているが、
これは元々可愛さに定評のあるプリンが、アニメ版の顔であるピカチュウを食ってしまうほどの人気を出されるとまずいという理由から、
敢えてああいう子供への受けが悪い性格にしようという意向があったらしい。
同様に他のマスコット人気のあるポケモンも腹黒だったり捻くれてる等、どこかしら欠点のある性格となっていることが多い。
この影響で嫌いなポケモンとして名前が挙がってしまう事もあったようだ。
…どっかに 「人気」とゲーム内で明記される程のようせいポケモン がいた気がするけど、そっちは どうしたのだろうか

この他、番外編で作られたオリジナルアニメ『ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説』では、ヒロインのマリナがプリンを所持。
主人公のスピアーを眠らせようと歌うのだが、スピアーは自分の羽音で歌声を無効化している。

また、アニメ版を基にしたコミカライズ『電撃!ピカチュウ』では、アニメ同様にカビゴンの回に登場するが、
この漫画ではそれまでプリンは登場していなかったため、偶々現場に通りすがった所をサトシ達に見付かり、
手掴みでカビゴンに突き出され、強引に歌わされるという展開だった。

『ポケモン+ノブナガの野望』ではヒロインであるオイチのパートナーとして登場。
最初の戦に味方として現れたオイチと共に主人公の手助けをすることになる。
パッケージではゼクロム、グラードン、ミュウツー、フリーザーと伝説ポケモン達と共にいるおかげで浮いている感が否めない
ちなみにポケノブでのプリンの性能はというと、進化前のププリン、進化後のプクリンと共に微妙
とはいえ近くの味方のテンションや防御を上げる特性を持っているのでサポート要員としてそこそこ。
パートナーであるオイチ自身も味方全体回復(ブショー進化後はさらに状態異常回復も付く)や、
イベントで入手できる状態異常を無効にする専用装備「プリンのお守り」もあるので終盤でも問題無く活躍できる。
オイチが優秀なだけじゃ?とか言わない
しかし「プリンのお守り」入手にはその名の通りプリンであることが前提なので、プクリンに進化させると入手不可

第9世代では古代から転送されたパラドックスポケモンの中に、プリンにそっくりな「サケブシッポ」が登場している。
名前は第一発見者の生物学者が仮称として付けたものがそのまま使用されているようで(発見当時はポケモンかどうかすら判別されていなかった)、
実際に前髪の部分が尻尾、もしくはポニーテールのように長く後ろに伸びている。
プリンのように進化態や進化前は確認されていないが、その大きさや種族値はプクリンすら凌いでいる。
順当に考えればプリン系統の祖先の可能性が高いが、劇中では確たる物証は出てこない。これは他のパラドックスポケモンも同様。
また、同世代で「収斂進化で偶然そっくりな姿になったポケモン」が複数登場している事も祖先説に対する反証として挙げられている。


原作中の性能

HP:115
攻撃:45
防御:20
特攻:45
特防:25
素早さ:20

ステータスは、HPがかなり高いものの、他のステータスは軒並み低い。
全体の平均値も相当に低いため、はっきり言って弱いポケモンに分類される。
進化系の「プクリン」になってもその傾向は変わらず、
同じく高いHPが売りで可愛いピンク色のポケモンである「ピクシー」「ハピナス」の劣化と言われてしまうことも。
だが初代では比較的早く仲間になり、相手を眠らせる「うたう」を覚えている上、体力を回復できる「ねむる」も覚えてくれるため、
ポケモンを捕まえたり連続バトルが多くなったりするストーリー上では割と役に立つ。
「ねむる」を使うと体力が回復したあと強制的にねむり状態に陥ってしまうが、「ポケモンのふえ」を使えば事実上デメリットを無くすことも可能。
戦闘における使い勝手はあまり良くないが、その愛らしい容姿からファンも多い。
また、トリプルバトルではその遅さと特性(フレンドガード)を利用し、
「ほろびのうた」と「トリックルーム」をコンセプトにした戦術で活用されることもある。
進化先のプクリンでは特性が変わってしまうため、これは進化前のプリンの方が活躍出来る場所があるという珍妙な事態を引き起こすことに。
第6世代(『X・Y』)では新たにフェアリータイプが追加。
フェアリータイプは格闘技半減、ドラゴン技無効と従来の環境に一石を投じる相性関係を与えられており
前述のトリックルーム戦法が引き続き活用できれば、強力なポケモンを狩ることもできるのかもしれない。一方で鋼技に弱いためバレパン怖いとも言われる
また、新たな特性「かちき」を得たことにより、夢特性プリンとは全く違う動きを見せてくれるだろう。

+ 『Pokemon GO』におけるプリン
当初は初代のポケモンしか登場しなかったため、卵からはププリンではなくプリンの状態で孵化していた。
また、初代にはなかったフェアリータイプが追加されており、第6世代以降を知らないトレーナー(特に初期勢)を困惑させた。
このままでは弱いがプクリンに進化させることでタイプ一致かつ高火力の「はかいこうせん」や、
同じくタイプ一致技でプクリンの他にはペルシアンしか覚えない「じゃれつく」などの強い技を覚える。
しかし、フェアリータイプの技が有効なドラゴン・あくはがねの3タイプは数が少なく、
あくタイプはそもそも該当するモンスターがリリース初期は存在せず、はがねタイプも出現率が低いコイルとレアコイルしか登場しないため、
ジム戦のカイリュー対策でしか需要がなかった。
そのカイリュー対策もひこうタイプと合わせて大ダメージを与えられるこおりタイプの存在で霞んでしまうが
アップデートによって第二世代以降も続々と参戦し、ププリンが卵から生まれるようになった。

『Pokemon GO』の仕様上、ゴーストタイプには技の無効化はされないが効果はいまひとつ。
しかもフェアリータイプは「ダストシュート」「ヘドロウェーブ」などのどくタイプの技が苦手なため、相性が最悪となっている。


大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおけるプリン

作品ごとのデザインの変遷

地味に『スマブラ』シリーズ皆勤賞。『for Wii U』以外では隠しキャラクターとしての登場。

当初プリンが登場したことには驚かれたが、
これには「ポケモンをもう一匹参加させたいがモデルを作る余裕が無い。カービィと体型が似ているのでモデリングを使いまわせる」といった理由がある。
また、『初代』の時期のアニメ版において、準レギュラーのような立ち位置で登場していたことも関わっているようだ。
同じく候補としてピッピが上がっていたが、ヤラレ役らしさが引き立つという理由でプリンが選ばれ、
ピッピはモンスターボールのアイテムから登場するアシストキャラとなった。

元となったカービィと同様に空中ジャンプを5回まで使えて小回りが利く上に、
地上をダッシュするよりも早いほどの速度を出せるなど空中での総合機動力はトップクラス。
空中ワザが総じて強めに調整されているが、地上戦が苦手なため、空中戦主体で戦った方が能力を発揮できる。
さらに後述の下必殺ワザ「ねむる」という究極のロマン技を持つ。
その一方でとにかく吹っ飛びやすい。その吹っ飛びやすさは基本的に全キャラ中1位と言われるほど脆い。
その上プリンだけシールドブレイクすると物凄く上に飛んで行き、天井が無い限り即バーストしてしまうという、
他キャラとは一線を画する戦法を求められる両極端なキャラとしてデザインされている。

+ 各種必殺ワザ(以降「B」と表記)
各種必殺ワザ(以降「B」と表記)
  • ころがる(『DX』からのNB)
文字通り転がる。空中での使用及びスティックの左右入力による方向調節が可能。
一定時間経つか何かに当たれば転がり状態は解除される。
Bを押しただけではスピードが遅く、ダメージも与えられずに膨大な隙を晒してしまう。
しかしBを押し続けることでスピードと威力と吹っ飛ばし力が増加する。
溜め後のぶっぱは意外と止めづらく、非常にKOさせやすい。その代償として自滅しやすいが。
斜め上に吹っ飛んだ後、この技を出しながら復帰するプリンも多いが、地上以外では方向転換出来ないので角度と速度をよく覚えておこう。

  • うたう(上B)
文字通り歌う。ぷーぷりーんー。
プリンの周囲の地上の相手を眠らせることができ、ダメージの蓄積%が多いほどその効果は持続する。
『スマブラ』における眠り攻撃の判定は地上でしか行われないため、対空には使えない。
当然ながら復帰には使えず、はたくをしようとして暴発して落ちていくプリンもしばしば見かける。
しかし崖は掴めるので、崖際に立った相手をうたうで眠らせ、崖捕まりからねむるを直撃させるコンボも存在する。

  • ねむる(下B)
文字通り相手の目の前で眠る
寝ている間はダメージが回復するわけでもなくひたすら隙だらけ、と一見すればただの手の込んだ自殺挑発でしかない、どう考えても無駄な技。
……しかし、この技にはプリンの体の真下に恐ろしいほど強力な吹き飛ばし判定と無敵時間がピンポイントかつ数Fというわずかなタイミングで発生している。
これをダメージの溜まった相手に、上からタイミングよく合わせて発動させると、一撃必殺レベルの大火力ワザと化す。
特に『DX』ではその超火力が顕著であり、20~30%程度の蓄積で当てただけで多くのキャラが即死するとんでもないバ火力
ただし、タイミングはプリンが眠りに就く直前のわずかな間しかなく、判定は極小、キャラが重なる際には反発力が発生するため非常に当てづらい上に、
外せば漏れなく自分が死ぬため、決めるのはかなり難易度が高い。
プリンを極めたプレイヤーにだけ放てる、まさにロマン技である。

『X』において威力は大幅に弱体化、吹っ飛び方向が真上になった(=天井があると落とせない)、
その代わり相手の頭の上に花が咲き一時的にスリップダメージを稼げるよう変更された。
なお、同作でのスネークの無線通信によると、
「寝る瞬間だけ中心部に物凄いエネルギー反応が現れる」ことが判明した。
寝ることに気合いを入れてるのか、全く度し難いな

『for』以降も基本的には『X』に準じているが、ふっとばし力が強化されている。
『SP』では当たった場合、通常よりも早く行動できるようになった。

  • はたく(初代のみNB、『DX』からは横B)
文字通り手ではたく。
見た目とは裏腹に持続や範囲がそれなりにあり、ガードさせた際にシールドを大きく削る
攻撃しながら前進するので、空中ジャンプと合わせれば復帰ワザとしても使用可能。
基本空中から攻め込む関係上、相手はガードを張ることが多いため、このワザが刺さりやすくなっている。
また、『DX』以降は入力直後に上や下の入力をすると、その方向に若干ずれるようになり、抜群の復帰力を更に押し上げるようになった。
初代のボーナスステージ「台を乗りついでいけ」ではこれを利用する前提の構造になっている。
『for』では移動距離が減少したため、結果的にリーチも減少してしまった。

風船のように大きく膨らみ、最大まで達した後で鳴き声と共に相手を吹っ飛ばし、しぼむ。
ステージによって性能が左右され、相手に逃げられやすい広いステージや自分が置いて行かれる危険性のある強制スクロールステージでは使い辛くなるが、
選択されやすい終点や戦場では、ステージの台座に潜り込んでから発動することで、ほとんどのキャラが回避不能な一撃必殺の技となる。
馬鹿にできないほどデカくなるので、狭いステージや崖付近では有効に活用できる。
ただし、チーム戦では見事に味方もふっ飛ばしてしまうので、発動する際は味方が撃墜された直後か、保持するようにしよう。

『SP』では押し出し判定が削除され、味方を吹っ飛ばすこともなくなった代わりに、一瞬だけさらに巨大化する2回攻撃の技に変更された。
そして本家における第8世代でも似たようなシステムが導入される事になった。

+ 『初代』におけるプリン
『初代』ではカービィのコンパチキャラとして参戦。

「最弱のファイター?」と公式でも称される通り、意図的に欠点が多く盛られているはずだった
手足が短くリーチが無い、飛び道具も無いためけん制や立ち回りが難あり、技の判定面でも弱い、必殺ワザがどれも死に技(と思われていた)、
そして絶望的なまでにふっとびやすい癖に上Bの復帰技が存在しない
おまけにシールドブレイクをしたら屋根でも無い限りそのままお星様になってしまう等、開発陣はプリンに何か恨みでもあると言わんばかりの調整で、
使用すれば「テメーなんかプリンを使っても余裕で勝てる」という挑発を込めた舐めプレイ、
言わば公式のやられ役が当初の子供達のプリンへの共通認識だった。

ところが研究が進むにつれ、実はプリンはそこまで弱キャラではない事が徐々に分かっていき、
圧倒的な空中戦での自由度の高さを駆使した復帰阻止が非常に楽な事、
攻撃力自体は無いものの空中下A(ドリルキック)からのふっとばす力が強い上スマッシュや、
上に相手を投げる前投げから相手を場外に運ぶコンボ等、比較的容易なコンボで相手を撃墜できるほどの火力もある事が判明。
「仕上がったプリンなら、生半可なカービィでは太刀打ちできない」とされ、
ギミックの無いシンプルなステージ下でのキャラランクは日本版・海外版共に中堅とされている。
あなたの周りにも、やたらと強いプリンを使いこなす友達が一人や二人いたのではないだろうか?

+ 『DX』におけるプリン
下を見れば別のピンクだま、さらにその下に某大王と、『MVC2』並に強弱の差が激しい『DX』において、
フォックスマルスに次いでベスト3に入る程の評価を受けている、れっきとした最強格のキャラ。

持ち前の空中機動力で判定が強い空中前Aや空中後ろAで壁を張り、相手にひたすら纏わり付きながら何か引っかけた瞬間、
ジャンプ→空中前(後ろ)A→空中ジャンプ→空中前(後ろ)A…
という運びコンであっという間に場外の遥か彼方へ連行してしまう。
もちろんプリン自身はそこから悠々復帰可能で、よしんば相手が戻ってきたとしても地獄の復帰阻止ループが行える。
他方、地上戦は空中と違って各種挙動が非常に遅いため不得手である…のだが、シリーズ中最強の火力を誇る「ねむる」を絡めたコンボが、
0~10%程度の超低%からでも相手側がずらしをミスれば即死となる超破壊力を備えるため、
相手側は数少ない崩し手段の投げから即死する事態にも警戒しなければならない。
ねむるのコンボルートは非常に多彩で、特に上方向全般への空対空となる空中上A(空中に足場があるゲームなので狙う機会は多い)や、
相手を引き寄せる横B「はたく」から繋がってしまうし、他にも受け身をミスってダウンしたり、そもそも受け身方向や寝っぱを読まれたりしたら、
即座にカッキーンという爽快なSEと共に足場の隅に転落してしまう。
かわいい見た目とは裏腹に、地上、空中どちらにいても簡単な始動から致命傷を与える本作最大のパワーキャラ、それがプリンなのである。

他方、防御面はというと、体重はもちろん言わずもがなの軽さなのだが、軽すぎるせいでコンボから抜けやすいために即死連携の類には逆に耐性がある。
単発が重いフィニッシュ技にはトドメを刺されやすいので利点というには疑問だが、
少なくとも上位キャラは機動力でガンガンコンボを繋いでくる連中ばかりなので有効に働く場面が多い。

弱点としては機動力、というよりは単純にスピード(最高速)が低いことが挙げられる。制動性は高いが、相手に追い付くのが難しい。
他の上位キャラはステップから見えない速度での差し込みを持つのに対し、プリンは能動的に攻めるのが大の苦手なのだ。
そのため戦術は殆ど「空中で待機しながら相手の突撃をいなして空中後ろAで迎撃」、もっと簡単に一言で表現すると「待ち」の一本に絞られる。
結局の所その待ち戦術は隙の少ない飛び道具を持たないキャラには有効だし、遅いとは言ってもあくまで『DX』基準なので、
生半可な飛び道具を撃っている隙に差し込む程度の機動力はあるが、その「隙の少ない飛び道具」を持つキャラに該当するのが、
よりによってキャラランク1位のフォックスなのが大問題。
突き詰めていけばフォックスとの戦いを避けては通れないゲームのため、
「フォックス1キャラにだけ弱いが他のキャラに圧倒的に強い」というメリットがメタゲームによって否定されているのが痛すぎる。
このため、お手軽強キャラという評価の割に、7キャの中では使用人口が最も少ないのが現状である。

以上のように最強格であるにも拘らず大会で勝ち残るには厳しい面のあるキャラなのだが、
そんな評価を受けていても「スマブラ5神」の内の1人に熱心なプリン使いがおり、
彼の操るトレードマークの緑のハチマキを締めたプリンが各地でねむるを叩き込んでいる。
世界大会EVOで活躍するプリン
極限まで操作精度が高ければ不利キャラにも真っ向勝負が可能

+ 嫌われキャラとなった歴史的な瞬間
前述のスマブラ5神とは厳密には特定の5人を指す言葉ではなく、『スマブラDX』で抜けた実力と人気を持つプレイヤー上位5人のことである。
現メンバーになってから長く代替わりしていないため、今となっては彼らを指す言葉で間違いないが、
2000年代後期までは「先代スマブラ5神」が活躍していたのだ。

そこに当時は若手だった当代5神が切り込んで行くのだが、彼ら(の内特に若い2人)がメインとして使っていたのがプリンである。
つまり、「トッププレイヤーに切り込めるのは彼らが強いのではなくキャラが強いだけ」というレッテルが張られ、
彼らは強キャラ厨としてヒール扱いされてしまったのである。
その2人の内1人は、その逆境に耐えきれずフォックス(こちらは強さとともに人気も高い)にキャラ替えしてしまったとインタビューで明かしている。

先述の通りフォックスのような飛び道具で待ちができるキャラには不利であり、得てしてそういった相手には時間をたっぷり使って隙を窺いながら、
ラインを上げていかなければならないのだが、このような風潮のため「時間がかかるのはプリン側に問題がある」という誤解さえ生まれてしまったほど。
ガイルに待たれるザンギが悪い」ぐらいの暴論である。

一方でそのふわふわとした立ち回りは無法なほど強力であり、
突き詰めてしまえば接近して殴らなければいけないフォックス以外のキャラには安定して待てる
そしてそこから破滅的な火力のねむるコンボ、もしくは画面外連行からの無限の場外攻めが始まるため、
フォックスさえ無視すればとんでもない強キャラというのはあながち間違いでもない話なのだ。

このことから、レアキャラ使いがプリン戦だけフォックスにキャラ替えするという現象が発生してしまうのも視聴者受けが悪いポイント。
2D格ゲーで言うなら、とんでもなく強いザンギエフのような扱い(視聴者側の感情も投げキャラに対するソレそのもの)であり、
それに対して誰もがガイルにキャラ被せする状態と言える。

DXトッププレイヤー「スマブラ5神」の中にすら、このキャラを相手にしたくないと公言する人が居るほど、
そのキャラ性能はもはや憎悪されていると言っていい。
そのスマブラ5神の一人は前述の通りプリン使いであり、無数のフォックスをバッタバッタと切り捨てながら、
2017年以降のプレイヤーランキングでは遂に頂点に立っているほどの戦果を挙げている。

絶妙な間合い管理から繰り出される空中後ろAによって最後のワンタッチを許さない鉄壁の防御スタイルは、
ワンタッチされれば脆くも崩れ去る体重の軽さをもってしてもなお堅牢であり、皮肉にもその硬さによって更に嫌われる…
という負のループに陥ってしまっているのが現状である。
当人がどれほど繊細な操作を行い、「不利キャラ相手に技量で差を埋め薄氷の勝利を挙げ続けている」というのが真実だとしても、である。

『スマブラDX』における20XX年問題(「全プレイヤーのプレイヤー性能が極まったら全員フォックスになってるね、強すぎて!」というジョーク)は、
皮肉にもプリンが頂点に君臨するために実現しようとしているのである。

なお、公式サイト「速報スマブラ拳!!」では、
「特徴的に弱いという性質はピチューに空けわたしているので、それなりに工夫したデザインにしました」と記載されている。
それにしたって工夫しすぎと言わざるを得ない……というか前述の通り、
前作のプリンは公式の意図とは裏腹に最弱でもなんでもなく真っ当に戦えるファイターだったため、
そこから調整を施した結果強化され、凶悪なファイターとなったのである。
ガチ勢による詳細な解説

+ 『X』におけるプリン
『X』ではリストラ有力候補だったが、無事参戦
アドベンチャーモード「亜空の使者」ではクリア後に特定の場所で戦闘イベントが発生するだけで絡んではこないが)。*1
前作まではレギュラー戦「シンプル」のやさしい難易度をクリアすることで登場するファイターだったが、
本作では「亜空の使者」での扱いもあってかウルフとトゥーンリンク同様、終盤に解禁される。

こちらではようやく本来のキャラ設定(?)通りの低い火力に抑えられ、実際にランクも最下位クラス。
空中機動力の高さは健在なのだが、攻撃性能が単純に劣悪すぎて、これだけでは補うことができなくなった。

特にねむるが他の作品と比べてかなり低火力であり、ベクトルが真上になった事で確定で撃墜できる状況が減ったのが辛い。
一応、上ベクトルになった事で星撃墜演出(復活に時間が掛かる)になりやすくなり、
眠っている間に復活して戻ってきた相手に倒されてストック1-1交換という状況が減り、花によるスリップダメージも付く等の強化点こそあるものの、
殺し切れないとこちらが死ねるためだからどうした感が非常に強く、ロマンすら許されない哀しみを背負う事となった。

+ 『for』におけるプリン
『for 3DS/WiiU』でも初代からのよしみである為かやはり参戦。『3DS』では対戦回数だけで見るなら一番最後に使えるようになる隠しファイターに。
そして、『WiiU』ではネスと共に初期キャラクターとして登場。遂に『初代』のキャラクター全員が初期キャラとして揃い踏みすることになった。

デザインは『ポケモンFR・LG』以降を準拠に一新。前作と比べて目玉や前髪(?)が一回り小さくなっており、
各種技で目線が攻撃している方向を向く、投げワザや最後の切りふだで膨れっ面をする、被ダメージ時に口を大きく開けるなど表情が豊かになっている。
というか今までが無機質すぎた

ねむるの判定が大きくなり狙いやすくなったのだが、『for』はいかんせん地上戦重視の調整がされていたために得意の空中戦が生かしづらくなり、
本作でもキャラランクでは最下層との見解が概ね一致している。
リザードンガノンドロフなどが度重なるアップデートで大幅に強化された中、何故かプリンは全く調整されなかったのも追い打ちをかけている。
Ver.1.1.3時点で下位とされていたのにVer.1.1.4でさらに弱体化されるという仕打ちを受けた自称大王に比べればマシかもしれないが……

+ 『SP』におけるプリン
全員参戦と言うコンセプトもあって『SP』でも参戦。ただし『64』初期キャラとMiiを除く全てが隠しキャラとなったので、プリンもその対象内に入る。

全体的に空中攻撃の着地硬直が大幅に短くなったり、ジャンプ+攻撃ボタンで即座に空中攻撃が出来るようになったりと、
前作より空中システム面が強化されたため、空中機動性が重要なプリンにとっては大きな恩恵となっている。
空中回避が1回までに変更となったのも、復帰阻止で捕えやすくなったためプリンにとってはメリットが勝るか。
必殺ワザの隙も全体的に減少しており、特に下Bは相手にヒットした場合、より早く行動できる点は大きい。
「第4のアピール」とも揶揄された上B「うたう」も、今作は眠り時間強化でコンボ難易度が低下、
ダウン展開でも眠らせられるなど確定状況が増えた事などにより、ロマン技を脱却した。

『for』では不遇な扱いを受けたプリンだが、『SP』では3度(Ver.2.0.0、6.0.0、13.0.0)に渡る大幅な強化を受け、
他のキャラも軒並み強化されている中でも大会で活躍する機会が増加。
発売から長らく『X』『for』と同じく最下層とされていたのが、現在は中堅と言われるほどにまで地位が上がっている。

以上のように色んな意味でロマンキャラ。他の格闘ゲームだと炎邪に近い性能のキャラである。
空中戦特化のキャラコンセプトのため地上技が弱めに調整されており、そのせいもあって空中技や「はたく」を多用せざるを得ず、立ち回りの幅が狭い。
そこに体重の軽さやリーチの短さ、常時空中にいる=シールドを貼れない被弾リスクの多さから来る脆さ、ワンパターン相殺による火力の低下も加わり、
基本的に復帰阻止か「ねむる」を死ぬ気で通さないとジリ貧で負ける試合になりがち。
『X』~『SP』中・後期にかけて最下層かそれに近い位置を維持していたのもそれを端的に表しているとも言えるか。

余談だが、『スマブラ』では対戦後の結果発表にて、負けたファイター達は優勝者に拍手をするのだが、
プリンの場合、わけが分からないらしく、首を傾げることしかしない。手が短すぎて届かないからとか言うな
一方で同じ体型のピンクボールは頭頂部に向かって拍手している(拍手ではなく両手を振って称賛している説も)が、
そもそもの手の付き方が違うので仕方ないだろう。
『初代』ではプリンのみ拍手をしていなかったのである意味浮いていたが、
『DX』以降はアイスクライマーミュウツーといった一部のファイターも拍手をしないので唯一ではなくなった。


MUGENにおけるプリン

数体のプリンが確認されている。

+ ぼうし氏製作 スマブラ仕様
  • ぼうし氏製作 スマブラ仕様
現在はサイト消失により入手不可。
『スマブラ』の再現キャラであり、ふわふわと飛び回りながらの戦いを得意とする。
また、作者によるAIも搭載されていた。

+ WilloughbyJackson氏製作
  • WilloughbyJackson氏製作
海外の製作者によるもの。海外サイト「MUGEN Database」で代理公開されている。
ディスプレイネームが「Jigglypuff」(プリンの海外名)になっている。
スプライトはアニメからのキャプチャで作られている模様。
こちらは、「おうふくビンタ」「のしかかり」などまともな技もあるものの、
「Murder-Chain of the Sandman's Happy Song」などという物騒な技もあり、相当にカオスである。
五右衛門氏によるAIパッチが作られている。
アイツとの対戦
スーマリ


上記の他にも、Dylanius9000氏による手描きのMUGEN1.0以降専用キャラが存在。

出場大会

更新停止中
削除済み


*1
『X』発売前から「キャラのリストラがある」と公式で告知されており、
アニメには久しく出ておらず、もはや(当時)500匹近くいるポケモンの内の一匹に過ぎなかったプリンは「リストラ最有力候補」であり、
実際開発内でもプリンは『X』には登場しないことが半ば決定していた。
しかし「『初代』ユーザーからの思い入れが強いから」ということで、ギリギリに参戦が決定した模様
「亜空の使者」での扱いや、キャラ配置が31番目にまで下がっていたこともそのためなのかもしれない。
こういった事情もあるので素直に「参戦したことを喜ぶべき」というプリンユーザーもいる。これぞキャラ愛。


最終更新:2023年07月13日 21:19