ドラグーンマイト


 渦巻く闇、血、そして「龍の刻印」

     ───最強者のみぞ知る世界の行方

『ドラグーンマイト』(Dragoon Might)とは、1995年にコナミがリリースした2D対戦格闘ゲーム。

概要

『龍之刻印』・・・・世界中に離散したその破片をすべて集めると、
どんな願いもかなうと言われている。
あらゆる富、あらゆる権力、さらには永遠の命さえも……。
 
そして歴史は繰り返す・・・・・・・・
それぞれの人間が、それぞれの思惑を持って『龍之刻印』を探し始めた。
 
『龍之刻印』を求めて史上最大の闇のバトルが始まった。

イー・アル・カンフー』で知られるコナミのアーケード向け対戦格闘ゲーム。登場キャラクターは一部を除き、武器を装備して戦う。
1993年に同社が出した『マーシャルチャンピオン』のゲームシステムは比較的シンプルであったのに対して、
本作は体力を消費する代わりに威力が高い「ボンバー技」や、対戦ステージ回避用の奥ラインがあるなど、独自のシステムを採用している。
システムにしろ操作感にしろゲームバランスにしろ、全体として取り立てて悪いと言える部分は無い佳作なのだが、
リリース当時は格ゲー黄金期の真っ只中であり、同年だけでも『ストリートファイターZERO』をはじめとする他社の大作が揃っていたこと、
さらに3対3のチーム戦システムを採り入れていたものの、逆にそのせいで同システムの先輩として当時大人気だった『THE KING OF FIGHTERS』と比較され、
知名度や登場キャラ数の少なさで却って見劣りしてしまったことなどもあり、これらのタイトルに大きく押される形で埋もれてしまった。
以後、コナミはアーケードで2D対戦格闘ゲームを出していない(3Dなら『ファイティング武術』『バトルトライスト』などを出している)。

登場キャラクターはそれぞれ1つずつ「あらゆる願いの叶う龍之刻印の破片」を持っており、相手を倒すことで破片を全て集めるのが目的。
なお、各キャラクター同士の人間関係は希薄で、互いに因縁のある人物は少なく、ストーリーは完全に個人単位。
ラスボスですらもこの例に漏れず「特に暗躍もせず、誰かが龍之刻印を完成させたので横取りに現れた」というセコさ。
そしてエンディングでは願いを叶えたキャラクター達の様子が描かれるのだが、一部を除いて龍之刻印が必要あるのか疑問を感じるものばかりである。
中でも主人公格のヤマトのEDは誰も予想だにしなかった驚愕の展開なのだが、格闘ゲームの歴史には残らなかった。
+ 世界を救ってしまった男ヤマトは…… ※ネタバレ
(※世界を救った描写なし)
「ヤマト、最近修行がおろそかではないか?」
「パチンコばっかりじゃないですか。」
『……。』(ヤマト、周囲を無視して黙々と台に向かう)

世界を救ってしまった男は今日もパチンコにいそしむ。

『出ねぇじゃねぇか、このぉー!!』(と台を必殺技で破壊)
「うわっ、こんな所でなにをするかーっ!!」

    ……今日も世界は平和だ。                    -END-


似たようなノリでも知名度が(少しは)高い『カイザーナックル』勢はジェネラル様様と言った所か。

キャラクター

どことなく『魁!!男塾』などのジャンプマンガを髣髴とさせるキャラクターが混じっている。
なお、ヒロイン格のつぐみはっぽい衣装だが巫女ではなく、天狗の末裔である。

  • 使用可能キャラクター
ヤマト : 本作の主人公の剣士。使用武器は日本刀。
つぐみ : 天狗の末裔の少女。使用武器は鉄扇。
雷庵(らいあん) : 破戒僧その一。美形の男だが物欲が激しい。使用武器は錫杖。
酔虎(すいこ) : 破戒僧その二。貪欲なまでの食欲の持ち主で、暴飲暴食を好む。使用武器は巨大な数珠。
猿丸(さるまる) :プロゴルファー 猿山を守る男。自称「人類最強の猿」。使用武器は刃の付いたサンダル。
ジャオウ : 最強を求め漆黒の鎧を身に纏う戦士だが、使用武器は刃のついた円盤をヨーヨーのように操る
ドレイク : キザだが正義感の強い槍使い。一人称は「僕」。使用武器はトライデントと弓。
ザック : 宇宙の使者に頼まれ、戦いに赴く少年。使用武器は身の丈ほどもある大剣
木霊(こだま) : 真田家に仕える忍者軍の棟梁。全プレイヤーキャラクター中、唯一素手で戦う。
鉄仮面(てっかめん) : 木霊を付け狙う忍者。性格は冷徹そのもの。使用武器はカギ爪と月輪刀。
レイラ : 病気の母親を救うために戦う女戦士。使用武器はトンファー。
レジー : 地下プロレスのレスラー。弟の願いである表舞台に立つために戦う。使用武器はナイフ。木霊じゃなくお前が武器持ちかよ。
  • CPU専用キャラクター
ドグマ : 最終ボス。プレイヤーが集めた龍之刻印を横取りしようと襲いかかってくる謎の老人。妖術を操って戦う。
+ キャラクターニュートラル集

システム

操作系はレバー+6ボタン。弱・中・強パンチ(武器攻撃)と弱・中・強キックに割り振られている。
強攻撃の上にさらに威力が高く隙の大きい「ボンバー技」という、体力を削って出す特殊技がある。
また、パワーゲージがなく、超必殺技に当たる「スーパーボンバー技」は体力一定値以下でさらに体力を削って出すという、
非常にリスクの高いものとなっている。

  • ダッシュ/バックダッシュ
  • 飛び移り 「キック3つ同時押し」
 ステージの奥にあるもう一つのラインに移動する。別ライン上ではお互いに攻撃が当たらない。
 奥側のラインは木の枝やクレーン、高台、縄橋などがある。
  • ダウン追い打ち 「(相手がダウン中に)↑+パンチ」
  • 移動起き上がり 「(起き上がり時に)← or →」
  • 開幕前行動
 ラウンドコール中にダッシュ等を行うと互いに動ける状態になる。
 攻撃もできるがラウンドコール終了まではノーダメージ。
  • ボンバー技 「パンチ3つ同時押し」
 体力を削って使用する強力な攻撃。操作が簡単で高威力だがリスクもあるという位置付けの技。
  • スーパーボンバー技
 体力一定値以下(ゲージが白色に点滅)の時のみ出せる強力な必殺技。ただし、使用する度に体力を消費する。
 所謂超必殺技で、コマンドはキャラクターごとに決まっている。
 また、3VS3チームモードでは体力ゲージ点滅時に体力を消費せず使用出来る。

モードセレクト

  • 1VS1シングルファイト
 1対1で戦うシングルプレイ。
  • 3VS3チームファイト
 3対3のチームでプレイ。最初に3人のキャラクターを選び、チーム同士で戦う。勝ち抜き戦方式。

この他特殊な演出として、炎上する技でKOすると 相手が燃えたままになる。
また、一部の高所で戦う危険なステージでは、2本目をボンバー技orスーパーボンバー技で勝利すると 相手が落下していく。

スタッフに関する余談

今作はキャラクターデザイナー担当として、後に『BEMANI』シリーズを手掛ける事になるデザイナーチーム「MZD団」が関与している。
同チームの一人である「もみー」ことMZD MOMMY氏は初代『pop'n music』のキャラクターデザイナーとして名が知られていて、
後にpop'n本編にも氏をモデルにした「pop'nの神」ことMZDが登場している。
また、彼のプロフィールやMZD団の来歴が語られる際に本作についてもちょくちょくと触れられているため、
音ゲーマーの中には「ゲームの名前だけは知っている」という人もいるそうな。


MUGENにおけるドラグーンマイト

知名度の低さや画像抽出の難しさなどから、MUGENで製作されているキャラクターは少ない。
現時点でサクラカ氏のつぐみとレイラ、ngi氏のドグマ、Ryon氏のヤマト、deathlazer氏の木霊が確認されている。
この内つぐみ、レイラ、ドグマ、ヤマトの4名は専用ステージも公開中。

サクラカ氏のつぐみは天狗っ娘という独特の設定から、ニコMUGENでは割と出番に恵まれている。
また、同氏製作のきらきらは、ストライカーの一人として猿丸を呼び寄せる。
この他、本人がMUGEN入りする以前からBinho-RJ氏のシャン・ツンのスプライトの素体としてドグマが使われていたりする。
+ 参考
     

遂にはこんな大会も開かれた。
……ってそれじゃトーナメントにならねーから!


最終更新:2020年12月24日 17:38