太田香奈子


「くすくすくす・・・うふ、うふふ・・・
 あは、あははははははは・・・」

Leafが1996年に発売した18禁ゲーム『雫』の登場人物。「おおた かなこ」。DVDリメイク版ゲームでのCVは今井かおる女史。
また、渡辺製作所の同人格闘ゲーム『Queen of Heart'99』(以下『QOH』)にも出演している。
読みは同じだが「神奈子」ではないので注意されたし。

主人公の長瀬祐介のクラスメイトであり、副生徒会長を務める女子高生。
真面目な性格の優等生だった彼女が、或る日の授業中にいきなり大声で卑猥な言葉を連呼し
自ら顔をズタズタに掻き毟って発狂、病院に担ぎ込まれるという衝撃的なプロローグから『雫』の物語は幕を開ける。
7:41~

+ 以下、原作ネタバレ
彼女の発狂は、同作メインヒロイン・月島瑠璃子の兄であるラスボス・月島拓也の悪しき超能力「毒電波」によって引き起こされたもの。
そのため、精神を破壊された挙句中ボスとして祐介と瑠璃子の前に立ちはだかることになる。
この状態の彼女は痛みを全く感じず筋力のリミッターまで取っ払われていて、おまけに倫理観も無くなっているまるでアメコミの悪役だ
また、発狂時の言動が極めてアレなことでも有名。

このシーンの描写のせいで、「頭に包帯を巻いて消火器を振り回す」というのがデフォルトの姿と認定されてしまった。
ヒロインの一人・藍原瑞穂とは親友の間柄だが、それがために瑞穂もまた月島拓也の引き起こした狂乱の宴に巻き込まれ、
香奈子は彼女を手に掛けるのだった。
しかし、瑞穂のルートでは精神を侵されながらも彼女の身を案じる香奈子の優しさが垣間見えるシーンもある。

「…ミズホ…ゴメン…ネ…ミズホ…ゴメン…ネ…。」

このように物語早々に発狂・退場してしまうサブキャラクターだが、おまけシナリオでは彼女がヒロインを務めるシナリオもある。
そちらでは発狂前の香奈子が活躍しており、何気に人気も高い。

ちなみに、同社が発売したファン感謝ディスク『初音のないしょ!』に収録された、
『LFTCG』や『QOH』の原典とも言うべき作品『LeafFight'97』では、発狂前の普通の太田さんが登場。
ストーリー序盤では若干おかしくなっているものの、正気に戻してやると
以降は発狂することもなく最後まで味方パーティの一員として正常に行動する。
…が、性格と言動こそ平時の副会長らしさが見られるものの、手加減無しの拳で男性キャラをブン殴ったり、
器(原文ママ)で悪魔のような外見の敵モンスター・ラルヴァを撲殺したりと、やってることはいつもの香奈子だった。
その言動も実は元々キツめだったようなので、発狂時の暴力行為も半分くらいは素だっんじゃないの?とファンからイジられる羽目に。
まあ、『雫』本編でも、瑞穂の回想で結構な漢っぷりが語られているあたり、そう遠い姿ではないのかもしれないが。

「言うわねバカのくせに。 」

こんな何かと豪快なキャラクターなのだが、原作で見せた瑞穂への優しさ、
『LeafFight'97』において実はツンデレの気も少しだけかいま見せる台詞があったりなど、
そういったギャップと優しさが溢れる性格で、実は密かにファンもそれなりにいたりする。
当作品の二次創作でも、そう言った面を描く物が多いので、割と隠れた功労者的な位置づけのキャラである。


『Queen of Heart』における性能

Queen of Heart'99』では、原作通り頭に包帯を巻いた姿である。
痛みを感じない体と筋力の限界を超えたパワー、そして常軌を逸した技で戦う。
元々は原作で親友だったヒロインの藍原瑞穂が操るスタンド的な存在であり、単体版は隠しキャラとして存在する。
本体の藍原瑞穂は、移動速度と通常技の発生は早いがリーチが短く攻撃力も低いという「瑞穂はオマケ」と言わんばかりのガッカリ性能だが、
必殺技で画面内にいる香奈子を使って攻撃させたり、香奈子と操作を切り替えて戦うという癖の強いキャラクターになっていた。
隠しキャラとして香奈子が使えるようになると、ほとんどの使い手がスーパーアーマーの使い勝手が良い単体版を選ぶことに。
なお、隠しキャラとして藍原瑞穂単体も使用可能だった。

香奈子個人の性能を一言で言うなら、攻撃力が高くてスピードが遅いパワーキャラである。
あまりのパワーのため、通常技を含むほとんどの技に削りダメージがついている。どこのボスだよ。
もう少し具体的に、どれくらい高火力か述べるならば、たった1ゲージ使用のフルコン1回で7割減ると言えば十分だろう。

しかし、ただのパワーファイターというわけではなく、その実態は物凄く極端で、ダイヤグラムが意味を成さないレベルになっている。
ゲーム中最高の攻撃力に加え、スーパーアーマー通常技の時点から付く
技の発生はやや遅いものの、攻撃判定は総じて強力であり、カチ合えば最低でも相打ちは取れる。
さらに、攻撃相殺がシステムの主軸の一つであるこの『QOH』では、中攻撃以上の攻撃判定には相殺判定が付随するのがスタンダードなのだが、
香奈子は攻撃判定と相殺判定が同時に発生する技を持たず、相殺されることはあっても自分から相殺する気が全くない
(一応、相殺判定のみの部分は全技中2ヶ所だけ存在する)。
このため、「相手の攻撃に攻撃を被せて相打ち狙い」という戦い方がメインになる。
アーマー効果発動時には白いフラッシュが発生し戦法上これがよく出るのだが、クリティカル発生時にも(色違いの)フラッシュが発生するため
「香奈子使いに最も必要なものはフラッシュに怯まない度胸」と言われることもある。

逆にコンボには乏しく、空中コンボが強いこのゲームにあって特にエリアルのバリエーションが少ない。
原因はジャンプ大攻撃にあり、空中技の癖に「ヒットすると相手を転ばせる」というこのゲームでは非常識な性能であることによる。
このため、打点をかなり低く当てない限りは空中始動のエリアルは不可能である。
その上、空中では弱攻撃ですらチェーン不可能なのでそもそも選択肢が少ない。
おまけに地上ではダントツでスピードが遅い。柏木梓とすらほぼダブルスコアトップとは実に5倍以上の差があるという死にっぷりである。
しかもダッシュしようとすると倒れ、さらにバックステップしても転ぶ。これで攻撃を避けることもできるが、通常の用途には全く適さない。
したがって、移動手段は突進技である「抱擁および噛みつき」とジャンプが基本
(ダッシュを入力後、転倒する前にジャンプを入力することで慣性を乗せたジャンプは可能)。
また、飛び道具も持っていないため、セリオのような遠距離戦が得意な相手には苦しい戦いを強いられる。
ガード崩しも弱く、空中ガード不能の技すら無い(ちなみに空中ガード不能の技を持たないのは香奈子と瑞穂のみ)ので、
真っ当な攻め方ではチャンスが巡ってこない。
スーパーアーマーやガードキャンセルのおかげで詰みにはならないがせめてもの救いか。

ちなみに、香奈子は座高がかなり高い。むしろ立ちもしゃがみも喰らい判定は変わらない。ガード中は頭部分の判定が消えるので少し下がるが。
しかしこれは一概に欠点と言うわけでもなく、立ち状態としゃがみ状態の見た目があまりに似ているため、
ぱっと見では立っているんだか座ってるんだか分からない。
故に、2択でごりごりガードを崩すのが主戦法であるあかりなどにはスーパーアーマーも相まって強い。
反面、座高が高いとは即ちセリオの「怪光線」をしゃがんで避けられないということなので、セリオとの相性の悪さに一役買ってしまっている。

超必殺技の「表現および説明不可能な行為」は突進後周囲をモザイクで覆ってから相手に何かをする技。
具体的に何をしているのかは不明。18禁的な行為だと思われるが、どっちの意味でも不明。
ちなみに瑞穂の操る?香奈子では通常の3ゲージの他にも9ゲージ使用で相手を掴んだ後に服を脱ぐ(威力は変化無し)技がある。
もちろん何をしているかは分からない。
性能自体は極めて良好(発生が早く、移動中完全無敵のロック技でコンボ補正無視)なのだが、
攻撃力の高さゆえに大抵は3ゲージ貯まる前に試合が終わる。9ゲージなんて夢のまた夢である。

2on2では、ほぼ全ての動作にスーパーアーマーがあるため非常に強力な割り込み要員になれる。
特に香奈子2人で組んだチームは一部で「バイオハザード」と呼ばれ脅威とされた。
このチーム最大のポイントは「抱擁および噛みつき」ヒット時。この技の動作中は相手のくらい判定が残っているため、味方が追撃することが可能。
しかも噛み付いている香奈子は攻撃中は投げ以外効かないので、密着しないとカットできないのだ。
ここにもう一人の香奈子が大攻撃中心に追撃を加えると、噛み付き1回で6~7割という凄まじいダメージを叩き出す。
その代償として、スーパーアーマー故に気付いたら2人とも瀕死という状況も起きやすく、「殺られる前に殺れ」を地で行く戦いが常に繰り広げられる。
ダメージレースが凄まじい勢いで加速するので、やっているプレイヤーは4人とも生きた心地がしないだろう(特に香奈子じゃない方の2人)。
参考動画


「ねえ、どうしてみんな我慢できるの?」


MUGENにおける太田香奈子

+ maruta氏製作 『Queen of Heart'99』仕様
  • maruta氏製作 『Queen of Heart'99』仕様
完成度は95%とのことであるが、全ての技が搭載されており使う分には問題は無い。
また、どう見てもQな超必殺技「腹部及び後頭部への致命的打撃」が搭載されており、「説明及び表現不可能な攻撃」は即死攻撃になっている。
完全な原作再現にはなっておらず、コンボルートには『ヴァンパイア』シリーズのものが使用されている。
まあ、ほとんどコンボができない彼女にはあまり関係ない話であるが。
現在は公開サイト消失により公開停止。

流れ者氏によるAI製作動画。
本体製作者と連絡が付かないとのことで公開はされていないが、
貴重な戦闘動画。

+ 流れ者氏製作 『Queen of Heart'99(SE)』仕様
  • 流れ者氏製作 『Queen of Heart'99(SE)』仕様
こちらは原作再現を目指しているとのことで、おおよその要素は搭載されている。
アーマー成立時のフラッシュ演出やクリティカル発生時の星、パワーゲージや勝利メッセージも搭載されており、こちらも高い完成度を誇る。
また7P以降はアレンジモードとなっており、本来瑞穂とのタッグ限定である9ゲージ技やオリジナルの打ち上げから1F限定追加入力の大打撃技が追加される。
さらに原作再現的な技として超必殺技3種もしくは9ゲージ技を当てた後に瑞穂の召喚が可能になる。
召喚された瑞穂は香奈子について回るだけで何もしないが、攻撃を食らうとダウン。
それに反応し香奈子が超ダメージを与えるという流れで、原作のオルゴール曲が流れたりと非常に凝った技となっている。
ちなみににこれで試合を決めると特殊な勝利演出が入る。
3ゲージ技でさえロマン技といわれる当作品において、
合計で最低でも5ゲージ必要とするこの技は実戦で決めるのは限りなく困難であるが、香奈子や瑞穂のファンは是非一度見てみよう。

そしてこちらの香奈子は何故か、中ポートレイトがデフォルトで異様に充実している。
色々なライフバーに対応するように各種形式が収録されているので、自分のライフバーに合った物を使おう。
デフォルトAIは未搭載。だが、悠季氏とホルン氏によって外部AIが公開されている。
どちらのAIもアレンジモードにも対応しており、上記オリジナル技の成功率も設定可能となっている。

悠季氏のAIは試合開始前に相手の目の前まで歩いていくのが特徴。
また、試合中の接近にはダッシュジャンプや「抱擁および噛みつき」、「消火器の致命的打撃」辺りを使用する。
ホルン氏のAIと違い、こちらは転倒はしてこない。
原作同様に相手を浮かせた後に屈弱Pをスカして超必殺技へキャンセルするコンボも使用してくる。

ホルン氏のAIは(バック)ダッシュによる転倒をそれなりに使用するのが特徴。
転倒による無敵時間を利用して攻撃を回避してくる。
接近にはひたすら歩きを使用し、ガードされた際の隙が大きめな「消火器の致命的打撃」はあまり使わない。

何気に謎ジャムも対応しているのだが…?
10:15~

出場大会

削除済み
更新停止中


おすすめコンボ(流れ者氏の香奈子の場合)

レシピ 備考
弱×2>中>強>2強or表現および説明不可能な攻撃 基本コンボ。始動技の弱は下段技の2弱でも代用可能(発生は弱のほうが早い)。
弱×2>中>強>2中>J中>JC>J強 応用コンボ。エリアルの入力のタイミングは少し慣れが必要。相手によってはJ中をJ弱に変えたほうが良いことも。
J強>2中>J中>JC>J強 飛び込み始動のコンボ。J弱やJ中のほうが地上コンボへつなげられてハイリターンなので、あまり使う機会は無い?
D中>J中>JC>J強 D中の入力も含め、意外とシビア。
抱擁および噛み付き>2中>J中>JC>J強 移動技代わり、もしくはガードキャンセルの抱擁および噛み付きが偶然ヒットした場合のコンボ。EXは補正の関係で追撃できないので、弱か中で狙おう。


最終更新:2021年08月26日 03:22