ARX-7 アーバレスト


「教えて欲しいか……
 陣代高校二年四組。出席番号四一番。二学期もゴミ係の──

     ──相良、宗介だっ!!」

  • 全高:8.5m
  • 基本重量:9.8t
  • 最大跳躍高:不明
  • 最大自走速度:不明
  • 最大作戦行動時間:100時間
  • 動力源:パラジウムリアクター(常温核融合炉)、ロス&ハンブルトンAPR2500C
  • 固定武装:AM11 12.7mmチェーンガン×2、XM18 ワイヤーガン×2
  • 基本携帯火器:ボクサー570mm散弾砲、M1108対戦車ダガー、GRAW-2単分子カッター
(1/48 アームスレイブ ARX-7 アーバレスト 説明書&1/48 アームスレイブ ARX-7 アーバレスト&緊急展開ブースター パッケージより引用・改変)

賀東招二のライトノベル『フルメタル・パニック!』シリーズ及び、
それを原作としたアニメ作品に登場したラムダ・ドライバ搭載の最新型アーム・スレイブ(通称AS、所謂人型ロボット兵器)。
AIの名前は「アル」。声優は室園丈裕氏。
パイロットは主人公であるソウスキー・セガール相良宗介(CV: 関智一 )。

「M9 ガーンズバック」の試作機をベースにブラックテクノロジーを投入して製作されている
(ブラックテクノロジー:ウィスパード((未来から)囁かれし者)と呼ばれる人間により作られた未来技術)。
骨格系等にM9とは異なる専用のパーツが用いられているため、作中では予備パーツが不足気味であった。
機動力が高く、ECS(電磁迷彩装置)等の特殊な装備も持ち、強襲や連続技に向いている機体である。
反面戦闘可能な時間がM9よりも短く制限されているため、長期戦は不得手。
実の所を言うと稼働時間のみならず搭載されたブラックテクノロジーのせいで、元となったガーンズバックよりも全般的な性能がやや落ちている。
ただ、ブラックテクノロジー「ラムダ・ドライバ」の効果がそれらの欠点を補って有り余るほど強力である事と、
敵のラムダ・ドライバ搭載機に対抗できるのは同じラムダ・ドライバを搭載したアーバレストのみであるため、原作では縦横無尽の活躍ぶりを見せる。

ラムダ・ドライバとは端的に言えば「搭乗者のイメージ次第でなんでもできるようになる機能」。
言い換えれば「人工固有結界発生器」であり、
作中ではバリア、指鉄砲から衝撃波、重力と慣性を無視して本来なら自立も論外レベルの巨大ASを動かし戦わせる
同様の手段で薄い看板を足場に跳躍する、人質に取られた味方機の寸前でパンチを寸止めして後ろにいた敵機にのみ衝撃波を浴びせる、
といったような効果が確認されている
(なお、パイロット(人間)に似た姿でないと発動しないため、アームスレイブ(人型兵器)以外では使用不可能とされている)。
外部作品だが『スパロボJ』では、
ラムダ・ドライバを搭載したガウルン(宗介のライバル)のASがマジンカイザーのターボスマッシャーパンチを弾き返し、
『スパロボW』でも、ガウルンのASと相対したヒイロのウイングゼロをもってしても、
ゼロシステムに敗北を確定される(この時点ではアーバレストはいない)などラムダ・ドライバの超性能っぷりを示されている。
気合いで敵をぶっとばす!」などという精神論とは無縁の職業軍人思考であった宗介とは当初相性が悪く、最初は思うように機能を発揮できなかった。
にも拘らず、唯一のラムダ・ドライバ搭載機という事で重要な局面を任される事も多かったため
(後付けのTRPGリプレイ作品の存在により、最低でももう1機アーバレストが存在しているが所属部署が別)、
重圧にキレた宗介が思わず、ヒロインの千鳥かなめに溜まりに溜まったストレスを八つ当たり気味にぶちまけてしまい、
泣きながら走り去る彼女の姿を見た同僚に、その事で殴られる事もあった。

長編『つづくオン・マイ・オウン』において、レナード・テスタロッサの手によって完全に破壊されてしまう。
その後、宗介はアーバレストの意志を継承した機体「ARX-8 レーバテイン」を受け取る事となった。

なお、作中では1機しか登場しなかったが、
上記のTRPGリプレイ作品『アンダカヴァ』にて複数機生産されていた事が明らかになっている(この設定は原作者の許可を貰っている)。
『アンダカヴァ』に登場したアーバレスト二号機(セカンド)は、宗介が乗った一号機の一部機構が開発者の死でブラックボックス化したため、
通常のパイロットの他にウィスパードを乗せる事でラムダ・ドライバを起動させる仕様となっている。
そのため二人乗らないと動かない。パイロットはニコ・キャンベルと田中美兎。
その他三号機以降もまた、別仕様で生産されている事が示唆されている。
なお、四号機のみ二号機と同じ仕様だが、四号機はTRPGのシナリオ用であり、その動向に関しては各ゲームマスターの任意とされている
(逆に言うと、二号機の動向(アンダカヴァの内容)は原作サイドからも正史として認められていると言う意味である)。
ちなみにこのリプレイ、原作イラストレーターの四季童子氏と、
原作主要人物であるテレサ・テスタロッサ役のゆかな氏がプレイヤーとして参加するという豪華な事になっている。
まぁ『魔獣戦士ルナ・ヴァルガーRPG』なんて前例もあったし。
(リプレイに原作者が参加しており、プレイヤーキャラ達は後に端役だけど原作にも登場した)。
他にも、声優が何人も参加している事で有名な『主八界シリーズ』や、
原作での声帯の妖精さんが自分の担当キャラクターでプレイした『艦これRPG』の例もある。

+ ゲームでの活躍
+ 『スーパーロボット大戦シリーズ』では
様々なロボットが集うシミュレーションRPGである本シリーズにも、M9やボン太くんと共に参戦。
GBAの『J』で初参戦し、DSの『W』にも登場している。
マジンカイザー真ゲッターロボゴッドガンダムガオガイガーフリーダム天のゼオライマー
ブラックサレナなどと共闘し、デビルガンダムプロヴィデンスガンダム夜天光といった強敵達と対峙する。
最大の特徴はラムダ・ドライバ発動時の火力。最大1.5倍にまで補正がかかり、
Sサイズかつそこそこ程度な数値上の攻撃力からは考えられないようなダメージを出す。
さらにここにリアル系御用達の精神コマンド「魂」(ダメージ2.5倍)まで乗るんだからたまらない。
機体の改造度や宗介の能力次第ではカンストダメージを叩き出すほど。
性能自体はそこそこ高いボン太くんが微妙扱いを受けるのは間違いなくこの一点のためである
(しかもアーバレストには合体攻撃まである)。
ちなみにラムダ・ドライバにはバリアの効果もある。
問題は、ラムダ・ドライバは気力が上昇すると効果が強力になるのに、パイロットの宗介の性格が被弾で気力の下がる「冷静」である事だろうか。
特に『J』ではデフォルト技能に援護防御があるため自分から気力を減らしに行ってしまいかねない
結局、バリアは当てにせず普通に回避すべきという事になる。ラムダ起動で運動性も上がるしね。
また、シリーズを通して射程が短めなのと武器の弾数が少なめなのも弱点となっている。
ちなみに本来は宇宙戦闘を想定した機体ではない(というか原作では陸戦のみ)ため、
スパロボではアポジモーターの増設などの改造がなされているという設定になっている
(『W』によると、一応宇宙戦闘の訓練は受けていたらしい)。

また『W』ではヒロインである千鳥かなめがストーリーに非常に深く関わる事になり、
相対的に宗介とアーバレストの出番も多くなっている。当該作では事実上ヒロインが存在しないに等しいためか、
かなめがかなり重要なポジションを得る事になり、下手したら宗介よりも活躍している。
宗介は宗介で第1部では主にヒイロ、第2部では主にアキトとの交流で成長していく事になる。

『J』ではアニメ第一期のデザインで登場。
『W』ではアニメ第三期の『The Second Raid』までが参戦しているのだが、
戦闘デモ中のデザインは『J』のグラフィックを使い回している関係で一期のもの
(ただし『J』ではアーバレスト(というかボン太くん以外のフルメタ組)の戦闘アニメが不評だったため、『W』ではほぼ一新されている)。
戦闘デモ集(『W』版)
ラムダ・ドライバ発動前(9:20~)
ラムダ・ドライバ発動後(6:18~)

『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』では初の声付きで参戦を果たす。
今回はヒイロの他に、キリコ刹那といった無口主人公達と共演する事になった。
ちなみにキリコは宗介のモチーフとなった人物で、
刹那は中東でテロリストやらされてた経験があるガウルンとキャラ被りまくりの因縁の相手がいると、
宗介と関わりがありそうな連中である
(ついでに刹那にはクルツと同じ声でスナイパーな兄貴分もいる。刹那の因縁の相手と決着を付けたのは彼(の双子の弟)だったりもする)。
性能面について触れると、大まかな性能はJ・Wとは大差は無いが、『J』及び『W』時代に確率回避だったECSが、
「出撃時に精神コマンドの『閃き』(100%回避)・『闘志』(クリティカル率100%)・『突撃』(後述)がかかった状態になる」というものに変更。
ここで一番厄介なのは「突撃」の効果。というのもこの「突撃」、その効果が「全ての武器が移動後に攻撃可能になる」という物。
何せアーバレストの武器は全部移動後の使用が可能となって居るため、突撃の効果が完全な死にスキルになっている。
また、戦闘アニメが(他と比較して)残念な出来である事からガッカリウルズ(ウルズ小隊所属のため)と呼ばれた事も。
さらに後継機であるレーバテインは高威力長射程でありながら移動後の使用が不可能な武装があるものの、
原作再現の一環としてECSが搭載されていないため、こっちはこっちで突撃の恩恵が受けられなくなっている。
ちなみに上官のメリッサ・マオ、同僚(後に上官に昇進)のクルツ・ウェーバーは、このECSの恩恵をフルに受けられる武器ラインナップになっている。

今作から『V』では第三期の『The Second Raid』でのデザインで登場している。


続編の『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』ではアニメシリーズに加えて『フルメタル・パニック!(原作小説版)』が参戦。
アーバレストの継続登場に加え、原作小説における後継機レーバテインが参戦した。
後者に関してはこの作品が初の映像作品出演と前例にない待遇となっている。
ちなみにこのレーバテイン、原作者の賀東氏が「スパロボ参戦したらこんな性能だといいなぁ(意訳)」
なノリで書き綴っているのだが、そのスペックの詳細が
「空適応はAで」「マップ兵器が欲しい」「攻撃力はデフォで5000以上」「移動後射程も5以上」「パーツスロット4つ」など、
後期主人公機としては少々やりすぎ感があるような性能になっている。
そして実際に参戦したこの機体のスペックであるが、
空適応Aは最終決戦仕様で再現、マップ兵器は通常版で所持、攻撃力は初期状態でも5000近く&武器フル改造で最弱武器でも到達する、
射程は強化パーツや精神コマンド「狙撃(1度だけ有射程武器の射程が+2される)」で1マスでも伸ばせば届く、
パーツスロットは流石に2つだがフル改造ボーナス利用で3つまで増やせるなど、原作ファンにも賀東氏にも応えた性能となっている。
問題点があるとすれば、それは武器の装弾数がとにかく少ない事。
メインウェポンも必殺武装も弾数が2~4発しかなく、機体の弾数を増やす技能「Bセーブ」を持たせてもなお足りないという少なさで、
継戦能力は思った以上に低い点が挙げられる。

アーバレストは中盤で原作同様破壊されてしまうのだが、原作と違い失われる事はなく、修理されて引き続き使用ができる。
ただしラムダ・ドライバが失われアルもいなくなってしまうため、弱体化してしまう。
ボン太くんと比べあまり存在意義がなかったためか、次に原作小説版込みで参戦した『V』では普通に全損になっている。

スマホで配信されている『DD』では、名義は記載されていないがアニメ第四期『Invisible Victory』準拠のデザインで登場している。

+ カシム、カシムと……馴れ馴れしいんだよ!クソ野郎!
『フルメタ』が『スパロボ』に参戦するにあたって避けて通れないのが、
作中でも最強最悪のテロリストとして知られ、宗介とも因縁があるガウルンの存在である。
登場作品では大体話数にして1桁の時点で出てくる事に加え、出番の早さに反してパイロット能力と機体性能が序盤のボスとは思えない高さの上、
その登場の早さ故に改造・養成が不十分、精神コマンドも揃ってない状態で対峙することになり、
さらに向こうは精神コマンド全開、敵のターンでは宗介を集中狙いしてくるため、『スパロボ』におけるガウルンは初見殺しの常連と化している。
そのあまりの強さから難易度の低い作品でも壁ボスとなりやすく、原作者の賀東氏ですら「接待してくれ」とまでぼやかれる始末である。

+ 『Another Century's Episode:R』では
様々なロボットが集うハイスピードロボットアクションである本シリーズにも、M9やボン太くんと共に参戦。
アクションゲームで操作できるのは今作品が初である。
ユニットとしての性能は、空中戦主体というゲーム性から想像つくだろうが非常に扱い辛い
飛べない上に、射角の都合から空中の敵を撃つ事ができないため、
空中の敵を攻撃するには回避行動ができない空中に跳ぶしかなく、落下中は的と化す
しかも空中にいる相手に対して格闘攻撃を仕掛けると何故か舞空術状態になる(本機に限らず飛べない機体は皆そうなるが)
当然ボスも飛び回るため攻撃しづらいのに加え、本作オリジナルの敵達は
非常に巨大なメカを操るため、攻撃するには跳ぶか相手を足場として登っていくしかないなどの手間を必要とする。
イベントで使ってたKMF用フロートユニットがゲーム内でも使えれば…

また、今作はどの原作から始めるか選択できるのだが、『フルメタル・パニック!』の導入話が、
  • シリーズ初のチェイスモード(簡易シューティングのようなもの)
  • 単純に死に易い(開幕に来るパンチ1発でライフの半分が消し飛ぶ。それが3発→機銃→ヘリからのミサイルに耐えなければならない)
  • 死んでやり直す時に導入部分のムービーが飛ばせない
という仕様から、多くのユーザーに嘆きの声を挙げさせた。

では、折角参戦したのに踏んだり蹴ったりかというと、全くそうではない。
飛べない分基本性能は高めで、ワイヤーを用いた長距離ジャンプといった独特のシステムも持っている。
また、飛べないと言いつつ空中格闘の移動距離が長く、空中戦ができないわけでもない。
なによりゲージ技のラムダ・ドライバが、一定時間①大幅な守備力上昇②移動速度上昇
③高威力の近接攻撃技や長射程の射撃技が使用可能になる
という高性能っぷりで非常に便利。
さらに終盤になると戦場が宇宙になり、飛べないというハンデすら消えてしまう
ユニットが成長してゲージが貯まりやすい中盤以降は、ラムダ起動→無双→ゲージが溜るので再びラムダ起動、
という事もでき、一部隠し機体などを除けばトップクラスの強さとなる。


MUGENにおけるARX-7 アーバレスト

エルリク氏による『スーパーロボット大戦J』のドットを使用したアーバレストが公開されている。
ECSとラムダ・ドライバも再現されており、非常に完成度が高い。
なお、ECSを使用すると機体が透明になるが、AI対戦が中心のニコニコ動画では当然のごとく意味が無い。
……という訳ではなく、実はECS使用中は殆どの攻撃がガード不能になるため案外使える。
ただし、ECSの使用中はゲージがどんどん減っていくので使用には注意が必要。
AIはデフォルトで搭載されている。
※チーム戦の補正切り無し

黄昏氏により強化改変されたものが公開されている。
殆どの攻撃にステート奪取が追加された他、一部技・動作に無敵が追加されたりボクサーが散弾化したりと性能が上昇、
AIもガン攻めになった上にAI起動時はラムダドライバとECS無制限、かつ時間経過で回復やゲジマシ、ステータス上昇が付与される狂下位クラスになっている。

また、にゃん☆鬼龍氏版泉こなたの超必演出でも、こなた自ら乗り込む形で登場する。
これは、アニメのこなたがスパロボのようなゲーム(のような会話演出)でアーバレストに乗っていたため。
動画で見る機会はこちらの方が多いかもしれない。
+ 参考画像


「まったく……
 カシム、カシムと……。馴れ馴れしいんだ、クソ野郎」
(※ガウルンの部下時代にカシムと名付けられていたため、敵となった後もガウルンがカシムと呼ぶ事に対するもの)

出場大会

凍結
削除済み
非表示

出演ストーリー

MUGEN STORIES INFINITY(相良宗介)
ななやものがたり(相良宗介の戦闘時の姿)


最終更新:2022年01月13日 20:25
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