「私にはあるのだよ!この宇宙で唯一人、全ての人類を裁く権利がな!!」
性別:男
人種:ナチュラル
誕生日:C.E.46年後半
出身地:GARM R&D社L4コロニー メンデル内研究所(ヒビキ研究室)
年齢:25歳(没年齢)
血液型:O型
身長:183cm
体重:77kg
仮面で素顔を隠している、ザフト軍クルーゼ隊の隊長。
その正体は 地球連合軍のエースパイロットであるムウ・ラ・フラガの父親、アル・ダ・フラガの クローンとして、
キラ・ヤマトの父親、ユーレン・ヒビキによって生み出された存在であった。
ラウはC.E.46年、L4コロニー「メンデル」のGARM R&D社の研究所を訪れたアル・ダ・フラガのオーダーに伴い、
ユーレン・ヒビキ博士の手でアルの体細胞 クローン、「ラウ・ラ・フラガ」として同年内に誕生した。
人間のクローンを創り出す行為はC.E.世界でも違法行為であり、ヒビキ博士も当初は難色を示したが、
アルが「法など変わる。所詮は人が定めたものだ」と押し通し、
ヒビキ博士もまたスーパーコーディネイターの研究資金を渇望していたためあっさり了承したのである。
そもそも遺伝子操作で人間を誕生させることに何の躊躇いもないC.E.世界では現実世界の倫理観など有って無きが如しであり、
だからこそアルも自身のクローンを作らせることを何とも思わなかったといえる。
ちなみに作らせた理由は、自分とは不仲な妻の影響を受けて育っている一人息子(ムウ)に納得できず、
代わりの後継者が欲しくなったから、という愚の骨頂を絵に描いたような下らないものだった。 *2
しかし、ヒビキ博士は体細胞クローニングの宿命であるテロメア遺伝子の減少短縮問題を技術的に解決できておらず、
ラウは余命が短く早期に老いが訪れるという「 失敗作」として誕生させられてしまう。
その上アルはラウが失敗作だと知るや手の平を返し、彼を家から追い出した。
ラウは自分を不完全な身体で誕生させた挙句捨てたアルを憎み、後年家を焼いて妻諸共焼死させ、
以後「ラウ・ル・クルーゼ」と名乗って生きていくことになる。
クローン故、テロメア遺伝子の減少短縮による老化と短命という問題を抱え、
細胞分裂を抑制する薬品を服用し、仮面で素顔を隠している。
不完全な自分を生み出し捨てたアルと、それを招いた人類の競争を憎悪し、戦争の激化による人類の滅亡を図る。
ちなみに「ル・クルーゼ(Le Creuset)」とはフランス語で溶鉱炉等の「坩堝」の意である。
幼年の頃には、アルが妻との間に普通にもうけた息子ムウ・ラ・フラガとも対面している。
二人はフラガ家の血統に伝わる特殊な空間認識能力を共有しており、
それは後年の軍入隊後、優れたパイロットの資質として活かされることになる。
プラントでザフトが建軍されると、これに入隊する。
パイロット養成課程を優秀な成績で終了したクルーゼは、エリートの証たる赤服(ザフトレッド)を与えられ、
ヤキン・ドゥーエ戦役に出陣、コーディネイターに劣らぬエースパイロットとして頭角を現していった。
この頃、後にプラント最高評議会議長に就任する遺伝子工学者ギルバート・デュランダルに出会い、
自分と同じアル・ダ・フラガのクローンとして生み出されたレイ・ザ・バレルを保護し引き取っている。
また時期は不明であるが、キラ・ヤマトのプロトタイプとも言える存在のカナード・パルスを発見、
何故かカツラを付けてキラ・ヤマトに敵意を持つように焚き付けていた。カツラのせいで絵だけを見るとデュランダルの仕業に見える。
C.E.70年2月22日の世界樹攻防戦では、モビルスーツでモビルアーマー37機・戦艦6隻を撃破。
その功績を称えられネビュラ勲章を授与される。
また、この時期既にテロメアの短さ故に老いていく自らの素顔を仮面で隠していた。 *3
さらに同年6月2日、ジンハイマニューバの量産型1号機に搭乗しグリマルディ戦線で地球連合軍第三艦隊を壊滅させるなど、
トップガンとして獅子奮迅の活躍を見せた。
この戦いでメビウス・ゼロ部隊所属となっていたムウと交戦し、以降双方長きに渡る因縁の存在となる。
その驚異的な優秀ぶりから、周囲のザフト兵達の中には彼の実力や功績に激しい嫉妬を抱く者も数多かったらしいが、
彼が実はナチュラルであったことに気付く者はいなかったようである。
ザフト軍の事実上のエースがナチュラルだという事態からは、コーディネイターの限界とザフトの人員の層の薄さが垣間見える。
なお、彼がナチュラルであることは、デュランダルとレイしか知らなかったらしい。
C.E.71年1月25日、地球連合軍の最新型機動兵器であるG兵器を奪取するため、
クルーゼ隊を率いてヘリオポリスに侵攻、5機中4機のG兵器を奪取した。
その際、ムウのメビウス・ゼロとシグーで交戦し、決着は付かなかったがMSの優秀性も相まって終始優勢を保った。
自らを生み出した世界を滅ぼすために、地球連合対プラントの戦争を利用し、
総力戦争をエスカレートさせることで双方共倒れに追い込み、 全人類を滅亡させようとした。
そのために戦局の均衡を保ち、どちらか片方が有利にならぬよう、幾度も工作を図っていた。
オペレーション・スピットブレイクの標的地がアラスカの地球連合軍統合最高司令部のJOSH-Aであることを、
敵である地球連合軍に漏洩し、大量破壊兵器サイクロプスによるザフト軍壊滅と言う事態を招来した。
その直後に本来のオペレーション・スピットブレイクの標的であった地球連合軍パナマ基地に対してザフト軍による報復攻撃が行われ、
電磁兵器グングニールのEMPにより地球連合軍初の量産型MSであるストライクダガーが機能停止に追い込まれ全滅した。
さらにザフト軍は投降の意思を示した地球連合軍兵士に対して、MSの火器で組織的な虐殺を実行するという暴挙を行ったが、
無論これらの行為もクルーゼによって仕組まれたものだったことは言うまでもない。
その後、秘密裏にザフト軍の最新鋭MSであるフリーダムとジャスティスに搭載されている、
ニュートロンジャマーキャンセラーのデータを入手。フレイ・アルスターに「最後の扉」を開く「鍵」として渡し、
彼女をブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルの元に送ることで、地球連合軍の核攻撃と、
その報復としてのザフト軍のガンマ線レーザー発射兵器・ジェネシスの使用を導いた。
プラントの最高評議会議長パトリック・ザラ(アスランの実父)は元々コーディネイター至上主義者であった事に加え
「血のバレンタイン事件」で妻を失ったことによりナチュラルへの憎悪が先鋭化しており、
盲目的になりクルーゼの暗躍に全く気付かないままついにジェネシスの使用にまで踏み切ったが、
クルーゼはそんなパトリックを見下し嘲笑していた。
ヤキン・ドゥーエ戦役において最後かつ最大の激戦となった第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦では、
自らプロヴィデンスに搭乗して出撃、その圧倒的な戦闘力で多数の敵機を撃墜、
ムウの ストライク、ディアッカのバスターも退けた。
劇中での言動から、この攻防戦で初めてドラグーンシステムの実戦操作を行ったと思われるが、
同時に11基のドラグーンを使いこなしていた。
小説版ではプロヴィデンスにはその時初めて搭乗したことになっているにも拘わらず、
機体のポテンシャルを最大限に引き出していた。
キラのフリーダムとの交戦では、互角以上の戦闘を繰り広げるが、
(見せしめのような攻撃で殺害した)フレイの死をきっかけにSEEDを発動させたキラに敗れる。
ジェネシスはアスランにより破壊され、最期は崩壊するジェネシスのガンマ線レーザーの光に焼かれ消滅し、
クルーゼの野望は潰えた。
なお、戦後、ユニウス条約の取り決めにより、国際法廷は開かれず地球連合/プラント両陣営それぞれで戦犯が裁かれたが、
この時クルーゼは被疑者死亡のままプラント側の戦争犯罪人に認定されている。
具体的な罪状は明らかにされていないが、モビルスーツ「プロヴィデンス」の発展改良型は、
戦犯の乗機だったという理由でその名を襲名するのが忌避され、「レジェンド」と名付けられたと言われるが、
ザフトは公式に否定している(この2機の間に「プロヴィデンスザク」という機体が存在する)。
前述の情報漏洩やNJCのデータ漏洩などを働いた彼が罪状不明のまま犯罪人とされたのに対し、
勘違いとはいえ中立国の難民シャトルを撃墜したイザーク・ジュールが、
デュランダル議長の施しで降格処分(本来なら死刑等の重罪)で済んでいる辺り *4、プラントの裁判の公平性は怪しい物である。
尤も、クルーゼの場合は戦後の調査でその所業がバレた可能性も考えられる。
(以上、wikipediaより抜粋・転載、一部改変)
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