ジオング

「見えるぞ。私にも敵が見える!」

足が無いようだが」
「あんな物は飾りです、偉い人にはそれが解らんのです」

  • 型式番号:MSN-02
  • 頭頂高:17.3m
  • 本体重量:151.2t
  • 全備重量:231.9t
  • ジェネレーター出力:9,400kw
  • 装甲材質:不明
  • 武装:腕部5連装メガ粒子砲、腰部メガ粒子砲、頭部メガ粒子砲
(HGUC 1/144 ジオング 説明書より引用)

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場した機動兵器にして、実質的な同作のラスボス
パイロットはシャア・アズナブル(CV: 池田秀一 )。
ジオン公国軍が開発した中でも、初の実戦型ニュータイプ用モビルスーツであり、
これまでのサイコミュを搭載したモビルアーマーのデータを元に建造されている。
ザクに変わる主力モビルスーツとして開発が目指され、「ジオン」の名を冠しているのはその為。
『SDガンダムフォース』等の派生作品でも、ラスボス格の強敵として出演する機会が多い。

指の5連装メガ粒子砲が主武装。サイコミュ兵器として前腕ごと機体から切り離し、
敵の予想外の方向から攻撃を行うオールレンジ攻撃が可能になっている。
また腰部に2つ、頭部にも1つメガ粒子砲を搭載しており計13門のメガ粒子砲攻撃は高い火力を誇っている。
その反面、当時は装置の小型化が進んでいなかったサイコミュとビーム兵器13門を稼動させる為に、
大出力ジェネレーターを搭載しているせいで、脚のない状態でもガンダムのおよそ1.5倍のサイズ(脚付きだと約40m)になってしまい、
他のMSの手持ち武器を使い回せず、かといって敗戦ムード濃厚で台所の苦しかったジオンには、
通常の倍以上のサイズの携帯火器を用意する余裕も無かった為なのか、もっぱらそれだけで戦っていた。
また、ビグ・ザムのようにビームを無効化する装備をした機体が連邦軍にはいないと判断された為か、
内蔵型のミサイルや機銃等の実弾兵器も一切無い。
一応、完成していれば人型ということで無理やりMSに分類されているが、
巨体や(結果的にとはいえ)足のない外観、大型スラスターによる移動や固定武装の多さ、他MSの手持ち武器を使えないという特性などを考えると、
「腕の付いたモビルアーマー」と言った方が認識としては正しい。
ジオン軍と当時のサンライズのアイデアには「腹部中央モジュールを残し頭部・胸部・腰部・腕部・脚部の7つに分離し攻撃する
というものがあったが、映像作品中では登場していない。*1
また頭部はコックピット兼脱出ポッドとしても設計されており、頭部のみの稼動も可能。
劇中でシャアが胸のコクピットに乗り込んだのに頭部を切り離して脱出した問題を「複座式」の一言で解決した。
これはニュータイプ以外でも操縦できるように頭部と胸部の二箇所にコクピットがある、という後付設定。
ジオングより先に登場したニュータイプ用モビルアーマー"ブラウ・ブロ"と同様の理由である。
このシャアの脱出の描写のためだけに新しく設定作っただろとか言わないであげて。

劇中では完成度80%の状態でシャア・アズナブルが搭乗して出撃した。
このページの冒頭に書かれているのはジオングを初めて見たシャアと整備兵のやり取り。
このシーン自体が有名な上、整備兵のセリフが非常に汎用性が高いため、
マニアならずとも知っている人は多いだろう。
原文は上記の通りだが分かりやすさ重視で「足なんて飾りです」と覚えている人も多いと思われる。
後付でAMBAC(アンバック、Active Mass Balance Auto Control = 能動的質量移動による自動姿勢制御)
なる設定が作られたせいで足は飾りではないということになってしまったということは禁句。
実際、一年戦争後のシャアのアクシズ時代を描いた作品で、
同じ整備兵がシャアに「付けてみたら意外といい具合でした」と自身の発言を訂正している。
尤も、当時のジオングはあらゆる挙動をスラスター噴射で強引に制御する構造になっており、
AMBACが使われる余地はない。そして足を付ければ当然脚部のスラスターを塞ぐため、
スラスター制御をAMBACに置き換える大規模調整が発生する。
要は根本的に違う設計思想の機体になってしまうのだ。そう考えれば、整備兵の言葉は決して誤ったものではない。
しかし、ルウム戦役にて連邦の軍艦を悉く蹴り抜き、
ガンダムとの初邂逅時にザクマシンガンが効かないと見るやすかさず格闘戦に移行して蹴り飛ばし、
更には実の妹に銃を向けられた際にも妹の腕を蹴って拳銃を弾き飛ばした男に向かって、
足を「飾り」と言い張る彼はいい度胸である。
そんな彼にある作品では「リオ・マリーニ曹長」という名前が付けられた。

余談だが、『Gジェネ』シリーズでジオングとドム系のMSを設計すると、パーフェクトジオングになるのはもはやお約束。
何故かというと、元ネタの『プラモ狂四郎』ではドムの脚を改修して「足つきジオング」としていたため。
「パーフェクト」という名称も、元はパーフェクトガンダムに対抗して名付けたものである。
『Gジェネ』では、接近戦用にビームサーベルを持っていたが(『プラモ狂四郎』で剣を持っていたためと思われる。実体剣だったけど)、
『魂』以降はサーベルを持たず、「キック」になっており、戦闘アニメはまんまライダーキックである。
ビグ・ザムやグレート・ジオングも「脚部クロー」があり、踏んだり蹴ったりする。ジオンというよりシャアはそんなに脚で蹴りたいのか。
また、漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』にもパーフェクト・ジオングが登場しているのだが、
同機はなんとパーフェクト・ガンダムを擁する敵に対抗すべく連邦の技術を使って改修されたジオングという衝撃的な代物であった。

アムロ搭乗のガンダムと死闘を繰り広げ、戦闘中にジオングは頭部以外全壊、ガンダムも頭部と左腕が吹っ飛んでいる。
最終的には自動操縦状態のガンダムが繰り出したビームライフルの一撃を受け、残った頭部も爆散した。
劇中では割とあっさりと流されたこのシーンだが、ファンの間では「ラスト・シューティング」として有名である。
しかし、シャアは無事に脱出しており、そのままアムロに生身の戦いを挑んでゆく。
また、撃たれると同時にジオング側もガンダムの右胸~右足部を撃ち抜いており、結果的には相打ちとなった。
ちなみに、一年戦争でシャアがMS搭乗中にノーマルスーツを着た数少ない戦いでもある。

ちなみに機体スペックのみを比較すれば、ガンダムを遥かに上回る性能を持ち「勝って当然」という見方もできる。
しかし、ジオングは理想的に機能が働けば予定の性能が出る程度には組み上がっていたとしても、
試験運転を全く行っていないため、どのような問題や故障が起こってもおかしくない状況であった。
更にシャアは操縦テストや慣らし運転すら無く、果てには口頭説明だけの操作法での未完成機での参戦、
というより彼はこの時までモビルアーマーに乗ったことさえなく、サイコミュに触れたこともない。
その状態でいきなりガンダムと対峙という形だったため一概に有利とはいえない。
対してアムロはガンダムを長い間使い続けてもはや手足のような感触で乗り回しており、しかもサイコミュ搭載型MAとは三回も戦ってきている。
手の内は知られていたのだ。
例えるなら、普通の格闘ゲーム上級者がとっつきにくいコンボゲーである『戦国BASARA X』のオクラの初使用で、
ストII』の世界チャンピオンが使うリュウに挑むようなものである。いくらキャラ性能が違うとはいえ、これは無茶だ。
シャア自身にも使用経験のないサイコミュ兵器を使いこなしたいという焦りがあり、わざわざナレーターが解説している。
そのサイコミュ兵器もアムロには殆ど避けられ、密着されると攻撃できなくなるという弱点を突かれる始末
(この事がシャアの印象に残ったのか、後の『Ζガンダム』ではキュベレイに密着してファンネルを避けようとしていた)。
また、ア・バオア・クーに突入しようとする連邦軍の部隊を迎え撃つためにジオングを与えられたにもかかわらず、
ガンダムを見かけると他の連中など眼中にないと言わんばかりに追い掛け回していたことから、冷静さも失っていたと思われる。
これはア・バオア・クーでの戦いの前のララァの一件もあるため仕方ないのだが、彼と共に出撃した迎撃部隊や、
ジオングを与えたキシリアにしてみれば、
「敵のMS部隊や艦隊と戦ってたら『名高いエースパイロット&強力な新兵器』という強力な味方が、いきなり持ち場を離れてどっかに行った」
という何やってんのアンタ状態であり
(ジオン軍でもその恐ろしさが伝わっていたガンダムを釘付けにしていたとも考えられるが)、
キシリアもジオングが頭だけになってしまったのを確認した時は「赤い彗星も堕ちたものだな」と失望感漂う発言をしている。*2

ただこの状態でも、シャアはガンダムと戦闘前にMS18機・戦艦4隻を撃破しているあたり、
ジオングもシャアもそれぞれの能力が非常に高かったことが窺える。
むしろこんなに戦果挙げられるんだったらガンダムとぶつけないでそのままシャアが無双してたら、
戦況はひっくり返せたんじゃないのか
とか、誤射して友軍のザク撃墜してなかったかとか言ってはいけない。コレ禁句。

上述のとおり、その全高は23mと大きく、完全に完成していれば39mを誇る超巨大モビルスーツとなる筈であった。
ただし、その為に機体の設計・建造に十分な時間が取れず、結果的に完成度80%での出撃を余儀なくされてしまった。
何故にジオングをここまで巨大なモビルスーツとして設計したのかは、長い間定かでは無かったが、
漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』の短編において、
ウモン・サモンの駆る「機動戦士Bガンダム」の存在が大きく関わっていることが明らかとなったが、
この説は作中でもガセネタの可能性を示唆されており、真実かどうかは何とも言えない。
実際の理由は前述の通りサイコミュの小型化が進んでいなかったせいで、同じくサイコミュ搭載のブラウ・ブロは60m以上ある。
また、パロディ漫画『トニーたけざきのガンダム漫画』では、
シャアが口からでまかせで言ったガンダムの「ある特徴」を取り入れる為に完成が間に合わなかったということになっている。
無論、「ある特徴」も含めて、公式設定ではそんなことは一切無い。
また、同作に登場したシャア専用ボールには、ジオングのサイコミュ・ハンドが装備されている。

再編集された漫画版である『THE ORIGIN』では設定が若干異なり、こちらではキシリアではなくギレンのチームが開発したことになっている。
また、原作ではキシリアがシャアにジオングを与えていたが、
『THE ORIGIN』ではララァを失ったシャアが、ガンダムを倒すためにギレンの元にジオングをくれと直談判しにいく展開に変更されている。

「あの『ダム』の形状、質量、そして中の秘密メカが……
 ガンダムの強さの源なのです!!」
「何を言ってるの───── しっかりして兄さ───ん」

(以上Wikipediaより引用・改変)

+ 『ガンダムVS.』シリーズにおいては
『連邦VS.ジオン』ではゲーム中最高コストの375で参戦。地上ステージでは使用不可。
格闘が無い代わりに、豊富なブースト量と高い浮遊能力、オールレンジ攻撃で場を制圧する。
『無印』ではブースト量が非常に多く、ガン逃げされると捉えきれないために、
地上ステージがメインであった対戦では殆ど見られないことに(強すぎる的な意味でも)。
本作のジオングは対ガンタンク戦においてバグの使用一切無しかつ誇張表現無しに10:0の相性となっている。
『DX』ではそれらの点が調整されブースト量が激減、弾数も減らされてしまい一転して弱キャラに。
宙域ステージでは上級者の乗るボールにすらレイプされることも。

『エゥーゴVS.ティターンズ』でもコストは300に下がったものの、相変わらず地上ステージで使えないこと、
『連ジDX』の低性能のままなので対戦ではついに見かけなくなった。
『エゥティタDX』ではEXステージに進むための必須条件であるサイコガンダムMk-IIがビーム無効の形態を持っているので、
余程の物好きで無ければCPU戦ですら使われない。
一方のガンダムは相変わらずの高性能な上に、シャア専用ゲルググと共にジオングを上回る310コストと高い対戦使用率をキープ。
やはり無印にて対戦ゲームで10:0のダイヤを作ってしまった罪は重かった

『ガンダムVS.ガンダム』では遂にリストラ
『NEXT』の家庭用である『NEXT PLUS』でようやく復活した。
パーフェクトジオングでは無いためにロケットパンチや下半身のスラスター部分でのしかかる格闘が追加
(この格闘動作が、百貫落としドリルキックっぽい)。
復活すると原作よろしく頭部ユニットのみで戦うことになる。
少しはまともに使われるようになった程度なので、相変わらず対戦では見かけない。
全く見かけないよりはマシになったって程度
本作からは地上でも使用可能。まあ、陸戦型ガンダムが宇宙で走り回ったりもするので、その辺は気にしない。

『ガンダムEXTREME VS.』にも家庭用の有料DLCとして中コスト帯の2000で登場。
一応設定通りなのだが実際に出してみるとかなりでかい
『NEXT PLUS』の頃のようにロケットパンチや百貫落としなどが出来、復活もあり、腕を飛ばしてセルフクロス射撃もできる。
…なのだがメインが誘導しないのでカットすらままならず、5本中真ん中のビーム以外のダウン値が低くまともによろけすら取れない。
腹部メガ粒子砲も威力自体はそこそこあるが、まるでうどんでもひねり出してるかのようなビームの遅さと銃口補正の悪さが目立つ。
まともに信頼できる武装がサブのヴェスバー集弾タイプの腕部メガ粒子砲くらいという有様。それも飛ばしてない腕でしか使えない。
とどめに巨体も相まって回避、自衛能力がかなり低く、距離を詰められるとかなり厳しい上に逃げ戦法も出来ない。
その割に復活持ち機体なのを考慮してか耐久力も並。
そしてその復活後のジオングヘッドも並以下の機動力とそうめんレベルな火力な上に、格闘が一切なくなるため悪あがきすらままならない。
「金を払って産廃を買う新しい販売スタイル」「頑張れば中堅は狙えるはず」などと出て早々に全コスト最弱の烙印を押されるのであった。
ララァが導かなかった結果がこれだよ!

……と、当初はプレイヤーから散々な評価であった。
しかし、それは「サイコミュ兵器搭載MSだから中距離戦が得意」という思い込みから来る誤解であった。
このMSの実態は「横幅の広いメインを近距離でねじ込むMS」であったのである。
近距離での戦い方が確立されてからは評価は一変。
「誘導しない」「産廃」と評価されていたメインは近距離で輝く武装に。
「唯一まともに使える武装」と評価されていたサブは、メインからのキャンセルで射撃機としては高いダメージを出せることが判明。
更に「コロンビア」とネタにされていた前格は接地判定があり、着地硬直を大幅に軽減可能。
復活時の頭部は機動力が激減するものの、サブの照射ビームが非常に強力な武装のため、ギリギリの攻防では逆転も可能。

「接近してやたらと横幅の広いメインを押しつけ、危なくなったら前格で着地」という戦法が猛威を振るうMSとなった。
とはいえ、横幅が大きいこと、基本的な機動力は並であることから、最上位が持つ押しつけ武装には厳しいのは事実。
最終的に「最上位には劣るが、それ以外には長所を押しつけクソゲーできる機体」という評価となった。

次作の『FULL BOOST』では自身の射撃性能は微強化、ブースト性能が強化された。
前格による着地硬直上書き(所謂ズサキャン)による自衛力が高く、やたらとでかい射撃機でありながら格闘機をカモに出来ると高評価。
自衛力が高すぎて2000コスト帯で1強、全機中5強内のトップメタになった。
それもそのはず、本作は前作で飛び抜けていた上位を大幅に落とす事によって生まれた超デフレ環境であったが、
上記のジオングの家庭版での評価が固まったのは時系列的に言えばAC版『FULL BOOST』の稼働後であり、
それもアストレイブルーフレームの後格闘から着地による隙消しムーブが色々おかしいと知れ渡り、他の機体でも研究が始まってからである。
つまり、前作での「完全産廃・趣味でも乗らない舐めプ専門機体」というどん底の評価を基準に強化を受けて本作に乗り込んだわけで、
頭二つ以上突き抜けるのは当然と言えば当然であった。
大味だった前作から全体が大幅に下方修正された射撃の誘導も上記の通りメインは皆無、サブは誘導で当てに行くものではなかったため、
自身の共通の弱体化の影響は微々たるもので相対的な優位性も非常に大きく上向いた点も目に見えない強化である。
更には5強唯一の2000コスと言うコストパフォーマンスから「一歩抜きん出た壊れ」と評されていたが、現在は流石に修正されて甘えたコロンビアは困難に。
これによって自身の巨体に起因する特定武装に対する猛烈な弱さが露呈し、現在の評価は(それでも十分な物であるが)落ち着いている。
付かず離れすの中距離だと意外と有効打が無かったりと扱い辛いが、その強みを理解すれば優秀なやり込み向けの機体と言える。

本作で追加されたバーストアタック(超必殺技)は「一斉射撃」。
頭1本、指10本、腹から拡散4本の照射ビーム一斉射撃。銃口補正や範囲が優秀でダメージ効率もいい。
とはいえ硬直が長いので敵相方からの反撃は覚悟。

『マキシブースト』からはコストアップし、2500の準高コスト機体として登場。
基本的には近接型の射撃機体であるが、フルブースト時代を引きずっているのか、
コストを上げたにも拘らず2000時代に引っ張られた調整が多く、
攻撃面、速度面の強化が基本でキャンセルルート等の選択肢を増やす強化は得られなかった。

『ガンダムバーサス』においては
『EXVS』シリーズの2500にあたるコスト400で参戦。
武装構成はマキシブーストONを基本として腕部メガ粒子砲を拡散照射する後サブが追加された。
本作はブーストダイブの存在により射撃の誘導や銃口補正が同時期稼働していた『MBON』より全機体が大幅に強化されていたが、
その共通強化項目が悉くジオングに絶対やってはいけない事に触れていたため、最初期環境の低コストはジオングに完全に支配された。
本作で強力と言われたステップダイブに対しても、ステップしたのを見てからメインを撃てば着地を刺せる上に、
追加された後サブが着地取りのメインからキャンセルで出した場合アーチ状に包み込むので、
少ない動きはメインの横範囲で、ピョン格などで大きく動こうとすると後サブが引っかかるので逃げ道が無くなってしまうといった、
全機体共通の強行動の完全メタに成功していた。
また、本作のジオングの最大の強みは、同様に強いと言われた『FULLBOOST』時代と違い最良の相方が存在したことにある。
本作のFA-ZZが最高コストの500で、ぶっ壊れ性能のメイン射撃で環境を完全に荒らしている中、
そのFA-ZZの足りない部分を完全に補うだけでなく相乗効果を得られるのがジオングであり、
「FA-ZZが中距離でメインとCSを垂れ流し、回避した敵をジオングがメインで削る」というシューティングゲームを行い、
相手を削り取っていくという単純作業なので非常に扱いやすい。
中距離がダメなら近距離で…となるかもしれないが、上記の過去作の性能通り本機の本領は近距離の押し付けであり、相手にとっては更なる地獄が待っている。
この二機の強さはあまりに突出しており、本作におけるインフレ仕切った機動力を武装性能で捻じ伏せる事が出来てしまえるため、
歴代の強機体陣の中でも最上位争い出来る程であった。
……が、当然ながら下方修正されてしまい、ジオングは本作で得られたメインの誘導だけでなく弾速・機動力を下げられる憂き目に遭い、
中距離の戦闘力をほぼ奪われ、過去作同様厳しいながらの近距離押し付けを行う機体へと戻る形になった。

『FULL BOOST』からはCPU専用機として足の付いた「ジオング(完成機)」(パーフェクト・ジオング)も登場。
大型サーベルは非公式扱いなので所持していないが、そんなものどうでもいいほど強力なキックが脅威。
直進的ながら凄まじい速度で突っ込んでくる(同じような動きのサイコMk-IIの蹴りより格段に速い)上、
スタン属性の攻撃からの追撃でも300ほどのダメージを叩き出す超火力。
ロック距離も相当広いらしく、高空に留まっている機体(特にステルスフィールド展開中のスローネドライ)が狙われると、
どう見てもゴクトな軌道で空高くすっ飛んで行く。やっぱり足は飾りじゃなかったんや!
元がジオングなので射撃武装も強力…というか、通常のジオングより明らかに火線が太く非常にエグい。格闘・射撃を備えた強敵である。
なお、パイロットであるシャアのボイスのテンションがやたら高い。たまに高笑いしながらメガ粒子砲をぶっぱすることも…足があるのが嬉しいのか。

+ 『ガンダムトライエイジ』では
『ガンダムトライエイジ』では、2弾にパーフェクトレアで登場。シャア専用機初のPレアである。
Pレア版はディフェンダータイプでHPが高く、HPが0になった時に一度だけHPを回復し機能停止を回避できるアビリティ「不沈」を持つため生存力が高い。
必殺技は「メガビーム・クレイドル」。両腕の有線メガ粒子砲と頭部メガ粒子砲によるオールレンジ攻撃。

専用機パイロットにはもちろんシャア(CCAバージョン、キャスバル含む)が設定されている。
残念ながら赤くないため、シャアなどが度々持つ赤いMSに搭乗した時に発動するスキルの対象にならないのが残念。

ジオンの興亡2弾ではパーフェクト・ジオングがマスターレアで登場。
Pレアジオング同様、高HPディフェンダーで不沈持ちという構成となっている。
ビルド4弾での2枚目のMレアは高アタック低スピードの先制持ち。
漫画『プラモ狂四郎』およびMGのキットに登場・付属する専用サーベルを所持しているのが特徴。
必殺技は「パーフェクト・プレッシャー」。腕部有線メガ粒子砲でのオールレンジ攻撃の後、サーベルで2回斬りつけ、最後にキックを放つ。
こちらも専用機パイロットにはシャアが設定されている。
シャアは『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』で足付きジオングに乗っているため、間違いではないか。

鉄血の3弾ではジオングがマスターレアで登場。
久し振りの高レアなので前回のPレアよりも総合力が高い。
DELTA WARS 01ではジオングヘッドがビルドMSとして登場。
元々CPU専用として登場していたが、「OPERATION ACE 06」で不具合により一部ユーザーが開発できてしまい、
次の「DELTA WARS 01」で全員に配布された。
「EVOL BOOST!! 01」でもジオングがマスターレアで登場。
ゲージを使って機体を乗り換えできる「ヴァリアブルカード」としての登場で、乗り換えるとジオングヘッドになる。
(ジオングヘッドはこれが最初で最後のカード化)。
なお、ゲームの仕様上ヴァリアブルカードは乗り換え後の方がステータスが高いため、ジオングよりジオングヘッドの方がステータスが高かったりする。

+ 『ギレンの野望』シリーズでは
ジオン軍サイドでは当然ながら強力なニュータイプ専用機体として登場。シャアやララァといった優秀なパイロットを乗せれば大活躍する。
……のだが、ジオン軍シナリオでの最終攻略目標は連邦軍本部がある地上のジャブローであるため、
宇宙専用機体であるジオングは大一番で活躍できないという哀しみを背負うのであった。
尤も、足の付いたパーフェクトジオングを開発すれば地上でも活躍できるのだが。
第2部以降での活躍に期待したい所だが、作品や進め方によっては第2部でニュータイプ適正のあるパイロットがごっそりいなくなったりするため、
やっぱり活躍の場が…(とはいえイベントやターンを進めれば加入するニュータイプも出てくるわけだが)。

ジオングの系列は上述のパーフェクトジオングに加え、『ジオン独立戦争記』ではオリジナルの強化形態として、
背中に大型ブースターとプラズマリーダーを搭載した「高機動型ジオング」なるものも登場。
ただでさえ高性能なジオングが更に強化されるので、優秀なニュータイプでも乗せれば一騎当千の活躍をしてくれること間違い無しであろう。
ただしこの高機動型ジオング、開発条件の一つであるヴァル・ヴァロの開発プランの入手が少し面倒だったり、
足が付いてないので最終決戦の地であるジャブローではやっぱり使えないという問題点もある。やはり足は必要だった…。
『ジオン独立戦争記』では第二部も無いので、余裕がある時に作る程度の完全な趣味機体扱い

2D格闘ゲームでは『機動戦士ガンダム』や『ガンダム・ザ・バトルマスター』に登場。
『機動戦士ガンダム』ではCPU専用のラスボスとして登場。
続作の『EX-REVUE』では中ボス扱いだが、タイムリリースでプレイヤーも選択可能。
サイコミュ・ハンドは有線式ロケットパンチというような武器になっている。
『ガンダム・ザ・バトルマスター』では共通システムとして近距離武器攻撃(サーベル)が搭載されているが、
原作ではビームサーベルを持たないジオングとハイゴッグは、手からビームが出て相手を切り払うという描写になっている。
サーベルが共通のガード不能技になった『2』ではハイゴッグは「ハンドバーナー」という技名になっているが、ジオングは「手刀」。
あとキックも共通システムなので、足のないジオングは脚部のスラスター噴射口から炎を出してキック替わりにする。
有線式ロケットパンチも引き続き装備。防御手段は飛び道具を無効化するバリア。

なお、『EX-REVUE』までのジオングは接地していたが、『バトルマスター』ではホバー移動している。
あと『バトルマスター2』までは綴りが”ZIONG”だったが、北米版で”ZEONG”に変更された。
これは「ジオン」の綴り自体が”ZION”では「シオニスト(パレスチナにユダヤ人の故郷を再建する運動に関わる人)の国」を意味し、
不穏当だからと”ZEON”に変更されたため。
+ きゃははははっ!!いい獲物が見つかりました!!

「君は強いなぁ……。でも私の方が132%強いです!
 話は変わりますが、そろそろ殺してもいいですか?」

『ガンダム・ザ・バトルマスター』でのパイロットはノイズ・マッディー。
軍のメカニックであり、クリスチャンでもあったが、戦争の際に自らもパイロットとして駆り出された結果、
殺人の快楽に目覚めた男であり、勝利台詞も狂気に満ち溢れたものばかりであるが、
シナプスを相手にした時には「私のほうがもっといいサイボーグが作れる」と発言したり、
勝利すると「わが課に貢献できた」と言うなどプライドの高さも窺える。
しかしながら、こんな性格であるためか他キャラの評判は最悪であり、
特にハイゴッグのキャロルからは「死んだ方が世の為」、ラルゴからは「貴様みたいなウジムシを殺すなど何とも思わん」
と言われるなど散々。まあ、彼の敗北台詞は情けない物ばかりなので、自業自得である。

『2』では殺人の快楽を求めて軍を辞め(本人は軍をクビにされたと言っている)賞金稼ぎになったという設定だが、
狂いぶりに拍車がかかっており、特にハニー・Bへの勝利台詞が「きゃはーっ!!私の母親になってください!」と、かなり危険
(『1』の時点で、彼女に対しては「かわいい女の子ですねえ!!念入りに殺してあげますよ!!」
 「可愛い顔ですね。殺されたくないでしょう?でも君は死にます!!みんな死んでいくんですよ!」と変態じみた台詞を吐いていたが)。
まあでも、主人公のグロリアからは、「うっとうしいサイコキラーの賞金稼ぎ」「とっととくたばれ!!」と突っぱねられたり、
シナプスからは「害虫駆除完了。」と言う勝利台詞があったりと評判は相変わらず最悪だが。

なお、本作のジオングは「足は無いが、ホバー移動なので地上の運用に何の問題もない」、
「手にビームを纏って手刀として用いる」
など何気にトンデモであるが、これはこいつの魔改造によるものらしい。
人間性は腐っていても、メカの腕は本物ということだろう。

と、原作のパイロットであるシャアとは果てしなくかけ離れたキャラではあるが(マザコンという妙な所は共通しているが)
ジオングという機体の雰囲気には合っているためか、スミスよりは受け入れられているようだ。……何か釈然としない

その他、松浦まさふみ氏の漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』には「グラン=ジオング」という派生機も登場。
アンチファンネルシステムというIフィールドを発生させている相手を動けなくするという反則的な装置を搭載している他、
基本性能も連邦軍の最新鋭機であるZプルトニウスを凌駕していた。
ただし実際はクィン・マンサの発展機である。
なおこの作品は発表当時は比較的自由にガンダムを描けたということもあり、現在の設定と全く噛み合っておらず、
作者自身「これはガンダム世界と違うもの」とコメントしている。

+ 『ガンダムビルドファイターズ』では
ガンプラで戦うアニメ『ガンダムビルドファイターズ』には、
第14話にて「ヘルジオング マリーン」、第16話にて「ヘルジオング ギャラクシー」というガンプラとして登場。
どちらも改造を施されたゲテモノ強力なガンプラであり、
金さえ払えばどんな汚いガンプラバトルをも引き受けるガンプラマフィア、"C"なる人物が操った。
ヘルジオング マリーンは水中戦特化仕様。腰から下が三本の長いクローアーム(メガ粒子砲を内蔵)と四本のヒートロッドとなっており、
さながらイカタコのようなシルエットとなっている。また、指は爪状のものに換装されている。
レース中だった主人公たちのスタービルドストライクガンダムを水中に引き摺り込んで不正にレースを妨害。
ヒートロッドからの電流攻撃などで苦しめるも、"C"を怪しんだラルさんが止めに入ったことでコントロールを失い、機能停止。
最後はスタービルドストライクによって撃破された。
ヘルジオング ギャラクシーは宇宙戦特化仕様。先端を分離・有線コントロールが可能な大型クローアーム(メガ粒子砲を内蔵)を脚部として持っており、
手足を使ったオールレンジ攻撃が可能。計15門ものメガ粒子砲によるビーム弾幕やオールレンジ攻撃による射撃に加え、
脚部クローを使っての格闘戦にも対応しており、死角がない。
マリーンを撃破された逆恨みからか、またしてもバトルに不正乱入。主人公の一人レイジが作ったビギニングガンダムを追い詰めるものの、
アイラ・ユルキアイネンが作ったSDコマンドガンダムがレイジの助っ人に入ったことで形成逆転。
二人の連携攻撃によって撃破された。
尚、どちらも脚部が活躍していたことから、「やっぱり脚は必要だな」「足は飾りじゃなかった」と視聴者から言われることに。

ちなみに第六回大会覇者であり、出オチ『キング・オブ・カイザー』ことカルロス・カイザーは
先述の「足など飾りです」という言葉に感銘を受けて足のないMS・MAのガンプラを好んで使用するという設定がある。


MUGENにおけるジオング

MUGENでは海外の「Gundam Mugen」のサイトで他のモビルスーツなどと共に公開されている。
製作者はビグ・ザムも制作しているtaurusac195氏。
スプライトは『EX-REVUE』のものでキックはないが、超必殺技の演出が『ガンダム・ザ・バトルマスター』のものになっている。
防御手段のバリアは、一定時間スーパーアーマー状態になりその間は被ダメージを1にするというもの。
目に見えるバリアは表示されていないのだが、コマンドファイルではbarrierと表記されていたので便宜上バリアとした。
AIが入っているがそれほど強くなく、ニコニコ動画ではあまり活躍の機会は無い。

出場大会

削除済み


*1
長谷川裕一氏の漫画『機動戦士Vガンダム外伝』に登場した、
ザンスカール帝国がジオングのデータを基に開発した「ジョング」というMSには、
一部それを再現したと思われる機能が搭載されており、パイロットのスケイルが持つ特異なNT能力
(NTの精神感応による「嘘」をつくことで相手を幻惑し、自分の位置を誤認させたり分身を生み出したりする能力)
も相まってウッソを大いに苦しめた。
同じく長谷川裕一の漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも同機は登場したが、
こちらではスケイル程の傑出した兵士が乗っていなかった事もあり、分離攻撃なんて複数の敵を相手にしているのと同じだと言われて、
あっさりとやられてしまった。

ゲーム『SD GUNDAM G-GENERATION』シリーズでも、
そのアイディアを再利用したオリジナルの派生機「グレート・ジオング」が登場している。
性能は「グレート」の名に恥じず、かなりの初期性能を誇り、武装のバランスも良い。
更にIフィールドを持ち、空中適正Bも持つため飛行可能。まさにジオン脅威のメカニズム。
欠点は、移動力が低いことと、燃費が若干悪いこと。それと「魂」「ウォーズ」ではサイズが2Lだったため、
出撃枠やフィールドを2マス取ってしまう欠点があったが、『WORLD』ではサイズがLになったため、
出撃枠などは1マスで済むようになり、この欠点は改善されている。

余談だが、『WARS』でのア・バオア・クー戦には敵増援で名無しのNT兵が乗ったグレート・ジオングが現れる。
しかも、この面では原作通りシャアは80%のジオングに乗って出撃している。
完成品どころか強化型があるんなら、何故そっちをシャアに渡さなかった…。
メタ的に言えば、仮に優秀なニュータイプであるシャアを乗せたら難易度が尋常じゃなく上がるので仕方ない

*2
尤も、キシリアもア・バオア・クーの防衛を指揮していた実の兄のギレン総帥を、
よりにもよって防衛戦の真っ最中に殺害し、司令部に相当な混乱を生じさせている。
実の父親であるデギン公王が連邦軍との和平(実質降伏)に向かったことを理由に、ギレンがコロニーレーザーで連邦軍艦隊ごと焼き払い、
以前から仲の悪かったキシリアを本気で怒らせてしまった(ギレン殺害の大義名分を与えた)為なので自業自得ではあるが、
リアルタイムで目まぐるしく状況の変わる戦場においては致命傷ものの出来事であり、
それまで守りに立っていながらも優勢だったジオン軍は一気に足並みが乱れ、ア・バオア・クーは陥落してしまった。
…尤もギレンの「圧倒的ではないか、我が軍は」と言う台詞は唯の強がり、もしくは前線の状況を理解していなかったと言う説もあるのだが
(そもそもギレン暗殺直後に陥落しているので「ギレン暗殺を理由とするにしても陥落が早すぎる」とも)。
それに、キシリアはア・バオア・クーを捨てて月のグラナダ基地に撤退する気だったので(キシリア直属の軍はグラナダに待機させたままだった)。

結果論だが、デギン公王の下で素直に降伏していたら、歴史も大きく変わっていただろう。
ギレン派が内乱を起こして結局同じ様な歴史になったかもしれんが


最終更新:2023年10月25日 19:41