マイケル・マックス




「どうだい俺様のトルネードアッパーの味は!」


初代『餓狼伝説』に登場したキャラクター。
サウスタウンでギース・ハワードが主催した格闘大会キング・オブ・ファイターズに参加した元ボクサーで、
ジョー東のハリケーンアッパーとほぼ同じ「トルネード・アッパー」を使う黒人格闘家。

大会には一般参加枠で出場しているようで、最初に表示される対戦相手4人の内の一人が彼である。
ボスキャラではないのだが、初代『餓狼』はテリーアンディジョーの3人しか使用できないためCPU専用キャラになっている。
同作に登場するキャラの中で唯一ジャンプができないという致命的とも言える欠点があり、飛び道具を飛び越えることができない。
そのせいかジョーと違ってギースに「ヤツはトルネードアッパーのマイケルか!」などとは言われない
『餓狼伝説SPECIAL』でアクセル・ホークが使用する「トルネードアッパー(中黒無し)」ボイスは彼が伝授したもので、
同作のアクセルEDでは彼のトレーナーになり、アクセルのボクシング界復帰を支援している。

……そして、これが『餓狼』ストーリー上で最後に彼が目撃されたシーンである。*1
初代『餓狼』に登場したマイケル以外のキャラクター全員が
主人公の三人と良好な関係を築いたり、後の作品や『KOF』に登場したり、
プレイアブルキャラとして復活を果たしたりとそれなりの待遇を受けているのに、
何故かは知らないがマイケルだけ全くと言っていいほど登場機会に恵まれない
彼はステージ背景のモブはおろか他キャラのストーリーや登場デモ、勝ちポーズなどで登場することが一切無く、
このままアクセル共々完全消失したかに思われたが、
パチスロ『餓狼伝説 THE LEGEND OF WILD WOLF』及び『餓狼伝説 Special』で遂に再出演。
そして本家格闘ゲームでも『KOFXV』にてようやく餓狼チームステージの背景にカムバックを果たした
(グローブの代わりにバンデージを着用し、服の色も黄緑色に変更。黒のスパッツと相まってちょっと人造人間16号っぽい)。
それにしてもSNKはに対して何か恨みでもあったのだろうか

+ これも「出演」に入るのか?
一応、ホームステージ「サウンドビーチ」だけはその後もちょくちょく再登場している。
『KOF』シリーズでも家庭用『2000』及び『XV』にて登場しており、
後者では前述の通り遂にマイケルが背景キャラとして再出演するに至った。
…実質テリーにホームステージを奪われている気もするが。

+ これも「出演」に入るのか?Part2
テリーが外部出演を果たした任天堂オールスター+αが一堂に会するクロスオーバー対戦アクション『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、
テリーのホームステージである「KOFスタジアム」になんとマイケルのテーマ曲「海は知っている」がBGMの一つとして搭載*2
本人は長らく出番に恵まれない中のまさかの抜擢に驚いた旧来からのファンも多いことであろう。
子供達からの知名度は0だと思われるが。「マイケルって誰?」
この音楽をバックに同じボクサーキャラのリトル・マックを操作して、長きに亘って亡き者と思われていたマイケル・マックス氏に思いを馳せよう。
5:20~

以上のようにマイケル当人は出番に恵まれていないが、
『餓狼SP』でのアクセルのトルネードアッパーのボイスといい『KOF』でのステージといい『スマブラSP』でのBGMといい、
どうも本人の一部分だけが妙な所で顔を出しているようだ…。

+ げぇぇっ オレの竜巻(トルネード)をつきやぶった!?
コミックボンボンで連載された細井雄二氏の漫画(通称「ボンガロ」)ではギースに雇われた殺し屋として登場。
ダック・キングを打ち破ったテリーと戦う。
パワーウェーブを一流のディフェンスで無効化したり、トルネードアッパーで一度はテリーをダウンさせるも、
バーンナックルで竜巻をつきやぶられて敗北(この折りたたみのタイトルに書かれている台詞はその時のもの)。
その後、ギースの命令で粛清に来たビリーの投げた棒に頭を貫かれ、死亡した。
『2』では、ボンガロ版シュトロハイム家の超技術によって生前の記憶と技を引き継いだクローンが登場し、
ホア・ジャイのクローンと二人がかりでテリーに挑むがそれでも負けた。
しかもその時はグローブにナイフを仕込み心の臓を貫こうとしていた。
彼のボクサーとしての誇りはどこへ行ってしまったのだろうか。


原作での性能

攻撃はパンチのみでキックが無いが、リーチが長く攻撃力も高め。
必殺技も「トルネード・アッパー」のみだが、これが速射性に優れた作中最強の飛び道具なため、
ジャンプができないからと言って飛び道具対決を挑むとあっさりと負ける。
また、ジャンプの代わりに『餓狼2』に先駆けて上半身無敵のスウェーとバックステップが可能なので極端に弱いということはない。
使用可能になったSFC版やMD版では必殺技が増え、MD版ではジャンプも可能になった。
MD版ではまんまダッシュストレートな「ガスト・ストレート・パンチ」、
SFC版では「ガストダッシュ・アッパー」と、何故か統一感のある名前で別々の突進技を身に付けている
(「ガスト」は突風の意味で、「トルネード・アッパー」とも語感が共通する)。
仮に後年出場できたら、この両方を併せ持った姿が見られたのかもしれない。


MUGENにおけるマイケル・マックス

+ リン&バット氏製作 初代餓狼仕様
  • リン&バット氏製作 初代餓狼仕様
現在ではinfoseek消失により、本体・AI共々入手不可。
NEOGEO版初代『餓狼伝説』再現キャラのため、必殺技が1つしかなく当然のようにジャンプができない
救済処置としてスウェーが全身無敵になっている。
ikki氏のAIが存在し、トルネードアッパーで固めてくる砲台AIとなっている。

+ Lord Sinistro氏製作 初代餓狼アレンジ仕様
  • Lord Sinistro氏製作 初代餓狼アレンジ仕様
氏は2021年に引退されたが、サイト自体は「Brazil Mugen Team」にて補完されているのでそちらから入手可能。
ドット絵は初代『餓狼』のものだが、ジャンプが可能になり空中での基本技も搭載
MD版のダッシュストレートや、トルネードアッパーを3連射する超必殺技などが追加されている。
ボタンは弱パンチと強パンチの二つだけだが、なにしろ古いキャラだしボクサーにキック攻撃は無いので気にならない。
2012年に更新されており、MUGEN1.0以降専用となった。
更新前はDEF150という謎の硬さを持っていたが、更新後はATK105、DEF110という全体的な強化になっている。
なお、WinMUGENで使うとエラーが出る要素は「AILevel」というトリガーだけなので、
MichaelMax_AI.cns内の「AILevel」を全部「var(59)」辺りに置き換え、AI起動用のvarsetを作ってやれば簡単にWinMUGENでも動くようにできる。
ごく簡易的なAIも搭載。

+ MR.S氏 & Misamu K Young氏 & Shin Dio氏製作 KOF仕様
  • MR.S氏 & Misamu K Young氏 & Shin Dio氏製作 KOF仕様
代理公開していた「MUGEN CHINA」が閉鎖したため、現在は入手不能。
こちらは初代『餓狼』のドットではなく、ヘビィ・D!の改変と思しき『KOF』っぽい細身で長身のドットになっている。
あまりのイケメンぶりに視聴者からは「誰?」「きれいなバイソンなどと言われていた。
外見だけでなくシステムも『KOF』風になっており、回り込みやふっとばし攻撃、ガードキャンセルを実装。
もちろんドットが丸ごと新調されたのでジャンプも可能である。
また、アクセル・ホークストライカーとして呼べる他、『ストZERO』シリーズのようなオリジナルコンボも使用可能。
…もはや現役選手と見られていないのか、LIFE900・ATK95・DEF95という基本性能の低さが涙を誘うが、
ゲージ最大本数だけは5本と通常より強化されている。
ただし、ボタン配置が「X(弱P)・A(強P)・Y(弱K)・B(強K)」という並び方になっているので、気になる人はremapで揃え直した方が良さそう。
なお、DOS時代からのキャラであるため、WinMUGEN以降で使用すると大ポトレが色化けを起こしてしまう(こちらを参照)。
「無限小学校」などで入手可能な「CharSffDtoW」を用いて修正されたし。

必殺技は236Pで射程制限がある飛び道具「トルネードアッパー」の他、
214Pで一度バックステップしてからのコークスクリューブロー(バックステップ時に無敵は無い)、
214Kでダッシュして下段を払う突進技(この時ダッシュの途中で少し無敵になる時間がある)、
646Pで一定時間攻撃力を上昇させる強化技、236Kで相手を3発殴るコマンド投げがある。
本家のマイケルよりも芸達者なキャラに仕上がっているが、トルネードアッパー使用時に何故か無言だったりするのがちょっと寂しい
通常技の掛け声やKO時のボイスはヘビィ・D!のもの)。
超必殺技はトルネードアッパーの強化版で、スクリューアッパーみたいな巨大な竜巻を前方に飛ばす。
…が、この超必殺技がとてつもなく減らない。ただのトルネードアッパーより減らない。
+ 原因と修正方法
原因はヒット属性が「ground.type = trip」になっているためで、ダウン時の防御力補正を異様に受けてしまうのである。
ここを「ground.type = high」に修正すれば額面通りの威力になってくれる。
そうするとダウンしなくなるので「fall=1」を追記したり、
さらにダウンする相手に当たらないので「hitflag = MA」を「hitflag = MAF」に変えたりと、
真っ当な性能にするのに少し手間がかかるが、これは修正しておいた方が良いと思われる。

AIは搭載されていない。

+ N.A.P氏製作 KOF EX UM仕様
  • N.A.P氏製作 KOF EX UM仕様
上記のマイケルを改変し、119way氏が手掛けたコンプゲー『The King of Fighters Extra UM』仕様にアレンジしたもの。
コンプゲー用のファイルも別途同梱されている。
なお、Readmeの類が同梱されていないため、詳しい各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。

控えめな基本性能や妙なボタン配置は改変元と同様だが、ボイスがアクセルのものに差し替えられており
(といっても元々トルネードアッパーのボイス自体はマイケルのものなのだが)、
ストライカーやオリコンが削除され、代わりにスーパー(ドリーム)キャンセルが可能となっている。
また、通常版トルネードアッパーのドットが初代『餓狼』ベースになり、飛距離の短い多段ヒットする仕様に変更されている他、
飛び込みつつコークスクリューブローを繰り出す必殺技や、
「Bust you up!」の声から繰り出される乱舞超必殺技(アクセルラッシュと言うよりへヴィ・D!の「D・クレイジー」っぽい。でも〆は山崎の「ドリル」)、
相手をフルボッコにしてかち上げ、超必版トルネードアッパーで〆るMAX2相当の乱舞超必といった新技が追加され、
スパキャン・ドリキャンと絡めればかなりの高火力を叩き出せるようになった。
……のだが、上記2種類の乱舞超必は途中で空中受け身可能なので〆の部分がガードされる上、
設定ミスなのかゲージが3本以上ある時に1ゲージ消費版を使うと何故か2ゲージ消費するという哀しみを背負ってしまっている
加えて超必殺技をガードされると空中にマイケルの分身が現れる、
ストライカーが削除されたにも拘らず、時々亡霊のごとくアクセルのアイコンが表示されるという不具合も存在しており、
操作に支障は無いものの、いささか見栄えがよろしくないのが難点である。
AIは搭載されていない。
DLは下記の動画から
(動画内の一部の演出は未実装なので注意)

+ AnimugenZ氏製作 KOF UNLIMITED仕様
  • AnimugenZ氏製作 KOF UNLIMITED仕様
上記のN.A.P氏製マックスを改変したもので、海外の統一規格「KOF UNLIMITED」仕様。
新たにゲージ溜めやMAXモードが追加されている他、ボタン配置や基本性能が見直され、改変元にあった不具合も修正されている。
……が、乱舞超必で受け身が取れてしまう仕様は未修正なので注意。また、改変元同様Readmeの類も無い。
技構成は通常版ハリケーンアッパーが大元のMR.S氏らのものと同じ性能になっている以外、基本的に改変元と同じ。
ただし、細かい部分で性能が割と恐ろしい事になっており、超必版トルネードアッパーが削りで5割近く持っていったり、
236Kの打撃投げがガード硬直中を掴める上に通常技から繋がるのでハメが可能だったりする。

AIは起動用のコマンドは設定されているのだが、起動後の内容が存在していない。この性能なら外部AIが作られればかなり活躍できると思われる。
取り敢えず「相手の起き上がりにスクリューアッパーで削る」というごく一般的な行動であまりの削りに視聴者が驚くのは確実
なお、ダウンロードした圧縮ファイルにはパスワードが掛けられているが、下記の紹介動画のページに記載されている。
DLは下記の動画から

出場大会

出演ストーリー



*1
一応出番が皆無という訳ではなく、『RBS』では一部のステージで極稀に空を飛ぶ姿が目撃されていたり、
ネームエントリー時に名前を「CAP」と入力すると、その雄姿を見せてくれたりする。
また、『RBSDM』の初回限定おまけディスクにも登場している。

*2
スマブラ』シリーズのディレクターを務める桜井政博氏は「KOFスタジアム」で流れるBGMの選曲にあたり、
当初はテリーに関連する音楽を中心に考えていたが、元々テリーの曲はビッグバンド系が多く大乱闘に似つかわしくないということで、
収録範囲をSNK全体に広げてピックアップし、沢山の候補から絞りに絞って50曲相当の楽曲がリストアップされた。
しかしながら当然SNKとそんな契約は結んでいなかったため、それらの中から許される範囲で曲数を選んで頂こうとSNKに打診した所、
テリーよろしくまさかの
「OK!!」
を頂き、なんとリストアップされた50曲全てがそのまま収録に至ったという逸話がある。
もちろんDLCキャラ付属のBGMとしては異例の事態であり、本作の為に制作された新規アレンジ等も含まれ、
これだけでサントラ代わりになるぐらいのボリュームになっている。
リストアップされた楽曲は『餓狼』『KOF』だけならず、『サムスピ』『メタスラ』『サイコソルジャー』などから、
知名度の高い曲や人気キャラのテーマ曲を中心に選ばれている中、マイケルは元々マイナーなキャラであるため、
もし桜井氏がマイケルのテーマ曲をピックアップしなかったら、そしてSNKが太っ腹に快諾しなかったら、
恐らく優先順位的に再び日の目を見ることは無かったと思われる。
桜井氏やSNKの御厚意に感謝しよう。
参考動画(収録楽曲関連は39:25~)


最終更新:2024年02月02日 00:34