サラリーマン


謎を解けるか。一億人。

タイトーが1986年に発売した、日本で最も有名な伝説的クソゲー『たけしの挑戦状』の主人公。
とある街に住むしがないサラリーマンであるが、ふとした事で宝の地図を手に入れ、南の島に眠る財宝を探しに行く事になる。
なお、本作には「ポリネシアンキッド 南海の黄金」というサブタイトルが付いているが、
この「ポリネシアンキッド」が主人公の名前なのかどうかは定かではない。

設定だけ見ると一見まともに見えるが、ゲーム内容は色々な意味で斜め上を行っている。
イカレ…もとい、イカした世界観に不条理な設定、ノーヒントではまず解けない謎解きなどから、
所謂「クソゲー」の代名詞と見なされている。
一部ではその出来る事の自由度の高さや、攻略の経緯としては割と正統派だという意見もあり、
クソゲー論を否定している声もあるが、それを加味したとしても、
操作性の悪さ、謎解きに纏わるヒント等の説明不足等、「クソゲー」たる基本を全て押さえているゲームである。

+ この作品について、ごく一部
  • 選択肢次第で、ゲームを始める前にゲームオーバーになる
  • 町中にいる人間は全員攻撃出来る
    • ただし登場するヤクザ警察主婦も問答無用で殴りかかってくる。油断していると、家族に殴り殺される
    • 実は主人公の勤め先が傾きかけの金融業者(サラ金の可能性あり)なので、
      暴力を躊躇しないサラリーマンという反社会的な設定の理由付けがさり気なく出来ている説がある。退職しないと海外に逃げても追ってくる訳である
  • 自宅でゆっくり休めば体力が全回復などというお優しい要素はない。彼にとって、家庭は既に安らぎの場ではないのだ。
    • 体力の回復アイテムは完全にノーヒントの隠れアイテムとなっており、攻略の助けとしては期待出来ない。
    • 普通にプレイして見つけられそうな回復手段は、ひんたぼ島のホテルと高級バーのテキーラ(8000円)だけである。
  • 最低限の必要物を揃えていないと、空港から飛行機に乗ると謎の飛行機事故が起こり問答無用でゲームオーバー。当然ノーヒント。
    • ついでに、家族や職場といったしがらみを断ち切り身辺整理を済ませてないと海外渡航後だろうが問答無用で日本に連れ戻される。
  • 2Pコントローラー付属のマイクを使用してカラオケをする
    • しかも人に話しかける為には2Pコントローラーの付属マイクを使って話しかけるしか方法が無い。
    • 救済処置(新型ファミコンなどマイクが無い場合)として、2Pコントローラーの↓とAボタンを同時に押す事でマイク入力の代わりとなるが、
      裏技扱いで公表されていない。
  • 宝の地図を読めるようにするために、実時間で1時間放置する。
  • 途中からSTGと化す。島への上陸の為には使用機体がハンググライダー以外だと詰む上、難易度が極悪。
    • STG面で一番操作性がいいのはセスナ機なのだが、肝心の着陸が出来ないという恐ろしいトラップになっている。
      便利でも滑走路がないと飛行機なんてこんなものである
    • しかしいつまでも着陸せずにいると赤い国の迎撃機に追い回された挙句、山に激突してゲームオーバー。
  • 宝の島に行く前にある事をしておかないと、苦労が水泡に帰す。というか詰みになる要素が異常に多く、しかも詰んだ事が発覚するのがゲーム後半。
  • 当時はインターネットなどなかった。当然、攻略サイトなど無い。
    • 頼みの綱の攻略本も間違った記述だらけで、苦情が殺到しすぎて「担当者は死にました」と無茶苦茶な回答で逃げる始末。
      後に攻略本の説明をするための本が出版された。
  • 価格は5300円もする。当時の一般的なファミコンゲームの価格は4900円が多く、普通のゲームより少し高い。
  • ただし、ちゃんと箱に「常識があぶない。」(表)とか、「単純なチャレンジゲームと考えたら(中略)クリアーできないだろう。」とか、
    「今までのファミコンソフトと同じレベルでこの作品を考えないでほしい。」
    (裏)と全く嘘偽りなく書いてある。
+ そんな苦労も跳ねのけ、見事EDまで到達!だが…

「えらいっ」

+ こんなはずはない…まだ何かあるはずだ!
5分間放置すると…。

「こんな け゛ーむに まし゛になっちゃって と゛うするの」

ありえん(笑)
スタッフロールすら流れない、ある意味斬新なEDである。
それにしても画像じゃあんな事を言ってるが、マジにならないとクリア出来ないゲームであった。
+ 念のための補足として
こんな風に数多くの不条理な流れや展開で、誰もが(制作監修者のビートたけし氏本人ですら)認める「クソゲー」として、
今なお伝説として語り継がれるタイトルとなったが、これら全ての謎や仕様は、アイディアを提供したビートたけし氏の意図的な設計で、
正に狙って作った仕様という訳であり、タイトル通りゲーマーに対する『たけしの挑戦状』であったと言えよう。
その為、ビートたけし氏も当時の制作状況は殆ど覚えてはいないそうだが、
それを理解した上できちんと「クソゲー」を公言している、という訳である。
テレビ番組『ゲームセンターCX』でのタイトーへのインタビューによれば、
お酒の入ったビートたけし氏のアイディアを当時のスタッフが全てメモし、取り入れた結果らしい。
矛盾するようだが、このゲームのメインプログラマーが自サイトでビートたけし氏と何度も打ち合わせをしたと語っている。
ゲームバランスが崩壊すると言っても耳を貸さなかったそうなので、もしかするとその打ち合わせの席全てでお酒が入っていたのかも知れないが
結局このような理不尽極まるゲームになってしまったのは、一にも二にもゲーム中の説明不足が最も大きく、件のメインプログラマー氏も、
「ビートたけし氏の構想をすべて盛り込もうと思ったら容量が全く足りず、まず詳細な説明から省かざるを得なかった」と自白している。
そもそも、主人公に据えたサラリーマンという存在を「この世の悲哀の体現者」として語り、そんな彼がろくに説明もされず、
理不尽な境遇の中で転げ回る……最初からそうしたゲームとして構想された以上、全ては必然であったのだろう。
詳しくは以下の動画を観ると参考になるかも知れない。

まあ、まともに取り組むとクッソ難しいだけで、大抵の人はデバッグ用の超強い裏技パスワードとか使ってゆるぅく楽しんだ筈である。
「すきすきすき……すきやき」とか「ををを……」とかさ。なお、それを使ってもSTG面の過酷さは何も変わらん模様。

ちなみに、たけし監修第二弾となった『たけしの戦国風雲児』は、前作とは打って変わってバラエティ溢れるボードゲームとなり、
白熱するミニゲームなどもあったりと、非常に出来の良いゲームに仕上がっている。
「うんこかれー」とかレベルによっては絶対に勝てないミニゲームがあったりするが。
ただ、残念ながら知名度は前作の半分も無い。

主人公のグラフィックは『RPGツクール2000』で製作された名作『ダメフロンティア』の主人公「ニート」として使われたので馴染みがある人も多い。


MUGENにおけるサラリーマン

以下の2体が公開されていたが、現在は公開先のサイトが消滅し入手不可となっている。

+ はるを氏製作
  • はるを氏製作
2019年のYahoo!ジオシティーズ終了によりサイトが消滅し、残念ながら現在は正規入手不可。
本人は攻撃できないが、ストライカーとして原作に登場した様々なキャラクターを呼べる。
北海の乱れ熊氏によるボイスも搭載されている。

+ Ayustat氏製作 ポリネシアンキッド
  • Ayustat氏製作 ポリネシアンキッド
現在は入手不可。
こちらは「ポリネシアンキッド」名義で作成されたキャラ。
(ディスプレイネームは異なっているが、衣装が違うだけで同一人物なのでここで紹介)。
こちらではストライカーは呼べないが、パンチに銃、ショットガンに石などを駆使して戦う。
「石」が一方的に飛び道具に打ち勝てるため、遠距離タイプの敵に対して効果的。
また、ジャンプが原作通りの仕様であり、ボタンを押す長さに依存して高さが変わるようになっている。

出場大会

【ポリネシアンキッド】


最終更新:2024年01月20日 20:00