プロヴィデンスガンダム

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「人が数多待つ予言の日だ!」
  • 型式番号:ZGMF-X13A
  • 全高:18.16メートル(Vアンテナ頂部まで)
  • 本体重量:90.68t
  • 武装:ピクウス76ミリ近接防御機関砲、MA-MV05A 複合兵装防盾システム、MA-M221 ユーディキウムビームライフル
               ドラグーンシステム(ビーム砲×43)
(HG 1/144 プロヴィデンスガンダム 説明書より引用)

アニメ『機動戦士ガンダムSEED』の変態仮面黒幕「ラウ・ル・クルーゼ」(CV: 関俊彦 *1)の搭乗した最後のモビルスーツ。
ラスト3話に登場し、その圧倒的な制圧力とクルーゼのインパクトから、視聴者に強い印象を与えていった。
機体名の「プロヴィデンス=providence(英)」は「摂理」「神の意志」の意。また、「天帝」という意味も持つ。

フリーダムガンダムやジャスティスガンダムと同じく、ニュートロンジャマーキャンセラーによっての搭載が可能となり、
膨大なエネルギーを得ることができるようになっている。
そのため、非常に重武装であり、楯付きビームサーベル「複合兵装防盾システム」や、
強力なビームライフル「ユーディキウム・ビームライフル」があり、火力においては同作のフリーダムを上回る能力を持っている。
また、この機体の特徴的な装備として、「ドラグーンシステム」と呼ばれる宇宙世紀におけるファンネルのような武装を保有しており、
計43門ものビーム砲の弾幕により、オールレンジ攻撃を仕掛けることができる。
その上、使い終わった後に本体に接続して充電し、継続して使用することも可能。
しかし、超人的な空間認識能力が必要なため、当時はほぼクルーゼ専用の機体となっていた。
正確には、元々は格闘戦が主体であったこの機体にクルーゼが乗ることが決定したため、
空間認識能力を持つクルーゼと、膨大なエネルギーの活用方法が合わさって急造されたものらしい。
よって、ケーブルなどが剥き出しである。
ただしケーブルの表面もフェイズシフト装甲で覆われているので,ケーブル部の防御力が低くなっているわけではない。

ザフトによってフリーダムやジャスティスと同期に作られたのだが、
上記の機体が強奪されてしまい、試作機のドレッドノートもパーツをバラされて秘密裏に地球に送られていたため、ザフトにおける唯一の核動力搭載機となり、
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦以降、その圧倒的な火力と世界の破滅を企むクルーゼの能力によって多くの機体を葬った。
最終回ではキラの乗るミーティア装備状態のフリーダムを圧倒、ミーティアの破壊に成功するが、
フレイの乗る救難艇をも撃墜したことによりキラがSEEDを覚醒させてしまい、互角の戦いに持ち込まれる。
最後はキラによりビームサーベルをコクピットに刺され、その後ジェネシスの爆破に巻き込まれて消滅した。
デザインや性能、開発の背景やパイロットなども含めてジオングのオマージュと見られる。
しかし全体のシルエットや配色はどことなくファーストガンダムを彷彿とさせるため、
「悪のファーストガンダム」として一時期議論の的にされたことも。
頭部のデザインは、クルーゼの仮面を思わせる意匠となっている。

+ 裏話
『機動戦士ガンダムSEED』放送当時、この機体の登場は、多くの視聴者を驚かせた。
ラスト3話で登場したことは既に述べたし、ラスボスのMSがいるであろうことは予測もされていた。
しかし、関連書籍や雑誌の情報やプラモデルの発売予定、(あまり気持ちの良い話ではないが)関係者からのリークといった理由で、
情報収集に熱心なファンであれば、「登場するから情報がある程度分かってしまっている」、
少なくとも「こういう機体が登場する」ということが予め分かってしまうのが現在の実情である。
『ガンダムSEED』放映時も勿論そうであったのだが──なんとこのプロヴィデンスは、そうしたネット社会において、
「事前情報を視聴者に対しほぼ完全にシャットアウト」することに成功したという非常に珍しい例なのである。
この機体の情報を隠しきるのに、監督以下多くのスタッフは非常に苦労したという(それこそ死に物狂いだったとか)。
普段ネットで情報収集に熱心なファンほど、その登場にインパクトを受けたことであろう。

デザインは早期に完成していたが、ラスボス故に初登場から番組終了までの期間が短く
どの道商品展開は不可能だったので関係各所への情報提供も後回しできたという。
なお、放映当時の雑誌などでは、
「ザフトの技術(核動力MS・量子通信など)と敵軍から奪取したデータ(ガンダム・ガンバレルなど)を統合し、
 最高峰を目指して技術先行で開発された機体で、乗り手がいない問題をクルーゼ専用機とすることで解決した」
という設定が公開されていたが、現在では前述の通り、
「元々は4本の大型ビームサーベルを備えた重装甲の格闘MSだったがクルーゼがパイロットに決まったのでドラグーンシステムに変更された」
という設定になっており、各所で混乱が見られる。

続編では、この機体を参考にしたとされるレジェンドガンダムと呼ばれるガンダムが登場することになる。
『電撃ホビーマガジン』(アスキー・メディアワークス刊)連載の『VS ASTRAY』では、
ライブラリアンと呼ばれる組織がこの機体の改修型である「ニクスプロヴィデンス」を作り出し、同組織の指導者プレア・レヴェリーが搭乗している。

プロヴィデンスと正式名を書くとやや長いため、一部では「埼玉」の俗称(愛称)で呼ぶ人も多い。
理由は単純、背中に背負っている物のデザインがアレに似ているから。
+ アレ
     \  │  /
       / ̄\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ─ ( ゚ ∀ ゚ )< さいたまさいたま!
       \_/   \_________
     /  │  \

その他、漫画『SDガンダムフルカラー劇場』では初登場が正月近かったため、
フリーダムガンダムらに大量の飾りを付けられて熊手扱いされたり、
ゲーム『GジェネレーションSEED』にてウッソ「ダニモドキ」扱いされることもあった。

+ パイロットについて

「私にはあるのだよ!この宇宙で唯一人、全ての人類を裁く権利がな!!」

性別:男
人種:ナチュラル
誕生日:C.E.46年後半
出身地:GARM R&D社L4コロニー メンデル内研究所(ヒビキ研究室)
年齢:25歳(没年齢)
血液型:O型
身長:183cm
体重:77kg

仮面で素顔を隠している、ザフト軍クルーゼ隊の隊長。
その正体は地球連合軍のエースパイロットであるムウ・ラ・フラガの父親、アル・ダ・フラガのとして、
キラ・ヤマトの父親、ユーレン・ヒビキによって生み出された存在であった。

ラウはC.E.46年、L4コロニー「メンデル」のGARM R&D社の研究所を訪れたアル・ダ・フラガのオーダーに伴い、
ユーレン・ヒビキ博士の手でアルの体細胞、「ラウ・ラ・フラガ」として同年内に誕生した。
人間のクローンを創り出す行為はC.E.世界でも違法行為であり、ヒビキ博士も当初は難色を示したが、
アルが「法など変わる。所詮は人が定めたものだ」と押し通し、
ヒビキ博士もまたスーパーコーディネイターの研究資金を渇望していたためあっさり了承したのである。
そもそも遺伝子操作で人間を誕生させることに何の躊躇いもないC.E.世界では現実世界の倫理観など有って無きが如しであり、
だからこそアルも自身のクローンを作らせることを何とも思わなかったといえる。
ちなみに作らせた理由は、自分とは不仲な妻の影響を受けて育っている一人息子(ムウ)に納得できず、
代わりの後継者が欲しくなったから、という愚の骨頂を絵に描いたような下らないものだった。*2
しかし、ヒビキ博士は体細胞クローニングの宿命であるテロメア遺伝子の減少短縮問題を技術的に解決できておらず、
ラウは余命が短く早期に老いが訪れるという「失敗作」として誕生させられてしまう。
その上アルはラウが失敗作だと知るや手の平を返し、彼を家から追い出した。
ラウは自分を不完全な身体で誕生させた挙句捨てたアルを憎み、後年家を焼いて妻諸共焼死させ、
以後「ラウ・ル・クルーゼ」と名乗って生きていくことになる。
クローン故、テロメア遺伝子の減少短縮による老化と短命という問題を抱え、
細胞分裂を抑制する薬品を服用し、仮面で素顔を隠している。
不完全な自分を生み出し捨てたアルと、それを招いた人類の競争を憎悪し、戦争の激化による人類の滅亡を図る。
ちなみに「ル・クルーゼ(Le Creuset)」とはフランス語で溶鉱炉等の「坩堝」の意である。

幼年の頃には、アルが妻との間に普通にもうけた息子ムウ・ラ・フラガとも対面している。
二人はフラガ家の血統に伝わる特殊な空間認識能力を共有しており、
それは後年の軍入隊後、優れたパイロットの資質として活かされることになる。

プラントでザフトが建軍されると、これに入隊する。
パイロット養成課程を優秀な成績で終了したクルーゼは、エリートの証たる赤服(ザフトレッド)を与えられ、
ヤキン・ドゥーエ戦役に出陣、コーディネイターに劣らぬエースパイロットとして頭角を現していった。
この頃、後にプラント最高評議会議長に就任する遺伝子工学者ギルバート・デュランダルに出会い、
自分と同じアル・ダ・フラガのクローンとして生み出されたレイ・ザ・バレルを保護し引き取っている。
また時期は不明であるが、キラ・ヤマトのプロトタイプとも言える存在のカナード・パルスを発見、
何故かカツラを付けてキラ・ヤマトに敵意を持つように焚き付けていた。カツラのせいで絵だけを見るとデュランダルの仕業に見える。

C.E.70年2月22日の世界樹攻防戦では、モビルスーツでモビルアーマー37機・戦艦6隻を撃破。
その功績を称えられネビュラ勲章を授与される。
また、この時期既にテロメアの短さ故に老いていく自らの素顔を仮面で隠していた。*3
さらに同年6月2日、ジンハイマニューバの量産型1号機に搭乗しグリマルディ戦線で地球連合軍第三艦隊を壊滅させるなど、
トップガンとして獅子奮迅の活躍を見せた。
この戦いでメビウス・ゼロ部隊所属となっていたムウと交戦し、以降双方長きに渡る因縁の存在となる。
その驚異的な優秀ぶりから、周囲のザフト兵達の中には彼の実力や功績に激しい嫉妬を抱く者も数多かったらしいが、
彼が実はナチュラルであったことに気付く者はいなかったようである。
ザフト軍の事実上のエースがナチュラルだという事態からは、コーディネイターの限界とザフトの人員の層の薄さが垣間見える。
なお、彼がナチュラルであることは、デュランダルとレイしか知らなかったらしい。

C.E.71年1月25日、地球連合軍の最新型機動兵器であるG兵器を奪取するため、
クルーゼ隊を率いてヘリオポリスに侵攻、5機中4機のG兵器を奪取した。
その際、ムウのメビウス・ゼロとシグーで交戦し、決着は付かなかったがMSの優秀性も相まって終始優勢を保った。

自らを生み出した世界を滅ぼすために、地球連合対プラントの戦争を利用し、
総力戦争をエスカレートさせることで双方共倒れに追い込み、全人類を滅亡させようとした。
そのために戦局の均衡を保ち、どちらか片方が有利にならぬよう、幾度も工作を図っていた。
オペレーション・スピットブレイクの標的地がアラスカの地球連合軍統合最高司令部のJOSH-Aであることを、
敵である地球連合軍に漏洩し、大量破壊兵器サイクロプスによるザフト軍壊滅と言う事態を招来した。
その直後に本来のオペレーション・スピットブレイクの標的であった地球連合軍パナマ基地に対してザフト軍による報復攻撃が行われ、
電磁兵器グングニールのEMPにより地球連合軍初の量産型MSであるストライクダガーが機能停止に追い込まれ全滅した。
さらにザフト軍は投降の意思を示した地球連合軍兵士に対して、MSの火器で組織的な虐殺を実行するという暴挙を行ったが、
無論これらの行為もクルーゼによって仕組まれたものだったことは言うまでもない。

その後、秘密裏にザフト軍の最新鋭MSであるフリーダムとジャスティスに搭載されている、
ニュートロンジャマーキャンセラーのデータを入手。フレイ・アルスターに「最後の扉」を開く「鍵」として渡し、
彼女をブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルの元に送ることで、地球連合軍の核攻撃と、
その報復としてのザフト軍のガンマ線レーザー発射兵器・ジェネシスの使用を導いた。
プラントの最高評議会議長パトリック・ザラ(アスランの実父)は元々コーディネイター至上主義者であった事に加え
「血のバレンタイン事件」で妻を失ったことによりナチュラルへの憎悪が先鋭化しており、
盲目的になりクルーゼの暗躍に全く気付かないままついにジェネシスの使用にまで踏み切ったが、
クルーゼはそんなパトリックを見下し嘲笑していた。

ヤキン・ドゥーエ戦役において最後かつ最大の激戦となった第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦では、
自らプロヴィデンスに搭乗して出撃、その圧倒的な戦闘力で多数の敵機を撃墜、
ムウのストライク、ディアッカのバスターも退けた。
劇中での言動から、この攻防戦で初めてドラグーンシステムの実戦操作を行ったと思われるが、
同時に11基のドラグーンを使いこなしていた。
小説版ではプロヴィデンスにはその時初めて搭乗したことになっているにも拘わらず、
機体のポテンシャルを最大限に引き出していた。
キラのフリーダムとの交戦では、互角以上の戦闘を繰り広げるが、
(見せしめのような攻撃で殺害した)フレイの死をきっかけにSEEDを発動させたキラに敗れる。
ジェネシスはアスランにより破壊され、最期は崩壊するジェネシスのガンマ線レーザーの光に焼かれ消滅し、
クルーゼの野望は潰えた。

なお、戦後、ユニウス条約の取り決めにより、国際法廷は開かれず地球連合/プラント両陣営それぞれで戦犯が裁かれたが、
この時クルーゼは被疑者死亡のままプラント側の戦争犯罪人に認定されている。
具体的な罪状は明らかにされていないが、モビルスーツ「プロヴィデンス」の発展改良型は、
戦犯の乗機だったという理由でその名を襲名するのが忌避され、「レジェンド」と名付けられたと言われるが、
ザフトは公式に否定している(この2機の間に「プロヴィデンスザク」という機体が存在する)。
前述の情報漏洩やNJCのデータ漏洩などを働いた彼が罪状不明のまま犯罪人とされたのに対し、
勘違いとはいえ中立国の難民シャトルを撃墜したイザーク・ジュールが、
デュランダル議長の施しで降格処分(本来なら死刑等の重罪)で済んでいる辺り*4、プラントの裁判の公平性は怪しい物である。
尤も、クルーゼの場合は戦後の調査でその所業がバレた可能性も考えられる。

(以上、wikipediaより抜粋・転載、一部改変)


「見える… 見えるぞ、世界の終焉が!
 はーっはっはっははっ! はーっはっはっはっは!!」


ゲーム作品におけるプロヴィデンスガンダム

GBAの格闘ゲーム『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、やはり「MAIN MODE」の最終ボスとして登場。
「MAIN MODE」を難易度HARDでノーコンティニュークリアすることで使用可能になる。
ボスらしく通常攻撃発生とリーチに長けるなど性能も高い。
ドラグーンは常時本体の周囲に3機が待機している。コマンド入力3秒後に発動するので、設置技として使おう。
どういうわけか同じくラウ機のシグーと共に、2Pカラーは赤色である。仮面繋がりか?

+ その他のゲームでは
+ 『Gジェネレーション』シリーズ
『Gジェネレーション』シリーズでは、ただでさえ少ない覚醒兵器持ちの中でも更に特殊防御アビリティを持つという、
かなり強力な機体として登場している。
ただ、当然のことながら後継機のレジェンドが完全上位互換であるため、純粋に戦力としてなら、プロヴィデンスを運用する意味合いは薄い。
開発しようと思うと、どういう訳かレジェンドから開発しなくてはならないので、わざわざそのためにレジェンドを育成する必要性が…
それもあってか『GジェネOVER WORLD」ではXアストレイと指揮官用ディン、もしくは指揮官用ゲイツとの設計でできるようになった。
普通にXアストレイから開発できるようにしろよとか言わない
ちなみに『Gジェネウォーズ』では1stのア・バオア・クー戦で条件を満たすと敵増援として登場する。
ここでは「入手した初代ガンダムのデータを基に作り上げた」という設定になっており、
ロボ物お約束の「敵が作った偽物」感が強い。
なお、ここに登場するクルーゼは「ガンダムLOVEなあまり自分用のガンダムが欲しい奴」と言って良く、
実に嬉しそうな口調で出撃していた。

ギャザービート系列作品の内、『SEED』初登場作となった『Gジェネアドバンス』では、
『SEED』放送中の開発だったために情報が存在せず、その代わりかクルーゼは終盤フリーダムに乗って登場した。
続く『DS』では平成ガンダムルートに進むと登場する他、ライバルルートにおいてはラスボス前の最後の敵として立ちはだかる。
『CROSS DRIVE』でも登場するが、こちらでは本機よりも男主人公用の機体となったXアストレイの印象が強いか。

+ 『スーパーロボット大戦』シリーズ
『スパロボ』シリーズにおいても原作同様世界を破滅させるべく暗躍。
ゼーレ火星の後継者などを筆頭とする敵組織と手を組んでいる事が多い。
全般的に口が達者で、戦闘前台詞ではどうやって知ったのか気になるほど裏事情に精通した煽りをして、主人公側の怒りを買うこともしばしば。

第3次α』では、よりにもよって人類補完計画まで把握していた。
尤もそこまで知る事ができるにも拘らず、自分の都合で世界を滅ぼそうとする様は「みっともない恨み節」とばっさり切り捨てられてしまうのだが。
このシナリオ以前にボアザン星解放やプロトデビルンとの和解といった、地球人類以外と分かり合うイベントがあったので無理もない。

しかし『J』においては、木連の大将である草壁春樹を戦艦ごと撃ち落としている。
彼の単純すぎる善悪論や最期の悪あがきを醜いと感じたのかもしれないが、
世界を滅ぼそうとした男が後の悲劇の火種を絶つというのは皮肉な物である。
ちなみにこの『J』ではスタッフが把握していなかったのか、特殊技能の「コーディネイター」を所持している
これは「気力上昇に従いパイロット能力が丸ごと底上げされる」という中々強力な効果なので、恩恵があるのはいいのだが…。
また同作では(声優ネタな面もあるが)『冥王計画ゼオライマー』の秋津マサトを敢えて「木原マサキ」と呼び、
やはり何故か知っているマサキの計画を遂行させようと唆し、
『スーパーロボット大戦W』では『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズの主人公の一人で、
メビウス隊のクローンの一人でもあるプレア・レヴェリーにちょっかいをかけたりと、
『スパロボ』においては似た境遇の人物が出演するとキラそっちのけで行動する節が見られる。
といっても、原作でもキラよりムウと戦った回数の方が多いのである意味原作再現か。
だが同作では、同じような宿命を背負いつつもそれを乗り越えて戦う存在が多く、
さらには同じく『ASTRAY』の主人公の一人である叢雲劾に自身の行為を「無意味な戦い」とあっさりと否定されてしまっていた。
勿論、言い返そうとするもそれすら途中で一蹴されてしまう。
叢雲劾は当然『SEED』の世界でも活動しているので、原作におけるC.E.世界に存在するキャラに、
完全に口で負けてしまったことになる。
また、何故かかわいいものが好きという弱点も判明した。
彼が人形と共に育っていれば世界は平和だった……かもしれない。
なお、本作もコーディネイター技能はあるが、クルーゼは原作通り所持してないため、その分弱体化したとも言える。
…が、それを逆算してか強力な強化パーツを装備していたり、命中・回避補正を与える指揮技能持ちを随伴させている。
戦闘デモ
第3次α版
『J』版
『W』版
『DD』版

+ 『VS.』シリーズ
アーケードゲーム『機動戦士ガンダムSEED 連合VS.Z.A.F.T』では、このゲーム唯一のドラグーン使用可能機。
計11基射出できるドラグーンや豊富な弾数のビームライフルで相手のHPを削り、
高性能な格闘で近付いてくる敵を追い払うという中距離主体の戦法を得意とする。
しかし他のMSより食らい判定が大きい事や全体的に癖が強いことから扱いは難しい。
加えてホバー機体の特性上歩行の始まりが遅く、BD速度が遅い、
極め付きには空中でのステップ使用可能回数が全機体最低と言う致命的過ぎる弱点も抱えており、
ステップキャンセルによる行動が基本となる本作ではどうやっても覆せない弱みとなってしまった。
そのためコスト560の中では頭一つ抜けて弱く、全国大会においても560組ではプロヴィデンスのみ蚊帳の外であった。

次作『機動戦士ガンダムSEED 連合VS.Z.A.F.T II』ではドラグーンを使用できる機体が増えたが、
1基ずつばらまけるのはこの機体とレジェンドガンダムのみ。
上記の通りコスト560最弱であった前作から大幅強化を受けており、
また前作からの仕様の変化が全体的に有利に働き、最強機体の一角に数えられるほどになった。
どれくらいかと言うと、全国大会の準決勝4チームの内3チームがプロヴィデンスガンダム+ラゴゥという始末。
ただし、どう見てもバグなグリーンホーミングで暴れ回るストライクノワールや、
ランチャー改めバルカンストライクと異なり、スペックこそ高いが壊れた部分は無いため、
立ち回りはドラ機体の基本を忠実に行う必要がある。パートナーのラゴゥも高性能だが地走機体のセオリーを学ぶ必要があり、お手軽機体ではない。
その上でドラグーンがノワール対策に優秀、荒れやすい大会でも安定した活躍をしやすいなどの要因があり、大会最強レベルの機体となった。
これは前作基準の調整を加えた後にロケテストを通さず一次解禁にて登場したことが原因であり、
  • 590より弾持ちの良いBR
  • 旧機体故にある程度の基本性能が一律横並びのせいで、射撃重視機体にも拘らずフリーダムやジャスティスと機動力の性能が同じ部分が多く、
    ホバー移動機体共通の弱点のみ抱えるだけに抑えられているため、
    同じコストで同様のオールレンジ搭載射撃機のアカツキシラヌイ装備と比べると明らかに足回りが良い
等といった旧機体への大雑把な調整とゲーム全体の調整が噛み合った結果、高性能万能機に変貌してしまったためである。
また、新しい覚醒の仕様によりこの作品中最速スピードで移動する「さいたまっは」(前述の埼玉とマッハをかけた呼称)は一見の価値あり。
BGMは気にしないでね

次シリーズ『機動戦士ガンダムVS.ガンダム』では、
『ガンダムSEED』枠が前半をピックアップされていたため主人公枠はストライクでライバル枠はイージスとなり、
プロヴィデンスのライバルであるフリーダムは『SEEDDESTINY』枠からの参戦であったため参戦出来なかった。

次作『機動戦士ガンダムVS.ガンダムNEXT』では、
ライバルであったフリーダムが『SEED』枠に移行し、PSP版にて『SEED』枠と『DESTINY』枠の中から唯一の追加機体として参戦。
システムとドラグーンの使用方法が前シリーズとはかなり違うことから前シリーズでの強さは無くなり、
コスト2000枠の真ん中くらいとされている。
アシストはゲイツで、命中するとスタンするエクステンショナル・アレスター(要はサーベル付きのアンカー)を射出して攻撃する。
また、前シリーズには殆ど無かった原作再現に加え、ビームクローやバルカンなど設定のみに留まった武装等をしっかり表現している。
『SEED』枠ではアスランのジャスティス(ギアではない)とライバル枠の本機が非常に多く議論されており、
この後、プロヴィデンスが『EXVS』シリーズに移行後も最初から登場したため、イージスいじりのきっかけとなった。

次作『EXTREAM VS.』ではOPムービーや無印SEED機体のデモムービーで堂々と姿を見せている。
このため、マスターガンダムやシナンジュと共にタイムリリース機体として参戦する可能性が高いと見られていた。
そしてオンラインアップデートにより、アッガイと共にプレイアブル化。
コストは前作から引き続き、ファーストや設定上劣るストライクと同じ2000コスト。
そのため性能も抑えめで、原作での圧倒的な強さを知るファンはやや違和感を感じる仕様となっている。
もっとも、これはこの上の準高コストである2500帯にファンネルなどを使用するオールレンジ攻撃を保有する機体が、
キュベレイ・サザビー・ケルディムガンダムがおり、後にクシャトリアも追加予定で控えていた上に、
コスト2000ではアシストにエルメスを持つシャア専用ゲルググはいたものの、自身で何時でも出せる機体は存在せず、
後続で出るのも家庭用のジオングであったため、プロヴィデンスがこのコストでなければ完全に穴となる枠組みであった。

機体の性能は前作同様ドラグーンを生かした中距離向きの万能機。
2000コストながらドラグーンの性能は驚異的で、上位コストのオールレンジ攻撃を模倣したような武装が多い。
νのような単発射出と、ケルディム・ストフリと同様の一斉射出が可能な他、
大型ドラグーンを使い、一定時間フィールドに相手をスタンさせるビームの網を張る「ビーム・カーテン」と呼ばれる設置技が使用可能となっている。
格闘は踏み込みが弱いが判定が強いと迎撃向きでコスト相応という感じ。
欠点は最大火力が低い事と、射撃でダウンを奪う手段に乏しい事。そしてビーム兵器しか持たない事。
迎撃に安定する択が無く、解禁当初から厳しい戦いを強いられていたが、ダブルオークアンタの登場により立場が一気に転落。
それでもドラグーンによる間断ない包囲射撃は相手からすればかなり鬱陶しく、
原作のように単騎で戦況を覆すような機体と言うよりは、戦場の流れを作ることに優れた機体とある程度の評価を見出されていたが、
クロスボーンガンダムX1フルクロスの登場により、その評価も完全に無となる絶望の環境が到来。
機体評価は環境の機体にはプレイヤースキルが大きく開いた相手であれば勝てるかもしれない程度の「D」ランクであり、
『EXVSシリーズ』において「D」ランクが存在したのは本作のみで、黎明期が生んだ闇の一つである。
その為機体攻略もよく読めば、着地にBRをしっかり刺す、得意距離を確り維持する、牽制を無理なく出す等、
もはやプロヴィデンスと関係の無い当たり前の事がほとんどを占めており、ビームカーテンも当たったらいいね程度の扱い。
最も重要な自分から相手を崩しに行く手段が書かれておらず、
相手の昇竜や強攻撃の隙に小パンを差し込んでダメージ勝ちしましょうが勝ち方と書かれているような状態であった。

次作『EXVS. FULLBOOST』でも続投。
上記のジオングに続きローゼン・ズールの参戦やクシャトリヤのコスト降格によって、2000唯一のオールレンジ攻撃機体ではなくなった。
性能や特性的にはほとんど変化がなく、ほとんど前作と同じ感覚で使用可能。
だがスサノオやヴァサーゴCB、試作二号機が原作での強さを鑑みてか2500コストに昇格する中、
本機は前作同様ラスボスなのにコスト2000」という微妙な立場に置かれてしまっている。
「X2改とクシャトリヤもコスト下がったじゃん」と思うかもしれないが、彼らはあくまで「中ボス」。
それに対してプロヴィデンスは名実共に『SEED』のラスボスなのである。武器が少ないし他のファンネル機と差別化しにくいからというのは禁句
勿論、原作では互角どころか舌戦・MS戦で圧倒したフリーダムに対しては前作から引き続きコスト差で苦しい戦いを強いられる。

『EXVS.』シリーズ第3作『マキシブースト』では待望のコスト2500に昇格。ラスボスの面目躍如と言った所か。
派手な新技はないものの、上昇したコスト相応に性能は上昇。
横格闘に3段目が追加されたり、サブ射撃にドラグーンを自機周囲に展開して射撃させる新技が追加された。
また、後格闘は原作再現でサーベルを横一閃する新技に変更。
サーベルには射撃に対するガード判定があり、原作よろしく弾幕を「切り払って」止めることも可能。
同コスト内にレジェンドガンダムも参戦したが、あちらはアシストやビームスパイクを使った変則的な動きを主軸としており、
オールレンジ攻撃を持つ万能型機体である本機とはしっかり差別化されていた。

続く『マキシブーストON』では、
稼働時の段階ではドラグーンは全体調整で良くなったものの、BD格闘の範囲減少など何故か下方修正されており、
中途半端なサイコミュ攻撃を主軸とする機体と言う何とも微妙過ぎる性能であった。
しかし、後にBRから前格闘へのキャンセルルート追加や、BD格闘を前作以上の範囲にするなどの攻撃的な調整が施され、
中堅に位置する良好な性能に収まっている。

新シリーズ『ガンダムバーサス』においてはコスト400(前作までの2500相当)で参戦。
ドラグーン一斉射出が無くなり、ビームカーテンが特殊射撃に移動。
そのビームカーテンを自機の周りに停滞させるモードが追加され、BR連動して各大型ドラグーンから5発のビームが発射される。
この武装の調整を完全にミスしており、拡散する15発のビームはステップダイブしようが範囲でかすらせることが可能であり、
そこから格闘やストライカーのドアンザク等で簡単に200近く持って行ってしまう。
更に、特殊格闘には飛び込んでビームサーベルで切りかかる武装が追加。
所謂フワ格であり、本作の強行動のステップダイブと非常に相性が良く攻撃にも回避にも困らない器用万能機となった。
流石に強すぎると下方修正されたが、そもそも持っている武装構成がシステムとの相性が良いので地位が揺らぐ事は無く、
「DLCが強いのでは?」と言われる本作において、その説を真っ向から否定するコスト400最強機体として君臨している。

+ 『ガンダムトライエイジ』
トレーディングカードアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』には、「ビルドMS 1弾」にパーフェクトレアで参戦。
Pレア版はHPとアタックが高いパワーファイター。所持アビリティは勿論「ファンネル」
(ビット・ドラグーン・ファングもアビリティはファンネルになる)。
発動さえすれば先攻扱いになり追加入力成功で大ダメージを与えられるため、単機ロックオン時ならスピードがやや遅い弱点を十分に補える。
ノーマル版は「速烈」持ちのバランス型の機体になっており、運用方法は大きく異なるもののこれはこれで強力な一枚。
必殺技は「ディバイン・オブ・ドラグーン」。
ドラグーンシステムを射出しオールレンジ攻撃後振り上げたビームサーベルで叩き斬る。

パイロットのラウ・ル・クルーゼはマスターレアで登場。
Mレア版は高いアタック補正のアタックバースト持ちとアタック特化。そして敵を撃破する度にHPを2000回復するパイロットスキルを持つ。
これまで回復スキルは「特定のラウンド突入時」に発動するのが多かっただけに多くのプレイヤーに衝撃を与えた。
敵を倒す度に回復ができるスキルは強力なので、使い道の多い一枚となっている。

「EVOL BOOST!! 01」ではプロヴィデンスガンダムがアニバーサリーレア、ラウ・ル・クルーゼがパーフェクトレアで登場。
プロヴィデンスはHPが減少しているとダメージがアップする「逆襲」と、
後攻時に被ダメージ減少+アタック・必殺アップの効果のある「強靱」のアビリティを持ち、
ラウは後攻時にアタックと防御がアップするスキル持ちと、機体・パイロット共に後攻で相手の攻撃を受けて反撃する性能になっている。


MUGENにおけるプロヴィデンスガンダム

+ KAT-TOO氏製作
  • KAT-TOO氏製作
前述したGBA用格闘ゲームのドットを用いて作られたプロヴィデンス。
一時期氏のOneDriveに繋がらず入手不可となっていたが、現在は別アップローダーにて公開中。

ドラグーンシステムも健在で、元ゲーム同様に試合開始直後に3機を分離させて待機させることになる。
このドラグーンは相手に合わせて設置するのだが、ビームによる射撃のため、非常に範囲が広く、
同時に撃たれると防ぐ手段が見つからないため、強力な弾幕を張ることができる。
また、このドラグーン、本体が喰らい途中だろうがガード中だろうが設置することができるため、
コンボしている途中でもドラグーンによる追撃によって妨害されやすく、コンボが途切れてしまう。
そのため、フル調整で行った場合は軽く狂キャラになってしまう。
ドラグーンの設定は調整できるため、ある程度抑えておくのがいいだろう。
付属のテキストでは八段階でドラグーンのレベル調整の目安が書かれている。
また、更新によって後継機であるレジェンドガンダムのビームジャベリンが追加された。

+ 栄光夜 -Night of Glory-氏製作
  • 栄光夜 -Night of Glory-氏製作
『スーパーロボット大戦J』のスプライトを用いて製作されたプロヴィデンス。
全体的に『スパロボJ』を元にした演出となっており、その再現度は高い。
カラーによって性能が変化し、凶ランクから狂全般、神キャラと渡り合うことも可能。

AIはデフォルトで搭載されており、ドラグーンを駆使出来れば相手を押し込んで封殺することも可能。
ただし、非常にガードが緩い(というか殆どしない)攻撃重視型のAIであるため、逆に攻め込まれると押し負けてしまうことも。

出場大会

更新停止中
削除済み


*1
余談ながら、『聖闘士星矢』のOVA『冥王ハーデス編』にて関俊彦氏が蠍座のミロ役に抜擢された際、
TVシリーズで演じていた池田秀一氏古谷徹氏から酒の席でその事を聞かされ、
この役のことも引き合いに出して「あいつは俺の二代目かよ!」と愚痴られたという逸話がある。
そんな池田氏も続編で出演した上、クルーゼとは浅からぬ間柄のデュランダル議長役だったが
その後、『ガンダムTHE ORIGIN』でキャスバルが名前を借りることになる本物のシャア・アズナブルを関氏が演じることになるとは、
誰が予想しえただろうか…。結果これの舞台挨拶でも池田氏から「違うシリーズで仮面被ってなかったっけ?」などといじられてるし

*2
この親父、後に連合のトップエースとなる息子・ムウを出来損ない扱い出来るほどの高い能力を持った、正に天然のスーパーコーディネイターという設定である
(尤もスーパーコーディネイターは「デザイン通りの子供が生まれる(だから全才能をカンストさせた)」に過ぎず、人間を辞めた超人とかではないので、
 スーパーコーディネイター並みの才能を持ったナチュラルが生まれる可能性は(天文学的確率だが)存在する)。
実はナチュラル(のクローン)なはずのクルーゼが並み居るコーディネイターを抑えてトップエースに躍り出たのもアルダの才能由来なのだろう
(ムウはコーディネイター用MS(厳密にはキラ用ストライク)は操縦出来ないと自ら明言している(ストライクに乗ったのはナチュラル用OS搭載後))。
一方で、その才能に鼻を掛けたのか性格の方は相当問題があり、死後、息子であるムウにあらん限りの言葉で悪し様に言われているほど。
世界最初のコーディネイター、ジョージ・グレンとは大違いだ。尤も世界が混乱したのはジョージが良い人過ぎた所為だったからと言うのが皮肉だが
ただし、ムウは幼い頃に彼と一緒に写った写真を大事に持っており、少なくとも親子仲の方は夫婦仲よりは上手く行っていた事が示唆されている。

*3
なお「彼の素顔を知ろうとした、もしくは知っている者は戦死してしまう」というジンクスがあるらしく、
実際、彼の素顔を知りたがっていたミゲル・アイマン及びニコル・アマルフィは戦死してしまっており、
彼の素顔を見たフレイやムウもその直後に戦死している。ムウは後付け設定で生きていたことになったが。
また続編『SEED DESTINY』でも、彼の素顔を知っているデュランダルとレイも戦死してしまっている。
ちなみにこのジンクス、公式設定である。

*4
まぁ、イザークはプラントを核ミサイルから救ったり、その中立国の最重要人物の盾になって命を救うなどの活躍をしていたのもあるだろうが。
イザークの名誉のために言っておくと、シャトルを撃墜した際の戦況は完全な混戦の様相を呈しており、
「そんなデッド・オア・アライブな状況下で単身シャトルが地球に逃れる=相手方の偉い人が乗った脱出用シャトル」
と見なされても仕方なかったのも事実である。
あんな混戦模様で中立国の難民シャトルが飛ぶなんて、事情を知らない敵側にとっては予想する方が難しいという意見もある。


最終更新:2024年03月27日 01:47