ズゴック


「調子は良好だ。俺にはゴッグよりコイツの方が性に合っている感じだな……」

  • 型式番号:MSM-07
  • 頭頂高:18.4m
  • 本体重量:65.1t
  • 全備重量:96.4t
  • ジェネレーター出力:2,480kw
  • スラスター総推力:83,000kg
  • 最高速度:103kt
  • 装甲材質:超硬スチール合金
  • 武装:クローアーム、メガ粒子砲、240mmロケット砲
(HGUC 203 1/144 ズゴック量産型 説明書より引用・改変)

機動戦士ガンダム』に登場した、ジオン公国軍の水陸両用型モビルスーツ。
劇中初めて搭乗したパイロットは特殊部隊「マッドアングラー隊」のカラハ曹長。担当声優はTV版は 二又一成 氏、劇場版『哀・戦士篇』では 佐藤正治 氏。
標準カラーは青。開発は多くの局地戦用MAを開発したMIP社。
武装は頭部に内蔵されたミサイル、両手のクロー、及び手の中心部に搭載されたメガ粒子砲。
それ以前にリリースされたゴッグと比べて20t以上の軽量化がなされ機動力がかなり向上したうえに、
ジェネレーターの改良によりパワーもそれまでのジオン軍のMSとは桁違いであり、
陸上での戦闘でも陸戦型ザクIIに匹敵する運動性能を発揮する事が可能な高性能量産機である。
その運動性を生かして腕に付けたクローによる格闘攻撃を行う事も可能。
装甲も厚く、正面装甲はガンタンクの砲撃にも耐えるほど。
なお、水の抵抗を考慮してか汎用型MSとは大きく形状が異なる「丸頭」と称された独特の(潜水服っぽい)デザインとなっており、
武装も全て内蔵式である(この点はゴッグやアッガイも同じ)。

シャア専用ズゴックは指揮官用に与えられた改修版のS型(MSM-07S)であり、
基本性能の向上を除けば通常のズゴックと特に変わりはない。
銃砲を使った射撃よりも殴る蹴るの格闘戦法を好む傾向のシャアに似つかわしい機体と言えよう。

バリエーション機も多く、改良型の「ズゴックE」や「ズゴック改」、「ラムズゴック」、
魔改造レベル(単にコックピットユニットとして使われただけで、ズゴックの方がおまけ扱い)の対地攻撃兵器「ゼーゴック」、
60年もの未来に態々一年戦争当時のMSのデザインを真似て造られたMSの一つである「RF(リファイン)ズゴック」等が関連作品に登場している。
また、公式に存在するペイントパターンがザク等のMSと同様に豊富で、
通常の青いカラーの他にも茶色をベースにした迷彩パターンの機体や、
緑をベースにした森林迷彩のもの、濃青色の水中迷彩などがプラモデルとして販売された。

マシンスペック等、細かい設定についてはこちらも参考に。

また、一部で有名な漫画版では宇宙空間においてホワイトベース隊を大群で襲撃した
(なお本来の設定では気密性云々以前に、宇宙では廃熱が追い付かずオーバーヒートしてしまう機体である。
 でないと、後のゲルググの「ジオン製MS初のビームライフル(メガ粒子砲)装備」と言う肩書に「(笑)」が付いてしまうので)。
しかしこの漫画版においてシャアがズゴックに乗る事は無く、ジャブロー攻略戦で搭乗したMSはアッガイであった。

これを元ネタにしてか、『ガンダムビルドファイターズ』では、画面の隅っこの方に「宇宙空間で溺れるズゴック」が映っているシーンがある。
機動戦士ガンダムΖΖ』ではジュドー・アーシタが搭乗し、ハマーン・カーンの乗るアッガイと戦闘を行っている。
機動戦士ガンダムUC』(OVA)では、ジオン残党軍がグリーンカラーのズゴックを使用。連邦軍トリントン湾岸基地襲撃作戦に参戦した。
『ガンダムビルドファイターズトライ』では、ズゴック、ゴッグ、ゾックの3機のチーム「エンゼルフィッシュ」が登場。
操縦者も全員水泳部で、「水があれば無敵だ!」と豪語する強豪校……と思いきや、主人公達との対戦時は、
ステージが氷に覆われたツンドラ地帯であったために水中に潜る事が出来ないままあっさり敗退した
(ステージはランダム選択であり、劇中でも「宇宙ステージだったらどうしてたんだ」と突っ込まれていた)。
『Gのレコンギスタ』ではズゴックの後継機らしき機体「ズゴッキー」が登場。また、最終回では打ち捨てられ朽ち果てたズゴックが登場している。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではデザインが大幅に変更されている。
『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』では上述の漫画版同様、ゾックと共に宇宙戦に登場。
この頃は宇宙戦国時代の余波で地球圏の技術が衰退、その結果ビーム兵器は貴重なため、デフォでビーム兵装を保持している点を着目されレストアされたとの事。
元々地上用の機体かつ肝心のメガ粒子砲は水冷前提で2~3発撃てば使えなくなるが、その点は数で補っていた。

同作に登場する水陸両用モビルスーツに「ゴッ」というものがあって名前が間違われやすい。
ゴッグと混ざって「ズゴッグ」と呼ばれたり、逆にゴッグが「ゴック」と勘違いされたりする。さすがゴッグだ!
アニメ本編でも「ゴック」と発音されているので、元々はゴックだったのがゴッグに変更されたのではという説もある。
他にも「ゾック」や、さらにマニアックな領域に踏み込むと「ゾゴック」なる試作型モビルスーツまで出てくる。
あんたら一体なんなんだ!

+ 2024年1月、突如トレンドワードに躍り出る(映画『ガンダムSEED FREEDOM』ネタバレ注意)
敵の策略に嵌まり、窮地に陥るキラ・ヤマトと仲間達。そこにアスラン・ザラが駆け付けてきたのだが…
アスランが乗ってきた機体の外見はどう見ても赤いズゴックであった
どこかで聞いたようなBGMと立ち回りも相まって観客を騒然とさせるのであった。
一応、設定画を見るとトサカ状の部位など、細かい点でオリジナルとは差異が見られる。
その後、決戦の舞台である宇宙へと上がり、作戦活動を行う(背中には飛行装置が追加されている)。
敵エースパイロットのリーダー格との戦闘では対等に渡り合い、その攻撃からキラを庇った事で外装が破壊されるも、
中から真の姿である「ZGMF-X191M2 インフィニットジャスティス弐式」が現れる…。

ちなみに『SEED』シリーズの舞台は宇宙世紀とは異なるコズミック・イラのはずだが、
舞台を超えて「ガンダム」の名前を冠する似たデザインの機体が出てくるのと同様に、
コズミック・イラではこれまでも宇宙世紀のジオン系MSと名前もデザインも似通ったザクウォーリアやグフイグナイテッド等が登場しているため、
ズゴックが『SEED』に登場すること自体は流れとしてそこまでおかしくはない。
一方で、偽装用の名称であるためか、これらとは違い、後ろに何も付かない「ズゴック」が正式名称となっている。

なお、映画が放映されるまではアスランがズゴックに乗っている事は伏せられていた
それまではMSのコックピットと思しき場所で険しい表情を浮かべるアスランのカットだけが公開されており、
「搭乗機は何なのか」「また迷った末にキラ達と敵対してしまうのか」「1st、Ζときて今度はΖΖ逆シャアオマージュなのかも」など様々な憶測を呼んでいたが、
今回はTVシリーズで見せていた迷走ぶりは一切なく終始頼れる味方側だったのみならず、ズゴックに乗って現れたのは観客に大きな衝撃を与え、
新型ジャスティスが登場するであろうことは大方予想されていたものの、乗り換えではなくズゴックの中から出て来たと言う事実に腹筋崩壊させられる羽目に。
颯爽たるアスラン
ザラが来る
むしろ違和感が来い

+ インフィニットジャスティス弐式について簡単に解説
先の大戦で活躍したインフィニットジャスティスを改修した機体。
分かりやすい変更点としてはレクイエム破壊のために突撃させた「ファトゥム-01」からバックパックが変更されている。
その他、コクピットが変更され、細部の形状も変更され頭頂部のトサカのような部位はビーム刃を展開出来るものになった
(先述の差異として挙げたトサカ部はこれが外に出ていた物であるほか、飛行装置もジャスティス弐式のものである。
 と言うか、サプライズ重視で整合性を無視してでもジャスティスの痕跡を消す様に指示した福田監督に対して(結果的に腹筋崩壊に大成功である)、
 大河原邦夫氏のメカデザイナーとしての矜持による最後の抵抗だったらしい。なお流石に監督も「ガンプラでの再現は勘弁してくれ」と言っている)。
なおズゴックのインパクトが強すぎたせいか、人気投票では10位と高順位ながら改修前のインフィニットジャスティスに順位で負けている。
また福田監督のXにて「アメイジングジャスティス」なる機体名(ズゴックの例を見るにキャバリアー装備時のジャスティス?)が唐突に登場し、
特に解説もされなかったため視聴者を大いに混乱させるという珍事があった。

戦闘では相手の持つ読心能力に対して、他人による遠隔操縦に命を預けたり破廉恥な想像で対抗した。
恋人のカガリ「後でシメる」(ボツ台詞)
……アスランの名誉のために言っておくと、敵はそういう奇策を用いざるを得ない程の強敵であり、
かつそのパイロットが所属する組織及び仲間達(アコード:全員読心及び洗脳能力持ち)はかなり悪辣な連中でもあったため、
予告に登場したアスランが険しい顔をしていたのも「連中が悉くアスランの地雷を踏み抜いていたからでは?」と考察されている
(実際、連中の悪辣さは予告映像でいう「闇に落ちろ、キラ・ヤマト!」の台詞が証明している)。
一方でSEED能力は使っていなかったため、力技で倒せなくもないが、アコードを全否定する為に敢えて回りくどい方法を使った、と言う考察も存在する。

あまりのインパクトからか、映画を見た後にSEED系のガンプラの他にシャア専用ズゴックのガンプラも買ってしまうファンもいたとか。
公式サイドも理解しているのか、動員総数130万人突破記念のお祝い動画ではピンクハロの中から某国民的アニメの如くズゴックが出てきたり
劇場版主題歌『FREEDOM』のコラボレーションMVでは「共にふるえたあの感動をもう一度見たくて」の部分がズゴックの登場シーンだったり
『ガンダムブレイカー4』の公式サイトでの作例にジャスティスガンダムのパーツを使ったズゴック(流石に色は青色だったが)があったりと、
色々自重していないのであった。
共にふるえたあの感動は3:19から

なお小説版によると、キャバリアーアイフリッド(大砲とレーダーを搭載した追加装甲。実は『機甲戦記ドラグナー』の「キャバリアー0」のオマージュ
を装備している状態は「アメイジングズゴック」というらしいのだが、
実はビルドファイターズに同名の機体が存在していたりする三代目メイジン・カワグチの機体は全て「アメイジング~」である)。
更には『SEED』シリーズ人気投票でメカ部門において中身のインフィニットジャスティス弐式より上、
どころか歴代アスラン機最高順位の最終4位という好成績を残した。

上述の設定を汲んで、ゲームに登場する際はアッガイ・ゴッグの後継機扱いが多く、
性能面ではそれらに勝るがコストが高い、という設定を成される事が多い。

トレーディングカードアーケードゲーム『ガンダムトライエイジ』には5弾「脅威!水中突破戦」から参戦。
レアカードとして登場。レアカード2枚という特殊な形式での収録となった。
また、この弾のみ水陸両用MSのレアカードは青箔の特別仕様になっている。
バランスの取れた能力を持つ扱いやすい一枚(二枚)となっている。
5弾から戦場に「水中」が登場し、本機を始めとした水陸両用MSが猛威を振るった。
アビリティは攻撃を完全回避した後攻撃を加え、更に水中ステージではダメージアップする「水中反撃」。
後に先攻時に相手の防御効果を無視した攻撃を行い、更に水中ステージではダメージアップする「水中速烈」を持つカードも排出された。
必殺技は「ディープ・トーピドー」。
頭部からミサイルを発射して攻撃する。ハッキリ言って地味。

『戦場の絆』では当初(REV1時)、中距離支援機体として登場していた。
メイン武器はメガ粒子砲ではなく、VLSのように垂直に打ち上げられたのち敵を追尾するロケット砲。
火力や拠点攻撃能力は低いものの、誘導性が高い上に障害物に隠れながら攻撃できる長所を持つ。
回避後を狙っての時間差攻撃や、ロック送りを利用した複数機の攻撃など本機特有の戦術も可能だった。
しかし、原作イメージとの乖離が大きすぎたためか、REV.2以降はメイン武器がメガ粒子砲に変わり、機体カテゴリも近距離機体へ変更。
REV1版シャア専用ズゴックのような格闘型寄りの万能機となった(一方、シャア専用は格闘型機体へと変更された)。
REV3ではシャア専用が再び近距離機体に戻ったものの、こちらはコストが引き下げられ、
耐久力高めで射撃戦が得意な低コスト機という形で棲み分けが行われていた。


格闘ゲームにおけるズゴック

アーケードゲーム『機動戦士ガンダム』と、その続編『機動戦士ガンダム EX REVUE』に量産型とシャア専用機が登場。

『機動戦士ガンダム』では両者の違いは殆ど無かったが、
『EX REVUE』では波動昇龍タメキャラのシャア専用機に対して、量産型は同じタメキャラでも、
  • ←タメ→で、横方向に頭突きで飛び込む「ヘッドアタック」
  • ↓タメ↑で、斜め前方に飛び上がり、クローを下に突き出して降下する「オーバーヘッドクロー」
  • ボタン連打で、クローによる連続パンチ「スクリュークロー」(この技はシャアも所持)
  • ↓↙←で、 ヘッドアタックの姿勢で突撃しながら頭部からミサイルを発射する「ヘッドミサイル」
という、エドモンド本田のような技構成となっている。
ちなみにパイロットの名称はどちらも一般兵となっているが、
顔グラフィックは『機動戦士ガンダム』がカラハ、『EX REVUE』がアカハナのものが使用されている。


MUGENにおける量産型ズゴック

ジオングビグ・ザムの作者であるtaurusac195によるズゴックが、
海外サイト「Gundam Mugen」において公開中である。
技は『機動戦士ガンダム』に準じているようでエドモンド本田のような技は無く、
必殺技はメガ粒子砲と屈して放たれるミサイルのみ。
元ゲームでは対空ミサイルもあったが、搭載していないようだ。
同氏の他のモビルスーツ同様、演出面は『ガンダム・ザ・バトルマスター』仕様になっている。
ライフが3000もあり、超必殺技のbeamblast(メガ粒子砲乱射)は並のキャラが全弾喰らうと10割持っていかれる。

出場大会

  • 「[大会] [ズゴック]」をタグに含むページは1つもありません。

出演ストーリー



最終更新:2024年04月06日 00:00
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