ボイス

キャラクターに役者が吹き込んだ声の事。キャラクターボイス(CV)とも言う。
担当者は各キャラの項目やこちらを参照。

古くは『ストリートファイター』の時代以前から声が出るゲームは存在していたが、
初期の頃はまだキャラクターが「掛け声を発する」程度のものだったこともあり、
開発会社の社員が声優を担当することも珍しく無く
(社員声優キャラとしては溝口誠が有名な他、『GUILTY GEAR』シリーズなどでも開発者が声を担当したキャラがいる)、
ストII』では1キャラに複数の人物が声を当てていたなんて逸話もある。

こと格闘ゲームにおいてキャラクターボイスが演出やキャラクター造形において重要な存在となったのは、
大容量が売りのMVS(マルチビデオシステム、平たく言うとネオジオの業務用筐体)の展開により、
キャラクターが「喋る」域に達した演出を可能にしたSNKによるところが大きい。
試合中だけでなくデモ演出や掛け合いなどでもとにかくキャラがよく喋る『龍虎の拳』、
アイドルめいた人気を博し、格ゲー声優ブームなるものまで巻き起こしたナコルルなど、
当時の同社の急成長の影にはボイスの存在があったと言っても過言ではなく、本格的に声優や俳優が起用され始めたのもこの頃からとなる。
中の人の声のあまりの個性のために、中の人の愛称で呼ばれるキャラもいたりする。

また、格闘ゲームはその形態上、RPGやSLGのような長台詞は必ずしも必要ではないため、
声優の力量如何では一人で複数のキャラクターを違和感無く演じ分けられることも(主に予算面においての)利点と言える。
キャラクターの声優が同じということを利用した声優ネタもたまに見られる。

ゲーム中ではBGM効果音が入り混じるため、キャラクターボイスだけを聞くことは難しいが、
サウンドトラックにボイスが単体で収録されていることが多い他、
家庭用移植版のサウンドテストやオマケ要素などでボツ音声を含めた様々なボイスを聞けるようになっていることもある。
格闘ゲーム最盛期には人気タイトルのドラマCDやアニメ化、
果ては声優が歌うキャラクターイメージソングなどという恐ろしいものもしばしば出されていた。

アフレコの様子(動画は『マヴスト』時のもの)

他、ゲーセンの喧騒のためにボイスが聞き取りにくかったり、難しい台詞を喋っていたり、そもそもの滑舌が悪かったり、声が籠っていたり
動画にした際の録画環境などが原因で、セリフが別のものに聞こえる空耳も格闘ゲームと縁の深い要素である。
この点に関しては当時の収録機材の精度などの問題もあるが、
大抵はPCM音源で発声するための容量を多く取れない当時のROM容量の制限も大きく関わっている。
今でこそメディアの大容量化により非常にクオリティが高く、ハッキリとした音声で聞き取れるのは珍しくないが、
昔のゲームの場合、音声に確保する容量は大抵二の次な感じもあり、
その場合大幅にサンプリングレートと呼ばれる音質のクオリティを下げて容量をとことんまで削って入れることが多かった。

また基板の設計段階で、当時はまだPCM音源チップがそう安価なものではなかったため、
それよりもグレードの落ちるADPCMチップを載せることにより、
安価で音声を出せるようにしてある基板のため、聞き取りづらい原因に繋がっている場合もある
(ADPCMは昔の留守番電話等に使われる非常に安価ながらクオリティはさして求められない程度の性能のため、ハッキリとした音声出力には向いていない)。

+ 格闘ゲームのボイス動画集
ストIII1st(45:50より)
ストIII3rd
CVS2
ニンマス
天外魔境(逆再生)
北斗の拳
北斗の拳(続き)
(番外)ギース・ハワードボイス全集


MUGENにおけるボイス

基本的に元ゲーのドットを使用したキャラクター達は声もそっくりそのまま使用しているが、
製作者オリジナルの新技を追加していたり、オリジナルのイントロを追加している時は前述のボイスミュージアムから使用している場合もある。

+ ボイスパッチについて
元ゲーの無い版権付きキャラなどや諸事情で声優が変更されたり声の既成概念が無かったり
作品を出す度に声優がコロコロ変わるキャラなどの変更前または別メディア出演時の声に変更するボイスパッチの製作も盛んである。
この場合は他作品出演時の声を拾ってくるのだが、アニメから拾っているのでSEやBGMが被ってしまったり
そもそも戦闘向けのボイスが無かったりと、格闘ゲーム用に録音された音声ではないために若干違和感を覚えてしまうこともある。
このような場合同じ声優演じている別のキャラのボイスを流用することも多い。
それでもファンとしては嬉しいし需要は非常に高い。
オマージュキャラの声を元ネタのものに差し替えるなんてのも…

中には、声が変わるために専用の演出が追加されたり特殊イントロが追加・変更されたボイスパッチまであり、
さらにアミバスパイダーマッのように、最初はボイスパッチとして作られていたものが後にキャラ単体で作られたというケースも存在する。

また、海外で製作されたために、英語で喋るキャラの台詞を日本語に直す「吹き替えボイスパッチ」も存在する。
逆に海外では英語ボイスにするパッチが作られていたり。

基本的にボイスパッチは一般公開されることはなく、そのほとんどが期間限定だったり、
ニコニコ専用のアップローダーやボイスパッチ系のスレッド(又は避難所)等の探しにくい場所で公開する場合が多い。
また、一個人で楽しむ場合にはMCMを利用して差し替える事も可能である。

MUGEN動画でも、ボイスパッチを実装したキャラを見かける機会は少ない。
強いて身近なところ(一般公開されてる物)を挙げるなら、
柊・竹・梅氏のうたらじ(後に本体に付属、代理公開された)とフザケルナ!がイロンナ意味で印象に残っているだろう。
AIも付いているため、出番は多い。

他にはrobo氏赤い彗星ボイスのマガキさんだが、こちらはキモい地声の方が人気なせいか、動画では全く見ない。
どちらかと言うと完全にrobo氏ストーリー動画専用のものという認識が強いためだろうか。

そもそも製作者が動画利用における改変やパッチ当てを認めない例も多く、
声も改変行為という事で許していないキャラが多いため、個人で楽しむ以外は聞く機会は無いと言える。

なお、製作者が一番多いのはこの方だろう。
ストーリーと共に製作してる人もいる。
cvゆかな
cv桑島法子
(まだまだ試作段階のようであり、今後も更新されていくとの事)

オリジナルキャラクターや声の無いキャラ、ネット上で有名なキャラなどは、
他作品のボイスを流用したり、製作者自らが声を吹き込んでいたりネット声優が声を吹き込んでいることがある。
中でも本多未季女史は演じ、
CV募集に応募して自ら声を当てたりと、(製作者兼声優の狸田太一氏を除けば)恐らくMUGENに最も精通している声優かと思われる。
+ 一覧
偽あてな
ネージュ
モノ
ナイア
ヴェスペル

このキャラなんかはまったく関係のない作品から声を使っているのにかなりハマっているという稀有な例だろう。
……海外の方が製作した日本産の格ゲーボイスを使用したオリジナルキャラの場合は日本語が合っていないキャラも多いが、
そこは海外製作者だからしょうがない

余談だが、ゆっくりのボイスに合成音声アプリケーション「SofTalk」のものを当てるのは、実はMUGENから発したネタである。
基本的にニコニコMUGEN独自の文化は外部に持ち出さない事が推奨されているが、
これ(及び「あーあ、出会っちまったか」)に関しては完全に一般化し、現在はニコ動どころかネット全体でもゆっくりの声と認知されている。
また、トーナメントのルール説明などの読み上げにこのソフトを使用する手法も見受けられる。


最終更新:2023年06月10日 10:41