スポーン





"Who said anything

(誰が人間あがりだと?

 about being human?"

 もう一度言ってみろ!)

アメリカ、イメージコミックの看板ヒーロー。
90年代に日本で起きたアメコミブームの終焉を飾る「遅れてやって来た最後の大物」。
トッド・マクファーレン氏によって生み出され、地獄から現れたダークヒーローである。
歴史の長いヒーローの多いアメコミ業界において、1992年生まれという若輩者だが、それでもバットマンキャプテンアメリカに匹敵する知名度を持っており、
ゲーム情報サイト「IGN」が開催した「The Top 100 Comic Book Heroes」では、
Dr.ストレンジマーシャン・マンハンターを抑えて36位にランクインしている。
アメコミブームの終焉後も出版されていた日本語版は86話にて終了してしまったが、本国では最終回100話を経てもなお人気が続き、2019年には300話に到達した。
国内でも古くは2000年にアーケード/DCで3D対戦アクションがカプコンから発売されたり、
X-BOX用のアクションゲームや、『ソウルキャリバーII』にゲストキャラクターとして出演するなどしている。
そして2020年には『Mortal Kombat 11』にDLCキャラクターとしても参戦。

90年代に公開された実写映画とアニメでの日本語吹替声優は 大塚明夫 氏。

作品のテーマは「愛」。
「愛の前には通常の善悪の基準など何ら意味をなさない」というテーマを掲げ、
天界、魔界、地球の三つの世界の戦いと、その中で足掻くスポーンの姿を描き切った傑作である。






 なお、原作者のトッド・マクファーレン氏は大のMANGA好きかつオタクで知られており、
 自分の満足できるクオリティのアクションフィギュアを創るためにおもちゃ会社を作った事で有名。
 スポーンのフィギュアも流石の完成度で、
 アメコミ界における出版社主導のメディアミックスの先駆けと言われている。
 今やアメトイ愛好家なら知らぬ者はいない大手メーカーとなったこの会社は他にも、
 『HALO』とかの完成度高いアクションフィギュアを製造している。
 ちなみに好きなアニメは『新世紀エヴァンゲリオン』なんだとか。

スポーン(Spawn)とは「水生生物の卵」「大量にいる幼生」、転じて「ひよっこ」の意味で名付けられた。


キャラクター設定

優秀なCIA工作員アル・シモンズ
彼は様々な作戦を成功に導き、多くの人間を殺し、黒人で、誠実で、神を深く信じ、そして魂は罪に染まっていた。
そんなアル・シモンズに目を付けた者がいた。──魔界第八階層の王、マレヴォルギアである。
マレヴォルギアと手を組んだCIA長官ジェイソン・ウィンによって謀殺されたアル・シモンズは、
地獄に落ち、魔王マレヴォルギアと対面。現世に蘇る条件として、彼と一つの契約を交わす。

即ち、地獄の将校ヘルスポーンとなる契約を。

だが、マレヴォルギアは何処までも狡猾だった。
アル・シモンズは確かに現世へと復活する事ができた。
──ただし五年後の現世へ。誰とも分からぬ程醜く焼け爛れた姿のまま。
そして妻ワンダは自分の親友テリーと再婚し、自分との間には生まれなかった子供──5歳になる娘、サイアンまで設けていた。
全てはマレヴォルギアがスポーンに僅かな希望とより深い絶望を与え、地獄の士官として血も涙もない存在に仕立て上げるための策謀に過ぎなかったのだ。

その事実を知って絶望するアル・シモンズであったが、彼は彷徨い歩く末、ホームレスの王国ラットシティへと辿り着く。
幼児連続殺人鬼ビリー・キンケイド、最強の戦天使アンジェラ、アンチスポーン・リディーマー、そして地獄の尖兵にして宿敵バイオレーター
現世、天界、魔界から次々に送り込まれる刺客達との戦いで傷付き、疲弊していくアル・シモンズ。

だが、彼は決して孤立無援というわけではなかった。
謎の老人カリオストロによって力の扱い方を学び、NY市警の刑事サムとトゥイッチの協力を得た。
サイアンはスポーンを「かわいそうな人」と呼んでくれた。盲目のおばあちゃんは暖かい言葉で疲れ果てた彼を導いていく。
ラットシティのホームレス達はスポーンを受け入れてくれた。自分達の友、家族、守護者──支配者として。

そして彼は、天界と魔界の勢力争いの場として使われる事に嫌気の差した地球意思の暴走を防いだため、地球意思の代弁者として覚醒する。
その瞬間、スポーンの身体からは将校の証であるメダルが外れ、彼は魔界に属する者ではなくなったのだ。
スポーンは「自分は最早アル・シモンズではない」という事を自覚し、罪を犯した魂を自らの正義に則って裁いていくようになる。

+ その戦いの果て(日本展開終了以降から100話まで)
やがて闇の邪神URIZEN復活を知ったスポーンは、地球のみならず天界や魔界さえも滅ぼしかねない存在との戦いを開始する。
しかし状況は、そう簡単にはいかなかった。
URIZENの復活は天界に兵士の派遣を決意させ、その動きは魔界の軍勢をも刺激し、アルマゲドンが始まろうとしていたのだ!
邪神に対してはスポーンと共闘していた戦天使アンジェラは天界に赴き、たった一人で天使の兵団を食い止めるべく戦いを始め、
スポーンもまた地球意思と合一化し、その力を振るって、遂に現世へと蘇ったURIZENに対して単独で立ち向かう。

「俺”達”は、お前より強い」

ともすれば邪神の力によって人としての心を打ち砕かれそうになるスポーンであったが、
そんな彼を護り続け、只管に現世へと繋ぎとめていたのはサイアンであり、そしておばあちゃんだった。
「『悪いひと』が『かわいそうなひと』を、自分達の世界へ引きずり落とそうとしているの」
超自然的な戦いを幻視するサイアンに、おばあちゃんは丁寧に助言を与え、その想いがスポーンを救い続ける。

更に神を動かす事によって天使兵団を食い止めたアンジェラは地球へ戻り、スポーンと共にURIZENへと武器を向ける。
スポーンの鎖、アンジェラのリボンがURIZENを縛り、スポーンの放つ業火と、アンジェラの放つ稲妻がURIZENを襲う!
やがて遂にURIZENは封印され、地球に平穏が戻ったが……全ての黒幕は未だ健在であった。
URIZENを蘇らせ、天界と魔界を揺り動かし、アルマゲドンの発動を目論んだ者。

──即ち、マレヴォルギア。

再び魔界へと降りたスポーンは、遂に怨敵マレヴォルギアとの決闘に臨む。
数々の戦いを乗り越え、魔力、肉体、魂さえも魔神に匹敵するほど成長したスポーン。
しかし、そんな彼の力を以てしても、未だ第八階層の王として君臨するマレヴォルギアには歯が立たない。
だが、ただ一人スポーンを守るために魔界へと赴いた天使──アンジェラが、彼の命を救った。
それは同時に、アンジェラが命を失う事にも繋がった。マレヴォルギアの一撃は、彼女に致命傷を与えたのだ。

「…あんな奴らの言うこと、聞くんじゃない」

「あんたはいつだって、自分の意志で選択をしてきたんだ……!」

アンジェラの言葉を聴いたスポーンに、もはや迷いなど存在しなかった。
怒りに燃えた彼の一撃は、いとも簡単にマレヴォルギアの首を切り飛ばし、その存在を消滅させた。

そして悪魔達は囁く。下克上は成った。第八階層の新たな王が此処に誕生し、スポーンには地獄の玉座が明け渡されたと。
天使達は告げる。スポーンは「赦された」のだと。天界への門は開かれ、スポーンには天使の翼と輪が与えられるのだと。

だが、スポーンはそのどちらをも拒んだ。
地球に戻り、腐敗と混沌、ホームレス達の蠢く汚らしいラットシティを見下ろしながら、スポーンは呟く。

「これは俺の運命。この運命は俺が選んできたもの……」

「この世界とその影は全て俺に属する。今も、これからも……」


能力

地獄の将校に相応しい強靭な肉体と、膨大な魔力を、そしてアル・シモンズが持つ破壊工作員としての技能を持つ。
実はアルはスポーンとなる以前の時系列から、マクファーレントイズのクロスオーバー企画「トータル・カオス」という、
分かりやすく言えば超次元存在によってプレイされるMUGEN企画に最も優れた軍人として召喚され、生還したほどの強さを持っている。
そのため対人戦においてはほぼ無敵。
……まあ、そのせいで増長して、うっかり負けたりしているのがアレだが。
そもそもアル・シモンズはガチガチの軍人であったため、超自然現象的な知識に疎く、悪魔や天使、魔術師、吸血鬼によくやり込められている。
トータル・カオスではドラゴンとかとも戦っていたので、元の時間軸に帰る際に記憶を消されてさえいなければ……。
他にもバットマンに顔面カチ割られて逃げ帰ったりしてるし。
……まぁバットマンを一般の人間の範疇というのかはそれはそれで怪しいが。

スポーンとしての本質は、やはりその強力な魔術能力である。
スポーンはネクロプラズムと呼ばれる魔界特有の物質を自在に操る事ができ、主に緑色の炎やビームとして放射する。
攻撃に使用する他、傷の治療、テレポート、死者蘇生(!)、等文字通りの万能さが特徴。
ちなみにテレポートは本人曰く「ミキサーに入った気分」らしく初期は使用後によく嘔吐していた。

さらに魔力を駆使する事で、一応は焼け爛れた醜い姿ではなく、人間の姿になる事もできる。
──が、アル・シモンズは黒人なのに対し、変化できる姿は白人だけなのだ。
結局、アルはあまりこの力を多用する事は無かった。気持ちは良く分かる。

ちなみにスポーンの保有している魔力には上限が存在していた。
これはマレヴォルギアとの契約で与えられたもので、 [ 9:9:9:9 ]から始まって減少していくゲージとして表示されており、
ゲージが [ 0:0:0:0 ]になった時、スポーンは再び魔界に落ち、地獄の将校となるのだ……
……と言われていた。

恐らく製作者が面倒臭くなったせいでいつのまにやらゲージは登場しなくなり、
スポーンは(読者から見る分には)自由自在に魔力を扱えるようになっていたのだが、
親友テリーの病を治療するために残りの力を用いて死亡、そしてマレヴォルギアとの対決を経て復活して以降、
ウジやミミズなどといった、闇に属する多くの生物の力を借りる事で、ほぼ無制限に魔力を扱えるようになった。

なお、アル・シモンズはコスチュームと魔力の扱い──つまりスポーンとしてズバ抜けた才能があったようで、
スポーンとしての覚醒から極めて短期間しか経過していないにも拘らず、歴代最強の実力の持ち主である。
その力はアル・シモンズのみならず、同時期に彼の「影」として創られたスポーン達にも影響し、
所十三氏の『SHADOW OF SPAWN』では「影」が非常に強い力を発揮しているのを見て、
「今回の本命はよほどの力を持っているようだ」と表現されたほど。

それ故、天界と魔界の闘争における影響力も尋常ではないほどに高い。
天界と魔界の調停者、地球意思の代弁者、彼が死んだ時こそアルマゲドンが始まる、と言われる程。
過去のヘルスポーンは強力ではあっても単なる地獄の将校でしかないため、ここまで注目を集める者はいなかった。
やはりアル・シモンズ──否、スポーンだからこそ、と言うべきだろう。

+ コスチューム
スポーン最大にして唯一無二の武器は、全身を包むコスチュームである。
自在に蠢く紅い外套と鎖の正体こそは、魔界によって生み出された、意思を持つ生体寄生強化装甲なのだ。
……が、端的かつ正確に言うと、スポーンのである。いやいやマジで。
彼女は魔界の貴族、K家第七の娘リーサという、純血種の魔族なのだが……。

《妾が結ばれたなら、死ぬまで離れぬ。妾はそなたの一部》
《妾は殺人スカーフと首絞マントの猛禽の女王。妾こそは巻き付く魔女にしてそなたに接合せし花嫁》
《妾はそなたの一部。愛に似て、ただし幻にあらず……》
《……永久に続く》

「あいつは私に話しかける。水に潜ったクリッサンド。あなたを許す、諦めてはいけない、という」
「あなたが必要なの、とまで……」
「私が必要だと? 浮浪者どもとも違う。ワンダとサイアンとも違う。二人にはテリーがいる」
「リーサには私が必要なのだ。恐らくそんなのはあいつだけだろう。待ってろ、いま行くぞ」
「──さあ、抱きしめておくれ」

見ての通りそんじょそこらのツンデレとは比較にならないラブラブっぷり。
というより、寄生服は地獄の士官であるスポーンのためだけに存在するものであり、
同時にスポーンにとってもまた、自分を受け入れてくれる唯一無二の存在であるため、
過酷な戦いを歩む彼にとって、これ以上無いほどのパートナーなのである。

このコスチュームは主人を守るため、次々に進化し続け、様々な強敵と渡り合い、
更にスポーンの強靭な意志と合一する事で、限定的な現実改変能力まで発動するようになる。
死者蘇生、瞬間移動、さらにはスポーン自身の蘇生までお手の物。ただし魔力を源としているため、それを封じられると弱い。
そしてマレヴォルギアとの最終決戦においてもスポーンに付き添い、恐るべき魔王を撃破した。
…………なんとまあ、お熱い事で。

+ その他のスポーン
前述の通りスポーンとは地獄の将校に与えられる称号である。
スポーンは数百年周期で地球に降臨すると言われているため、アル以外にも多数のスポーンがいる。
以下に代表的なスポーンを紹介する。

メディーバル・スポーン

中世ヨーロッパに誕生したスポーン。アルを除けば一番有名かつ人気のある人物。
本名はジョン・オブ・ヨーク卿。王の不興を買ったことで処刑された騎士で、性格は堅苦しく生真面目な正義漢。
生前は戦いを楽しんでいた事、妹がいた事、素顔が焼け爛れている事などは判明しているが、その詳細は語られていない。
魔力の扱いは上手くなく、コスチュームを活用する様子も見られないものの、
そもそもスポーンが習熟するのには時間がかかるので、仕方のない事かもしれない
(前述の通りカリオストロという師匠がいた事も含め、アル・シモンズはスポーンとして「異常」なのだ)。
その一方、コスチュームを変化させた剣と盾を駆使しての戦闘力は高く、スポーンとしては平均より少し上程度の強さ。
魔力を剣にこめて、あらゆる物質を一刀両断するという必殺技を保有している。
生前に犯した殺戮の罪、悪魔と契約して蘇った罪を贖うために地上を放浪していたのだが、
しかし妖術師を倒すために共闘した中世時代のウィッチブレイド所有者に告白するもこっ酷く振られ、
戦乱から小国を救って姫と恋仲になるも、ヴァイオレーターの陰謀によって姫に素顔を見られてこっ酷く振られ、
山賊に襲われている娘を助けたら実は戦天使アンジェラの変装で、最後は背後からの不意打ちで消滅させられた。
……と、まあ、なんというか、とことん女運が無くて不幸なスポーンである。
しかし最強の戦天使であるアンジェラが不意打ちせざるを得なかったという点は、
彼の強さを最も的確に表現しているとも思うのだが…………。

カース・オブ・スポーン

アルマゲドンが発生し、完全に世界が滅んでしまった暗黒の未来に誕生したスポーン。本名はダニエル・エランゾ。
心の優しい青年であったが、姉や母親を守るために家庭内暴力を行なっていた父親を殺害し10歳で親殺しの烙印を受ける。
そこから荒んだ人生が始まり、その後も正当防衛でチンピラを殺害するも、チンピラの仲間達の復讐によって刑務所送りとなる。
フォボス監獄(マヤの破壊兵器ではない)、デイモス監獄(アンデッドではない)と火星の衛星監獄を転々とした後に脱獄。
地球に逃げ込むも大気圏突入に失敗し、溶解した金属の塊へと成り果て、魔界へと落ちた。
その後、魔界第12階層を統べる王フレゲッソニアに素質を見出されヘルスポーンとして復活。
死のショックと地球の荒廃ぶりに絶望し、一度は魔界の軍勢の一員として暴力に酔いしれたが、
虐げられる弱者の姿がかつて父親に暴力を受けていた自身の姿と重なり改心。
以後は絶滅寸前となっている人類の救世主として戦いを開始する。
他のスポーンと違った髑髏のようなマスクが特徴。
死ぬ前に宇宙服が焼けて身体に張り付いたためか、マスクの下の素顔は金属になっている。
魔界の力が増大しているためかどうか、スペックは極めて高い。少なくとも平均以上の強さである事は間違いない。

スポーン・ザ・インパラー

串刺し公(インパラー)として恐れられたヴラド・ツェペシ本人である。
故郷を護るためにスポーンとなってまで戦い続けるが、トルコ軍指揮官カザクラ・ベイによって封印されてしまう。
数世紀の後に復活を遂げ、仇敵カザクラを滅ぼすために奔走するのだが……。
紅い外套を纏った甲冑のようなコスチューム、と言うと前述のメディーバル・スポーンと重なるのだが、
此方はより禍々しく鎧然とした代物で、顎部には鋭い牙まで生えている始末。
流石はドラキュラ、と言った所か。

ガンスリンガースポーン

西部開拓時代のヘルスポーンで、本名はジェレミー・ウィンストン。
もともとは愛する妻と共にベインタウンで平和に暮らしていた信心深い開拓者だった。
しかし土地を狙う大地主のエド・ケンパー一味に家族を惨殺され、復讐を誓ったジェレミーはケンパーの手下を次々と殺すも、
あと一歩の所でケンパーと通じていた保安官とそれを看過した住民達により、逆に妻を殺した犯人として逮捕されてしまった。
ところが牢屋で絞首刑を待つジェレミーと脱走兵の前に、堕天使マモンが現れ、契約を持ちかける。
魔王マレボルギアに仕えるならば復讐の機会を授けるというその誘いを脱走兵は拒否し、ジェレミーは承諾。
絞首刑によって死んだジェレミーはスポーンとして蘇り、一夜にしてベインの住人を鏖殺、ケンパーを射殺して復讐を遂げた。
そして復讐と無関係だったため命拾いをした脱走兵──シモンズに別れを告げ、地獄へと去っていった。
コスチュームはダスターコートに山高帽といった西部開拓時代の正にガンスリンガーといった風貌。
武器もリボルバーとライフルを駆使しての射撃を得意としており、一夜にして復讐を達成するほどに即決速攻の男である。
他のスポーン達が良くも悪くも長く地上で放浪するうちに擦り切れていった事を考えると、冷静で的確な判断だと言える。
元々はフィギュアオリジナルのスポーンなのだが、その出来栄えと格好良さから人気が高まり、コミックスに逆輸入されたとか。
その人気は凄まじく、彼が登場するだけで売上が25%アップ、ついには2021年10月から単独タイトルまでスタートするほどの出世株。
ちなみにマクファーレントイズは赤コートの凄腕ガンマンのフィギュアも作っている(そして内藤泰弘氏はマクファーレントイズの大ファン)。
双方の作品が互いに影響を与えて生まれたスポーン……と言えるのかもしれない。

タイタン・スポーン

オリンポスの神々によって世界が支配されている時代に降臨した、恐らく史上初のヘルスポーン。
その正体はゼウスによって滅ぼされた筈のタイタン族、最後の生き残りの青年レノス。
しかし彼は特殊な力は一切持っておらず、ケンタウロス族の暮すエーゲ海の孤島で、人間の母と共に平和に過ごしていた。
だが「タイタン族と人間の間に生まれた者がゼウスを殺す」という予言を聞いたゼウスの手により、
何の力も持たない脆弱な人間でありながら、神々の全ての力を用いて襲撃され、抹殺されてしまう。
やがて魔界の力を得て現世へと蘇った彼は、彼を守るためにケンタウロス族、母親が殺された事を知って絶望し、
さらに心の底から愛していた恋人が蛇の髪を持つ異形へと貶められた事で、遂に怒りを爆発させる。
そして恐るべき魔力を縦横無尽に振るって神々を殺し、傲慢さから他の神に見捨てられたゼウスをも討ち倒した。
──こうして、人間の時代が幕を開けたのだ。
神々とも互角に戦えるほどのスペックの高さを誇ってはいるものの、コスチュームは原始的。
というかそもそも、纏っているのかどうかさえ定かではない。実に生物的な容貌をしている。


この他にもフィギュアシリーズの展開に伴い、バイキングスポーン、サムライスポーン、ニンジャスポーンといったスポーンから、
日本のアニメ・漫画を参考に日本人好みのカッコよさを詰め込んでデザインしたマンガスポーンなど多くのスポーンが存在している。
その中にはフィギュアオリジナルながら人気が高じてコミックスに逆輸入されたり、繰り返しバージョンアップして販売されたりするなど、
アル・シモンズほどではないにしても、スポーンの一人としてファンに愛されている。

ちなみに全くの余談ながら、本編展開のツンデレヒロインであった戦天使アンジェラは、
その後マーベルコミックスに権利を買われ、現在はオーディンの娘でソーの妹として活躍している。
兄ちゃん、妹の彼氏不倫してますぜいくら地球意思の代弁者となったとはいえ、元は地獄の将校。兄の心中は如何なるものか……。


MUGENにおけるスポーン

海外製のものが複数確認されている。

+ MINDSPEAKER氏製作
  • MINDSPEAKER氏製作
日本未発売のSNES(スーパーファミコン)ソフト『Todd McFarlane's Spawn: The Video Game』のドットを用いたもの。
ショルダーアタックや強烈な飛び蹴り、強力なパワーを駆使して戦闘を進める。
正式リリースはされているものの、コマンド技4種、超必殺2種と技数も少なく、
其処まで派手ではないし、正直な所特筆できるような性能ではないのが残念ではある。
が、まだまだVer1.0なので、今後の更新と活躍に期待したい所。

+ The ArLeQuIn氏他製作
  • The ArLeQuIn氏他製作
2011年に公開された、The ArLeQuIn氏、aa250氏、bdc氏、Trexell氏、Devsman氏の合作による手描きキャラ。
システムや操作性は『MVC』に近く、チェーンコンボやエリアルレイブなどが実装されている。

外部AIはnaclken氏によるものが公開されている。
昇竜を切り返しなどに多用してくるのが特徴的で、コンボも正確に繋げてくる。
全体的に手堅い攻めをする中々強力なAIとなっている。

+ Duracelleur氏製作
  • Duracelleur氏製作
2012年公開。ケーブルなどがベースになっていると思しき手描き改変キャラ。
操作性は同じく『MVC』系統で、チェーンコンボとエリアルレイブも可能。

+ chuchoryu氏製作
  • chuchoryu氏製作
2020年公開。『ストリートファイター』等の手描きキャラで知られるchuchoryu氏が、上記のThe ArLeQuIn氏他製作のものをベースに改変したキャラ。
『ソウルキャリバーII』と『Mortal Kombat11』にゲスト参戦した時のものを意識したと思われる2種類が公開されている。
操作感やエフェクトは『CVS』系統で、対人向けのそこそこ強いAIも搭載済み。
DLは下記の動画から

+ DJ HANNIBALROYCE氏製作
  • DJ HANNIBALROYCE氏製作
MUGEN1.0以降専用。
こちらも『Todd McFarlane's Spawn: The Video Game』のスプライトを用いている。
イントロで謎のメタルが流れたり、勝利ポーズではメタルに合わせて踊ったりと、氏のキャラの例に漏れずカオスなアレンジが施されているが、
これでも氏が製作した他のキャラに比べたらかなりまともである。
AIは並上位程度の強さのものがデフォルトで搭載されている。
参考動画。お相手は586氏の沢渡真琴

出場大会

出演ストーリー

その他

私の好きなキャラ達(第5回、The ArLeQuln氏他製)


最終更新:2023年07月27日 09:36